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教育落書き帳

教育とは何か…子どもの視点を尊重し、親、伴走者、市民の立場から語ります。子どもを語ることは未来への信頼と希望を語ること。

川口高校校長の教え子への脅迫事件について

2008年03月10日 | 「大人のフリースクール」公開講座

教え子に関係迫る=脅迫で高校校長逮捕-卒業式出席後に任意同行・埼玉県警(時事通信) - goo ニュース

出来たらこんなアホな事件には触れないでおきたいのだが、今までも教育雑誌での教育事件の取材も行い発信してきたし、今もNPOで教育ネットワークを設立し、あまつさえフリースクールも運営している。その上、この事件の現場は、このこの辺の中学生たちがそれなりのレベルの高校の一つと考え受験目標として頑張っている高校でもあるのだ

私の住んでいるところはさいたま市であるが、川口市との境に近く、事件の現場、川口市立川口高校、通称カワタカとはそんなに離れてはいない。現に今私達のフリースクールに来ている生徒の何名かはその近くから通ってきており、今年その高校を受験する生徒はいなかったが、近辺で受験する生徒は多い。確か女優の和久井映見がそこの出身ではなかったろうか。

川口市立川口高校の校長が元教え子の女性に復縁を迫り、断られると「裸の写真をばら撒く」とか「殺すぞ」とか脅迫をしたらしい。教育者としては、というよりも一般の社会性のある大人としてもとても考えられない事件である。その彼が逮捕される数時間前までは立派な校長として卒業式に臨み、「社会人」としての薀蓄を生徒たちに垂れていたらしい。いやはや大した校長さんです。

それでびっくりした教育委員会が全市の小中高校の校長を集め集会を開いたようだが、何を話したのだか。驚くことに「立派な校長さんだった。残念だ」とかの他の校長の声があったり、何が嬉しいいのだかにやけた表情のその高校の教頭のインタビューなどが放映されたが、これもテレビの前であり得ない対応である。何か教育全体がずれてしまっているのではないか。ばれなければこの校長は立派な校長として職務をまっとう出来たというのだろうか。

この校長の行為は5年にも及ぶらしい。そんな人間を優れた教師のように持ち上げ、教師の鏡、手本である校長にまで登らせたのは誰か。しばらく県の教育局にもいたというから、教育局の連中も上辺の立派さと本質とのギャップを全く見抜けなかったということだろう。そんな連中が県の教育のトップに居座り、下位の教職員に向かって指導をしていたというわけかになる。これはそういう人間を校長にまで上らせた県教育局の責任も重大であると言わざるを得ない。こういう人たちがどういう態度で「社会性」や「道徳」を説くというのか。

生徒たちの人格形成に与える影響はとてつもなく大きい。もう生徒たちは、教師がいくら偉そうなことを言っても聴く耳を持たないかもしれない。「ふん、教師だけあって、口先では随分偉そうなことを言うよ」くらいにしかもう受け取らないのではないか。日本の教育を、将来に夢を抱く子どもたちを、文部科学省と教員たちが一生懸命になって壊している。そんな構図である

一昨日のNHKの教育論議の中で、文部科学省や教員システムを解体し、もっと教育に自由を、という声があったが、もう日本の教育を彼らに任せて置けないところまで来ているのは確かだろう。