驚愕!実は大阪で「エイズ」が大爆発していた

2020年03月02日 | 病気 余命を考える 死を迎える準備

驚愕!実は大阪で「エイズ」が大爆発していた
週刊現代


年間約300人が4年間—。異常とも言える感染拡大が、大阪で起きていた。原因は、性の乱れか、はたまたあのハリウッドスターか?「関係ない」では済まされない、感染の現実をレポートする。
突然起きた「アウトブレイク」

日本エイズ学会での最新発表を受け、いま、大阪が揺れている。

日本エイズ学会とは、HIV感染およびエイズの発症について研究を行っている、国内最大の学術団体。'87年に第1回の学術集会が開かれて以来、毎年、日本全国のエイズ研究の権威が集まり、革新的な研究結果を公表・議論している。

その伝統ある日本エイズ学会が11月30日に東京で行った第29回の学術集会。そこで、こう発表されたのだ。

大阪府でHIV(エイズウイルス)感染者が激増—。

この衝撃的な研究結果をまとめた、慶応大学医学部専任講師の加藤真吾氏が語る。

「厚生労働省のエイズ動向委員会の調査によると、国内のエイズウイルス感染者と、感染した後にエイズを発症した人の数の合計は、'14年末時点で2万490人。私は今回、この調査と欧州のデータを元に、国内で年にどれくらいの『新規感染者』が出ているかを推計しました。研究の結果、実際に報告されているのは2万490人ですが、この他に8120人の『未診断感染者』がいる可能性があるとわかった。

そして、年次別の推計で見ていくと、大阪府で感染者が急増している時期があることも明らかになりました。その時期とは、03〜06年。この時期、東京を含めた他の都道府県における新規感染者は横ばい傾向にあるにもかかわらず、全国的に見るとその数は増えていた。つまり、大阪だけで異常に増えていたのです。毎年、約300人の新規感染者が大阪で出ていたと推計されます」

この衝撃の事実は、大阪府内でもまだほとんど知られていない。

「そんな発表があったんですか……。まったく把握していませんでした。大阪府に報告されている新規感染者よりも、はるかに多い数です」(大阪府健康医療部保健医療室医療対策課感染症グループ担当者)

「すみません、大阪市としても把握はしていませんでした。市でも新規感染者については調査しておりますが、'03年について報告されたのは77人です。発表の詳細を存じあげないので何とも言えませんが、300人という数字には驚きです。それ、ホンマの話ですか?」(大阪市保健所感染症対策課担当者)

加藤氏が続ける。

「同じくエイズ動向委員会の調査によると、'02年まで、大阪府で報告されたHIV感染者およびエイズ患者は、毎年100人にも満たない。つまり、03〜06年の4年間だけ、新規感染者数が約3倍に膨れ上がっているのです。

その後、感染者数が横ばいに推移していることから見ても、この時期だけ急増しているのは明らか。研究者の間では、このような急激な感染拡大を『アウトブレイク』と呼びます」
感染を拡大させた人物がいる

アウトブレイク——恐ろしい響きだが、ではなぜ大阪で、この時期、爆発的に感染者は増えたのだろう。

世界で感染者が急増した例はいくつかある。

たとえば、ジンバブエやザンビアといったサハラ以南のアフリカは、世界でもっともHIV感染者が多い地域。これまでに、2000万人以上の感染者が出ている。

ここで感染が拡大した理由は、HIV感染を助長する他の性行為感染症が多いためとされる。梅毒やヘルペスといった性病にかかっている者が性行為をしたときに、HIVの感染は起きやすいのだ。アフリカ諸国のなかには性病の予防・治療体制が整っていない国が多いため、急速に感染が広がった。

また、80年代のタイでも、大規模な感染拡大があった。HIVの感染者は、累計で100万人をゆうに超える。こちらは、薬物使用者による注射針の「使い回し」が主な原因とされている。

いずれの感染拡大のケースも、03〜06年当時の大阪の状況には当てはまらないだろう。

大阪に限らず、日本の衛生環境でこのような事態が起こることは、まさに想定外だ。なぜ、こんなことになってしまったのか。

考えられる要因の一つを、加藤氏はこう分析する。

「衛生環境が良好ななかで、感染が拡大する原因として一般的なのは、セックスにアクティブ(能動的)なHIV感染者が、性活動が盛んなコミュニティに入り込むケース。単純な話ですが、その一人の人物が次々と性関係を持てば、そのコミュニティで感染は拡大していきますからね。そのような人物を『スーパースプレッダー(感染拡大の感染源)』と言います」

エイズウイルスをもった「性豪」が一人いれば、感染は急激に拡大していく—。はたして、そんな影響力を持つ男が実在するかを考えると……ある人物の影がどうしてもちらつく。

そう、ハリウッドスターのチャーリー・シーンである。『プラトーン』や『メジャーリーグ』など数多くの名作に出演している、日本でも馴染み深い俳優だ。

そんな彼がいま、本業とはまったく関係ない形で、世界中の注目を集めている。

11月17日にアメリカNBCテレビの生放送ニュース番組『トゥデイ』に出演。なんと、「私はHIVに感染したことを認めるためにここにいる」と告白したのだ。

シーンは、4年ほど前に頭痛や寝汗といった身体の不調を感じ、脳腫瘍だと思い検査を受けたところ、HIVと判明したという。
シーンは日本に来ていた

その後、彼はごく親しい人だけに感染を明かしたが、そのうち数人から、「事実を公表されたくなければカネを払えとゆすられ、要求に応じた」とも証言。口止めのために支払った金額は、1000万ドル(約12億円)を超すという。

脅迫を受けたうちの1人は売春婦の女性で、浴室に入ってきてシーンが投薬する様子を携帯電話のカメラで撮影。「画像を売り飛ばす」と脅されたとしている。

この告白はアメリカだけでなく、全世界にも衝撃を与え、シーンに同情的な声すら寄せられた。

だがその後、次々と明らかになっていった「事実」によって、これらはすべて、シーン自身が招いた報いだということがわかってきた。

シーンは、「隣に住む女の子からポルノ女優まで、これまでに関係を持った女性の数は5000人以上」と公言してきた、まさに「性豪」。毎晩のようにロサンゼルスの自宅に複数人の女性を呼びつけ、乱交パーティーを楽しんでいたという。

また、この家にはシーンが「女神」と呼ぶ4人の美しい女性が常駐しており、彼女たちとも日夜セックスを楽しんでいたこと。そして、HIV感染が明らかになった後も、そんな生活を続けていたことも、友人によって暴露されている。コカインを摂取しながら性行為を楽しむことまであったという。

凄まじい。もし、こんな男が当時の大阪にいたとすれば、感染拡大の要因となったかもしれない、と思わせるに十分である。

シーンに日本との接点はあるか。

94年の『メジャーリーグ2』のプロモーションを最後に公式には来日していないため、問題となる03〜06年に大阪に来ていた記録はない。

だが、彼が何度か大阪を訪れていたことを窺わせるこんな証言もある。

「94年に来日した際に、シーンは日本の有名タレントをガールフレンドにしたとされています。ですから、女好きの彼はその女性と会うために、その後も何度も日本に訪れているはずです。

シーンは年間2億円以上を買春のために使う人物。東京の歌舞伎町はもちろん、大阪のミナミや新地といった歓楽街を楽しんでいたとしても、何らおかしくはありません」(ハリウッド在住の芸能ジャーナリスト)

チャーリー・シーンによる感染拡大の可能性について、前出の加藤氏に聞いた。

「うーん、ありえません。一人の感染者によって拡大するケースは確かにありますが、それはあくまで、小さなコミュニティに限った話です。03〜06年の大阪のような年間約300人の新規感染者が出ている大規模な拡大は、一人の性に活発な感染者がいただけでは起こりえない。

HIVの感染者の8割は男性同性愛者です。感染がこれだけ拡大したということは、それこそ文化が変化するような、男性同性愛者の間での性事情の変化があったと予想されます。もしかしたら、コンドームを使用しない『アナルセックス』の頻度が急激に高まったのかもしれません。肛門での性行為は、HIVにかかる確率が非常に高い。そういう経験がある人の感染率は、ない人の約100倍です」

男性同性愛者ならば、それ以前から「アナルセックス」をしているのでは、と疑問を持つ人もいるだろう。03年から急に増える理由にならない、と。だが、それは勘違い。全員が肛門での性行為を行っているわけではない。同性愛者の約半数が経験がない、という調査結果もあるという。

加藤氏が言うようにアナルセックスが流行したとすれば、爆発的なHIV感染の要因になった可能性は否定できない。
100%の安全はありえない

実際、03年前後の大阪には若い男性同性愛者向けの出会いの場、いわゆる「ハッテン場」と呼ばれる店が次々とオープンしている。

HIV感染のリスクを知らない若者たちがそこに集まり、コンドームを装着せずに肛門での性行為を楽しむようになったとすれば、感染拡大の経路として、考えられなくはない。
誰にとっても他人事ではない


さらに、HIVの感染者は男性同性愛者に多いから自分には関係ない、と考えるのは大きな間違いだという。

「実は、HIV感染が起こりやすい『肛門での性行為』をするのは、男性同性愛者だけではないのです。

異性愛者の成人男性のうち、50人に一人が男性とアナルセックスをしたことがある、とした論文もあります。当然、彼らは女性とも関係を持ちますし、なかには風俗店などに行く人もいるでしょう。つまり、感染源は同性愛者だけではないということ。誰しもがHIVに感染する可能性があるのです。

現在は非常に良い薬があるため、たとえHIVに感染しても、治療すればエイズの発症を抑えられる。また、性交渉によって相手に移すリスクもかなり減らせます。他人事だと思わず、みんなが検査に行くことで、日本でのHIVの流行を阻止できるのです」(加藤氏)

関係を持ってきた相手が、これまでに、どこで誰とセックスをしてきたか。それを完璧に把握している人は少ないだろう。アナルセックスよりも確率は低いとはいえ、異性間の性交渉でも感染が起こりうる以上、誰にとってもHIVは他人事ではないのだ。

少し怖いと思っても、一度、検査を受けてみるのがいいかもしれない。

「週刊現代」2015年12月26日より





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