光を当ててがんの治療を試みる「がん光免疫療法」の詳しい仕組みを解明したと米国立衛生研究所(NIH)や北海道大などのチームが6日、発表した。がん細胞にくっついた薬の形が光によって変形し、がん細胞の膜を傷つけ破壊していた。

 NIHの小林久隆主任研究員は「化学反応によって、従来の抗がん剤とは全く異なる仕組みで狙った細胞だけを死なせることが分かった」と話している。

 光免疫療法は、がん細胞だけに結合する抗体に、特定の波長の光に反応する化学物質をつなげた薬剤を患者に投与した後、近赤外線を当ててがんを破壊する治療法。正常な細胞には影響せず、副作用が少ないと期待される。