法律の周辺

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社員からお墨付きを得たうえでの続投について

2007-11-03 20:27:35 | Weblog
社長続投,社員が可否判断・エルピーダ,定款など明文化へ NIKKEI NET

 自治体の首長の多選制限条例が話題になっているが,本記事は,言わば,営利企業の代表者の多選制限の話し。
記事によれば,一定の任期を経た社長の続投は従業員の意見を踏まえて決めるとのこと。具体的には,職場ごとの社員代表者や取締役から過半数の支持がなければ退任だそうだ。
記事の会社は取締役会設置会社のよう。取締役会設置会社の場合,代表取締役社長の選定は,通常,取締役会が行う(会社法第362条第3項)。さて,職場ごとの社員代表者,どのような形で代表取締役社長の選定に関与するのだろう。社員代表者の支持がなければ被選定資格がないといった話しか。この辺り,記事からは明らかではない。
記事には,本定款変更の狙いは,人事の透明性を高める云々とある。詳細はわからないが,責任の無い(明確ではない)者の関与は却って逆効果という感じもしないではない。


会社法の関連条文

(株式会社の代表)
第三百四十九条  取締役は,株式会社を代表する。ただし,他に代表取締役その他株式会社を代表する者を定めた場合は,この限りでない。
2  前項本文の取締役が二人以上ある場合には,取締役は,各自,株式会社を代表する。
3  株式会社(取締役会設置会社を除く。)は,定款,定款の定めに基づく取締役の互選又は株主総会の決議によって,取締役の中から代表取締役を定めることができる。
4  代表取締役は,株式会社の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。
5  前項の権限に加えた制限は,善意の第三者に対抗することができない。

(取締役会の権限等)
第三百六十二条  取締役会は,すべての取締役で組織する。
2  取締役会は,次に掲げる職務を行う。
一  取締役会設置会社の業務執行の決定
二  取締役の職務の執行の監督
三  代表取締役の選定及び解職
3  取締役会は,取締役の中から代表取締役を選定しなければならない。
4  取締役会は,次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を取締役に委任することができない。
一  重要な財産の処分及び譲受け
二  多額の借財
三  支配人その他の重要な使用人の選任及び解任
四  支店その他の重要な組織の設置,変更及び廃止
五  第六百七十六条第一号に掲げる事項その他の社債を引き受ける者の募集に関する重要な事項として法務省令で定める事項
六  取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備
七  第四百二十六条第一項の規定による定款の定めに基づく第四百二十三条第一項の責任の免除
5  大会社である取締役会設置会社においては,取締役会は,前項第六号に掲げる事項を決定しなければならない。

(取締役会の決議)
第三百六十九条  取締役会の決議は,議決に加わることができる取締役の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては,その割合以上)が出席し,その過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては,その割合以上)をもって行う。
2  前項の決議について特別の利害関係を有する取締役は,議決に加わることができない。
3  取締役会の議事については,法務省令で定めるところにより,議事録を作成し,議事録が書面をもって作成されているときは,出席した取締役及び監査役は,これに署名し,又は記名押印しなければならない。
4  前項の議事録が電磁的記録をもって作成されている場合における当該電磁的記録に記録された事項については,法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。
5  取締役会の決議に参加した取締役であって第三項の議事録に異議をとどめないものは,その決議に賛成したものと推定する。

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