法律の周辺

核心ではなく, あくまでも物事の周辺を気楽に散策するブログです。

所有地への廃棄物の投棄について

2007-11-15 21:38:42 | Weblog
asahi.com 膨大な量のおからを不法投棄 容疑の産廃業者逮捕 千葉

 記事には,件の会社が同社敷地に1都4県から回収したおから約1万8000立方メートルを不法投棄した疑い,とある。この「同社敷地」は賃借地のようだが,自己所有地への廃棄物の不法投棄については,既に,最判H18.2.20があるところ。
これは,アルミニウム再生精錬事業を行う会社が,事業過程で生ずる汚泥,金属くず等々を工場敷地内の素掘りの穴に埋めて覆土するという行為を繰り返していたというもの。最高裁は,工場敷地内への積み置きは廃棄物をみだりに捨てたことにはあたらないとの被告会社の主張につき,次のように判示。

 しかし,本件各行為は,本件汚泥等を工場敷地内に設けられた本件穴に埋め立てることを前提に,そのわきに野積みしたというものであるところ,その態様,期間等に照らしても,仮置きなどとは認められず,不要物としてその管理を放棄したものというほかはないから,これを本件穴に投入し最終的には覆土するなどして埋め立てることを予定していたとしても,法16条にいう「廃棄物を捨て」る行為に当たるというべきである。また,産業廃棄物を野積みした本件各行為は,それが被告会社の保有する工場敷地内で行われていたとしても,生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図るという法の趣旨に照らし,社会的に許容されるものと見る余地はない。したがって,本件各行為は,同条が禁止する「みだりに」廃棄物を捨てる行為として同条違反の罪に当たることは明らかであり,これと同旨の原判断は正当である。

総計5万立方メートルという投棄量,ちょっと想像がつかないが,肥料生産会社の言う「肥料の原料」が通用しないくらいだから半端な量ではないのだろう。
産業廃棄物処理法第16条の「何人も,みだりに廃棄物を捨ててはならない。」は,「捨て(る)」の文言から,賃借地はともかく,自己所有地は規制の対象から外れるように読めないこともない。しかし,それでは「生活環境の保全及び公衆衛生の向上」は覚束ない。所有権と言えど,万能の権利ではないということなのだろう。

判例検索システム 平成11年03月10日 廃棄物の処理及び清掃に関する法律違反被告事件


「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」の関連条文

(目的)
第一条  この法律は,廃棄物の排出を抑制し,及び廃棄物の適正な分別,保管,収集,運搬,再生,処分等の処理をし,並びに生活環境を清潔にすることにより,生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図ることを目的とする。

(定義)
第二条  この法律において「廃棄物」とは,ごみ,粗大ごみ,燃え殻,汚泥,ふん尿,廃油,廃酸,廃アルカリ,動物の死体その他の汚物又は不要物であつて,固形状又は液状のもの(放射性物質及びこれによつて汚染された物を除く。)をいう。
2  この法律において「一般廃棄物」とは,産業廃棄物以外の廃棄物をいう。
3  この法律において「特別管理一般廃棄物」とは,一般廃棄物のうち,爆発性,毒性,感染性その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有するものとして政令で定めるものをいう。
4  この法律において「産業廃棄物」とは,次に掲げる廃棄物をいう。
一  事業活動に伴つて生じた廃棄物のうち,燃え殻,汚泥,廃油,廃酸,廃アルカリ,廃プラスチック類その他政令で定める廃棄物
二  輸入された廃棄物(前号に掲げる廃棄物,船舶及び航空機の航行に伴い生ずる廃棄物(政令で定めるものに限る。第十五条の四の五第一項において「航行廃棄物」という。)並びに本邦に入国する者が携帯する廃棄物(政令で定めるものに限る。同項において「携帯廃棄物」という。)を除く。)
5  この法律において「特別管理産業廃棄物」とは,産業廃棄物のうち,爆発性,毒性,感染性その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有するものとして政令で定めるものをいう。
6  この法律において「電子情報処理組織」とは,第十三条の二第一項に規定する情報処理センターの使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。以下同じ。)と,第十二条の三第一項に規定する事業者,同条第二項に規定する運搬受託者及び同条第三項に規定する処分受託者の使用に係る入出力装置とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。

(国内の処理等の原則)
第二条の二  国内において生じた廃棄物は,なるべく国内において適正に処理されなければならない。
2  国外において生じた廃棄物は,その輸入により国内における廃棄物の適正な処理に支障が生じないよう,その輸入が抑制されなければならない。

(国民の責務)
第二条の三  国民は,廃棄物の排出を抑制し,再生品の使用等により廃棄物の再生利用を図り,廃棄物を分別して排出し,その生じた廃棄物をなるべく自ら処分すること等により,廃棄物の減量その他その適正な処理に関し国及び地方公共団体の施策に協力しなければならない。

(事業者の責務)
第三条  事業者は,その事業活動に伴つて生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない。
2  事業者は,その事業活動に伴つて生じた廃棄物の再生利用等を行うことによりその減量に努めるとともに,物の製造,加工,販売等に際して,その製品,容器等が廃棄物となつた場合における処理の困難性についてあらかじめ自ら評価し,適正な処理が困難にならないような製品,容器等の開発を行うこと,その製品,容器等に係る廃棄物の適正な処理の方法についての情報を提供すること等により,その製品,容器等が廃棄物となつた場合においてその適正な処理が困難になることのないようにしなければならない。
3  事業者は,前二項に定めるもののほか,廃棄物の減量その他その適正な処理の確保等に関し国及び地方公共団体の施策に協力しなければならない。

(国及び地方公共団体の責務)
第四条  市町村は,その区域内における一般廃棄物の減量に関し住民の自主的な活動の促進を図り,及び一般廃棄物の適正な処理に必要な措置を講ずるよう努めるとともに,一般廃棄物の処理に関する事業の実施に当たつては,職員の資質の向上,施設の整備及び作業方法の改善を図る等その能率的な運営に努めなければならない。
2  都道府県は,市町村に対し,前項の責務が十分に果たされるように必要な技術的援助を与えることに努めるとともに,当該都道府県の区域内における産業廃棄物の状況をはあくし,産業廃棄物の適正な処理が行なわれるように必要な措置を講ずることに努めなければならない。
3  国は,廃棄物に関する情報の収集,整理及び活用並びに廃棄物の処理に関する技術開発の推進を図り,並びに国内における廃棄物の適正な処理に支障が生じないよう適切な措置を講ずるとともに,市町村及び都道府県に対し,前二項の責務が十分に果たされるように必要な技術的及び財政的援助を与えること並びに広域的な見地からの調整を行うことに努めなければならない。
4  国,都道府県及び市町村は,廃棄物の排出を抑制し,及びその適正な処理を確保するため,これらに関する国民及び事業者の意識の啓発を図るよう努めなければならない。

(清潔の保持)
第五条  土地又は建物の占有者(占有者がない場合には,管理者とする。以下同じ。)は,その占有し,又は管理する土地又は建物の清潔を保つように努めなければならない。
2  建物の占有者は,建物内を全般にわたつて清潔にするため,市町村長が定める計画に従い,大掃除を実施しなければならない。
3  何人も,公園,広場,キャンプ場,スキー場,海水浴場,道路,河川,港湾その他の公共の場所を汚さないようにしなければならない。
4  前項に規定する場所の管理者は,当該管理する場所の清潔を保つように努めなければならない。
5  市町村は,必要と認める場所に,公衆便所及び公衆用ごみ容器を設け,これを衛生的に維持管理しなければならない。
6  便所が設けられている車両,船舶又は航空機を運行する者は,当該便所に係るし尿を生活環境の保全上支障が生じないように処理することに努めなければならない。

(基本方針)
第五条の二  環境大臣は,廃棄物の排出の抑制,再生利用等による廃棄物の減量その他その適正な処理に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための基本的な方針(以下「基本方針」という。)を定めなければならない。
2  基本方針には,次に掲げる事項を定めるものとする。
一  廃棄物の減量その他その適正な処理の基本的な方向
二  廃棄物の減量その他その適正な処理に関する目標の設定に関する事項
三  廃棄物の減量その他その適正な処理に関する施策を推進するための基本的事項
四  廃棄物の処理施設の整備に関する基本的事項
五  前各号に掲げるもののほか,廃棄物の減量その他その適正な処理に関し必要な事項
3  環境大臣は,基本方針を定め,又はこれを変更しようとするときは,あらかじめ,関係行政機関の長に協議するとともに,都道府県知事の意見を聴かなければならない。
4  環境大臣は,基本方針を定め,又はこれを変更したときは,遅滞なく,これを公表しなければならない。

(投棄禁止)
第十六条  何人も,みだりに廃棄物を捨ててはならない。

(焼却禁止)
第十六条の二  何人も,次に掲げる方法による場合を除き,廃棄物を焼却してはならない。
一  一般廃棄物処理基準,特別管理一般廃棄物処理基準,産業廃棄物処理基準又は特別管理産業廃棄物処理基準に従つて行う廃棄物の焼却
二  他の法令又はこれに基づく処分により行う廃棄物の焼却
三  公益上若しくは社会の慣習上やむを得ない廃棄物の焼却又は周辺地域の生活環境に与える影響が軽微である廃棄物の焼却として政令で定めるもの

第二十五条  次の各号のいずれかに該当する者は,五年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し,又はこれを併科する。
一  第七条第一項若しくは第六項,第十四条第一項若しくは第六項又は第十四条の四第一項若しくは第六項の規定に違反して,一般廃棄物又は産業廃棄物の収集若しくは運搬又は処分を業として行つた者
二  不正の手段により第七条第一項若しくは第六項,第十四条第一項若しくは第六項又は第十四条の四第一項若しくは第六項の許可(第七条第二項若しくは第七項,第十四条第二項若しくは第七項又は第十四条の四第二項若しくは第七項の許可の更新を含む。)を受けた者
三  第七条の二第一項,第十四条の二第一項又は第十四条の五第一項の規定に違反して,一般廃棄物又は産業廃棄物の収集若しくは運搬又は処分の事業を行つた者
四  不正の手段により第七条の二第一項,第十四条の二第一項又は第十四条の五第一項の変更の許可を受けた者
五  第七条の三,第十四条の三(第十四条の六において準用する場合を含む。),第十九条の四第一項,第十九条の四の二第一項,第十九条の五第一項又は第十九条の六第一項の規定による命令に違反した者
六  第六条の二第六項,第十二条第三項又は第十二条の二第三項の規定に違反して,一般廃棄物又は産業廃棄物の処理を他人に委託した者
七  第七条の五,第十四条の三の三又は第十四条の七の規定に違反して,他人に一般廃棄物又は産業廃棄物の収集若しくは運搬又は処分を業として行わせた者
八  第八条第一項又は第十五条第一項の規定に違反して,一般廃棄物処理施設又は産業廃棄物処理施設を設置した者
九  不正の手段により第八条第一項又は第十五条第一項の許可を受けた者
十  第九条第一項又は第十五条の二の五第一項の規定に違反して,第八条第二項第四号から第七号までに掲げる事項又は第十五条第二項第四号から第七号までに掲げる事項を変更した者
十一  不正の手段により第九条第一項又は第十五条の二の五第一項の変更の許可を受けた者
十二  第十条第一項(第十五条の四の七第一項において読み替えて準用する場合を含む。)の規定に違反して,一般廃棄物又は産業廃棄物を輸出した者
十三  第十四条第十三項又は第十四条の四第十三項の規定に違反して,産業廃棄物の処理を受託した者
十四  第十六条の規定に違反して,廃棄物を捨てた者
十五  第十六条の二の規定に違反して,廃棄物を焼却した者
十六  第十六条の三の規定に違反して,指定有害廃棄物の保管,収集,運搬又は処分をした者
2  前項第十二号,第十四号及び第十五号の罪の未遂は,罰する。

「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令」の関連条文

(産業廃棄物)
第二条  法第二条第四項第一号 の政令で定める廃棄物は,次のとおりとする。
一  紙くず(建設業に係るもの(工作物の新築,改築又は除去に伴つて生じたものに限る。),パルプ,紙又は紙加工品の製造業,新聞業(新聞巻取紙を使用して印刷発行を行うものに限る。),出版業(印刷出版を行うものに限る。),製本業及び印刷物加工業に係るもの並びにポリ塩化ビフェニルが塗布され,又は染み込んだものに限る。)
二  木くず(建設業に係るもの(工作物の新築,改築又は除去に伴つて生じたものに限る。),木材又は木製品の製造業(家具の製造業を含む。),パルプ製造業及び輸入木材の卸売業に係るもの並びにポリ塩化ビフェニルが染み込んだものに限る。)
三  繊維くず(建設業に係るもの(工作物の新築,改築又は除去に伴つて生じたものに限る。),繊維工業(衣服その他の繊維製品製造業を除く。)に係るもの及びポリ塩化ビフェニルが染み込んだものに限る。)
四  食料品製造業,医薬品製造業又は香料製造業において原料として使用した動物又は植物に係る固形状の不要物
四の二  と畜場法 (昭和二十八年法律第百十四号)第三条第二項 に規定すると畜場においてとさつし,又は解体した同条第一項 に規定する獣畜及び食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律 (平成二年法律第七十号)第二条第六号 に規定する食鳥処理場において食鳥処理をした同条第一号 に規定する食鳥に係る固形状の不要物
五  ゴムくず
六  金属くず
七  ガラスくず,コンクリートくず(工作物の新築,改築又は除去に伴つて生じたものを除く。)及び陶磁器くず
八  鉱さい
九  工作物の新築,改築又は除去に伴つて生じたコンクリートの破片その他これに類する不要物
十  動物のふん尿(畜産農業に係るものに限る。)
十一  動物の死体(畜産農業に係るものに限る。)
十二  大気汚染防止法 (昭和四十三年法律第九十七号)第二条第二項 に規定するばい煙発生施設,ダイオキシン類対策特別措置法第二条第二項 に規定する特定施設(ダイオキシン類(同条第一項 に規定するダイオキシン類をいう。以下同じ。)を発生し,及び大気中に排出するものに限る。)又は次に掲げる廃棄物の焼却施設において発生するばいじんであつて,集じん施設によつて集められたもの
イ 燃え殻(事業活動に伴つて生じたものに限る。第二条の四第七号及び第十号,第三条第三号ヲ並びに別表第一を除き,以下同じ。)
ロ 汚泥(事業活動に伴つて生じたものに限る。第二条の四第五号ロ(1),第八号及び第十一号,第三条第二号ホ,第三号ヘ及び第四号イ並びに別表第一を除き,以下同じ。)
ハ 廃油(事業活動に伴つて生じたものに限る。第二十四条第二号ハ及び別表第五を除き,以下同じ。)
ニ 廃酸(事業活動に伴つて生じたものに限る。第二十四条第二号ハを除き,以下同じ。)
ホ 廃アルカリ(事業活動に伴つて生じたものに限る。第二十四条第二号ハを除き,以下同じ。)
ヘ 廃プラスチック類(事業活動に伴つて生じたものに限る。第二条の四第五号ロ(5)を除き,以下同じ。)
ト 前各号に掲げる廃棄物(第一号から第三号まで及び第五号から第九号までに掲げる廃棄物にあつては,事活動に伴つて生じたものに限る。)
十三  燃え殻,汚泥,廃油,廃酸,廃アルカリ,廃プラスチック類,前各号に掲げる廃棄物(第一号から第三号まで,第五号から第九号まで及び前号に掲げる廃棄物にあつては,事業活動に伴つて生じたものに限る。)又は法第二条第四項第二号 に掲げる廃棄物を処分するために処理したものであつて,これらの廃棄物に該当しないもの

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天皇陛下のご心痛について

2007-11-12 20:57:30 | Weblog
asahi.com 「ブルーギル50年前私が,心痛む」 天皇陛下がお言葉

 飼育等が禁じられる特定外来生物は外来生物法第2条第1項の委任を受け,外来生物法施行令第1条別表第1に規定されている。その中に件の「(四)すずき目」「サンフィッシュ科」「レポミス・マクロキルス(ブルーギル)」もある。
さて,記事には,ブルーギルに関する陛下のお言葉として,おいしいので持ち帰って食べてくれれば,とある。
しかし,外来生物法で禁じられている「飼育等」には,飼養,栽培,保管のほか,運搬も含まれている(外来生物法第1条参照)。おそれながら,持ち帰りは問題があるような・・・。
なお,外来生物法では規制の対象とはなっていないキャッチアンドリリースも,琵琶湖においては「滋賀県琵琶湖のレジャー利用の適正化に関する条例」第18条で規制されている。

環境省 外来生物法 特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律


「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」の関連条文

(目的)
第一条  この法律は,特定外来生物の飼養,栽培,保管又は運搬(以下「飼養等」という。),輸入その他の取扱いを規制するとともに,国等による特定外来生物の防除等の措置を講ずることにより,特定外来生物による生態系等に係る被害を防止し,もって生物の多様性の確保,人の生命及び身体の保護並びに農林水産業の健全な発展に寄与することを通じて,国民生活の安定向上に資することを目的とする。

(定義等)
第二条  この法律において「特定外来生物」とは,海外から我が国に導入されることによりその本来の生息地又は生育地の外に存することとなる生物(以下「外来生物」という。)であって,我が国にその本来の生息地又は生育地を有する生物(以下「在来生物」という。)とその性質が異なることにより生態系等に係る被害を及ぼし,又は及ぼすおそれがあるものとして政令で定めるものの個体(卵,種子その他政令で定めるものを含み,生きているものに限る。)及びその器官(飼養等に係る規制等のこの法律に基づく生態系等に係る被害を防止するための措置を講ずる必要があるものであって,政令で定めるもの(生きているものに限る。)に限る。)をいう。
2  この法律において「生態系等に係る被害」とは,生態系,人の生命若しくは身体又は農林水産業に係る被害をいう。
3  主務大臣は,第一項の政令の制定又は改廃に当たってその立案をするときは,生物の性質に関し専門の学識経験を有する者の意見を聴かなければならない。

(特定外来生物被害防止基本方針)
第三条  主務大臣は,中央環境審議会の意見を聴いて特定外来生物による生態系等に係る被害を防止するための基本方針の案を作成し,これについて閣議の決定を求めるものとする。
2  前項の基本方針(以下「特定外来生物被害防止基本方針」という。)は,次に掲げる事項について定めるものとする。
一  特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する基本構想
二  特定外来生物の選定に関する基本的な事項
三  特定外来生物の取扱いに関する基本的な事項
四  国等による特定外来生物の防除に関する基本的な事項
五  前各号に掲げるもののほか,特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する重要事項
3  主務大臣は,特定外来生物被害防止基本方針について第一項の閣議の決定があったときは,遅滞なくこれを公表しなければならない。
4  第一項及び前項の規定は,特定外来生物被害防止基本方針の変更について準用する。
(飼養等の禁止)
第四条  特定外来生物は,飼養等をしてはならない。ただし,次に掲げる場合は,この限りでない。
一  次条第一項の許可を受けてその許可に係る飼養等をする場合
二  第三章の規定による防除に係る捕獲等その他主務省令で定めるやむを得ない事由がある場合

(飼養等の許可)
第五条  学術研究の目的その他主務省令で定める目的で特定外来生物の飼養等をしようとする者は,主務大臣の許可を受けなければならない。
2  前項の許可を受けようとする者は,主務省令で定めるところにより,主務大臣に許可の申請をしなければならない。
3  主務大臣は,前項の申請に係る飼養等について次の各号のいずれかに該当する事由があるときは,第一項の許可をしてはならない。
一  飼養等の目的が第一項に規定する目的に適合しないこと。
二  飼養等をする者が当該特定外来生物の性質に応じて主務省令で定める基準に適合する飼養等施設(以下「特定飼養等施設」という。)を有しないことその他の事由により飼養等に係る特定外来生物を適切に取り扱うことができないと認められること。
4  主務大臣は,第一項の許可をする場合において,特定外来生物による生態系等に係る被害の防止のため必要があると認めるときは,その必要の限度において,その許可に条件を付することができる。
5  第一項の許可を受けた者は,その許可に係る飼養等をするには,当該特定外来生物に係る特定飼養等施設の点検を定期的に行うこと,当該特定外来生物についてその許可を受けていることを明らかにすることその他の主務省令で定める方法によらなければならない。

(飼養等許可者に対する措置命令等)
第六条  主務大臣は,前条第一項の許可を受けた者が同条第五項の規定に違反し,又は同条第四項の規定により付された条件に違反した場合において,特定外来生物による生態系等に係る被害の防止のため必要があると認めるときは,当該特定外来生物に係る飼養等の方法の改善その他の必要な措置を執るべきことを命ずることができる。
2  主務大臣は,前条第一項の許可を受けた者がこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定又はこの法律に基づく処分に違反した場合において,特定外来生物による生態系等に係る被害が生じ,又は生じるおそれがあると認めるときは,その許可を取り消すことができる。

(輸入の禁止)
第七条  特定外来生物は,輸入してはならない。ただし,第五条第一項の許可を受けた者がその許可に係る特定外来生物の輸入をする場合は,この限りでない。

(譲渡し等の禁止)
第八条  特定外来生物は,譲渡し若しくは譲受け又は引渡し若しくは引取り(以下「譲渡し等」という。)をしてはならない。ただし,第四条第一号に該当して飼養等をし,又はしようとする者の間においてその飼養等に係る特定外来生物の譲渡し等をする場合その他の主務省令で定める場合は,この限りでない。

(放つこと,植えること又はまくことの禁止)
第九条  飼養等,輸入又は譲渡し等に係る特定外来生物は,当該特定外来生物に係る特定飼養等施設の外で放ち,植え,又はまいてはならない。

(報告徴収及び立入検査)
第十条  主務大臣は,この法律の施行に必要な限度において,第五条第一項の許可を受けている者に対し,特定外来生物の取扱いの状況その他必要な事項について報告を求め,又はその職員に,特定外来生物の飼養等に係る施設に立ち入り,特定外来生物,書類その他の物件を検査させ,若しくは関係者に質問させることができる。
2  前項の職員は,その身分を示す証明書を携帯し,関係者に提示しなければならない。
3  第一項の規定による権限は,犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

第三十二条  次の各号のいずれかに該当する者は,三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し,又はこれを併科する。
一  第四条の規定に違反して,販売又は頒布をする目的で特定外来生物の飼養等をした者
二  偽りその他不正の手段により第五条第一項の許可を受けた者
三  第六条第一項の規定による命令に違反した者
四  第七条又は第九条の規定に違反した者
五  第八条の規定に違反して,特定外来生物の販売又は頒布をした者

第三十三条  次の各号のいずれかに該当する者は,一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し,又はこれを併科する。
一  第四条又は第八条の規定に違反した者(前条第一号又は第五号に該当する者を除く。)
二  第五条第四項の規定により付された条件に違反して特定外来生物の飼養等をした者
三  第二十三条の規定に違反した者

「滋賀県琵琶湖のレジャー利用の適正化に関する条例」の関連条文

世界屈指の歴史的な存在であり,類のない固有の生態系を有する琵琶湖は,時に厳しくも穏やかに私たちをはぐくんできた。
この琵琶湖が私たちに与えた恵沢は,豊かな水とそれによりもたらされる水産資源や農産物といった日々の糧にとどまらず,歴史とともに伝え継がれた独自の文化や幼少期の原風景などの形成にも深くかかわるものであった。
白砂に戯れ,水鳥とともに生い茂るヨシの水辺を散策し,時には舟でさざ波に揺られることで,琵琶湖の懐に包まれた私たちの心は優しく癒され,新たな活力が浸み入るように満ち広がった。
私たちは,琵琶湖と接することで,日々の束縛から解き放たれ,その恵みを誰もが等しく享受できることを切なる願いとしつつも,なお今日的な課題があることを認識している。
これまでの私たちの営みの中には,琵琶湖固有の生態系にとって必ずしもよい影響を与えないものもあったことを私たちは学んだ。このことは,琵琶湖の保全のための取組をより一層進めつつ,教訓として将来に伝えていく必要がある。
しかるに,近年,琵琶湖におけるレジャー活動はその形態が多様化し,訪れる人が増えるとともに,その活動が,私たちの大切な財産である琵琶湖の水質に負荷を与え,周辺の生活環境に著しい影響を及ぼしており,また琵琶湖固有の生態系の保全という普遍の価値観も,人々の個々様々な活動が行われる中で,損なわれようとしている。
私たちは,琵琶湖を訪れる多くの人々が,その雄大な自然に触れ,琵琶湖の価値を共有することを心から望むとともに,これらの人々に私たちの得た教訓を伝え,一人ひとりが,その活動において,自然の長い営みにより培われた生態系に人が与える影響の重大さや琵琶湖の自然環境とその畔に暮らす人々の生活に対してできる限り負荷がかからないものであるべきことを深く認識し,自らの行動に移していくことが重要であると考える。
私たちは,このような行動の社会への広がりと定着を一層促進するとともに,琵琶湖においてレジャー活動に伴う環境への負荷の低減を図るための施策を総合的に展開していくことが極めて重要であると認識するに至った。
私たちは,琵琶湖におけるこの取組が自然と共生する滋賀らしさの象徴となるとの揺るがぬ想いの下,未来からの,そして世界からの大切なあずかりものである琵琶湖の環境をできる限り健やかなまま次代に引き継ぐことを決意し,ここに滋賀県琵琶湖のレジャー利用の適正化に関する条例を制定する。

(目的)
第1条 この条例は,琵琶湖におけるレジャー活動に伴う環境への負荷の状況にかんがみ,その負荷の低減を図るために必要な琵琶湖のレジャー利用の適正化に関し,県,レジャー利用者および事業者の責務を明らかにするとともに,県の行う施策の基本となる事項を定め,プレジャーボートの航行に関する規制その他の必要な措置を講ずること等により,琵琶湖におけるレジャー活動に伴う環境への負荷の低減を図り,もって琵琶湖の自然環境およびその周辺における生活環境の保全に資することを目的とする。

(外来魚の再放流の禁止)
第18条 レジャー活動として魚類を採捕する者は,外来魚(ブルーギル,オオクチバスその他の規則で定める魚類をいう。)を採捕したときは,これを琵琶湖その他の水域に放流してはならない。

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車のナンバー照会の厳格化について

2007-11-10 20:29:04 | Weblog
asahi.com 車のナンバー照会,厳格化 プライバシー保護を重視

 ストーカー行為や窃盗の手段として利用されるような制度では「公共の福祉を増進」(道路運送車両法第1条参照)どころの話しではない。遅すぎたくらいの改正である。

今般の登録事項等証明書に係る改正は,道路運送車両法第22条に,登録情報の電気通信回線を使用した請求(第3項),請求者の本人確認(第4項),請求にあたっての請求事由等の明確化(第5項),不当目的の請求拒絶(第6項),を付け加えたもの。第1項の「何人も,国土交通大臣に対し,登録事項その他の自動車登録ファイルに記録されている事項を証明した書面(以下「登録事項等証明書」という。)の交付を請求することができる。」はそのまま。記事にある国交省関係者の「誰でも請求できる制度の趣旨は変わらない」は,第1項は従前どおり維持されていることを言うのであろう。
しかし,記事にもあるとおり,請求者については第5項及び第6項で事実上相当の絞りがかかる。「何人も」とはあるが,「誰でも」云々は説明として無理があるのではなかろうか。条項の作りとしては随分安上がりな方法をとったものだ。

話しは変わるが,秋田運輸支局のHPに自動車の「遺産分割協議書(相続による移転登録)」が掲げられている。これを見ると,対象自動車の特定としては,自動車登録番号のほか,車名,型式,車台番号まで必要のようだ。遺産分割に係る家事審判などでも,自動車の特定としては自動車登録番号で足りるとされることが多いのだが。

ようこそ秋田運輸支局へ! 登録事項等証明書の請求方法変更について

ようこそ秋田運輸支局へ! 様式集(PDF)


改正道路運送車両法の関連条文

(この法律の目的)
第一条  この法律は,道路運送車両に関し,所有権についての公証等を行い,並びに安全性の確保及び公害の防止その他の環境の保全並びに整備についての技術の向上を図り,併せて自動車の整備事業の健全な発達に資することにより,公共の福祉を増進することを目的とする。

(登録事項等証明書等)
第二十二条  何人も,国土交通大臣に対し,登録事項その他の自動車登録ファイルに記録されている事項を証明した書面(以下「登録事項等証明書」という。)の交付を請求することができる。
2  前項の規定により登録事項等証明書の交付を請求する者は,国土交通省令で定めるところにより,第百二条第一項の規定による手数料のほか送付に要する費用を納付して,その送付を請求することができる。
3  第九十六条の十五から第九十六条の十七までの規定により国土交通大臣の登録を受けた者(以下「登録情報提供機関」という。)は,登録事項その他の自動車登録ファイルに記録されている情報(以下「登録情報」という。)の電気通信回線による提供を受けようとする者の委託を受けて,その者に対し,国土交通大臣から提供を受けた登録情報を電気通信回線を使用して送信する業務(以下「情報提供業務」という。)を行うため,国土交通大臣に対し,当該委託に係る登録情報の提供を電気通信回線を使用して請求することができる。
4  国土交通大臣又は登録情報提供機関は,第一項の規定による請求をする者又は前項の委託をする者について,国土交通省令で定める方法により本人であることの確認を行うものとする。
5  第一項及び第三項の規定による請求は,請求の事由又は請求に係る委託の事由その他国土交通省令で定める事項を明らかにしてしなければならない。ただし,自動車の所有者が当該自動車について第一項の規定による請求をする場合その他の国土交通省令で定める場合は,この限りでない。
6  国土交通大臣は,第一項の規定による請求若しくは第三項の委託が不当な目的によることが明らかなとき又は第一項の登録事項等証明書の交付若しくは第三項の登録情報の提供により知り得た事項が不当な目的に使用されるおそれがあることその他の第一項又は第三項の規定による請求を拒むに足りる相当な理由があると認めるときは,当該請求を拒むことができる。

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漁業法改正による不審船への対処について

2007-11-09 19:59:01 | Weblog
MSN産経ニュース 不審船取り締まりへ法整備 政府

 漁業法第74条第3項に「漁業監督官又は漁業監督吏員は,必要があると認めるときは,漁場,船舶,事業場,事務所,倉庫等に臨んでその状況若しくは帳簿書類その他の物件を検査し,又は関係者に対し質問をすることができる。」とある。不審船に対する停船命令の根拠を漁業法の中に求めるとすればこの条文か。しかし,密漁等の疑いというのならいざ知らず,工作船と思しき不審船に漁業法で対処,はいかにも苦しい。
記事には漁業法の改正も検討されているとあるが,漁業法第1条の目的などからすれば筋違いというほかない。


魚漁法の関連条文

(この法律の目的)
第一条  この法律は,漁業生産に関する基本的制度を定め,漁業者及び漁業従事者を主体とする漁業調整機構の運用によつて水面を総合的に利用し,もつて漁業生産力を発展させ,あわせて漁業の民主化を図ることを目的とする。

(定義)
第二条  この法律において「漁業」とは,水産動植物の採捕又は養殖の事業をいう。
2  この法律において「漁業者」とは,漁業を営む者をいい,「漁業従事者」とは,漁業者のために水産動植物の採捕又は養殖に従事する者をいう。

(適用範囲)
第三条  公共の用に供しない水面には,別段の規定がある場合を除き,この法律の規定を適用しない。

第四条  公共の用に供しない水面であつて公共の用に供する水面と連接して一体を成すものには,この法律を適用する。

(漁業監督公務員)
第七十四条  農林水産大臣又は都道府県知事は,所部の職員の中から漁業監督官又は漁業監督吏員を命じ,漁業に関する法令の励行に関する事務をつかさどらせる。
2  漁業監督官の資格について必要な事項は,政令で定める。
3  漁業監督官又は漁業監督吏員は,必要があると認めるときは,漁場,船舶,事業場,事務所,倉庫等に臨んでその状況若しくは帳簿書類その他の物件を検査し,又は関係者に対し質問をすることができる。
4  漁業監督官又は漁業監督吏員がその職務を行う場合には,その身分を証明する証票を携帯し,要求があるときはこれを呈示しなければならない。
5  漁業監督官及び漁業監督吏員であつてその所属する官公署の長がその者の主たる勤務地を管轄する地方裁判所に対応する検察庁の検事正と協議をして指名したものは,漁業に関する罪に関し,刑事訴訟法 (昭和二十三年法律第百三十一号)の規定による司法警察員として職務を行う。

第百四十一条  次の各号のいずれかに該当する者は,六月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
一  第二十九条の規定に違反して漁業権を貸付けの目的とした者
二  第七十四条第三項の規定による漁業監督官又は漁業監督吏員の検査を拒み,妨げ,若しくは忌避し,又はその質問に対し答弁をせず,若しくは虚偽の陳述をした者
三  第百二十四条第四項の規定に違反した者
四  第百三十四条第一項の規定による報告を怠り,若しくは虚偽の報告をし,又は当該職員の検査を拒み,妨げ,若しくは忌避した者
五  第百三十四条第二項の規定による当該職員の測量,検査,移転又は除去を拒み,妨げ,又は忌避した者

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当たり券を外れ券だと早合点しまった人について

2007-11-06 21:19:52 | Weblog
MSN産経ニュース 「1000万円の当たりくじ忘れてますよ」

 当たりくじを置いたまま立ち去ってたという男性,何をしに窓口に行ったのだろうか。肝心要なところをキチンと確認しないで立ち去るとは・・・。世の中,不思議な人がいるものだ。

さて,記事には,件の宝くじは半年間と14日持ち主が現れなければ男性経営者のものになる,とある。
半年間と14日は,遺失物法施行令第2条第1項の「法第一条第二項 に規定する公告は,拾得した物件の差出を受けた警察署長が,内閣府令で定める様式により,差出を受けた日から起算して十四日間,当該警察署の掲示場に掲示して行わなければならない。」,同第20条の「民法第二百四十条 若しくは第二百四十一条 又は法第十一条第三項 に規定する六月の期間は,第二条第一項(前条において準用する場合を含む。)の規定による公告の期間の満了の日の翌日又は同条第二項(前条において準用する場合を含む。)の規定により同項の拾得物一覧簿に拾得に関し記載した日から起算して十四日を経過した日の翌日から起算するものとする。」からくるもののよう。
なお,新遺失物法の施行は本年12月10日から。

警察庁 改正遺失物法について


民法の関連条文

(遺失物の拾得)
第二百四十条  遺失物は,遺失物法 (明治三十二年法律第八十七号)の定めるところに従い公告をした後六箇月以内にその所有者が判明しないときは,これを拾得した者がその所有権を取得する。

遺失物法の関連条文

第一条  他人ノ遺失シタル物件ヲ拾得シタル者ハ速ニ遺失者又ハ所有者其ノ他物件回復ノ請求権ヲ有スル者ニ其ノ物件ヲ返還シ又ハ警察署長ニ之ヲ差出スヘシ但シ法令ノ規定ニ依リ私ニ所有所持スルコトヲ禁シタル物件ハ返還スルノ限ニアラス
2 物件ヲ警察署長ニ差出シタルトキハ警察署長ハ物件ノ返還ヲ受クヘキ者ニ之ヲ返還スヘシ若シ返還ヲ受クヘキ者ノ氏名又ハ居所ヲ知ルコト能ハサルトキハ政令ノ定ムル所ニ従ヒ公告ヲ為スヘシ

第四条  物件ノ返還ヲ受クル者ハ物件ノ価格百分ノ五ヨリ少カラス二十ヨリ多カラサル報労金ヲ拾得者ニ給スヘシ但シ国庫其ノ他公ノ法人ハ報労金ヲ請求スルコトヲ得ス
2 物件ノ返還ヲ受クル者ハ第十条第二項ノ占有者アル場合ニ於テハ前項ノ規定ニ依ル報労金ノ額ノ二分ノ一宛ヲ拾得者及占有者ニ給スベシ

第十二条  誤テ占有シタル物件他人ノ置去リタル物件又ハ逸走ノ家畜ニ関シテハ本法及民法第二百四十条 ノ規定ヲ準用ス但シ誤テ占有シタル物件ニ関シテハ第三条 ノ費用及第四条 ノ報労金ヲ請求スルコトヲ得ス

第十四条  本法及民法第二百四十条第二百四十一条 ノ規定ニ依リ物件ノ所有権ヲ取得シタル者取得ノ日ヨリ二箇月内ニ物件ヲ警察署長又ハ第十条ノ二第一項 ノ規定ニ依リ物件ヲ保管スル法人ヨリ引取ラサルトキハ所有権ヲ喪失ス

遺失物法施行令の関連条文

(拾得物件の差出)
第一条  遺失物法 (以下「法」という。)第一条第一項 に規定する拾得した物件の警察署長への差出は,事情の許す限り,当該物件を拾得した場所のもよりの警察署長にしなければならない。
2  拾得した物件の差出を受けた警察署長は,内閣府令で定める様式による拾得物預り書を当該物件を差し出した者に交付しなければならない。

(公告)
第二条  法第一条第二項 に規定する公告は,拾得した物件の差出を受けた警察署長が,内閣府令で定める様式により,差出を受けた日から起算して十四日間,当該警察署の掲示場に掲示して行わなければならない。
2  警察署長は,内閣府令で定める様式による拾得物一覧簿を当該警察署に備えつけ,これを何時でも随意関係者に閲覧させることにより,前項の規定による掲示に代えることができる。
3  警察署長は,前二項の規定による公告に係る物件のうち特に貴重な物件と認められるものについては,第一項の規定による公告の期間が満了し,又は前項の拾得物一覧簿に拾得に関し記載した日から起算して十四日を経過しても,なお遺失者又は所有者その他当該物件の回復の請求権を有する者(以下「遺失者等」という。)の氏名又は居所を知ることができないときは,さらに公告の要旨を官報又は新聞紙に掲載する措置をとらなければならない。

(拾得物件の返還)
第三条  警察署長は,遺失者等から物件の返還を求められたときは,内閣府令で定める様式による受領書と引換に返還しなければならない。この場合において,警察署長は,遺失者等にその氏名及び住所を証するに足りる書類を提示させる等の方法によつて遺失者等であることを証明させなければならない。
2  警察署長は,前項の規定により遺失者等に物件を返還する場合は,当該遺失者等の氏名及び住所を拾得者(法第十条第二項に規定する占有者がある場合における占有者を含む。以下この条において同じ。)に通知しなければならない。ただし,拾得物に関する権利をあらかじめ放棄し,若しくは失つている拾得者,遺失者等から既に報労金を給された拾得者又は居所が判明しないため通知できない拾得者に対しては,通知することを要しない。

(法定期間内に遺失者等の知れない場合における拾得者に対する通知等)
第四条  警察署長は,その保管する物件につき,民法 (明治二十九年法律第八十九号)第二百四十条 に規定する期間内に遺失者等の知れないときは,その旨を拾得者(法第十条第二項 に規定する占有者が同条第四項 の規定により拾得物に関する権利を取得する場合は,占有者とする。以下この条及び第九条第二項において同じ。)に通知しなければならない。ただし,拾得物に関する権利をあらかじめ放棄し,若しくは失つている拾得者又は居所が判明しないため通知できない拾得者に対しては,通知することを要しない。
2  警察署長は,遺失者等が知れない場合において拾得者が所有権を取得することとなるべき期日をあらかじめ第一条第二項の拾得物預り書に記載することにより,前項の通知に代えることができる。
3  警察署長は,前二項の規定による通知により拾得者から物件の交付を求められたときは,内閣府令で定める様式による受領書と引換に交付しなければならない。前条第一項後段の規定は,この場合について準用する。

(誤つて占有した物件等についての準用規定)
第十九条  第一条から第十条まで及び前条の規定は法第十二条 に規定する誤つて占有した物件,他人の置き去つた物件及び逸走した家畜について,第一条から第九条まで及び前条の規定は法第十一条 に規定する犯罪者の置き去つたと認める物件及び法第十三条 に規定する埋蔵物について準用する。この場合において,法第十三条 に規定する埋蔵物については,第四条第一項中「民法 (明治二十九年法律第八十九号)第二百四十条 」とあるのは「民法 (明治二十九年法律第八十九号)第二百四十一条 」と,「法第十条第二項 に規定する占有者が同条第四項 の規定により拾得物に関する権利を取得する場合は,占有者とする。」とあるのは「法第十三条 に規定する埋蔵物のうち他人の物の中において発見されたものについては,発見者及びその物の所有者とする。」と読み替えるものとする。

(期間計算)
第二十条  民法第二百四十条 若しくは第二百四十一条 又は法第十一条第三項 に規定する六月の期間は,第二条第一項(前条において準用する場合を含む。)の規定による公告の期間の満了の日の翌日又は同条第二項(前条において準用する場合を含む。)の規定により同項の拾得物一覧簿に拾得に関し記載した日から起算して十四日を経過した日の翌日から起算するものとする。

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個人的な信条で出生届を出さないと断じられたご夫婦について

2007-11-05 22:16:24 | Weblog
住民票,区に作成義務なし 事実婚夫婦が逆転敗訴 - さきがけ on the Web


 以前にも書いたことがあったが,出生届の出されていない者の住民票の取扱いについては,既に自治省時代の回答として次のようなものがある。ケースは異なるが,世田谷区の住民票不作性はこの回答を踏まえたものと思われる。

(出生届の出されていない者の住民票の取扱いについて)

(問) 婚姻中に婚姻外の男との間に出生した子の出生届を未済のまま父母は離婚した。母は,子の氏に母の離婚後の氏,父欄に事実上の父であるとする者の氏名を記載した出生届の受理を希望し,それができないならば,出生届を提出しないとしているため,受理に至らない。
この場合の子に係る住民票の記載の取扱いについて下記の方法が考えられるが,いずれを相当とすべきか。

            記

1 この場合に令第12条第1項の規定の適用はなく,同条第2項第1号の規定に従い,出生届を受理した後に職権で子に係る住民票の記載を行う。
2 出生届の受理をまたず,法第34条の規定に基づいて出生証明書及び子の居住の実態等を調査した上,
(1) 離婚後の母の氏をもって子に係る住民票の記載を行う。
(2) 民法第772条の規定を踏まえ,婚姻中の父母の氏をもって子に係る住民票の記載を行う。

(答)1の取扱いを相当とする。〔平元・12・22自治振第98号兵庫県総務部長あて回答〕


1の「この場合に令第12条第1項の規定の適用はな(い)」は,令第12条第1項にいう「法」は住民基本台帳法のこと → 同項の「当該届出」は住民基本台帳法に基づく転入届,転居届,転出届,世帯変更届のこと → 戸籍法に基づく出生届は含まれない,という理屈か。
さて,記事によれば,東京高裁は,無戸籍の子について自治体が職権で住民票を作成できるのは出生届を出すことで父母や子に重大な不利益が生じるといった極めて例外的な場合と指摘し,父母の信条から出生届が出されない今回のようなケースは例外に当たらないと判断。
個人的な信条で出生届けを出すのを怠っていると断じられた件の事実婚のご夫婦,上告の方向のようだ。

追記  上告受理審である最判H21.4.17も,世田谷区長の住民票不記載は住基法上違法ということはできず,国賠法上も違法ではない,とした。また,同判決は,同区長による不記載との応答は抗告訴訟の対象となる行政処分には当たらない,とし,当該応答に係る取消請求訴訟は却下した。
なお,同じご夫婦に係る事案については,戸籍法49条2項1号の嫡出・非嫡出の別の記載に係る部分は憲法14条1項に違反しているとして,国賠法に基づき国・世田谷区に対し慰謝料を求めた別訴訟がある(最判H25.9.26)。
該別訴の係属中,出生届の届出人が戸籍事務管掌者による届書の補正の求めに応じない場合等につき,平成22年3月24日付けで法務省民事局民事第一課長通知が発出されている(平成26年5月20日記)。


戸籍法の関連条文

第十三条  戸籍には,本籍の外,戸籍内の各人について,左の事項を記載しなければならない。
一  氏名
二  出生の年月日
三  戸籍に入つた原因及び年月日
四  実父母の氏名及び実父母との続柄
五  養子であるときは,養親の氏名及び養親との続柄
六  夫婦については,夫又は妻である旨
七  他の戸籍から入つた者については,その戸籍の表示
八  その他法務省令で定める事項

第四十九条  出生の届出は,十四日以内(国外で出生があつたときは,三箇月以内)にこれをしなければならない。
2  届書には,次の事項を記載しなければならない。
一  子の男女の別及び嫡出子又は嫡出でない子の別
二  出生の年月日時分及び場所
三  父母の氏名及び本籍,父又は母が外国人であるときは,その氏名及び国籍
四  その他法務省令で定める事項
3  医師,助産師又はその他の者が出産に立ち会つた場合には,医師,助産師,その他の者の順序に従つてそのうちの一人が法務省令・厚生労働省令の定めるところによつて作成する出生証明書を届書に添付しなければならない。ただし,やむを得ない事由があるときは,この限りでない。

第五十二条  嫡出子出生の届出は,父又は母がこれをし,子の出生前に父母が離婚をした場合には,母がこれをしなければならない。
2  嫡出でない子の出生の届出は,母がこれをしなければならない。
3  前二項の規定によつて届出をすべき者が届出をすることができない場合には,左の者は,その順序に従つて,届出をしなければならない。
第一 同居者
第二 出産に立ち会つた医師,助産師又はその他の者
4  第一項又は第二項の規定によつて届出をすべき者が届出をすることができない場合には,その者以外の法定代理人も,届出をすることができる。

住民基本台帳法の関連条文

(目的)
第一条  この法律は,市町村(特別区を含む。以下同じ。)において,住民の居住関係の公証,選挙人名簿の登録その他の住民に関する事務の処理の基礎とするとともに住民の住所に関する届出等の簡素化を図り,あわせて住民に関する記録の適正な管理を図るため,住民に関する記録を正確かつ統一的に行う住民基本台帳の制度を定め,もつて住民の利便を増進するとともに,国及び地方公共団体の行政の合理化に資することを目的とする。

(国及び都道府県の責務)
第二条  国及び都道府県は,市町村の住民の住所又は世帯若しくは世帯主の変更及びこれらに伴う住民の権利又は義務の異動その他の住民としての地位の変更に関する市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ。)その他の市町村の執行機関に対する届出その他の行為(次条第三項及び第二十一条において「住民としての地位の変更に関する届出」と総称する。)がすべて一の行為により行われ,かつ,住民に関する事務の処理がすべて住民基本台帳に基づいて行われるように,法制上その他必要な措置を講じなければならない。

(市町村長等の責務)
第三条  市町村長は,常に,住民基本台帳を整備し,住民に関する正確な記録が行われるように努めるとともに,住民に関する記録の管理が適正に行われるように必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
2  市町村長その他の市町村の執行機関は,住民基本台帳に基づいて住民に関する事務を管理し,又は執行するとともに,住民からの届出その他の行為に関する事務の処理の合理化に努めなければならない。
3  住民は,常に,住民としての地位の変更に関する届出を正確に行なうように努めなければならず,虚偽の届出その他住民基本台帳の正確性を阻害するような行為をしてはならない。
4  何人も,第十一条第一項に規定する住民基本台帳の一部の写しの閲覧又は住民票の写し,住民票に記載をした事項に関する証明書,戸籍の附票の写しその他のこの法律の規定により交付される書類の交付により知り得た事項を使用するに当たつて,個人の基本的人権を尊重するよう努めなければならない。

(住民票の記載事項)
第七条  住民票には,次に掲げる事項について記載(前条第三項の規定により磁気ディスクをもつて調製する住民票にあつては,記録。以下同じ。)をする。
一  氏名
二  出生の年月日
三  男女の別
四  世帯主についてはその旨,世帯主でない者については世帯主の氏名及び世帯主との続柄
五  戸籍の表示。ただし,本籍のない者及び本籍の明らかでない者については,その旨
六  住民となつた年月日
七  住所及び一の市町村の区域内において新たに住所を変更した者については,その住所を定めた年月日
八  新たに市町村の区域内に住所を定めた者については,その住所を定めた旨の届出の年月日(職権で住民票の記載をした者については,その年月日)及び従前の住所
九  選挙人名簿に登録された者については,その旨
十  国民健康保険の被保険者(国民健康保険法 (昭和三十三年法律第百九十二号)第五条 及び第六条 の規定による国民健康保険の被保険者をいう。第二十八条及び第三十一条第三項において同じ。)である者については,その資格に関する事項で政令で定めるもの十の二  介護保険の被保険者(介護保険法 (平成九年法律第百二十三号)第九条 の規定による介護保険の被保険者(同条第二号 に規定する第二号 被保険者を除く。)をいう。第二十八条の二及び第三十一条第三項において同じ。)である者については,その資格に関する事項で政令で定めるもの
十一  国民年金の被保険者(国民年金法 (昭和三十四年法律第百四十一号)第七条 その他政令で定める法令の規定による国民年金の被保険者(同条第一項第二号 に規定する第二号 被保険者及び同項第三号 に規定する第三号 被保険者を除く。)をいう。第二十九条及び第三十一条第三項において同じ。)である者については,その資格に関する事項で政令で定めるもの
十一の二  児童手当の支給を受けている者(児童手当法 (昭和四十六年法律第七十三号)第七条 の規定により認定を受けた受給資格者をいう。第二十九条の二及び第三十一条第三項において同じ。)については,その受給資格に関する事項で政令で定めるもの
十二  米穀の配給を受ける者(主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律 (平成六年法律第百十三号)第四十条第一項 の規定に基づく政令の規定により米穀の配給が実施される場合におけるその配給に基づき米穀の配給を受ける者で政令で定めるものをいう。第三十条及び第三十一条第三項において同じ。)については,その米穀の配給に関する事項で政令で定めるもの
十三  住民票コード(番号,記号その他の符号であつて総務省令で定めるものをいう。以下同じ。)
十四  前各号に掲げる事項のほか,政令で定める事項

(住民票の記載等)
第八条  住民票の記載,消除又は記載の修正(第十八条を除き,以下「記載等」という。)は,第三十条の二第一項及び第二項,第三十条の三第三項並びに第三十条の四の規定によるほか,政令で定めるところにより,この法律の規定による届出に基づき,又は職権で行うものとする。

(調査)
第三十四条  市町村長は,定期に,第七条に規定する事項について調査をするものとする。
2  市町村長は,前項に定める場合のほか,必要があると認めるときは,いつでも第七条に規定する事項について調査をすることができる。
3  市町村長は,前二項の調査に当たり,必要があると認めるときは,当該吏員をして,関係人に対し,質問をさせ,又は文書の提示を求めさせることができる。
4  当該吏員は,前項の規定により質問をし,又は文書の提示を求める場合には,その身分を示す証明書を携帯し,関係人の請求があつたときは,これを提示しなければならない。

住民基本台帳法施行令の関連条文

(住民票の記載)
第七条  市町村長は,新たに市町村の区域内に住所を定めた者その他新たにその市町村の住民基本台帳に記録されるべき者があるときは,次項に定める場合を除き,その者の住民票を作成しなければならない。
2  市町村長は,一の世帯につき世帯を単位とする住民票を作成した後に新たにその市町村の住民基本台帳に記録されるべき者でその世帯に属することとなつたもの(既に当該世帯に属していた者で新たに法の適用を受けることとなつたものを含む。)があるときは,その住民票にその者に関する記載(法第六条第三項 の規定により磁気ディスクをもつて調製する住民票にあつては,記録。以下同じ。)をしなければならない。

(住民票の消除)
第八条  市町村長は,その市町村の住民基本台帳に記録されている者が転出をし,又は死亡したときその他その者についてその市町村の住民基本台帳の記録から除くべき事由が生じたときは,その者の住民票(その者が属していた世帯について世帯を単位とする住民票が作成されていた場合にあつては,その住民票の全部又は一部)を消除しなければならない。

(住民票の記載の修正)
第九条  市町村長は,住民票に記載されている事項(住民票コードを除く。)に変更があつたときは,その住民票の記載の修正をしなければならない。

(転居又は世帯変更による住民票の記載及び消除)
第十条  市町村長は,転居をし,又はその市町村の区域内においてその属する世帯を変更した者がある場合において,前条の規定によるほか必要があるときは,その者の住民票を作成し,又はその属することとなつた世帯の住民票にその者に関する記載をするとともに,その者の住民票(その者が属していた世帯について世帯を単位とする住民票が作成されていた場合にあつては,その住民票の全部又は一部)の消除をしなければならない。

(届出に基づく住民票の記載等)
第十一条  市町村長は,法の規定による届出があつたときは,当該届出の内容が事実であるかどうかを審査して,第七条から前条までの規定による住民票の記載,消除又は記載の修正(以下「記載等」という。)を行なわなければならない。

(職権による住民票の記載等)
第十二条  市町村長は,法の規定による届出に基づき住民票の記載等をすべき場合において,当該届出がないことを知つたときは,当該記載等をすべき事実を確認して,職権で,第七条から第十条までの規定による住民票の記載等をしなければならない。
2  市町村長は,次に掲げる場合において,第七条から第十条までの規定により住民票の記載等をすべき事由に該当するときは,職権で,これらの規定による住民票の記載等をしなければならない。
一  戸籍に関する届書,申請書その他の書類を受理し,若しくは職権で戸籍の記載若しくは記録をしたとき,又は法第九条第二項 の規定による通知を受けたとき。
二  法第十条 の規定による通知を受けたとき。
三  国民健康保険法第九条第一項 又は第九項 の規定による届出を受理したとき(同条第十項 の規定により届出があつたものとみなされるときを除く。)その他国民健康保険の被保険者の資格の取得若しくは喪失に関する事実又は退職被保険者等となり,若しくは退職被保険者等でなくなつた事実を確認したとき。
三の二  介護保険法 (平成九年法律第百二十三号)第十二条第一項 本文の規定による届出を受理したとき(同条第五項 の規定により届出があつたものとみなされるときを除く。)その他介護保険の被保険者となり,又は介護保険の被保険者でなくなつた事実を確認したとき。
四  国民年金法第十二条第一項 若しくは第二項 又は同法第百五条第四項 の規定による届出を受理したとき(同法第十二条第三項 の規定により届出があつたものとみなされるときを除く。),国民年金の被保険者の資格に関する処分があつたときその他国民年金の被保険者となり,若しくは国民年金の被保険者でなくなつた事実又は国民年金の被保険者の種別の変更に関する事実を確認したとき。
五  児童手当法第七条 の規定による認定をしたとき,又は児童手当を支給すべき事由の消滅に関する事実を確認したとき。
六  次に掲げる不服申立てについての裁決若しくは決定その他の決定又は訴訟の判決の内容が住民基本台帳の記録と異なるとき。
イ 法第三十一条の四 の規定による審査請求についての裁決若しくは異議申立てについての決定又は同条 の処分についての訴訟の確定判決
ロ 法第三十三条第二項 の規定による住民の住所の認定に関する決定又は同条第四項 の規定による訴訟の確定判決
ハ 公職選挙法 (昭和二十五年法律第百号)第二十四条第二項 の規定による異議の申出についての決定又は同法第二十五条 の規定による訴訟の確定判決
ニ 地方税法 (昭和二十五年法律第二百二十六号)第十九条 に規定する不服申立てについての決定又は同条 の処分についての訴訟の確定判決
ホ 国民健康保険法第九十一条第一項 の規定による審査請求についての裁決又は同項 の処分についての訴訟の確定判決
ヘ 介護保険法第百八十三条第一項 の規定による審査請求についての裁決又は同項 の処分についての訴訟の確定判決
ト 国民年金法第百一条第一項 の規定による審査請求についての決定若しくは再審査請求についての裁決又は同項 の処分についての訴訟の確定判決
七  行政区画,郡,区,市町村内の町若しくは字若しくはこれらの名称の変更,地番の変更又は住居表示に関する法律 (昭和三十七年法律第百十九号)第三条第一項 及び第二項 若しくは同法第四条 の規定による住居表示の実施若しくは変更に伴い住所の表示の変更があつたとき。
3  市町村長は,住民基本台帳に脱漏若しくは誤載があり,又は住民票に誤記(住民票コードに係る誤記を除く。)若しくは記載漏れ(住民票コードに係る記載漏れを除く。)があることを知つたときは,当該事実を確認して,職権で,住民票の記載等をしなければならない。
4  市町村長は,第一項の規定により住民票の記載等をしたときは,その旨を当該記載等に係る者に通知しなければならない。この場合において,通知を受けるべき者の住所及び居所が明らかでないときその他通知をすることが困難であると認めるときは,その通知に代えて,その旨を公示することができる。

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社員からお墨付きを得たうえでの続投について

2007-11-03 20:27:35 | Weblog
社長続投,社員が可否判断・エルピーダ,定款など明文化へ NIKKEI NET

 自治体の首長の多選制限条例が話題になっているが,本記事は,言わば,営利企業の代表者の多選制限の話し。
記事によれば,一定の任期を経た社長の続投は従業員の意見を踏まえて決めるとのこと。具体的には,職場ごとの社員代表者や取締役から過半数の支持がなければ退任だそうだ。
記事の会社は取締役会設置会社のよう。取締役会設置会社の場合,代表取締役社長の選定は,通常,取締役会が行う(会社法第362条第3項)。さて,職場ごとの社員代表者,どのような形で代表取締役社長の選定に関与するのだろう。社員代表者の支持がなければ被選定資格がないといった話しか。この辺り,記事からは明らかではない。
記事には,本定款変更の狙いは,人事の透明性を高める云々とある。詳細はわからないが,責任の無い(明確ではない)者の関与は却って逆効果という感じもしないではない。


会社法の関連条文

(株式会社の代表)
第三百四十九条  取締役は,株式会社を代表する。ただし,他に代表取締役その他株式会社を代表する者を定めた場合は,この限りでない。
2  前項本文の取締役が二人以上ある場合には,取締役は,各自,株式会社を代表する。
3  株式会社(取締役会設置会社を除く。)は,定款,定款の定めに基づく取締役の互選又は株主総会の決議によって,取締役の中から代表取締役を定めることができる。
4  代表取締役は,株式会社の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。
5  前項の権限に加えた制限は,善意の第三者に対抗することができない。

(取締役会の権限等)
第三百六十二条  取締役会は,すべての取締役で組織する。
2  取締役会は,次に掲げる職務を行う。
一  取締役会設置会社の業務執行の決定
二  取締役の職務の執行の監督
三  代表取締役の選定及び解職
3  取締役会は,取締役の中から代表取締役を選定しなければならない。
4  取締役会は,次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を取締役に委任することができない。
一  重要な財産の処分及び譲受け
二  多額の借財
三  支配人その他の重要な使用人の選任及び解任
四  支店その他の重要な組織の設置,変更及び廃止
五  第六百七十六条第一号に掲げる事項その他の社債を引き受ける者の募集に関する重要な事項として法務省令で定める事項
六  取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備
七  第四百二十六条第一項の規定による定款の定めに基づく第四百二十三条第一項の責任の免除
5  大会社である取締役会設置会社においては,取締役会は,前項第六号に掲げる事項を決定しなければならない。

(取締役会の決議)
第三百六十九条  取締役会の決議は,議決に加わることができる取締役の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては,その割合以上)が出席し,その過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては,その割合以上)をもって行う。
2  前項の決議について特別の利害関係を有する取締役は,議決に加わることができない。
3  取締役会の議事については,法務省令で定めるところにより,議事録を作成し,議事録が書面をもって作成されているときは,出席した取締役及び監査役は,これに署名し,又は記名押印しなければならない。
4  前項の議事録が電磁的記録をもって作成されている場合における当該電磁的記録に記録された事項については,法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。
5  取締役会の決議に参加した取締役であって第三項の議事録に異議をとどめないものは,その決議に賛成したものと推定する。

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長時間の取り調べの禁止について

2007-11-02 20:43:18 | Weblog
長時間取り調べ禁止へ 新制度導入で警察庁長官 - さきがけ on the Web

 任意捜査における長時間の取調べの適法性の如何に係る判例としては,ご存じのとおり,高輪グリーンマンション殺人事件のほか,平塚事件(最判H1.7.4)がある。
この事案,強盗殺人事件の被疑者を午後11時過ぎに任意同行し,翌日の午後9時過ぎに逮捕するまで一睡もさせずに徹夜で22時間にわたり継続的に取り調べたというもの。最高裁は,次のように判示し,任意捜査として違法とまでは言えないとした。

2 右の事実関係のもとにおいて,昭和五八年二月一日午後一一時過ぎに被告人を平塚警察署に任意同行した後翌二日午後九時二五分に逮捕するまでの間になされた被告人に対する取調べは,刑訴法一九八条に基づく任意捜査上して行われたものと認められるところ,任意捜査の一環としての被疑者に対する取調べは,事案の性質,被疑者に対する容疑の程度,被疑者の態度等諸般の事情を勘案して,社会通念上相当と認められる方法ないし態様及び限度において,許容されるものである(最高裁昭和五七年(あ)第三〇一号同五九年二月二九日第二小法廷決定・刑集三八巻三号四七九頁参照)。
 右の見地から本件任意取調べの適否について勘案するのに,本件任意取調べは,被告人に一睡もさせずに徹夜で行われ,更に被告人が一応の自白をした後もほぼ半日にわたり継続してなされたものであつて,一般的に,このような長時間にわたる被疑者に対する取調べは,たとえ任意捜査としてなされるものであつても,被疑者の心身に多大の苦痛,疲労を与えるものであるから,特段の事情がない限り,容易にこれを是認できるものではなく,ことに本件においては,被告人が被害者を殺害したことを認める自白をした段階で速やかに必要な裏付け捜査をしたうえ逮捕手続をとつて取調べを中断するなど他にとりうる方途もあつたと考えられるのであるから,その適法性を肯認するには慎重を期さなければならない。そして,もし本件取調べが被告人の供述の任意性に疑いを生じさせるようなものであうたときには,その取調べを違法とし,その間になされた自白の証拠能力を否定すべきものである。
3 そこで,本件任意取調べについて更に検討するのに,次のような特殊な事情のあつたことはこれを認めなければならない。
 すなわち,前述のとおり,警察官は,被害者の生前の生活状況等をよく知る参考人として被告人から事情を聴取するため本件取調ベを始めたものであり,冒頭被告人から進んで取調べを願う旨の承諾を得ていた。
 また,被告人が被害者を殺害した旨の自白を始めたのは,翌朝午前九時半過ぎころであり,その後取調べが長時間に及んだのも,警察官において,逮捕に必要な資料を得る意図のもとに強盗の犯意について自白を強要するため取調べを続け,あるいは逮捕の際の時間制限を免れる意図のもとに任意取調べを装つて取調べを続けた結果ではなく,それまでの捜査により既に逮捕に必要な資料はこれを得ていたものの,殺人と窃盗に及んだ旨の被告人の自白が客観的状況と照応せず,虚偽を含んでいると判断されたため,真相は強盗殺人ではないかとの容疑を抱いて取調べを続けた結果であると認められる。
 さらに,本件の任意の取調べを通じて,被告人が取調べを拒否して帰宅しようとしたり,休息させてほしいと申し出た形跡はなく,本件の任意の取調べ及びその後の取調べにおいて,警察官の追及を受けながらなお前記郵便貯金の払戻時期など重要な点につき虚偽の供述や弁解を続けるなどの態度を示しており,所論がいうように当時被告人が風邪や眠気のため意識がもうろうとしていたなどの状態にあつたものとは認め難い。
4 以上の事情に加え,本件事案の性質,重大性を総合勘案すると,本件取調べは,社会通念上任意捜査として許容される限度を逸脱したものであつたとまでは断ずることができず,その際になされた被告人の自白の任意性に疑いを生じさせるようなものであつたとも認められない。


なお,坂上壽夫裁判官の反対意見が付いている。

さて,記事には,吉村警察庁長官の談話として,取り調べについても「内容」と「形」を分けて考えるとある。結構なことである。この問題については,上記平塚事件最判を読んでもおわかりのように,ややもすれば,「形」は「内容(実質)」(事案の重大性,本人の同意等々)の前で軽んじられてきた。言葉どおり,「長時間や深夜の取り調べの原則禁止,例外については本部長等の承認が必要」が厳格に運用されるようお願いしたいもの。「釈迦に説法」で恐縮だが,刑訴法第1条には「この法律は,刑事事件につき,公共の福祉の維持と個人の基本的人権の保障とを全うしつつ,事案の真相を明らかにし,刑罰法令を適正且つ迅速に適用実現することを目的とする。」とある。

判例検索システム 平成1年07月04日 強盗致死,有印私文書偽造,同行使,詐欺被告事件


日本国憲法の関連条文

第三十一条  何人も,法律の定める手続によらなければ,その生命若しくは自由を奪はれ,又はその他の刑罰を科せられない。

第三十四条  何人も,理由を直ちに告げられ,且つ,直ちに弁護人に依頼する権利を与へられなければ,抑留又は拘禁されない。又,何人も,正当な理由がなければ,拘禁されず,要求があれば,その理由は,直ちに本人及びその弁護人の出席する公開の法廷で示されなければならない。

第三十八条  何人も,自己に不利益な供述を強要されない。
2  強制,拷問若しくは脅迫による自白又は不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白は,これを証拠とすることができない。
3  何人も,自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には,有罪とされ,又は刑罰を科せられない。

刑事訴訟法の関連条文

第一条  この法律は,刑事事件につき,公共の福祉の維持と個人の基本的人権の保障とを全うしつつ,事案の真相を明らかにし,刑罰法令を適正且つ迅速に適用実現することを目的とする。

第百九十八条  検察官,検察事務官又は司法警察職員は,犯罪の捜査をするについて必要があるときは,被疑者の出頭を求め,これを取り調べることができる。但し,被疑者は,逮捕又は勾留されている場合を除いては,出頭を拒み,又は出頭後,何時でも退去することができる。
2  前項の取調に際しては,被疑者に対し,あらかじめ,自己の意思に反して供述をする必要がない旨を告げなければならない。
3  被疑者の供述は,これを調書に録取することができる。
4  前項の調書は,これを被疑者に閲覧させ,又は読み聞かせて,誤がないかどうかを問い,被疑者が増減変更の申立をしたときは,その供述を調書に記載しなければならない。
5  被疑者が,調書に誤のないことを申し立てたときは,これに署名押印することを求めることができる。但し,これを拒絶した場合は,この限りでない。

第三百十九条  強制,拷問又は脅迫による自白,不当に長く抑留又は拘禁された後の自白その他任意にされたものでない疑のある自白は,これを証拠とすることができない。
2  被告人は,公判廷における自白であると否とを問わず,その自白が自己に不利益な唯一の証拠である場合には,有罪とされない。
3  前二項の自白には,起訴された犯罪について有罪であることを自認する場合を含む。

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年齢条項の見直しについて

2007-11-01 22:21:44 | Weblog
MSN産経ニュース 年齢条項 22年通常国会までに関連法案提出 検討委

 国民投票法第3条には「日本国民で年齢満十八年以上の者は,国民投票の投票権を有する。」,同附則第3条第1項には「国は,この法律が施行されるまでの間に,年齢満十八年以上満二十年未満の者が国政選挙に参加することができること等となるよう,選挙権を有する者の年齢を定める公職選挙法,成年年齢を定める民法(明治二十九年法律第八十九号)その他の法令の規定について検討を加え,必要な法制上の措置を講ずるものとする。」とある。ただ,国民投票法第3条第1項の「満十八年以上」は,同附則第2項により,法制上の措置が講ぜられるまで「満二十年以上」と読み替えられる。

法制上の措置は,「年齢満十八年以上満二十年未満の者が国政選挙に参加することができること等となるよう」行われる。目的からすれば,対象法令の範囲は自ずと絞り込まれそうだが,検討対象として,上記のとおり,公選法のほか,特に「成年年齢を定める民法」が明定されている。なるほど,「等」が付いている。言うまでもなく,民法は一般法。これに手を付けた場合,他はそのままというわけにはいかない。見直し法案の「平成21年の臨時国会か,22年の通常国会に提出」というスケジュールも,対象法令が広範囲であることを予感させる。

首相官邸 年齢条項の見直しに関する検討委員会の設置について


「日本国憲法の改正手続に関する法律」の関連条文

(趣旨)
第一条  この法律は,日本国憲法第九十六条に定める日本国憲法の改正(以下「憲法改正」という。)について,国民の承認に係る投票(以下「国民投票」という。)に関する手続を定めるとともに,あわせて憲法改正の発議に係る手続の整備を行うものとする。

(国民投票の期日)
第二条  国民投票は,国会が憲法改正を発議した日(国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第六十八条の五第一項の規定により国会が日本国憲法第九十六条第一項に定める日本国憲法の改正の発議をし,国民に提案したものとされる日をいう。)から起算して六十日以後百八十日以内において,国会の議決した期日に行う。
2  内閣は,国会法第六十五条第一項の規定により国民投票の期日に係る議案の送付を受けたときは,速やかに,総務大臣を経由して,当該国民投票の期日を中央選挙管理会に通知しなければならない。
3  中央選挙管理会は,前項の通知があったときは,速やかに,国民投票の期日を官報で告示しなければならない。

(投票権)
第三条  日本国民で年齢満十八年以上の者は,国民投票の投票権を有する。

(投票権を有しない者)
第四条  成年被後見人は,国民投票の投票権を有しない。

(本籍地の市町村長の通知)
第五条  市町村長は,第二十二条第一項第一号に規定する登録基準日から国民投票の期日までの間,その市町村に本籍を有する者で他の市町村に住所を有するもの又は他の市町村において第三十七条の規定による在外投票人名簿の登録がされているものについて,前条の規定により投票権を有しなくなるべき事由が生じたこと又はその事由がなくなったことを知ったときは,遅滞なくその旨を当該他の市町村の選挙管理委員会に通知しなければならない。

(被登録資格等)
第二十二条  投票人名簿の登録は,国民投票の期日現在で年齢満十八年以上の日本国民(第四条の規定により投票権を有しない者を除く。)で,次のいずれかに該当するものについて行う。
一  国民投票の期日前五十日に当たる日(以下「登録基準日」という。)において,当該市町村の住民基本台帳に記録されている者
二  登録基準日の翌日から十四日以内に当該市町村の住民基本台帳に記録された者であって,登録基準日においていずれの市町村の住民基本台帳にも記録されていないもの(登録基準日後当該住民基本台帳に記録された日までの間に他の市町村の住民基本台帳に記録されたことがある者及び当該住民基本台帳に記録された日においていずれかの市町村の在外投票人名簿に登録されている者を除く。)
2  市町村の選挙管理委員会は,政令で定めるところにより,当該市町村の投票人名簿に登録される資格を有する者を調査し,その者を投票人名簿に登録するための整理をしておかなければならない。

(在外投票人名簿の被登録資格)
第三十五条  在外投票人名簿の登録は,国民投票の期日現在で年齢満十八年以上の日本国民(第四条の規定により投票権を有しない者を除く。次条第一項において同じ。)で,次のいずれかに該当するものについて行う。
一  登録基準日において当該市町村の在外選挙人名簿(公職選挙法第四章の二の在外選挙人名簿をいう。次条第一項及び第四項並びに第三十七条第一項第一号において同じ。)に登録されている者(登録基準日においていずれかの市町村の住民基本台帳に記録されている者を除く。)
二  次条第一項の規定により在外投票人名簿の登録の申請をした者(当該申請に基づき在外投票人名簿の登録を行おうとする日においていずれかの市町村の投票人名簿に登録されている者を除く。)

(在外投票人名簿の登録の申請)
第三十六条  国民投票の期日現在で年齢満十八年以上の日本国民で,国外に住所を有する者(在外選挙人名簿に登録されている者を除く。)は,政令で定めるところにより,文書で,最終住所の所在地の市町村の選挙管理委員会(その者が,いずれの市町村の住民基本台帳にも記録されたことがない者である場合には,申請の時におけるその者の本籍地の市町村の選挙管理委員会)に在外投票人名簿の登録の申請をすることができる。
2  前項の規定による申請は,政令で定めるところにより,第二条第三項又は第百三十五条第五項の規定により中央選挙管理会が国民投票の期日を告示した日から登録基準日(登録基準日前十日に当たる日から登録基準日までの間に国内の市町村から国外へ転出(住民基本台帳法(昭和四十二年法律第八十一号)第二十四条に規定する転出をいう。)をした者にあっては,登録基準日後七日に当たる日)までの間に,前項の規定による申請書を,在外投票人名簿の登録の申請に関し当該申請をする者の住所を管轄する領事官(領事官の職務を行う大使館若しくは公使館の長又はその事務を代理する者を含む。以下この節において同じ。)(当該領事官を経由して申請を行うことが著しく困難である地域として総務省令・外務省令で定める地域にあっては,総務省令・外務省令で定める者。以下この節において同じ。)に提出し,当該領事官を経由してしなければならない。
3  前項の場合において,領事官は,政令で定めるところにより,第一項の規定による申請書にその申請をした者の在外投票人名簿に登録される資格に関する意見を付して,直ちに,当該申請をした者の最終住所の所在地の市町村の選挙管理委員会(当該申請をした者が,いずれの市町村の住民基本台帳にも記録されたことがない者である場合には,申請の時におけるその者の本籍地の市町村の選挙管理委員会)に送付しなければならない。
4  登録基準日までの間に,公職選挙法第三十条の五第一項の規定による申請書を同条第二項に規定する領事官又は同項に規定する総務省令・外務省令で定める者に提出した者(登録基準日において同条第三項第二号に規定する三箇月を経過していない者及び在外選挙人名簿に登録されている者を除く。)については,当該申請を第一項の規定による申請とみなす。

附則

(施行期日)
第一条  この法律は,公布の日から起算して三年を経過した日から施行する。ただし,第六章の規定(国会法第十一章の二の次に一章を加える改正規定を除く。)並びに附則第四条,第六条及び第七条の規定は公布の日以後初めて召集される国会の召集の日から,附則第三条第一項,第十一条及び第十二条の規定は公布の日から施行する。

(法制上の措置)
第三条  国は,この法律が施行されるまでの間に,年齢満十八年以上満二十年未満の者が国政選挙に参加することができること等となるよう,選挙権を有する者の年齢を定める公職選挙法,成年年齢を定める民法(明治二十九年法律第八十九号)その他の法令の規定について検討を加え,必要な法制上の措置を講ずるものとする。
2  前項の法制上の措置が講ぜられ,年齢満十八年以上満二十年未満の者が国政選挙に参加すること等ができるまでの間,第三条,第二十二条第一項,第三十五条及び第三十六条第一項の規定の適用については,これらの規定中「満十八年以上」とあるのは,「満二十年以上」とする。

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