窪田恭史のリサイクルライフ

古着を扱う横浜の襤褸(ぼろ)屋さんのブログ。日記、繊維リサイクルの歴史、ウエスものがたり、リサイクル軍手、趣味の話など。

たねや本店

2007年11月20日 | その他
9日は奈良のお客さんを訪問した後、「たねや」さんに行くため滋賀の近江八幡へ向かいました。しかし近江八幡駅に着いたときはすでに5時。この日の内に「たねや日牟禮の舎」を見て帰るのは不可能と判断しぶーめらん通りのビジネスホテルに一泊することにしました。
地図を見てホテルの近くにはたねやの本店があるのを知り、閉店までのわずかな時間を利用して訪問してきました。
 思いのほかモダンな本店の2階は茶房になっています。入口にあるメニューの脇には実のついた柿の枝が壷に生けてありました。本で読んだとおり季節感を感じさせる演出です。女性店員の応対の良さは勿論のことなのですが、印象に残ったのはお帰りになるお客さんがみなとても楽しそうな顔をして店員さんに挨拶をして帰っていく光景でした。

 おしゃれな店内の奥には江戸時代から使われてきた和菓子の型が展示してありお菓子の博物館さながら。明後日お茶会があることもあってか無意識のうちに煎茶と小豆・抹茶のシフォンケーキを注文していました。シフォンケーキは甘さ控えめで、これを家に持って帰ることができないのが非常に残念でした。そして出てきた煎茶が写真の通り。これだけでもお茶会に呼ばれたときのような演出ですよね。伝票挿しに至るまでおしゃれです。

 1階の店内には入りませんでしたが、外からガラス越しにお菓子を作っているところを覗くことができます。今年話題を呼んだ「クリスピークリームドーナツ」もお店でドーナツの製造工程を見られるそうですが、こういうのは子供たちにとっては楽しいでしょうね。我々故繊維業界も古着の選別工程や梱包している様子を外から眺められるようにしたら面白いかもしれません。

 本店は想像した通り、たねやの理念が浸透していることを感じさせるお店でした。今回何故たねやに関心を持ったのかと言えば、トップの思いをどうすれば最前線の社員にまで浸透させることができるのか、その点に興味があったのです。まだその明確な答えは分かりませんが、直感的に思うのは社員の意識改革を期待する以前に自分がもっと仕事に対する思いを表現することに徹しなければならないのではないかと言うこと、「行ないて得ざるところあれば諸を己に反り求む」(『白鹿洞院掲示』)という姿勢を忘れないようにする必要があると言うことです。

*お客様の視点に立つということは、コンセプトや思想を具体化したものをどうすれば理解していただけるかという努力のことである。
『たねやのあんこ』p.39一部改

たねやのあんこ―二世経営者に捧げる一〇〇の小言
山本 徳次
毎日新聞社

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  繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした

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