らいふ

日々の想いと暮らしの足跡。

名文~深代惇郎さん

2018-07-14 16:05:45 | 観たもの聴いたもの読んだもの
ここ何年かは早朝に目が覚めてしまう。
早朝は頭がまっさらな状態で、起きがけに本を読むと昼や夜の倍くらい頭に入ってくる。
何か計画を立てたり文章を書くのも早朝がいいみたい。

今朝は久しぶりに深代惇郎さんの「天声人語」を開いてみた。
深代惇郎さんの書いた天声人語は私が高校時代のころの大学入試問題に良く出されることで有名だった。
46歳で急逝されるまでの2年9か月の間に書かれた天声人語が書籍にまとまっている。
私が持っているのは亡くなって間もないころ出版されたもの。
最近文庫本が新たに発刊されているようでうれしい。

さて、どこを開いても素晴らしい名文!
教養とはこのように結実するものだと教えてくれるようだ。
50年近くたっているのに今の時代にもいえる考え、ユーモア、皮肉。
私はこの中でも自然についての描写がとても好きである。
「雁風呂」「夕焼け」など何度読んでも心打たれる。
私ごときが語るのも憚れる名文。

ユーモアといえば、ゲーテが「光を、もっと光を」といったのは「鎧戸を開けなさい、光を、もっと光を」だった説があるらしいと書かれてあった。
言う人が言う人だったので深い意味に後世に伝わったらしいと。
この「言う人が言う人だったので」というところが深代さんらしくてとっても可笑しくて笑ってしまった。

おいしいコーヒーを味わうように夜明けに天声人語を味わう贅沢。
言葉を持つ人類に生まれてきて良かったな~とつくづく思う。

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