楽器の練習のことで思い出すのは「悪魔のトライアングル」ともう一つは、高校の時の吹奏楽部の顧問、M先生の話だ。以下、まさに受け売りだが。
楽器でも勉強でも、練習(勉強)すれば、必ずその成果は現れる。でもそれは、こちらが思うような形ではない。
つい、我々は勉強すればするだけすぐ成果が現れるように、つまり勉強時間とその成果が比例するように期待してしまう。実際は比例するのではなく、グラフで言うと階段状にのびるんだね。(図参照)
勉強してもすぐには結果が出ない。意味わかんない。あ!そうか! いや、わかったと思うと、またわからなくなる。あ、なんだ、こんな簡単なことか、と思う。思ったように実力がつかない。だめだ、おれって、本質的にはばかだ。ひょいっとのびる。なんだよ、簡単じゃん、おれって天才?わかんないよ、こんなの無理。ひょいっ。なんだよ、わかったわかった。早く言ってよ。
だんだん進歩していけば行くほど、階段のとどまっている時間が長くなるし、下手すると落ちてるように感じられる。(これがスランプとかプラトーと言うやつだ。)君らはこの、わからない、上手くならない、と言う状態に耐えなければならない。潜在的にはやればやっただけのことは必ず身についていくのだ。
いたいけな少年だった僕は、いたく感動した。
タモリはトランペット買ってきて、その日のうちにマイルス・デイヴィスのように吹けないのが耐えられない、なんて言っていて、まったくだまったくだ、と思う。
それでも「楽器演奏のこつは、短期的にはすぐあきらめる。でも長期的にはあきらめないということだ」と、今でも思っております。