[20日 ロイター] - 米IBM<IBM.N>が20日に発表した第2・四半期(6月30日まで)決算は減収減益となったものの、売上高と調整後の1株利益が予想を上回った。新型コロナウイルス流行に伴い大企業のデジタル化が加速する中、利益率の高いクラウドコンピューティング事業が堅調だったことが貢献した。

決算発表を受け、株価は時間外取引で5%上昇。

売上高は181億2000万ドルと5.4%減少したものの、リフィニティブがまとめたアナリスト予想の177億2000万ドルは上回った。

利益は13億6000万ドル(1株当り1.52ドル)と、前年同期の25億ドル(同2.81ドル)から減少。ただ特別項目を除いた1株利益は2.18ドルと、予想の2.07ドルを上回った。

4月に就任したクリシュナ最高経営責任者(CEO)は、決算発表後のアナリストとの電話会見で「今、目にしている市場のトレンドは明確だ。顧客はアプリケーションの更新、仕事のさらなるクラウド化、ITタスクの自動化を望んでいる」と述べた。

第2・四半期のクラウドコンピューティング事業の売上高は30%増の63億ドルだった。企業が業務効率化のためにデジタル化を進める中、IBMは利益率の高いクラウド事業に軸足を置いている。

第2・四半期のグローバル・ビジネス・サービス部門の売上高は7%減の39億ドルだった。

カバノー最高財務責任者(CFO)はロイターに対し、新型コロナ流行で顧客が自由裁量のプロジェクトへの支出を削減または先送りしたことが背景にあると説明。地域別では、西欧とアジア太平洋で6月に顧客の支出が増加した一方、米国と中南米では新型コロナ感染拡大に伴い支出は縮小したという。

カバノー氏は「顧客の観点から見れば、当社の事業は大企業に特化しており、これらの企業は全体として新型コロナ流行中も、業績が比較的安定している」と述べた。

*内容を追加しました。