goro's 花 Diary

東京の街を彩る花たちを追っかけています。

金銀砂子

2005年10月12日 | 05 花たち


【キンモクセイ・金木犀】モクセイ科

ご近所のお宅の、キンモクセイ・金木犀の大樹です

この1本で、街中を甘い香りで満たしてくれます


秋の最大の贈物のひとつに、この金木犀があります。
五感のうちの臭覚で開花を関知する、珍しい花です。
幽かに漂ってくる香りを察知すると、クンクンして、花を探してキョロキョロしてしまいます。
花びらも、小花好きの私には訴えかけてくるものがあり、たまりませんね。

私の村には、金木犀の木はありませんでした。

初めての出会いは、高校時代です。

秋のある日、校舎に囲まれた中庭から甘い香りが漂ってきたとき、初めて訪れた感覚に戸惑いながら、その主を探したものです。
金木犀と銀木犀が、それぞれ数本づつあったのです。
植物がこんな芳香を発するなんて、思ってもいないことでしたのでね、一発で脳味噌のなかに叩き込まれました。



秋の短い時間にしかその存在を省みられないこの木は、余程日本人の感性に訴えるものがあったのでしょうね。
あちこちの庭に植えられておりますものね。

ところがどっこいこの金木犀は、かなり逞しいんですよ。
大阪の姉の庭にある金木犀の、枝の間引き作業をやったことがあるんですが、上に上にと伸びる枝は、伸びては絡みを繰り返し、複雑に絡まりあって、往生しました。
極端にいいますと、右の枝だと思っていても、株全体に先端は回っているという風です。
伐採した枝を下から引っ張り抜こうとすると、とんでもない力で引かないと、抜けないのです。
見た目は細い枝なんですが、折れることなくとことん撓りますのでね、厄介この上なかったことを憶えてます。

雌雄が別株なもんで、もともと中国から持ち帰ったときに、雄株しかこなかったようですね。
だから実は生りません。
挿し木で増やしていったということは、ほとんどがクローンってことですよね。

金木犀があるのなら、銀木犀もあるんですか?って質問されたことがあります。

上記のように私の場合、金銀、同時に出会ったもんですから、当たり前だと思ってました。
そう言われてみれば、東京で銀木犀の花を見たことはありませんね。


追記 【ウスギモクセイ・薄黄木犀】モクセイ科

この花を銀木犀と紹介するには、抵抗があります。
私の知ってる銀木犀は、純白の花でした。
ネットで検索してみると、純白の花に混じって、このクリーム色のものも銀木犀と紹介されているものが多々ありました。
銀木犀は純白だろうという私の意見は、ここでは置いときます。

長く続いた秋の雨が、こんな風景を置いてってくれました。


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6 コメント

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最後の写真、特にいいです♪ (ちょびママ)
2005-10-13 01:16:30
銀木犀があるって知ったのは社会人になってからです。

が、こちらでも滅多に見ませんねぇ。

金木犀ですが、このひと月ほどは、どこのお宅も剪定の時期。

植木屋さん、惜しげもなく金木犀もチョッキンチョッキン。。。(涙)

花の季節を前にして、まぁるく寒そうになった金木犀が近所のそこかしこに。。。

花を楽しむより、掃除が楽な方を選ぶ人が増えました。

我が家も明日あさってと植木屋さんが入ります。

ちなみに金木犀は我が家にはありません。
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金木犀の大木 (ポージィ)
2005-10-13 10:06:47
憧れなんです。金木犀の大木。

広~い庭があったら家の中に香りが届く距離の場所に

金木犀を大きく大きく育てたいなんて思ってしまいます。



銀木犀は色も香りも控えめなせいか、あまり見かけませんね。

わりと近くに1本あるのを見つけましたが花は大方散った後でした。



金木犀も銀木犀も、小さな可愛らしい花形がそのままに

地面を彩るのがこれまたいいですよね。



(「薄黄木犀」というのもあるようですよ。)



おかげさまで、昨日はこちらでも青空と陽射しを味わうことが

できました。今日は…朝のうちだけで曇ってしまいましたね。

明日は早くも雨ですか。ガックシ
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金色絨毯♪ (PanPan)
2005-10-13 12:26:43
素敵です。最後のお写真に目が

枯葉のカサコソという音もそろそろ耳につくようになってきましたね。



今日も朝からいいお天気で「さあ、お散歩~」と思っていたのですが、なんと小人さん、鼻ずるずるで風邪をひいてしまいました。ああ、代わってあげたい・・・

ということででもお家で大人しくしているPanPanと小人さんでした。
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暗闇の中で、気づく (こぐま)
2005-10-13 19:56:51
わが家は、銀木犀です。



でも、クリーム色だから、

GOROさん的には認められんじゃろうな。

ホンモノの銀木犀は、まだ見たことがない。

ひのひかりを浴びると、純白、いや銀に輝くのだろうか? 想像するとうっとりする。



うちのクリーム色木犀はそろそろ終わりです。

咲き始めたのは、1週間ほど前。



毎年、咲きはじめは、暗闇の中で気づく。



今年も、まだ世の開ける前、外に出て、畑の前の道を歩き始めると、急に香ってきました!



花はまだチラホラでも、しっかり香りで主張する。咲いたよって。



米の花の匂いもそうだけれど、香りは夜、濃厚になる。だからまず、夜や明け方に、その花の咲き出したことに気づかされる。

それは、夜は湿度があるから、

香りが遠くに飛ばず、濃いまま漂うからだろうか?



香りが濃いだけに、インパクトが強いだけに、

花期が終わると、

なんと儚かったことかと、いつも思います。
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木犀 (KUBO)
2005-10-13 20:56:48
悟郎さん こんばんは。

「金銀砂子」、写真共々ゆっくり拝見させてもらいました。何とも意味深長な題名で。

その香り、>日本人の感性に訴えるものがあるんでしょうね

まったく同感です。



この歳になると、古い歌を聴いても、その時の自分のおかれた情景が脳裏に浮かんできます。花の香りもそうですね。特に沈丁花と木犀はその感を強くします。



悟郎さんのいう、純白な銀木犀はまだ見たことがありません。さしずめ、金木犀は「ヤマブキ色」、銀木犀は「クガネ色」でしょうか。我々はヤマブキ色を競って好みますが、万葉の昔、山上憶良はクガネ色を詠っていましたよねー。

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コメントありがとうございます (悟郎)
2005-10-13 23:53:53
ちょびママさん

確かに冬を前にしての剪定作業は、植木にとっては大事なことなんでしょうが、ちょっと考えて欲しいですよね。

ホームページでその辺のこと書いたこともありますが、私も同じような経験つい最近またしました。

涙の物語、近日公開します。



ポージィさん

回り何の樹木もないところに金木犀を植えると、自然に丸い形になるそうです。

広い庭だとできるんでしょうにね。

検索してたら、中国には金木犀の原生林があるらしいですよ。

なんか原生林って、魔力を持った言葉だと思いませんか?

薄黄木犀ですか。

それだと納得できますね。



予報が外れてくれるのを、ひたすら期待してます。



PanPanさん

偶然が作り上げた自然の造形には負けますね。



小人ちゃん、風邪ですか。

ママからもらった免疫がなくなって、自力の免疫力を日々貯めていかなくちゃいけないんですから、しょうがないです。

少々のことではうろたえない、強いママに、PanPanさんも変身ですね。

ママこそ風邪に気を付けてくださいね。



こぐまさん

個体差があるようで、近所でも盛りのものからこれからのものまでいろいろです。

代々木公園の金木犀林なんか、あとかたもありませんでした。

なになに、米の花の匂いとな。

田圃の側に住んでいたけど、米の花の匂い、嗅いだ記憶ありません。

もちろん花を見たことはありますけどね。

中学生だったので、その辺の感性、なかったのかな?残念!

桜と同じです。

潔いと認めてあげましょう。



KUBOさん

題名、意味深でしたでしょうか。

金銀ときたら砂子って、単純過ぎるかとおもってたんですけどね。



KUBOさんよりは少々若い私ですが、同じですよ。

特にホームページを始めて、過去に思いを馳せる作業をやっておりますと、歌とか花とか食べ物とかで、一気にタイムスリップしてしまいます。

KUBOさんは金木犀の香りには、戦時下の体験がよぎるのですね。



「クガネ色」、山上憶良の歌、不勉強で知りません。

あとで調べてみます。
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