教育落書き帳

教育とは何か…子どもの視点を尊重し、親、伴走者、市民の立場から語ります。子どもを語ることは未来への信頼と希望を語ること。

■《保護者のための不登校セミナー パート2》のアンケートから見えてきたこと

2013年03月12日 | 日本の教育
■《保護者のための不登校セミナー パート2》のアンケートから見えてきたこと

▼《パート2》で我々民間の側が考えたことの一つに、来場者の保護者からアンケートを取ろうということがあった。今や一方的な思い込みでサービスを提供する時代ではない。不登校問題も多様化している。アンケートを取り、次回にその声を活かせないかということになった。私からの提案であった。幸い県教委の側もこの提案には協力的で、会場で配られたアンケートをまとめると同時に統計的な手法で多角的に分析もしてくれた。きっと県教委の側も不登校に関するもっと現実に即した効果的なデータが欲しかったのだと思う。以下、その資料に沿いながら、そこから見えるものについて独断と偏見に陥ることを恐れずに自分なりに考えて見たいと思う。

▼《気持ちが軽くなった》とは不登校の子どもを持つ親の感想である。《子どもの心の安定》を図るために親としてやるべきことに言及した親御さんも多かった。《子どもの思いを尊重》することの大切さを改めて感じたという人、《不登校の子どもを持った親の実体験のからの言葉》が心に響いたという声もあった。それにとどまらず、たくさんの参加者の保護者たちが感想を述べているのが目を引いた。逆にそこから、不登校の子どもを持つ親御さんの不登校問題に対する生きた情報の飢え、将来に対する覚束のなさによる不安の大きさなどが感じられた。

▼そういうアンケート資料の中で特に注目したのは《全体を通して》というサブタイトルで県教委がまとめた統計資料。これらは円グラフで表示されているのでとても見易い。一目で分かる資料となっていた。県教委のみなさん、有難う、ご苦労様でした。例えば、

(1)《参加された方について》では、保護者が70%、教育関係者12%で、圧倒的に不登校当事者のいる家庭が多い。これは当たり前か。逆に、教育関係者の切実な関心の低さが気になる。学校教育現場での空気を如実に反映したものと見ていいだろうか。


(2)《このセミナーを知ったきっかけ》では、学校から26%、知人から21%、親の会や民間の教育機関17%、県のHP11%、適応指導教室等の公的機関8%、新聞6%とあり、県のHPや新聞からの公的情報の効果の低さは意外だった不登校の家庭では公的教育機関からの情報にあまり当てにしていないということか。事実、ここでも適応指導教室等の公的機関からの情報入手の低さが気になる。不登校の子どもがいる家庭では喉から手が出るほど欲している情報でも、この施設に通っているのだから他の情報をあえて与える必要がないとでも見ているのだろうか?だとすると、その不登校の子どもを見放したような対応は問題だろう。そこのスタッフには不登校の子ども達を真剣に支援しようという姿勢に欠けているように思えてならない。補足データだが、《今回のセミナーは》初参加50%、パート1にも参加50%とある。パート1が300人程度、今回のパート2も200人以上とか。オープンセレモニーや会の進行やコーディネーターにしても概ね《参加して良かった》の声が70-80%と高かったようだ。パート2はやはりやって良かったのだ。


(3)《お子さまの学年は》の問いかけに対して、小学生20%、中学生52%、高校生22%とある。不登校の対象が小中学生だから高校生の年齢層が少ないのはある程度納得が行くが、中学生の割合が意外に少ない。逆に言えば、小学生の段階から不登校になってしまったことにびっくり仰天している親御さんの姿があるのかも知れない。不登校の低年齢化は言われて久しいがかなり進行しているのかも知れない。この統計で実は一番気になったのは次のデータだ。


(4)《現在のお子さんの状態》と聞かれて、家族と会話なし36%、家族の会話あり・外出なし30%、外出する17%、適応指導教室や相談室登校17%とある。不登校の隠れた実態がここにある。不登校になって公的な教育機関等に行っているのはたったの17%。家族との会話もないのはかなりの重症だが、そういうものも含めてほとんどが《不登校→引きこもり》の状態になっているようだ。そういう子どもはほとんど自らを外部から遮断しているだろうし、こういう会にも出てくることはまずあるまい。そして二次的な症状を発症し薬付けになっていることも多い。外部につながる手段は失われてしまっていると言ってよかろう。


最後の
(5)《不登校だった期間》については、半年未満23%、半年~一年未満19%、一年~二年未満22%、二年~三年未満6%、三年以上30%となっている。このデータをどう読むか難しいところだが、不登校を悪化させずに早期に対応すれば(子どもの心を無視してまでということではない、子どもの自然な気持ちの変化に寄り添ってということ)不登校の子どもを2~3年の期間があれば立ち直らせることができる、ということを示している。逆に不適切な関わりをするならば、不登校は長期の引きこもりに移行してしまう可能性がとても高いということにもなりそうだ。不登校からの脱出、立ち直りにはフリースクール等での適切な対応、社会参加のための支援等がとても大切であることを言わずもがな、如実に明らかにしたとも言えそうだ。

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3月11日(月)のつぶやき

2013年03月12日 | 日本の教育

「■平成24年度の《保護者のための不登校セミナー》からの感想など」(パート1、パート2からの報告) goo.gl/zlqhy


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