BUZ LIFE

毎度ご乗車ありがとうございます。

ベイライナー水戸・横浜号

2007年06月04日 | Weblog
水戸駅~横浜間高速バスの表記路線、開業から1年と少しで突如の廃止。6月15日で運行が打ち切られるらしい。今年4月には、横浜側の発着を横浜駅からみなとみらい地区に延伸したり、3デイリターン3900円の往復券を発売したりとてこ入れ策を実施していたが、功を奏さなかったのだろうか。

考えてみるとみなとみらい地区に発着する高速バスはこの路線だけ。廃止される前にぜひとも乗っておかないといけない、と思い、思い立ったが吉日、すぐに横浜駅東口の京浜急行バスの窓口で乗車券を買う。前述の3900円の往復券、前日までに予約が必要とのことで、どうせ混んでないだろうと思いつつも、時間指定して席を確保してもらう。同時に席も決定。行きも帰りも7番台と中途半端な座席が割り振られたが、前6列はJRの持分だろうか。それにしても、ここの係員、「ありがとうございました」の一言も言えないとは、なんとも困ったものだ。つり銭と乗車券を無言で差し出してきて、それで終了。

さて、出発当日。往路はクイーンズスクエアバス停11:50発、JRバス関東担当便。JRバス関東といっても運行担当は水戸支店だから、朝水戸駅を7:10に出て横浜で休憩していた折り返し便だ。クイーンズスクエアが始発だが路上のバス停なのでぎりぎりに入ってくるかと思ったら、案の定なかなかバスは現れず結局2分ほど遅れてやってきた。車両は三菱ニューエアロバスで社番から1995年式と分かる。路上のバス停が始発の高速バス、鹿児島の天文館前バス停から宮崎までのはまゆう号を思い出す。

さて、ドライバー氏に昨日購入した乗車券を渡すと「予約はお客様のみですので、どこへ座ってもかまいません」といわれた。すぐにバスは出発し、みなとみらい地区で美術の広場前、みなとみらい大通りのバス停に寄るが乗客はなし。水戸地区からの観光客用のバス停設定かと思われるが、夕方発の便では少しは乗車があるのだろうか。

横浜駅東口には定刻12時ちょうど発ぎりぎりに滑り込む。17番乗り場から3名の乗客が加わる。自分を含め4名の乗車。真昼間という時間の悪さもあるのだろうが、やはり乗車率はよくないようだ。見た感じ、横浜で何かしらの用を済ませ、地元の水戸へ帰ろうといった乗客のような3人だった。

首都高みなとみらい入り口が工事で封鎖されているために迂回運行される旨の案内が入る。それに引き続き到着時刻、諸注意事項、自己紹介とマイクを通して丁寧な案内がなされ、非常に好感が持てる。その後にテープによる放送が入った。東神奈川方面へ進み、横羽線へとあがる。交通量はそれほど多くは無いが、左車線を維持し、制限速度60キロを守りゆっくりな走り。周りの車にどんどん追い越されるが、お構いなしに安定した走行で東京方面へと向かう。

途中両国ジャンクション前で少し混雑したが、途中寝てしまっているうちにいつの間にか常磐道を走行していた。最初の停留所石岡にはほぼ時刻どおりの到着、高速道路上のバス停に降車客がなくてもわざわざ立ち寄る。

次の茨城町西インターバス停のために、一旦高速道路を降りて、少し一般道路を走行、一本の白い舗装道路がすーっと入っただけの何もない空き地でUターンし、またすぐに料金所に戻る、といった経路をとった。この料金所の手前にバス停があるのだ。降車客がいないのに高速道路を降りてまで立ち寄る必要があるのかと疑問だが、そのまま通過して高速料金が異なってしまってはなにか問題でもあるのだろうか。

そうこう考えているうちに高速道路をおり、水戸市内へと入っていく。その前に県庁前などのバス停が設けられているが、降車客は無く、結局4人全員が終点水戸駅まで乗りとおした。到着時間は14:30、時刻表では14:34だが、見事な定時ぶりである。


初めて降り立つ水戸駅。意外と駅ビルなどが聳え立ち大きな駅だった。せっかくだから、と偕楽園までバスで行く。ぶらっと歩いて水戸駅まで戻る途中に江戸時代の藩校、弘道館に立ち寄ろうと思ったらすでに16:30をまわっており閉館されていた。そのまま水戸駅まで歩き、さて何をしようかと考えたところ、さきほどから何台か見かける富士重工5Eボディをまとった日産ディーゼルバスにぜひ乗っておこう、と。

嗚呼、富士重工5E!昔は神奈川中央交通をはじめ首都圏でもかなりの台数が見かけられたが、もう何年も前に老朽化でその姿を消していた。少々うるさい、その独特な日産らしいエンジン音は印象的でまだ耳の奥底でかすかに残っている。その古いバスがまだ水戸では元気に走っている!これに乗らない手はない。

水戸駅に着いたとき、あいにくそのバスは見かけられなかったが、ここはあせらずそのまま駅前でしばらく待機。そうすると・・・やってきた、5Eの日産!水戸駅の到着便で入ってきた、茨城交通。大方のほかのバスと同じくそのまま待機所へ引っ込みしばらく休憩するのかと思ったらそのまま赤塚駅行きの方向幕を出して乗り場に入線してきた。迷わず、乗り込む。

床は木張りだった。一番後ろの席へ。あら、この狭さ。そして壁にもたれかかると頭で押してしまいそうな、一番後ろの降車ボタンの配置。タイヤハウス上の座りにくそうな席。その前の床から一番高い席。神奈中の5Eのそれとまったく同じで、視覚的に完全にタイムスリップ。神奈中の真っ赤な座席を頭の中に再現してみる。

バスはすぐに発車。果たして日産のエンジンは、昔乗ったそれとなんら変わりなく、少し軽い感じがするもののその音を豪快に車内に響き渡らせながら発車するとき、聴覚的にもまたもやタイムスリップし、さらにはエンジンルームが近いのと木張りの床なのとで、少し温かい感じのする甘い、それでいてなんか油のような匂いが鼻を刺激し、嗅覚的にも昔の神奈中へといざなってくれた。音も匂いも、まったく変わっていない、おんなじなのだ。

感動。水戸って素晴らしい。赤塚駅まであっという間の30分。それまで日産5Eに完全に酔いしれた。

水戸駅まで、またバスで戻る。

そして、帰りの横浜駅行きは18:40発。18:30前には乗り場に行くと、近くに京浜急行バスの日野セレガRがすでに待機していた。5分前に入線。ぱらぱらと7名が乗り込む。シートカバーの色が前方では黄色、後方で白、と色分けされており、黄色のシートカバーには予約席とかかれ、それぞれのカバーに座席番号も入っていた。白色は何も書かれておらず、予約なし用ということなのだろうが、誰もそれを気にせず、適当に座っていた。

水戸市内の各バス停で4名追加。寝てしまうと、気づいたらもうベイブリッジをわたり終えていた。みなとみらいで高速を降り、横浜駅東口に21時少し前に到着、定刻より25分ほどの早着であった。

そうして、水戸への日帰り旅行は終わったのだが、もうすぐこの路線は廃止。水戸から対東京駅、新宿駅行きはかなりの運行本数があり、需要もあるようだが、横浜駅行きはついにその姿を消す。帰りの11人の数字は採算ラインまでもう少しだろう。PRを強化すれば観光・ビジネス両需要をもう少し喚起できそうで、廃止は時期尚早な感も否めなくはない。今後の復活を期待したい。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿