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ピアニストだって冒険する 中村紘子

2019年07月03日 | 
 実は岩城宏之もそうだが、中村紘子も実演を聴いたことがない、すみません。だからその音楽がどれだけすばらしいのか、あるいはたいしたことないのか、わからないのだ、すみません。彼らのどちらも書いたものがすばらしいく、気が合うので読んで楽しんでいる。まあそれでいいじゃないか。ずいぶん昔「パイプのけむり」を読んで、団伊玖磨?なんてつまらないことを書く奴だとあきれかえった(すみません、シロートのたわごとです)のだが、岩城宏之が、団伊玖磨がきらいらしいこと、「楽譜の風景」で完膚なきほどにやっつけている(わけじゃなくて体験(事実)を書いているだけなのだが)のを読んで、うれしくなってしまうのだ。(こころ狭い奴ですみません。)
 国宝級の白磁をじかに触れた体験が書いてあって、僕にとっても白磁なんて写真とか、せいぜい博物館でテグスかなんかでしばりつけられている姿で、誰だか中国人が日本のわびさび?のゆがんだ茶碗のことを、ゆがんだのしか作れないのなら技術がないのだし、わざとならいやらしいじゃなくてなんだっけな、痛烈に言っているのを思いだし、そういえば白磁は完璧(に対称)でまさに青く透けるほどに白く、冷たく死んでるなあと思うのだけれど、中村紘子が手に取ってそのうち紅く脈打つように、などと書いてある。すごい。
 思い出したのが有田正広が象牙のフルートのことを語ったことで、あれはもう40年も昔のことか、あの白いプラスチックのような象牙のフルートが、吹いていると歌口のあたりが透明になって行き、どんどん音も変わっていくのだという。