長く権力の座にいると、このようなことは確実に発生する。やはりある一定の任期で世代交代というのが正解なのか、判断が難しい。どの会社組織でも起こることである。日産は車内調査がよく出来たと思う。
日産西川CEO会見「強い憤りと落胆」/一問一答
カルロス・ゴーン会長が逮捕された日産自動車は19日22時から、横浜市にある本社で西川廣人CEOが記者会見した。国内外200人を超える報道陣が集結した。
西川 本日夕刻、ゴーン氏について社内調査の結果、重大な不正行為が大きく3点。有価証券報告書に偽った記述、会社の投資資金と経費の不正使用。その事実を確認した。会社として断じて容認できない。専門家の先生もこれで十分解任できると。不正行為だと。
代表権、会長職を解くべく取締役会を招集し、22日に取締役会を開く。
検察当局の調査も進んでいる。
内部通報に端を欲した。社内調査の結果(ゴーン氏とケリー氏)の両名の重大な不正行為が判明。当社から検察当局に説明し、全面的にご協力してきた。捜査の進展の結果、両名の逮捕。これが事実。株主、関係者のみなさまに多大のご心配をかけて申し訳ありません。
何と表現していいか難しいが、残念をはるかにこえて強い憤り。落胆を強く覚えています。従業員の中には何が起きているのかという状態。まず社内の動揺を安定させたい。将来へ、徹底的に問題を洗い出したい。
ガバナンスに課題はある。ルノートップが日産トップ兼任。1人に権力集中はよろしくない。
以下一問一答。
−内部通報、監査役から問題提起はいつか。
西川 検察当局と連係している。答えは控えたい。
−不正に投資資金、不正に経費とは
西川 目的を偽って私的な目的で投資資金を使ったと。そして会社の経費の不正使用。
−不正行為は2人だけか。他の役員の感想は
西川 この2人が首謀。役員の反応は、役員が知ったのはつい先ほど。事案の中身から秘匿をしていた。彼らも今それを聞いていったい何があったのかと。先ほど状況をシェア。従業員、取引先のみなさんが不安をかかえている。不安定にしないように全力を尽くす。役員が先頭にたって日常業務に影響が出ないように。申し合わせた。
−私的流用、特別背任ではないか
西川 捜査に関すること。見解は申し上げることでない。社内調査で、捜査の中で、捜査の対象、刑事罰の対象は判断できないが、それぞれ3つの事案あるが、どれをとっても全部あわせても、会社として見た場合取締役の義務に反し、解任に値する。詳細の調査の結果、専門家に見ていただいて、解任に値する。解任の提案をする。どの事案を見ても刑事事件になるか判断できないが、会社として許容できない。虚偽、私的なもの。
−解任の提案を決めたのはいつか
西川 実際にその方向で事案をみて、先生のみなさんからアドバイスをいただいたのは社内調査がまとまった段階。いつかは申し上げにくいが。
−不正がいつごろからか。検察は平成23年以降だが。
西川 そこについても今は申し上げれらない。いづれオープン。長きにわたってと認識している。
−日本で納税してたのか
西川 お答えできないが、確認したい。
−会社、株主を裏切る行為。会社として告発することはないのか。
西川 おっしゃる点はよくわかる。今日は答えられないが、当然、それに値する事案と認識している。そこをどうするかはこれから判断だが、趣旨はそのとおり。
−100億報酬を50億の申告。50億の金が消えているが、どういう帳簿になっているのか。
西川 そこもお話できない。確認している部分があり、検察当局ともシェアしているが、今は話せない。
−長期政権の弊害。どういう形で権力集中。今回のクーデターにつながったか。ケリーさんの役目は
西川 権力の集中とクーデターで崩壊と言われたが、今回は不正が見つかった。そこを除去することがポイント。権力集中、そうでない勢力からのクーデターではない。1人に権力集中してもこういうことは起きない。公正でやっている人はいる。ただ今回(権力集中)それが誘因になったことは事実。公正なガバナンスが課題。
どう権力集中したか。長い間、徐々に、形成されたとしか言いようがない。ルノー日産両方のCOを兼務。これは無理があった。まだ私自身総括はできていない。
ケリーという人間、長い間、ゴーン側近としてさまざまな仕事をしてきた。CEOオフィス。ゴーンの権力を背景に相当な影響力を社内に与えてきた。
−取締役会招集は
西川 木曜日です。
−22日か。
西川 そうなります。招集して2日あけないといけない。
−この事案を把握していたのは西川さんとだれか。
西川 数名の単位。
−カリスマだったゴーン。リストラをして豪腕。犠牲をしいてきた。ゴーンはカリスマ経営者か暴君か。粉飾決算ではないのか。
西川 粉飾というより、記載すべきことがされてなかった。会社の発行物。適正でない。是正、カシを認めないといけない。カリスマか暴君か。正直いって、今にいたるまで、当面の対応に追われている。じっくりと考えたいが、事実としてみると他の人間ができないこと、特に初期は大きな改革を実施した。それはまぎれもない事実。その後は功罪両方ある。積み上げてきたことを全部否定することはできない。将来への財産も大きい。社員、関係者の努力は毀損すべきでない。最近は権力の座に長く座っていたことで業務にも影響。わたしも意見を申し上げたが、この事態にいたった。
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