法律の周辺

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天皇陛下のご心痛について

2007-11-12 20:57:30 | Weblog
asahi.com 「ブルーギル50年前私が,心痛む」 天皇陛下がお言葉

 飼育等が禁じられる特定外来生物は外来生物法第2条第1項の委任を受け,外来生物法施行令第1条別表第1に規定されている。その中に件の「(四)すずき目」「サンフィッシュ科」「レポミス・マクロキルス(ブルーギル)」もある。
さて,記事には,ブルーギルに関する陛下のお言葉として,おいしいので持ち帰って食べてくれれば,とある。
しかし,外来生物法で禁じられている「飼育等」には,飼養,栽培,保管のほか,運搬も含まれている(外来生物法第1条参照)。おそれながら,持ち帰りは問題があるような・・・。
なお,外来生物法では規制の対象とはなっていないキャッチアンドリリースも,琵琶湖においては「滋賀県琵琶湖のレジャー利用の適正化に関する条例」第18条で規制されている。

環境省 外来生物法 特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律


「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」の関連条文

(目的)
第一条  この法律は,特定外来生物の飼養,栽培,保管又は運搬(以下「飼養等」という。),輸入その他の取扱いを規制するとともに,国等による特定外来生物の防除等の措置を講ずることにより,特定外来生物による生態系等に係る被害を防止し,もって生物の多様性の確保,人の生命及び身体の保護並びに農林水産業の健全な発展に寄与することを通じて,国民生活の安定向上に資することを目的とする。

(定義等)
第二条  この法律において「特定外来生物」とは,海外から我が国に導入されることによりその本来の生息地又は生育地の外に存することとなる生物(以下「外来生物」という。)であって,我が国にその本来の生息地又は生育地を有する生物(以下「在来生物」という。)とその性質が異なることにより生態系等に係る被害を及ぼし,又は及ぼすおそれがあるものとして政令で定めるものの個体(卵,種子その他政令で定めるものを含み,生きているものに限る。)及びその器官(飼養等に係る規制等のこの法律に基づく生態系等に係る被害を防止するための措置を講ずる必要があるものであって,政令で定めるもの(生きているものに限る。)に限る。)をいう。
2  この法律において「生態系等に係る被害」とは,生態系,人の生命若しくは身体又は農林水産業に係る被害をいう。
3  主務大臣は,第一項の政令の制定又は改廃に当たってその立案をするときは,生物の性質に関し専門の学識経験を有する者の意見を聴かなければならない。

(特定外来生物被害防止基本方針)
第三条  主務大臣は,中央環境審議会の意見を聴いて特定外来生物による生態系等に係る被害を防止するための基本方針の案を作成し,これについて閣議の決定を求めるものとする。
2  前項の基本方針(以下「特定外来生物被害防止基本方針」という。)は,次に掲げる事項について定めるものとする。
一  特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する基本構想
二  特定外来生物の選定に関する基本的な事項
三  特定外来生物の取扱いに関する基本的な事項
四  国等による特定外来生物の防除に関する基本的な事項
五  前各号に掲げるもののほか,特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する重要事項
3  主務大臣は,特定外来生物被害防止基本方針について第一項の閣議の決定があったときは,遅滞なくこれを公表しなければならない。
4  第一項及び前項の規定は,特定外来生物被害防止基本方針の変更について準用する。
(飼養等の禁止)
第四条  特定外来生物は,飼養等をしてはならない。ただし,次に掲げる場合は,この限りでない。
一  次条第一項の許可を受けてその許可に係る飼養等をする場合
二  第三章の規定による防除に係る捕獲等その他主務省令で定めるやむを得ない事由がある場合

(飼養等の許可)
第五条  学術研究の目的その他主務省令で定める目的で特定外来生物の飼養等をしようとする者は,主務大臣の許可を受けなければならない。
2  前項の許可を受けようとする者は,主務省令で定めるところにより,主務大臣に許可の申請をしなければならない。
3  主務大臣は,前項の申請に係る飼養等について次の各号のいずれかに該当する事由があるときは,第一項の許可をしてはならない。
一  飼養等の目的が第一項に規定する目的に適合しないこと。
二  飼養等をする者が当該特定外来生物の性質に応じて主務省令で定める基準に適合する飼養等施設(以下「特定飼養等施設」という。)を有しないことその他の事由により飼養等に係る特定外来生物を適切に取り扱うことができないと認められること。
4  主務大臣は,第一項の許可をする場合において,特定外来生物による生態系等に係る被害の防止のため必要があると認めるときは,その必要の限度において,その許可に条件を付することができる。
5  第一項の許可を受けた者は,その許可に係る飼養等をするには,当該特定外来生物に係る特定飼養等施設の点検を定期的に行うこと,当該特定外来生物についてその許可を受けていることを明らかにすることその他の主務省令で定める方法によらなければならない。

(飼養等許可者に対する措置命令等)
第六条  主務大臣は,前条第一項の許可を受けた者が同条第五項の規定に違反し,又は同条第四項の規定により付された条件に違反した場合において,特定外来生物による生態系等に係る被害の防止のため必要があると認めるときは,当該特定外来生物に係る飼養等の方法の改善その他の必要な措置を執るべきことを命ずることができる。
2  主務大臣は,前条第一項の許可を受けた者がこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定又はこの法律に基づく処分に違反した場合において,特定外来生物による生態系等に係る被害が生じ,又は生じるおそれがあると認めるときは,その許可を取り消すことができる。

(輸入の禁止)
第七条  特定外来生物は,輸入してはならない。ただし,第五条第一項の許可を受けた者がその許可に係る特定外来生物の輸入をする場合は,この限りでない。

(譲渡し等の禁止)
第八条  特定外来生物は,譲渡し若しくは譲受け又は引渡し若しくは引取り(以下「譲渡し等」という。)をしてはならない。ただし,第四条第一号に該当して飼養等をし,又はしようとする者の間においてその飼養等に係る特定外来生物の譲渡し等をする場合その他の主務省令で定める場合は,この限りでない。

(放つこと,植えること又はまくことの禁止)
第九条  飼養等,輸入又は譲渡し等に係る特定外来生物は,当該特定外来生物に係る特定飼養等施設の外で放ち,植え,又はまいてはならない。

(報告徴収及び立入検査)
第十条  主務大臣は,この法律の施行に必要な限度において,第五条第一項の許可を受けている者に対し,特定外来生物の取扱いの状況その他必要な事項について報告を求め,又はその職員に,特定外来生物の飼養等に係る施設に立ち入り,特定外来生物,書類その他の物件を検査させ,若しくは関係者に質問させることができる。
2  前項の職員は,その身分を示す証明書を携帯し,関係者に提示しなければならない。
3  第一項の規定による権限は,犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

第三十二条  次の各号のいずれかに該当する者は,三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し,又はこれを併科する。
一  第四条の規定に違反して,販売又は頒布をする目的で特定外来生物の飼養等をした者
二  偽りその他不正の手段により第五条第一項の許可を受けた者
三  第六条第一項の規定による命令に違反した者
四  第七条又は第九条の規定に違反した者
五  第八条の規定に違反して,特定外来生物の販売又は頒布をした者

第三十三条  次の各号のいずれかに該当する者は,一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し,又はこれを併科する。
一  第四条又は第八条の規定に違反した者(前条第一号又は第五号に該当する者を除く。)
二  第五条第四項の規定により付された条件に違反して特定外来生物の飼養等をした者
三  第二十三条の規定に違反した者

「滋賀県琵琶湖のレジャー利用の適正化に関する条例」の関連条文

世界屈指の歴史的な存在であり,類のない固有の生態系を有する琵琶湖は,時に厳しくも穏やかに私たちをはぐくんできた。
この琵琶湖が私たちに与えた恵沢は,豊かな水とそれによりもたらされる水産資源や農産物といった日々の糧にとどまらず,歴史とともに伝え継がれた独自の文化や幼少期の原風景などの形成にも深くかかわるものであった。
白砂に戯れ,水鳥とともに生い茂るヨシの水辺を散策し,時には舟でさざ波に揺られることで,琵琶湖の懐に包まれた私たちの心は優しく癒され,新たな活力が浸み入るように満ち広がった。
私たちは,琵琶湖と接することで,日々の束縛から解き放たれ,その恵みを誰もが等しく享受できることを切なる願いとしつつも,なお今日的な課題があることを認識している。
これまでの私たちの営みの中には,琵琶湖固有の生態系にとって必ずしもよい影響を与えないものもあったことを私たちは学んだ。このことは,琵琶湖の保全のための取組をより一層進めつつ,教訓として将来に伝えていく必要がある。
しかるに,近年,琵琶湖におけるレジャー活動はその形態が多様化し,訪れる人が増えるとともに,その活動が,私たちの大切な財産である琵琶湖の水質に負荷を与え,周辺の生活環境に著しい影響を及ぼしており,また琵琶湖固有の生態系の保全という普遍の価値観も,人々の個々様々な活動が行われる中で,損なわれようとしている。
私たちは,琵琶湖を訪れる多くの人々が,その雄大な自然に触れ,琵琶湖の価値を共有することを心から望むとともに,これらの人々に私たちの得た教訓を伝え,一人ひとりが,その活動において,自然の長い営みにより培われた生態系に人が与える影響の重大さや琵琶湖の自然環境とその畔に暮らす人々の生活に対してできる限り負荷がかからないものであるべきことを深く認識し,自らの行動に移していくことが重要であると考える。
私たちは,このような行動の社会への広がりと定着を一層促進するとともに,琵琶湖においてレジャー活動に伴う環境への負荷の低減を図るための施策を総合的に展開していくことが極めて重要であると認識するに至った。
私たちは,琵琶湖におけるこの取組が自然と共生する滋賀らしさの象徴となるとの揺るがぬ想いの下,未来からの,そして世界からの大切なあずかりものである琵琶湖の環境をできる限り健やかなまま次代に引き継ぐことを決意し,ここに滋賀県琵琶湖のレジャー利用の適正化に関する条例を制定する。

(目的)
第1条 この条例は,琵琶湖におけるレジャー活動に伴う環境への負荷の状況にかんがみ,その負荷の低減を図るために必要な琵琶湖のレジャー利用の適正化に関し,県,レジャー利用者および事業者の責務を明らかにするとともに,県の行う施策の基本となる事項を定め,プレジャーボートの航行に関する規制その他の必要な措置を講ずること等により,琵琶湖におけるレジャー活動に伴う環境への負荷の低減を図り,もって琵琶湖の自然環境およびその周辺における生活環境の保全に資することを目的とする。

(外来魚の再放流の禁止)
第18条 レジャー活動として魚類を採捕する者は,外来魚(ブルーギル,オオクチバスその他の規則で定める魚類をいう。)を採捕したときは,これを琵琶湖その他の水域に放流してはならない。

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