先週初めに撮ったキンモクセイだ。暫く強い芳香が漂っていたが、花はもう殆ど散ってしまった。花期は短くても、秋を感じる花だ。中国から江戸時代に入ってきたらしいが、雌雄異株で、日本で見られるのは雄株だけだから、キンモクセイには実が生らないそうだ。同じ仲間に白花のギンモクセイがあるが、キンモクセイはその変種だという。
トックリバチの親が巣の中に生み付けた卵は、いずれ孵化して幼虫になり、親が巣の中に運んで残していった“保存食”を食べて大きくなると、成虫は巣の蓋の部分を自力で壊して飛び立っていくのだそうだ。親は、外敵から子を守るために実に上手く理に叶った巣を作るが、子も親の世話もなく自力で成長し一人前になるというから大したものだ。
先週9日にダンギクに留まって吸蜜していたトックリバチを載せたが、昨日、我が家の庭石の隅にトックリバチが巣を作っているのを見付けたので、さっそく写真に撮っておいた。暫く観察していたら、短時間のうちに“突貫工事”で見事な巣をほぼ完成させ、卵が孵化した後の幼虫の餌にするための“保存食”として、小さな青虫を運び込んでいた。その青虫も腐らないようにするというから不思議だ。
カメラを近づけると、「忙しいのに邪魔だ」と言わんばかりに、こちらに対峙して攻撃姿勢も見せたが、午後には、ちょっと目を離した隙に、巣に上手く蓋をして去って行ったようだ。巣をほぼ完成させた時に、巣の中に卵を産んでおいたのだろう。巣の材料となる泥は、雨に濡れても崩れないように、乾いた細かい砂を自分の唾液で練って強い粘土状にするそうだ。
アサギマダラの続きになってしまったが、昨日、散歩の途中でセイタカアワダチソウに留まっていたアサギマダラを見掛けたので、再び載せておくことにした。ヒヨドリバナに集まるアサギマダラはよく見る光景だが、セイタカアワダチソウとの組み合わせは初めて見た。黄色の花とのコントラストも悪くない。
つい忘れていて、今日になって気付いたのだが、このブログを始めてから一昨日でちょうど1年の区切りになっていた。健康維持のために始めた散歩に、飽きないようにとカメラを持って行くようになり、その途中で見掛けた花や虫、小鳥や風景などを見たままに撮って、それをブログネタにしてきたのだが、何となく惰性で続けてきたように思う。下手な写真も、数えてみたら1年間で1245枚掲載したことになる。
惰性で数だけこなせばいいという訳ではないので、これからどうするか、中味を少し考え直してみようとは思っていても、いいアイディアや新たな発想もないし、写真に対する感性もまるでないので、たぶんまた今の続きになってしまうだろう。まぁ、自分自身のための観察記録であり、惚け防止と近況報告の代わりでもあるので、いつ気が変わるか判らないが、もう暫くは続けるつもりだ。また、大したブログでもないのに、毎日80名ほどの方々に訪問していただいているのも励みになっているので、ついでながら感謝する次第である。
秋になると南西諸島や台湾あたりまで移動して行く「渡り」をする蝶として知られているアサギマダラ(浅葱斑)だ。体長がやや大きめのアサギマダラもタテハチョウの仲間で、留まっている時は翅を閉じたり開いたりしている。今年は寒くなるのが早かったので、もういないだろうと思いながら、先週、愛知県森林公園に行ってみたら、フワフワとゆったりした特徴的な飛び方で、ヒヨドリバナの上を飛んだり蜜を吸ったりして、まだ何頭かが残っていた。このアサギマダラも移動の途中で、ここで翅を休め栄養補給をしているのだろう。ちなみに、アサギマダラは、ヒヨドリバナの蜜に含まれる有毒成分を体内に取り込んで、自分の身を外敵から守っている賢い蝶だそうだ。
南の方に渡っていったアサギマダラは、春になると、その子供がまた北の方に戻ってくるそうで、何となくロマンを感じさせてくれる蝶である。
何ともグロテスクで、棘に触ると痛そうな毒々しい毛虫だが、ルリタテハの幼虫だと思う。ホトトギスの葉や蕾を食べていた。調べてみたら、ルリタテハはホトトギスやサルトリイバラの葉を食草にしているそうだ。成虫になったルリタテハとは似ても似つかない姿をしているが、赤い縞模様は結構綺麗だ。これも外敵から身を守るために自然が作ったものだろう。生き物の不思議な世界だ。
ルリタテハ(瑠璃立羽)は、名前のとおり翅の表側に青い筋模様があるタテハチョウの仲間だ。翅の裏側は褐色で、翅を閉じて木の幹などに留まっていると保護色になるほど地味な色をしている。留まっている時は翅を閉じたり開いたりするが、それがタテハチョウの特徴でもあるようで、名前の由来なのかもしれない。ルリタテハは、樹液を餌にしているようで、花の蜜や花粉には寄って来ないようだ。
これは湿地の木道を歩いていた時に、直ぐ足下に留まって翅を開閉していたのを撮ったのだが、暫くは逃げようともせずに、縄張りを主張している行動のように思われた。