うなぎ産地偽装で割烹を摘発 騙される消費者が悪いのか?

2017年06月30日 | 消費者情報


うなぎ産地偽装で割烹を摘発 騙される消費者が悪いのか?
6/30(金) 9:26配信 日刊ゲンダイDIGITAL
うなぎ産地偽装で割烹を摘発 騙される消費者が悪いのか?
(写真は曙覧HPから)
 中国産のうなぎを「三河産」「静岡産」などと偽って客に出していた福井市のうなぎ割烹店「曙覧」(写真はHPから)が、愛知県警に摘発された。28日までに不正競争防止法違反(虚偽表示)容疑で逮捕されたのは、同店を直営する水産物輸入・卸会社社長(47=名古屋市)と、同店元料理長(56=福井市)の2人。

「客に出すうなぎのほとんどが中国産だったにもかかわらず、店の出入り口付近に『三河産』『静岡産』と書いたのぼりを立てたり、店内に愛知の養殖業者の顔写真を掲げたりしたそうです。発覚のきっかけは、村井の会社の輸入うなぎから基準値を超える残留農薬が検出されたこと。名古屋の保健所が昨年12月、県警に食品衛生法違反容疑で告発し、産地偽装もバレたというわけです」(捜査事情通)

 2人は互いに「(元料理長が)独断でやった」「(社長に)指示された」と容疑を否認しているが、いずれにせよ“農薬うなぎ”を食わされた客はたまったもんじゃないだろう。

 曙覧ではうな重上セットで4390円とそれなりの値段を取り、HPで〈鰻問屋でもある弊社が厳選した最高品質の鰻〉とうたっていただけに、余計にタチが悪い。

「国産の方が身が薄くてあっさりしているなどの違いはありますが、うなぎ問屋の直営店と言われたら、そりゃ安い中国産とは思いませんよ」(うなぎ養殖業者)

 ところが、こうした産地偽装が発覚するたびに、ネット上では〈味も分からないくせに〉〈騙される方が悪い〉なんて論調が必ず出てくる。

「それは違う。騙す方が絶対に悪い」と、消費者問題研究所代表の垣田達哉氏がこう続ける。

「うなぎに限らず、牛肉でも何でも、食べただけで産地が分かる消費者なんていません。味の違いだってそう簡単には分からない。そもそも、消費者が一番気にしているのは味より安全です。安全かどうかも食べただけでは分からないからこそ、プロにお金を払って安心して食べられる物を選んでもらう。プロは消費者に正しい情報を伝え、信用の対価としてお金をもらうわけです。信用を裏切り、消費者を騙して不当な利益を得るのは詐欺と同じ。それを騙された方が悪いなんて、詐欺を許す世の中の方がおかしいと思いますね」

 それだけ日本人の“プロ意識”が下がっているということか。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« バニラ・エアに声をあげた障... | トップ | 中高年の「夜逃げ多発」に泣... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

消費者情報」カテゴリの最新記事