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ジーグ(バロック舞曲)のこと

2005年02月25日 | 音楽
 ジーグ(Gigue、Giga)というのは、バロック組曲の中では終曲として使われる6/8、3/8の舞曲で、フランス風のは付点のリズム、イタリア風のは16分音符で駆け回るような、快速な舞曲だ。たいていの解説にイギリスのジグ(jigg)に由来する、なんて書いてある。ドルメッチの7つの小品のジグがそうなのかよくわからないが、2拍子で普通のイメージのジーグとはかけ離れている。

 もう、20年近く前のこと、日産が初めてリッターカーを作るという。ついては名前を広く募集して、名前に採用した人には一台くれるというのだ。こっちは貧乏学生だったし、田舎で車が是非とも欲しかった。燃えたね。
 日産と言えば「サニー」だし、たしかもうひとつくらい「なんとかー」と言う車があったんだよ、これは絶対「ポニー」だ、リッターカーにイメージもぴったり。自信満々だったが、誰でも考えそうな気もする。ほかにもたくさんこの名前で応募してると俺にはくれないかもしれない。(後で知ったのだが、当時、もう韓国の車にポニーというのがあったらしい)
 名前を決める委員会があって、各界著名人が集っている。委員の一人に中村紘子がいる。これは音楽がキーポイントだな。あれこれ考えた。「ジーグ」ってのはどうかね?2枚目のはがきには
「ジグ。ジーグと言うより「ジグ」と言う感じ。軽快な舞曲の名前です」
 と書いて出した。今でも良い名前だと思うのだけれど、新聞発表を見てあきれかえった。よりによって、「マーチ」だと!いくらなんだって、マーチはないだろうマーチは。しかも宣伝コピーは「マッチのマーチ」だと!中村紘子がいて、何故その名前に決まる?あきれかえって物が言えなかった。車を持つ夢は泡と消えた。(そう言えば、何年か後、仕事についてから、サニーを買った。)いまでも組曲の最後になるとあの時のことを思い出す。