麻生太郎財務相「やっていたのか…」 改竄発表前日に絶句 野党疑義も「最終結果待つのがあるべき態度」
http://www.sankei.com/politics/news/180326/plt1803260031-n1.html
学校法人「森友学園」への国有地売却に関する決裁文書改竄(かいざん)をめぐり、財務省が12日に改竄を認めて以降の政府対応の是非も国会審議の争点となってきた。野党は3月2日に朝日新聞が疑惑を報じた後、10日間を要したことを「隠蔽しようとした」と見立てて非難したが、麻生太郎副総理兼財務相でさえ事実を把握したのは発表の前日だった。
「やっていたのか…」
麻生氏は11日夕、改竄の事実を財務省の矢野康治官房長から初めて報告され、思わずこううなった。矢野氏が26日の参院予算委員会で明らかにした。矢野氏は「(麻生氏は)それまで存じておられなかった。事務方でやったことだ」と語った。
一方、国会審議では安倍晋三首相や菅義偉官房長官が6日の時点で改竄の可能性があると把握していたことも明らかになっている。野党は、国会が一時空転した一因は政府の報告の遅れにあると非難してきた。
実際、政府の対応に問題はあったのか。疑惑報道後の経緯は以下の通りだ。
国土交通省航空局は朝日の報道後、財務省から受け取り保管していた改竄前文書と改竄後の決裁文書を比較した。5日に杉田和博官房副長官に電話し「保管文書が書き換え前のものである可能性がある」と報告した。
杉田氏は6日、これらの経緯を首相と菅氏に報告した。財務省には5日のうちに矢野氏に徹底した調査を指示した。矢野氏は同省理財局幹部に伝えたが、麻生氏には報告しなかった。
8日の参院予算委理事会で理財局は「現時点で保有しているのはこれが全て」として改竄後文書と同じ記載内容の写しを公表した。官邸や財務省は6日までに改竄を把握していたのに報告しなかったのはおかしい-。野党はこう疑義を呈しているが、この時点では国交省提供の文書が原本であるか確認できず、改竄の「可能性」にとどまっていた。
「政府の立場で不確実なことは申し上げるべきではないと判断した」
菅氏は19日の参院予算委でこう説明した。理財局が大阪地検に押収されていた原本の写しの提供を受けたのは9日。改竄後文書と照合し、麻生氏に報告を上げたのは11日だった。仮に最終確認できない段階で公表していれば、国会審議のいっそうの混乱を招いたことは想像に難くない。
野党は麻生氏の把握が遅れたことも問題視したが、麻生氏は「最終的な調査結果を待つのが上としてはあるべき態度だ」と述べている。(田中一世)
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