らいふ

日々の想いと暮らしの足跡。

虎に翼の翼

2024-09-27 11:50:33 | 観たもの聴いたもの読んだもの
朝ドラ「虎に翼」終わりました。
よく、○○ロスって聞きますが、まさにロスです。脱力。
ふつうのドラマではなかった。
外で働く人、家を守る人、男と女、LGBTQ、様々な人に光をあて、親子の問題や認知症、そして原爆裁判、尊属殺人、ブルーパージなど社会の問題にも切り込んで本当に濃いドラマだった。

印象深いシーンは数々あるけれど、直近の最終週であげれば、寅子が家族写真を見ながら「根本的に(母親に)向いてないのよね」とつぶやいたシーンです。
あれほど娘との溝をもがきながら埋めてきてなお、根本的に母親に向いていないと悩む寅子。
分かる、分かる。すごくリアル。
恥ずかしい話、ふいに涙が止まらなくなりました。
古希に近いと言うのに、なんだかいろんなことが「根本的に向いていないこと」に思えて。
「母親に向いてない」「仕事に向いてない」などなど対象は様々でも、根本的に向いてないとひそかに思いつつ、そのレールをひた走っている人はゴマンといるでしょう。
そんな多くの人の独り言をすくいあげてくれたようなセリフだった。
そういう細かいリアルさがあって目が離せないドラマだった。
大胆かつ繊細。
社会問題に切り込む朝ドラらしからぬ大胆さのなかに、人の心の繊細さ、弱さや本音。それらが織り交ぜられていて見ごたえが半端なかった。

そしてまた、たぶんこう展開するだろうなという風にはいかない点がよい。
裁判官の義理の息子が左遷にあい、家具職人になる決断をしたり、娘が大学院を辞めて雀荘に務めたり、道雄がすし屋をの二代目になるかと思いきや自信がないからと断ったりする。
生活の安定を何より望む我々にとっては、そのどれもが引き止めたい決断ばかり。
でも、そのどの決断も否定しない、心配しつつも自分の道は自分で決めることを第一とする寅子。
誰にも生き方を強要してはならないのだと、今ごろ気づかされました。

ドラマを貫く憲法14条の平等と尊厳とともに、誰もが特別なんだと言うメッセージもよかった。
寅子の対応が間違ったことで「特別」の本当の意味を知ることなく救われなかった美佐江が悲しかったけれど、取り返しのつかない失敗だって人生にはあると思う。
そこがまたリアル。

ところで、虎に翼の「翼」って何だったんだろう?
思うに、寅子にとっての憲法のように、その人の拠りどころとなるものなんじゃないでしょうか。
虎に翼が生えれば天下無敵。
天下無敵とまでいかなくても、その人を支え、少しでも羽ばたかせてくれる揚力のようなもの。
どう思いますか?

人生100年時代。
この先短いのか長いのかに限らず、何かを選択する場面もあるでしょう。
その時は自分の拠りどころと本音と相談して選択できればと思います。
自分勝手という意味ではなく、他人軸ではなくという感じで。
意外に難しいかもね。
他人軸で選択したほうが安心で楽だものね。
その時はこのドラマを思い出すことにしましょう。

最後に
最終回の紘一さんと花江さんの老けメイクが素晴らしかった!!


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久しぶりにスピッツを聴く

2024-08-27 17:19:55 | 観たもの聴いたもの読んだもの
ふと聴きたくなって、久しぶりにスピッツの曲を何曲か聴きました。
何度も聴いているのに飽きないのよね、スピッツ。
不思議な詩のような歌詞があの優しく切ないメロディーにのってスピッツワールドに包み込まれる。
よく聞くと歌詞は意味が分かるような分からないような。
でも、その分からない良さを素敵に解説してくれる動画もあって、あ~そうそう、そんな感じ、と納得したりする。
世の中には上手に代弁してくれる人がたくさんいてありがたい。

「空も飛べるはず」の歌詞も、あたたかくて優しい中に、危うさや影があって単純にすまされないような感性にあふれてる。
なんだか、いろんな絵の具を溶かしたもやもやの世界を、不確かなほんの少しの希望で生きていく、そんな青春。
私はなぜか校舎の廊下の窓からグラウンドを見ながら進路の話をしたことを思い出します。
もう50年前ですね~

そういえば
「冷たい頬」の歌詞
さよなら僕のかわいいシロツメクサよ
手帳の隅に眠り続けるストーリー

ここ、いいですよね。
67歳になっても響きます。
そうそう、来年からの5年手帳を買わなくっちゃ。


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虎に翼が凄い

2024-08-14 18:46:16 | 観たもの聴いたもの読んだもの
虎に翼が凄すぎる。
この前は開戦前に存在した総力研究所に踏み込んでいた。
今度は原爆裁判だ。
たぶん、ドラマの終盤には尊属殺重罰規定の違憲判決についても話が及ぶと思う。
凄いドラマだな。

人権、平等など大きな理想に突き進む寅子だけれど、日常の現実問題の判断はズレまくっている。
常識を教えてくれる花江ちゃんがいなかったら大変だよね。
理想担当が寅子。
現実担当が花江。
でも、たとえ娘であっても素直に謝ることができる寅子は素晴らしい。

涼子様が寅子は全方位に愛があると言っていた。
このドラマはあの時代だけでなく、今を取り巻く事柄を全方位からの視点から映し出してくれていると思う。
全方位に愛のあるドラマなんだと思う。

以上、とりとめのない朝ドラ感想でした。

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言い訳しない寅子

2024-07-12 20:48:02 | 観たもの聴いたもの読んだもの
朝ドラの感想です。

先週あたりから、寅子が仕事に夢中になり世間に持ち上げられるにつれ、家族の不満が大きくなり溝が出来ていく様子が描かれていました。

今週は何より娘との深刻な溝が明るみになり、どん底に落ち込む寅子でしたが、一からやり直そうとしていく回でした。

人間、調子に乗っている時が一番危ないと言いますが、依頼人から恨まれてカミソリで切られそうになるくらい全力で仕事しているのに、家族から集中砲火を浴び、幼い娘に手をついて謝る寅子がちょっとかわいそうでした。

確かに天狗になって、家族に対しても上から目線だったので、ひたすら謝るしかなかったのでしょうけど。

でも、寅子は全部認めて一切言い訳しなかった。
そこがスゴイなと。
言い訳しないってなかなか出来ないことですよね。

娘との距離はすぐには縮まらないと思うので、これから寅子がどんな風にもがいて縮めていくのか見届けたいと思っています。

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7月2日の虎に翼 序文に涙

2024-07-02 09:18:25 | 観たもの聴いたもの読んだもの
今朝の「虎に翼」も良かったな~
お汁粉屋さんで平田満さんが読み上げる法律の本の序文のシーン。
序文の、「人が作ったものです。間違いもあるでしょう」のところ、特にじ~んとしました。
お汁粉屋さんのお客さんも聴き入っていて、戦争で傷ついた人たちに希望の光が差し込んでくるような素敵な情景でした。
温かく尊いものを見せてもらいました。(けっこう泣けた)

人は間違う。
失敗もする。
でも、それに気づいて変わっていくことに人の値打ちがあるよね。

一方、娘の優未ちゃんが寂しそうで気になります。
仕事に追われる母親。
そして仕事に夢中になる母親。
かつての自分を見ているようで辛い。
それが外の仕事のせいでなくても、子どもに十分向き合えなかった状況が誰にもあるはず。
どうすればよかったんだろう。
難しいね。



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