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今村核弁護士!

2016-11-29 21:05:25 | 日記

 
“五島灘の夕陽” 遠藤周作記念館から
(今年は遠藤周作さんが亡くなってから、もう20年。光陰矢のごとしと言いますけど、
 ぼくの今の気持のなかでは、歳月人を待たず、というほうがピッタリです。) 

ご覧になった方もいるかもしれません。
昨晩、NHK総合で「ブレイブ 勇敢なる者『えん罪弁護士』」50分が放映されました。
「旬報法律事務所(弁護士27人)」の今村核弁護士(自由法曹団)の法曹人としての生き方
を、担当した幾つかの裁判の過程を詳しく紹介するなかで案内してくださった番組でした。
いつか再放送されるはずです。ご覧にならなかった方はぜひにと思う次第です。 

見終わった後、今村さんはほんとうに「地の塩、世の光」なのだと強く思いましたですね。
放送では、ご両親のこと、職場の弁護士仲間である何人もの同僚のことば、新聞記者を経て
人権問題に取り組むジャーナリストの池添徳明さんの今村さんへの熱い思い、今村さんのお母
さん今村宙さんのたくさんの言葉(ほんとうに素敵なお母さんでなのです)。
亡くなったお父さんは大手化学メーカーの副社長を定年でやめた後に、司法修習の後弁護士
事務所を開き7年間、収支トントンの弁護士業務を全うされたということです。。
多分、学生時代に司法試験に合格されていたということなのでしょう。 

また、今村さんについて何人もの同僚が証言をしていたのですが、「自分には彼と同じことはできない」
「今村さんの弁護士としての業務内容では生活が成り立たない」。また、「あれでは家族を養うこと
が出来ない」「冤罪弁護は本当に大変なことで心身の破滅も」 と言われていたのをおもいだします。

NHKの制作チームはよくやってくださったと思うのです。控えめな取材ながら、今村さんという人間を、
その人の生きざまを、今の日本の社会に生きている誰かに伝えたい、という思いが伝わってくる番組
に仕上がっていると感じましたですね。生意気な言い方で恐縮でしかないのですが。

それにしても、弁護士・今村さんの対手である裁判官、検事の方がたの人間性というのか法曹人として
の在り方については、呆れるばかりです。いつもながら自分のことを棚に上げて、また無前提に人さまの
悪口は言えないわけですけど、とにかくひど過ぎる判事・検事が多すぎますね。今村さんの関わった
事件にかぎらず新聞・雑誌・その他を読むなかで、そうしたケースがほんとうにたくさんあるわけです。

番組の最後に今村さんは、「司法に絶望したら私の生きる意味が無くなる」「不幸な冤罪事件にかかわり
続けることは自分の生きることそのもの」。
そしてその今村さんの言葉を引き継ぐようにお母さんは、「しょうがないわね、この世のなかから冤罪が一つ
でも無くなるようにするためには、誰かがやらないといけないわけだから、自分の力に余ることではあっても
前にすすめるためには頑張るしかないわけだから…」
(ここに書いたお二人の発言は、ぼくの意訳的な表現で正確な言葉ではありません)

検事も判事(特別)も国家公務員ですよね。公務員は憲法の遵守が義務付けられているはずです。
その公務員たる法曹2者は、せっかく勉強した憲法などは修習段階で捨て去ってしまっているとしか思えません。
また、ネットで探してみたら下記のような法律もでてきました。
「国家公務員倫理法 第一章 総則(目的)
第一条 この法律は、国家公務員が国民全体の奉仕者であってその職務は国民から負託された公務で
あることにかんがみ、国家公務員の職務に係る倫理の保持に資するため必要な措置を講ずることにより、
職務の執行の公正さに対する国民の疑惑や不信を招くような行為の防止を図り、もって公務に対する
国民の信頼を確保することを目的とする。」

“法の番人”というのは裁判所だけではなく、検察庁も同じ範疇の存在だと思うのです。 (ちがうかな?)
そうだとして、法律の番人たる判事や検事が自分たちの恣意的な法解釈でその適用をやりたい放題に
するということにたいして、 法律はなんらかの予防策や懲罰を用意しているのでしょうか。
裁判官や検察官の弾劾については、上記したようなことではまったくむりなことですよね。職務の裁量の
範囲内のことだということでお終い、ということなのでしょうね。 

こうしてよく調べることもせず、じぶんの知識がほとんど行き届かないことについていい加減に書いてしま
っていますけど、公務員の不正もどきというか上記の倫理規定や憲法遵守義務に違背する職務上の
行為でいつも思うことは、何らかの懲罰が用意されていてもいいのではないかなと思うのです。
でも、もしそうしたことが可能であれば、この今村さんを始めとした優秀な弁護士さんがたがとっくの昔に、
法的な対抗手段を尽くされているはずですよね。 

 今村さんについて朝日新聞Webの2008年2月24日には次の記事(一部)が掲載されています。

『冤罪弁護士』今村核著 旬報社刊の紹介記事として。

16年間の弁護士生活で、8件の無罪判決を勝ち取った。日本の刑事裁判の有罪率は
約99.9%、無罪になるのは起訴された人約1000人に対して1人にすぎないといえば、
この「8件」の重みはわかるだろうか。本書は、それらの無罪判決に向けて重ねられた
弁護活動の一つ一つを描いた本だ」 (現在までは”無罪”獲得14件

「痴漢、スリ、傷害など、事件そのものは小さいですが、そこに隠された刑事司法の問題点
は大きいのです。これらは『小さな大事件』だと思っています」と弁護士の今村核(いまむらかく)
さんは話す」

「学生時代、刑事法学の泰斗、故平野龍一・元東大学長が「わが国の刑事裁判はかなり
絶望的である」と指摘した論文を読んだ。日本では、欧米とは異なり、刑事裁判所は有罪か
無罪かを判断するところではなく、有罪であることを確認するところとなっている、という趣旨
の平野氏の主張に触発されて、刑事弁護士への道を目指した」

下記は、NHKの番組予告編に書かれている文章です。
削除されてしまうと困るので、ここにコピペをしておきます。

「無罪」獲得「14件」。その実績に他の弁護士は「異常な数字」「ありえない」と舌を巻く。
“えん罪弁護士”の異名を持つ今村核(いまむら・かく)は、有罪率99.9%と言われる
日本の刑事裁判で20年以上も闘ってきた。過去に取り組んだ放火事件や痴漢事件では、
通常裁判の何倍もの労力をかけて科学的事実を立証し、矛盾や盲点、新事実の発見から
えん罪被害者を救った。自身の苦悩を乗り越え、苦難の道を歩み続ける男に迫る。

【出演】弁護士…今村核,【語り】本田貴子,【声】相沢まさき,若林正,桐井大介,中野慎太郎,
   中尾衣里,下山吉光


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
多くの人が関心を (t)
2016-11-30 07:39:31
司法はいつ自分の見に降りかかるか判らない分野ですが、やはりそこに市民の無関心を感じます。メディアが報じても話題にならなければ、意味がありません。
明日は我が身・・なのに
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有り難うございます。 (su-)
2016-12-01 01:00:53
お忙しいなか読んでいただき、コメントも有り難うございます。
日本国の刑事裁判の有罪率は99.9%。そして、「刑事法学の泰斗、故平野龍一・元東大学長が『わが国の刑事裁判はかなり絶望的である』と指摘した論文を読んだ。日本では、欧米とは異なり、刑事裁判所は有罪か無罪かを判断するところではなく、有罪であることを確認するところとなっている」という今村さんについての記事の内容は驚きです。
実は、ご存知かと思いますがこの28日、岐阜・美濃加茂市長の贈収賄事件の控訴審判決が名古屋高裁であり、逆転有罪になってしまいました。市長と郷原弁護士のツイッターやブログでは、ある程度その判決内容について報告されています。しかし、その裁判官は、判決要旨をマスコミには配布したのに、郷原弁護士や市長・市議会議長には、請求したにもかかわらず交付しないということなのです。こうした信じ難いような裁判官の不思議な態度では、その裁判の訴訟指揮や判決内容なども推して知るべしということだと思うのです。
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