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ミャンマーゲーム③

2017年11月26日 | Weblog

【騙す】

ヤンゴン3日目。今朝もホテルで朝食、6:30開始時刻ジャストに行くと、昨日よりも準備の状況が芳しくなく、麺類が1種類あるのみ。今日は出発時間が迫っており、出てくる料理を待てないため、仕方なくこれだけで朝食を済ませる。のんびりした国なんだな、と改めて実感。
ヤンゴン中央駅まで歩いて約30分弱、7:30すぎに着いた。8:00発のバゴー方面行き電車に乗る。10分ほど前に入線してきて、電車に乗り込む。出発時間は一応正確、とガイドブックに書かれていたが、結局10分遅れで出発した。普通車両なので、木製の椅子のボックスシート。進行方向窓側だったからまだマシか。冷房はなく、窓(ついでにドアも)を開け放し進んでいく。てほぼ満席の車内で、ぼやっと外の景色をみて過ごす。そこまでスピードは出ていないが、路面が悪いためかガタンゴトンと頑張って走っていることはよく伝わる。ところどころ、パヤー(仏塔)が見えるのが何ともミャンマーらしい。途中駅に止まると、物売りの人がダダダ、っと乗り込んできていろいろ叫んでは降りていく。

到着予定時刻は10時だが、9:50頃に電車は減速し、駅に着く雰囲気。困ったことに、車内放送や車内表示はなく、さらには駅に表示もない。仕方なく窓から顔をだし、何か表示がないか探す。と、線路脇の小屋にスプレーで「Bago」と落書きのような表示。本当に単なる落書きだったら困るので、目の前のお兄さんに「Bago?」と聞くと、そうだと言う。一日の本数が数本しかなく、ミスは許されないので、念のためにホームにいた人にも「Bago?」と聞くとやはり正解。電車を降りるのも一苦労である。

駅舎を出ると、ガイドブックの情報通り雑多な雰囲気。早速バイクタクシーのおじさんに絡まれる。いつものように目を合わさず無視をし続けても、なおもずっと一緒についてくる。この電車から降りてきた外国人は自分ともう一組くらいで、商売相手が限られているからだろう。ヤンゴンまでのバスチケットを先に手配するため、それを扱っているという喫茶店に入ると、そこら辺からピックアップトラックがたくさん出ているから、それに乗れという。「いや、大きなバスに乗りたいのだ」と主張すると、2キロほど離れたバスステーションに直接行けという。んー、ここはガイドブックとは少し内容が違うが、仕方ない。後で行ってみるか。さて、これからどうしよう、と思う私の隣には、まだバイクタクシーのおじさん。喫茶店でのやりとりも全部聞いていたのだ。
実際、Bagoの観光地は少し離れていて、足が必要であるため、とりあえず値段を聞いてみると「up to you」との返答。これが一番怖い、と思い、とりあえず観光地を1か所だけ回りたい、あとはバスステーションへ、それで4,000チャット(350円くらい)でどうだ、というと交渉成立。気づいてみると、私はバイクに人生で初めて乗ったかもしれない。しかもノーヘルで。10分ほどでシュエモードーパヤーへ行く。昨日訪れたヤンゴンのシュエダゴンパヤーよりも高いというが、確かに立派なパヤーであった。

バイクタクシーのおじさんは入口で待っていてくれたが、せっかくだからほかの観光地も見て行けという。ここで買ったチケットは共通券になっており、13時にバスステーションに行くにはまだ早いから、と。じゃあ、プラス2,000チャットだすから、そうしてくれ、というと「任せておけ」。
予定外であったが、チャカッワイン僧院、シュエダーノヤワン寝仏、マハーゼディパヤー、チャイプーンパヤーを見て回る。一応各地でさっとした案内をしてくれるし、写真も撮ってくれるし、頼れるバイクタクシーであった。

そして、道端に神奈中バスが止まっていたので、「これこれ、自分の街を走っていたから、止めてくれ」とお願いし、写真を撮る。その後、江ノ電バスもいたので、「これもか?」ときちんと停車してくれる。ほかのバスはスルーしていたので、おそらく神奈中と江ノ電を混同したのだろう。たしかにオレンジ系で似ているので、ミャンマー人に見分けろ、と言うのは酷かもしれない。まあ同じ小田急グループだし、あながち間違いではない。それに江ノ電の5Eの車両も、私にはやはり魅力的であった。

さて、観光も終わり、バスステーションに向かうはずだったが、なんだか様子がおかしい。逆側を走るマイクロバスを止めようとする。止めることはできなかったが、途中の路上で降ろされてしまう。「バスステーションへ」と言っても、ここから乗れという。隣にはマイクロバスが止まっていて、ヤンゴン行きらしい。「(さっきの喫茶店で何を聞いていた)私は大きなバスに乗りたいんだ」と言っても聞かない。まあ、仕方ないか、と思い、精算しようとすると、「20,000チャット(約1,900円)」だという。ん?ここまでの話だと、up to you⇒4,000⇒+2,000して6,000のはずだが、と抗議すると、4,000×5か所の観光地で20,000だという。いや、聞いておらんがな。勝手に観光しようといったのはお前だろう、と払うのをためらったが、あちらも譲らない。これだから絡んでくる奴は嫌なんだよな・・・と思いながらも、まあ親切にいろんなところへ連れて行ってくれたし、そこまで損しているわけではないし、と思い渋々払うことに。後程ガイドブックで相場を再度調べると、バイクタクシー10,000チャット~となっていたから、法外な値段でもなかったのかもしれない。

ミニバスに乗り込み、集金されたのは1,000チャット。85円でヤンゴンへ戻ることに。ヤンゴンといっても、本当の行き先は本来バスステーションから”大きなバス”で着く予定であったアウンミンガラーバスステーション。このミニバスはそこには行かず、乗換が必要だと最初に案内されていた。1時間ほど走ったところで車掌に前の席に移動させられる。そして大きな交差点で信号待ちしている際に、ここで降りろ、と。え、ここが乗換ポイント?と思っていると、その車掌がきちんとバイクタクシーを呼び寄せていてくれていた。そこから約5分でアウンミンガラーに着くことができた。

【愛す】

昨日のダゴンに続いてのバスステーション。ここにもたくさんのバスが集まっていた。ヨーロッパのSCANIAや韓国、中国の車両に交じって、日本の中古車。やはり塗装はそのままで、JRバス東北や三重交通、川崎鶴見臨港バス、東京空港交通など。ずらーっと100台以上が一堂に会しており、ついに私は楽園に来たのだな、と。1台1台ゆっくりと眺めていく。羽後交通の車両もいて、まじまじと見つめていると、トランクルームで休んでいたおじさんが、これは日本のバスであっちが中国、韓国、と教えてくれる。やはり日本のバスはよく走るのか?と聞いてみると、ドライバーはどこかで寝ている、と。お前は一体何者だったんだ・・・。このバスのほかにもトランクルームを開けて何人かが休んでいたりする。車掌とかバス事務所の人とかなのだろう。
一通り見終えて、ヤンゴン中心地・スーレーに戻ることに。本当はバスで戻りたかったが、なかなかやってこないので、スーレーと叫ぶ女性のいるミニバンに乗ることに。この女性は車掌で、出発すると停留所ごとに「スーレー」と叫び、乗客を呼び込んでいく。一生懸命叫ぶその姿が、なぜかとても魅力的に私には映った。少し停留所の間隔があくと、おもむろにハリボーみたいなものを食べたりする。停留所に近づくと、また「スーレー」。誰も乗らなかったときはなんとなくさびしそうに「スーレー」と声が小さくなるのがまた愛おしい。もう少しで好きになってしまうところであったな。
1時間ほどでスーレーに到着し、いったんホテルへ。

【泣く】

ホテルを再度出て、スーレー近くで夕食。大通りに面しており、道を行き交うバスを眺めることができた。食後、ふーっと一息ついていると、私の目に飛び込んできたのは神奈中の空港リムジンバス。バスステーションではずっと20~30年ほど前の車両を観てきたが、この空港リムジンは中古としてはまだ新しい方。そして、私も直近同じような車両に乗っており、それがここミャンマーで目の当たりにしたことに、とても感動し、心から涙した。ここまでもとても印象深い旅だったが、まさかハイライトがここで来るとは。あわてて会計し、通りに飛び出してみたが、もうどこかへ走り去り、その姿をもう一度見ることはなかった。

夕食後、いろんなミャンマーを観ておきたいと思い、エンペラーという怪しげな店へ。入場料8,000チャットを払い、キャバクラみたいな空間へ足を踏み入れる。中にはミャンマーの若い女性がたくさんいて、男性客をめがけて営業をしかけて来る。私のところにも当然やってくるが、「No」の一点張り。ネット情報では、1万円前後で外へ一緒に出てあれやこれや、という話らしいが、今回の旅の目的はあくまでバスであり、余計な思い出は持って帰りたくないと思い、1時間ほどで店を後にした。確かにかわいい人が多く、楽しい時間が過ごせたんだろうな、とも思ったが、ミャンマー最後の夜は、昨夜も訪れたSakuraTowerのルーフトップバーで終わらせることに。今夜はモヒートを飲みながら、パヤーを眺められるミャンマーならではの景色をじっくり味わい、ホテルへ戻った。

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