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窪田恭史のリサイクルライフ

古着を扱う横浜の襤褸(ぼろ)屋さんのブログ。日記、繊維リサイクルの歴史、ウエスものがたり、リサイクル軍手、趣味の話など。

未知なるネイルの世界-第75回YMS

2016年09月16日 | YMS情報


  全く関心のなかった世界に触れることは、ひょっとすると僕個人にとって最もワクワクする体験なのかもしれません。9月14日、mass×mass関内フューチャーセンターで行われた第75回YMS(ヨコハマ・マネージャーズ・セミナー)はまさにそのような体験でした。

  講師は2年前からYMSにもお越しいただいている鎌田みゆき様、テーマは『美しくなれるネイルアートやネイルケアの基本』でした。そう、恐らくこの日参加した女性にとっては基本、男性にとっては新鮮な知識、そして僕にとっては気づきもしなかった世界。

  そんな僕でも爪に絵を描いたり、付け爪をしたりする女性がいることは知っているのですが、最近では身だしなみの一つとしてネイルをする男性も増えてきているようです。不潔な爪は論外として、特に小指の爪だけ伸ばしている男性に嫌悪感を抱く女性は多いのだそうです。ただの切り忘れという事もあるでしょうに、良く見ているのですね。

  ネイルアートはその行為自体ストレス解消になるようなのですが、例えば高齢化社会にあって爪を切ることができないお年寄りのケアをしたり、ストレスによる噛み爪の癖を止めさせるリハビリに、スカルプチュアネイル(人工爪)を使用したりと、その活躍の場はお洒落を超えて幅広いようです。



  さて、日本におけるネイルの歴史を遡ると、飛鳥時代に顔料の一つであった赤錆を儀式的意味で口元や爪に塗る風習があったようです。その後平安時代になると、ホウセンカ(爪紅)とホオズキで爪を赤く染める風習が貴族から遊女に広まりました。それから下って江戸時代、中国から紅花が入ってきて、爪紅と紅花を混ぜたものを口紅や爪に使用していたようです。明治になると、フランスから磨爪術(まそうじゅつ)と呼ばれるネイルの技術が入ってきて、フレンチルックと呼ばれるナチュラルカラーを基本としたネイルが昭和以降広まりました。

  ネイルというと、爪をカラフルに染めるイメージがありますが、それはここ30年位の事で、現在でも基本は赤とピンクなのだそうです。赤はその人の血色を良く見せ、興奮を喚起する色でもあるので色気がでます。色彩心理の観点から見ても赤は生命力を意味する色ですが、この赤への執着は人類史に共通して見られる現象のようです。

  化粧の始まりとされるのは古代エジプトで、ミイラの爪は朱色に染められていました。これは魔術の一種と考えられています。また、ギリシャ・ローマ時代でも上流階級の化粧としてやはり赤への執着が見られました。そこで思い出したのですが、子供の頃読んだ本にもクロマニョン人の埋葬地から赤い土や赤く塗られた人骨が発見されたと書かれていました。

  次に、主なネイルのトラブルについて。

1.グリーンネイル(緑膿菌感染症)
原因:免疫力の低下など
対処法:感染中はジェルネイルをやめる

2.爪の横溝
原因:栄養失調・過剰なダイエット
対処法:栄養を摂る、保湿ケア

3.爪の縦筋
原因:主に老化と乾燥
対処法:特に爪の根元を保湿

なお保湿には爪用のオイルを使うそうです(1日5回)。



  その後、様々な種類のネイルの紹介があり、いよいよネイルを体験してみようということになりました。マニキュアなどを塗らなくても、丁寧に生皮を取り磨くだけでおじさんの爪が見違えるようにピカピカに。しかも爪という身体の極々小さな部分であるのに、こんなにも目立ち、印象が良くなるとは!「身だしなみとしてのネイル」の意味が少しわかった気がしました。



  僕もマニキュアとジェルネイルを初体験。ジェルネイルは爪の表面にジェルを塗り、紫外線を当てると固まります。マニキュアは除光液で落とせるのですが、ジェルネイルは除光液では落ちません。



  というわけで、左手の青い方はこのブログ執筆時点でまだ僕の指に残っています。趣味ではないので悪しからず…。
 
  最後になりますが、今回の記事に掲載した写真は写真家永田知之さんからご提供いただいたものです。その永田さんには、次回10月12日の第76回YMSに講師としてお越しいただく予定です。お楽しみに!

過去のセミナーレポートはこちら。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
コメント
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