電通社員関与の圧力疑惑、野党も追及へ 経産省の事業
経済産業省の民間委託事業をめぐり、広告大手電通の不祥事が発覚した。社員が取引先を介して下請け会社に圧力をかける行為に関与した疑いが浮上しており、経産省は18日、事実確認を進める方針を示した。野党側は不当に圧力をかけた可能性があるとして追及していく構えだ。
電通は17日夜に自社サイトで「社員への厳正な処分について」と題するリリースを出したが、詳細や処分内容などは18日になっても明らかにしていない。
関係者によると、イベント企画大手「テー・オー・ダブリュー」(TOW)の担当者が経産省の「家賃支援給付金」事業について、複数の下請け会社に対して電通以外の会社に協力しないよう圧力をかけていた疑いがある。電通社員はこの問題に関与していた模様だ。
電通広報部は取材に対し「個別の内容については回答を控える」としている。
TOWは18日に自社サイトで「社員が業務において不適切な表現で連絡、発言を行ったことが判明した」として、同日付で懲戒処分としたことを発表した。詳しい事実関係などは明らかにしていない。
関係者によると、TOWの担当者が複数の下請けイベント会社の責任者らに文書を送っていた。その中で、電通とは別の広告大手が受託する可能性があると指摘。「この事業に協力をした場合、給付金、補助金のノウハウ流出ととらえ言葉を選ばないと出禁(出入り禁止)レベルの対応をする」と記していたという。
野党の国会議員は18日、「重大な問題だ」などとして、調べるよう経産省に求めた。経産省は同日時点では事実関係を把握できていないとして、これから電通側に確認するという。電通は経産省の「持続化給付金」事業を担っており、管理体制や情報公開の姿勢が問われる。
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