クタビレ爺イの山日記

諸先達の記録などを後追いして高崎近辺の低山中心に歩いています。

たかが小梨山、されど小梨山 H-25- 1-13

2013-01-14 11:54:03 | 高崎・甘楽・藤岡方面
明日は西南からの低気圧が通過するとの予報、ならば今日は無風で温暖の筈。
所用を済ませてから小梨山周回のため吉井の東谷(ヒガシヤ)に向かう。
R-71で吉井を南進して小梨橋から100m先の幅広の路傍に駐車(10.50)。
ここは旧採石場の入り口で車道の北側には削られた山肌が剥き出しに見える。
この山は多分、朝日岳の南峰だろうが、採石した岩石は何処に使われたんだろうか?
位置からすると東谷ダムの建設用だったか?



直ぐ脇に石像、風雨避けの小さな屋根も付けられているから地元で大事にされている模様。
寛政10年(1798)の物とされるから近藤重蔵がエトロフ島を探検し現地に
「大日本恵土呂府」の標柱を立てた年。勿論、この島は日露間で懸案になっている
北方四島(歯舞・色丹・国後・択捉)の一つ。



約100m程も県道を下って「関東ふれ合いの道」に入る。脇の民家の犬に不審者扱いで
猛烈に吼えられながら東谷川に下ると小梨橋が見える。ここの標高は220m程度の
筈だから小梨山との標高差は500m弱。
と、ここで上から小型軽トラが下ってきた。日頃、こんな道を通行する車など
無いのにと訝りながらすれ違い際で荷台を見ると、何と犬舎が載っている。
ここで漸く思い出した。この地区は狩猟活動が盛んな地域で解禁期間の日曜日は
登山はやり難いのだった。かっては危険と云われてルートを変更したこともある。




それでも林道を歩いている限り安全とも聞いているので其の侭進行。
直ぐ先に「井戸本一号橋」、「井戸本」なる地名は県道の北側の゛吉祥寺の付近の
筈なのに。



東谷川の支流はこんな風情、上流に行くとかって南牧に大被害を齎した台風の
余波でここも氾濫した痕跡が未だに残っている。



早くも銃を構えて待機中の人が林の中に居た。色々と情報を貰うと今日は行政委託の
害獣駆除ではなく猟友会恒例の鹿狩りで約15人が参加しているとの事。
現在は犬を連れた追い出し役が小梨峠に向かっているとの話。
静かにと言われてラジオを消し熊避け鈴もザックにしまうが最悪の条件だ。
峠までこの体勢の待ち受け射手は五人も見た。



小梨浄水場、稼動しているかどうかは不明。



井戸本三号橋を通過するが結構登りの傾斜が付いてきた。



直線的な林道の先に又、車が見えた。



やがて道は大きく右に旋回して沢筋を離れて



右稜線の直ぐ下の道に変る。



駐車の車脇を通過すると「大日本猟友会」のステッカー。



漸く、林道延長終点の木柱。



更に傾斜が強くなった道を進むと「どんぐりの森」を通過、かつて植えられた苗木も
こんなに成長した。この辺は植林運動で地元の小学生も参加して伐採した杉林の跡に
三万本の広葉樹を植えたというプロジェクト。



其の先で木材搬出用の脇道、これがショートカット道に使えるのだが、見た所では
大荒れなので本道を辿って右に大きく旋回して急斜面を蛇行する。



蛇行が終わって北に急旋回するところで又車両と猟友会の人。盛んに連絡を取っている模様。
聞いてみたら犬軍団が峠の南の日野地区に走りこんで行ってしまったらしい。
で、まったく危険は無いとの事。その人は峠で待つ仲間に連絡するため車で走り去った。



こっちは左に見える山を眺めながら、後からノコノコと歩き出す。



右手の峠方面への近道は無いかと探したがこんな急斜面だけでルートなし。



峠の稜線とはこんなに距離がある。この差は北に大回りでこなす事になる。



下を見ると歩いてきた林道がはっきり。



旋回の北端の展望場所、何となく霞み状態でこんな景色だけ。



南進して漸く峠着。猟友会の車が二台と鉄砲打ちが二人。やはり犬は藤岡に入ってしまった
らしい。ここで軽食と休憩(12.10-12.26)しているうちに彼らも解散。標高は580m位。



人気の無くなった峠から此方もこの石仏を見ながら稜線伝いに出発。



出だしはこんな感じの穏やかな稜線。



やがて前面に643mの小ピークが現れるがやや長めの台地状。



その台地の突端でロープ下りの岩場。最初ここに来た時はロープも無くて南に大きく
迂回した記憶があるが、その後取り付けたマニラ麻のロープが老朽し赤白ダンダラの
ナイロンロープに取り替えた。



岩場は細かく言えば二段構え、第一段には二種類のロープが残っていた。



第二段は稜線に降りる間際の場所、延長のトラロープ。これだけ付いていれば
老人でも安全に通過できる。



鞍部に下ると今度は90度の曲がり角までの等高線で7本程度のやや厳しい登りが始まる。



傾斜の程度はこんなもの。



やがて前方に目指すコブの頂点が見える。



ここまで来るともう曲がり角の赤杭も識別できる。この赤杭から北に向かって崖を
降りるのが帰路の予定コース。



赤杭の右90度旋回場所を通過して小梨山に向かう。



行く手を阻むこの倒木は最初に来た時からのそのままの姿。



そして約100m弱で立ち木に囲まれて展望の無い小さな頂上に到着(13.30)。



ここで軽食と休憩。本日の爺イ。



二等三角点709.5mの点名は「網掛」、但し所管は吉井ではなく藤岡市。



標識は爺イがかって付けた古いもの。一度手直ししたが土に帰るのも間もなく。
下にブルー紐がヒラヒラしているがここにはG氏の名刺判があったが
今は螺子とリボンが残っているだけ。引きちぎられた?



雑木が無かったら眺めの良い筈の北の方角。



東には堂々たる風格の大沢山。この山を乗り越えるルートも面白い。



右には小さくグリーンパークゴルフ場のクラブハウス。大沢山から東回りに稜線を
周回すればあのゴルフ場の西端に到着する。



休憩の後、周回に出発するが何となく憂鬱。帰路はとてつもない急降箇所が二箇所あり
段々自信が無くなって来ており毎回、これで最後にしようと思いながら通過しているから。
往路を100M戻って90度旋回の赤杭のところに来る。ここを北に降りるのだ。



先ず、横から傾斜を観察して覚悟を決める。赤矢印の稜線を下る事になるので途中で
逡巡して立ち往生しないように気合を入れる。軽アイゼン装着。



淵から数メートル下ってルートを観察。見た所、傾斜は凄いが木の根、岩角が多くて
足掛かりも有りそうだし、立ち木も適当にあるので不安は消える。



腰を下ろして10㍍ほどずり降りてロープ代わりの木の根っ子に縋りながら
徐々に進む。



やがて木の根が細くなり稜線に届く前に途絶える。ここからはWストックを多用しながら
降りるがカリカリに乾燥しきった下地は固くて刺さらない。



下りきって振り返る(14.11)。



傾斜のやや緩んだ稜線を行くと間もなくこの赤テープ。ここが尾根の分かれ目で
右に行くが、ここからが先ほどと変らない急降が延々と続く。窪に落ち込まない
ようにやや左目を心がけて降りていく。



漸く再びの赤テープで降下は終了。このテープは登りの時の取り付き尾根を指示したもの。



今度も振り返って眺める。



やがて杉林に突入、やっと人の手が加わった所に来て一安心。



目の前の稜線がフッと消えて最後の岩場に差し掛かる。



乗り越えは危ないので右脇をすり抜けて降りて振り返り。



平坦になった稜線を進むと既に右下には広大な伐採地が見えて降りるのも簡単だが
もう一山越すと伐採箇所が稜線に届いているのでもう一踏ん張り。



そして伐採地の正面に到着。



一呼吸の後、伐採地に下りるが中は縦横に搬出用と思われる作業道が入り組んで
いるので成るべく左の山裾を選拓(14.58)。



漸く林道に到着。後は3K弱下って大沢集落を目指す。



林道・半根石線の始点を通過、あと0.5Kで集落(15.29)。



途中で猪狩りに行くという犬連れの単独氏とすれ違って雑談。小梨山から来たというと
そんなルートは地元の人も通らないのにとやや呆れ顔。「東谷に行くなら急がないと
日が暮れるよ」と忠告されてしまった。
この看板の先で車道にぶつかって大沢地区、丁度牛伏山の西南麓に相当する。



ここは高崎市指定重文の「薬師如来像石殿」のあるところ。



左細道を数十メートルでその石殿。
「大沢の薬師」と云われ大きな石殿の中に薬師座像が安置されている。
共に牛伏砂岩製で石殿は非常に大きく、台座、身部、屋根があり、身部正面中央に
18×15センチメートルの切り込みがあり、胎内仏が外から見えるようになっている。
右側に寄進者又は願主名があり、「大沢藤兵衛」と読め左側に「寛永拾六年拾弐月吉日」(1639)とあるとのこと。



小窓からの写真は上手く撮れなかったが像は左手に薬壷を持ち、彫りは薄肉彫りで膝・肩の
張りは少なく大きさは像高40センチメートル、像幅26センチメートルと記録にある。



車道にもどってこんな青面金剛を見ながら西へ一目散。幸いにずっと下りで助かった。



やがて関東ふれ合いの道の牛伏山への南登山口を過ぎる。ここは既に城山の南麓。



あんまり単調なので例によってカーブミラーで一枚。



やつと前方に集落が見えたので県道も近い。



そして県道と合流、小梨峠へ3.3Kとあるから駐車場所まで0.3Kの登り(15.49)。
帰着は丁度16.00、何とか明るいうちに帰宅できそうだ。14500歩の侮れないルートだつた。





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