タイヤ国内4位の東洋ゴム工業(伊丹市)は8日、空気を入れる必要のない自動車用タイヤの試作品「noair(ノアイア)」を公開した。実用化の時期は未定だが、早期の実現を目指して改良を進める。空気なしタイヤは、空気を補充する手間がいらず、パンクがない安全性に優れた「次世代タイヤ」として各社開発に力を入れている。

 ノアイアは路面との接地面はゴム製で、内側には空気を入れるチューブの代わりに、特殊樹脂でできたスポーク100本が張り巡らされているのが特徴。柔軟性のある素材と構造で衝撃を吸収する。

 これまでの試作品は中低速でしか走れなかったが、今回は「時速120キロ程度の高速走行にも耐えるものができた」という。ただ、商品化には高速走行での耐久性が足りず、今後の課題となっている。

 空気なしタイヤは、現状では規格がないため公道を走れない。商品化には、業界団体による規格の整備が必要となる。

 同日、大阪府吹田市で会見した守屋学・技術第一本部長は「自動運転化など自動車市場が変化するにつれ、より安全でメンテナンスがいらないタイヤの需要が高まる。商品化に向け研究開発を続ける」と話した。万博記念公園内の特設コースで、軽自動車に装着した試走も行われた。