まほろば自然博物館

つれづれに、瀬戸のまほろばから自然の様子や民俗・歴史や見聞きしたおはなしをしたいと思います。

けたつ・・・という名で踏み台で・・・。

2008年01月08日 | 歴史
 標準語ではなんというのだか知らないが・・・さぬきでは・・・「けたつ」という道具があった。子供の頃には・・・けたつ・・と・呼んで・・・遊び道具になっていた。

 これは・・昔、大工の弟子が作るものであって、新築の際に・・・施主に贈られるものだったそうだ。台形の箱のようで、四面が傾斜している四方転び。この寸法を計算して割り出すのには…曲尺とか差し矩というL字型の物差しを使った。これ一本で・・・この踏み台を作ったものだ。建築の基本が・・・この踏み台なのであるのだとか。そこで、棟梁は若い弟子に、これを作らせて、基本を学ばせ、新築祝いに施主に贈るものだったとか・・。

                   

 これの高さは三十五センチからせいぜい四十五センチ。それ以上だとバランスがとりにくくなってこわい・・。一段と二段のものがあったが・・・最高で六十センチだっただろうか。

 これで・・・時計のネジをまいたり、電球の交換をした。障子のほこりを払うためにも使ったような・・・。

 子供達には大きなおもちゃだった。飛び込み台やら跳び箱。学芸会の舞台にもなったし、学校の教壇にもなった。お店ごっこのお店にもなったし、花火の時には腰かけにもなった・・・。

 この正面の丸い穴は・・・・ゴミ箱だ・・。ここからはぎれやら毛糸のくずがあふれ出して大騒ぎにもなった・・・。

 電電公社の社員になって・・・古里に戻ってきたとき・・・。電話工事に行った際に・・引田の先輩が・・・

 「けたつ・・・かしていただぁ・・・」というた時には目が点になった・・・。

 私たちは・・・アルミの脚立を肩に掛けていたのだから・・・。

 それから・・・しばらくしてのことだ・・・。「脚立:きゃたつ」=「けたつ」なんだなぁと・・・悟ったのは・・・。

 もう・・、こんな品物を見る機会はない・・・。


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6 コメント

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なつかしぃ~。 (しわく)
2008-01-09 18:02:45
確かに子どもの頃ありました。

丸く開いた穴から、おもちゃ入れてました。
脚立は、宝物の隠し場所。
親に見つかって、宝物はおもちゃ箱に逆戻り。

木製の脚立、久しぶりに目にすると
アルミの脚立より品があるて、思いました。
本当に、なつかしぃ~~。
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けたつ・・・。 (まほろば)
2008-01-09 21:07:12
 昔・・・あったでしょ・・。いいものはケヤキで作ったものもあったらしい・・。んで、必ず・・・家庭にに一個はあったものらしい。そうでないと・・電球が交換できない。障子が掃除できなかったから・・。

 今は・・・アルミの脚立デ・・・バリバリだな・・・。
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かしていただぁ・・・ (こまめ)
2008-01-10 00:04:15
「かしていただぁ・・・」
この言葉、どこまで通じるでしょうか?
気になるぅ!
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いたぁぁ・・。 (まほろば)
2008-01-10 07:34:47
 そうそう・・・その先輩・・・。お店に入ると・・

 「いたぁぁ・・」とか「いただぁぁ・・」と、いうとりました。

 何かにつまづいたのかなぁと思うとそうでもない。

 東京・・下町のお店で、「ちょうだいなぁ・・」というみたいなものだと・・・気がついたのはしばらくしてのこと。
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子供の頃は多用してました (こまめ)
2008-01-10 18:23:31
小さい頃は近所の八百屋にお遣いに行って、
「おばちゃん、これいたぁぁぁぁぁ」って
叫んでましたよ。
引田に帰ると今でもたまに使います。
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今でも・・・ですか。 (まほろば)
2008-01-11 07:00:55
 今でも引田では・・「いたぁぁ」を使うんでしょうか。

 で・・白鳥とか三本松になると・・、そういうことは使っていなかったような・・・。

 引田ならではの言葉でしょうか・・。
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