窪田恭史のリサイクルライフ

古着を扱う横浜の襤褸(ぼろ)屋さんのブログ。日記、繊維リサイクルの歴史、ウエスものがたり、リサイクル軍手、趣味の話など。

結局、ダメなのはどちらか?

2021年07月19日 | その他


 7月16日、某金融機関の若手経営者の会「滴水会」の勉強会に参加してきました。コロナ禍で活動自体ままならない中、久しぶりの開催です。全てではありませんが、当ブログでも過去の勉強会のレポートをいくつか挙げておりますので、宜しければご覧ください。

【過去の滴水会勉強会レポートはこちら】
5回目のドラマチック・コミュニケーション
何故、遭難事故は起きたのか
ドラッカーと創造的手法
久し振りの「姿勢塾」
久しぶりに「ボーナンザ」をやりました



 さて、今回の講師は、NANASE株式会社の石田七瀬様。自ら現場に入り、伴走しながら中小企業の現場改善、コスト削減、社員の意識行動変容を得意としていらっしゃいます。今回のテーマは、「ダメ社員からの変身!関わり方ひとつで変わる、ウソのようなホントの話」。「〇〇規格」や「△△式」の導入をお手伝いするのではないとおっしゃる石田さんの、現場人間に響く生々しいお話しを伺うことができました。

 一口に「ダメ」と言っても様々だと思いますが、まずは受講者自らが考える、いわゆる「ダメ社員」と呼ばれる人たちを具体的にイメージし、彼らが変容したとすれば何がどう変わると思うかを書き出しました。

 続いて、石田さんが実際に携わった事例をふたつ。

事例1:どこにいっても「使えない!」とたらい回しになったA君の話。
事例2:理不尽な異動にあったBさんの話。

 どちらの事例にも共通していたのは、「その人に対する見方、関わり方」を変えたこと。その結果、ミスが多い、職場からいなくなる、お客さんの前で寝る、モノをなくす、人のせいにする、挨拶ができない、メモを取らない、とったとしても行動に結びつかないといった、いわゆる「問題児」が最終的に現場の整理整頓を自ら行い、棚卸効率を著しく改善する社員にまでA君は変わりました。Bさんの場合も、大手での経験は豊富でしたが、購買という彼から見た「裏仕事」に回されて腐っていたのが、その製造現場で培った「段取り力」に着目し、それを活かすことによって購買部の工数が大幅にダウンするという結果となりました。

 大事なのは、A君、Bさんが変わる以前に、接する側の見方、関わり方が変わった(あるいは、変えた)という点です。つまり、まず変えなければならないのは問題があるとされる当事者ではなく、関わっている側ということになるのではないでしょうか?以下は、関わり方を変える上で前提となるポイント(見方)です。

1.考え方、捉え方は人それぞれ違う
2.まずは相手を知ることから始める
3.知った上で、関わり方を考える
4.自分から変わる
5.得意な事で何をするかを考える
6.褒めてばかりもダメ。ただし叱る時はポジティブなことに挟んで伝える
7.一人で悩まない

 これらに「当事者のココを変える」といったことは一つも出てきません。つまり、ダメだったのは自分の側だったという点に気づく、経営者の意識改革こそが今回のお話しの肝であったように感じました。そして変化を生むには小さなステップから少しずつ影響の輪を広げ、その過程を楽しむことが大切だそうです。別の事例では、3人しか社員がいないのに、その3人がみな仲が悪いという会社が取り上げられました。しかし、そんな彼らも第三者から認めてもらうことによって、何と2回目のセッションで互いに教え合うようになったそうです。今回はいずれも実際に現場で起きた生のお話しでしたが、細かいところでは石田さんの具体的な声掛けの仕方、承認の仕方など、やっぱり上手だなと感心させられました。こちらも少しずつ見習いたいものです。石田先生、ありがとうございました!

 滴水会としては久しぶりのリアル研修となりましたが、参加された皆さんには非常に好評でした。以前のような密に交流できる日が早く来るといいですね。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 経営者のためのSNS活用術-第... | トップ | 第2回「利他メソッド」無料勉... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

その他」カテゴリの最新記事