「北朝鮮の核ミサイル、東京に落ちたら数十万人が即死」英シンクタンクが指摘 日米韓は迎撃技術を磨け

2017年09月15日 | 政治社会問題


「北朝鮮の核ミサイル、東京に落ちたら数十万人が即死」英シンクタンクが指摘 日米韓は迎撃技術を磨け
木村正人 | 在英国際ジャーナリスト
9/15(金) 14:48
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大陸間弾道ミサイルに搭載できるという水爆について説明を受ける金正恩(労働新聞)
「断じて容認できない」

防衛省によると、北朝鮮は15日午前7時前(日本時間)、北朝鮮の順安付近から弾道ミサイル1発を東北東方向に発射、ミサイルは北海道渡島半島と襟裳岬付近の上空を太平洋に向けて通過し、約19分後にわが国の排他的経済水域(EEZ)外である襟裳岬の東約2200キロメートルの太平洋に落下しました。

飛翔距離約3700キロメートル、最高高度約800キロメートルと推定されています。

北朝鮮は9月3日に6度目の核実験を強行。2度の大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射(7月)、北海道上空を通過させる弾道ミサイル発射(8月29日)を含め、今年に入って10発以上の弾道ミサイルを発射しています。

菅義偉官房長官は「短期間のうちに立て続けにわが国上空を通過する弾道ミサイルを発射したことは、地域の緊張を一方的にさらに高める深刻な挑発行為」として、「我が国として断じて容認できない」「日本国民の強い憤りを伝えるとともに、最も強い表現で非難する」と抗議しました。
同盟国を分断

9月12日には国連安全保障理事会で、北朝鮮への石油精製品輸出を年間200万バレルに制限する新たな制裁決議を採択したばかり。

今回、北海道渡島半島・襟裳岬付近の上空を通過したとみられる弾道ミサイルの発射で、グアムの米軍基地を避けながら、グアムを完全に射程に収める3700キロメートルを飛翔させました。

アメリカではなく、ソフトターゲットの日本に揺さぶりをかけることで、アメリカと同盟国との間に楔を打ち込むのが狙いです。
グーグルマイマップで筆者作成
グーグルマイマップで筆者作成
北朝鮮人民を「人間の盾」に

弾道ミサイルは8月29日と同じ平壌・順安飛行場から発射されたとみられています。国家情報院は前回、順安飛行場を選んだ理由として「機動性」を指摘しました。飛行場はアスファルトなので発射準備の時間が短縮されるためです。

さらに平壌の人民にミサイル能力を宣伝する一方で、彼らを「人間の盾」に使ってアメリカ軍による先制攻撃を防ぐ狙いもあるようです。

しかし途中で墜落すると大惨事を引き起こしかねないため、順安飛行場からの発射は弾道ミサイル技術に対する北朝鮮の自信の現れと見ることもできます。

小野寺五典防衛相とジェームズ・マティス米国防長官は電話会談で「北朝鮮に対して目に見える形で圧力をかけ続けていくこと」と、日米韓3カ国で緊密な協力を進めていくことを改めて確認しました。
核出力は最大500キロトン

もし、北朝鮮が核ミサイルを東京に撃ち込んだとしたら、どうなるか――。ロンドンにあるシンクタンク、国際戦略研究所(IISS)は次のように分析しています。

「9月3日の核実験はマグニチュードで6.1~6.3の威力があり、水爆の初期段階であることはほぼ間違いない」「核出力は100キロトンと報道された。アメリカの情報機関は140キロトン、他の2つのモデルでは300キロトンと推定しているが、合理的には最大500キロトンと推定できる」
画像
「300キロトンの爆弾なら126平方キロメートルを覆い尽す致死的な熱放射を生み出すことができるだろう。東京のど真ん中に落とされたら数十万人が即座に死亡し、15キロ離れた東京ドームから世田谷にいるすべての人が3度の熱傷を負うだろう」

日本や韓国の独自核は選択肢ではない

北朝鮮の核ミサイル問題に詳しいIISSのマーク・フィッツパトリック・アメリカ本部長は「いかに北朝鮮を扱うか」というコラムで次のように指摘しています。

「300キロトンというのが最も妥当な推定だろう。これはアメリカの多くの核兵器と同じサイズだ」「北朝鮮の朝鮮労働党委員長、金正恩の戦略的なゴールであるアメリカと同盟国の日本、韓国の分断は達成できない。最近の世論調査では、日本や韓国が北朝鮮の攻撃を受けた場合、間違いなく報復するというアメリカ人が増えている」

「多くの軍事オプションは当てにならない。巡航ミサイルを1発でも北朝鮮のミサイル発射台に向けて発射すれば、金正恩は予防措置として大規模な攻撃に出てくるだろう。仮に北朝鮮が敗北したとしても、百万人の韓国人とアメリカ軍兵士の犠牲を伴う恐れがある」

「韓国は独自核の開発か、26年前に引き揚げたアメリカ軍の戦術核の再配備が、北朝鮮や中国に対する最大のテコになると信じているが、アメリカ軍の最新鋭迎撃システム『高高度防衛ミサイル(THAAD)』配備への強硬な反発を見れば中国が許すことはありそうにない」

「アメリカ軍にとっても韓国への戦術核の再配備はマンパワーの負担が増えるだけで、核ミサイル原潜や核爆撃機の戦略的な能力を補強するものにはならない」

「韓国内にアメリカの核基地を再び設けることは北朝鮮の先制攻撃のターゲットにされるだけでなく、反米感情に再び火をつけることになる」

日本も韓国も北朝鮮のように独自核を追求した時点で、海外からの核燃料の補給を断たれることになるとフィッツパトリックは指摘しています。
北の核「封じ込め」はできるか

フィッツパトリックによると、日米韓は協力して(1)中距離弾道ミサイルに対する迎撃システムをより確実なものにする(2)北朝鮮の貿易を制限するため北朝鮮船舶の臨検を検討する(3)北朝鮮の弾道ミサイルを妨害するサイバー攻撃ツールに注目する――ことが肝要だそうです。

中国やロシアの企業や銀行に対象を広げたアメリカの第2次制裁で北朝鮮包囲網を強化する。それをテコに米朝協議を開き、北朝鮮の核の脅威を封じ込めるしか手立てはありません。

メディアだけでなく情報機関との関係も最悪になっているアメリカの大統領ドナルド・トランプに、キューバ危機と同様の慎重さと賢明さを求められる「封じ込め外交」ができるのか、とても心配です。

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北ミサイル 米陸軍参謀総長「同盟国の国民を守る」 小野寺防衛相と会談

2017年09月15日 | 政治社会問題


はっきり言って、、、アメリカは核ミサイル1撃を日本が喰らってから北に反撃する腹です。

即ち、東京の場合や大阪の場合などに打ち込まれ50万人くらいが死亡して初めて<<安保条約=これを名目に北を殲滅させる腹です>>

従って、現時点では、アメリカは動かない。

さらに、アメリカ本土到達の大陸間弾道ミサイルに核爆弾が搭載されてもアメリカは攻撃されない限り北を殲滅しません。

睨み合いになるだけ<<この間、にほんと南朝鮮に核兵器をアメリカが導入させる可能性があります>>勿論、莫大な請求書が来ます。


北ミサイル 米陸軍参謀総長「同盟国の国民を守る」 小野寺防衛相と会談
9/15(金) 16:02配信 産経新聞
 小野寺五典防衛相は15日、米陸軍のミリー参謀総長と防衛省で会談し、緊迫する北朝鮮情勢について意見交換した。小野寺氏は北朝鮮の弾道ミサイル発射を「断じて承認できる内容ではない」と非難した。その上で、ミリー氏に「ぜひ北朝鮮に対抗するため、日米韓3カ国の強い連携を作ってほしい」と要請した。

 ミリー氏は、北朝鮮の挑発行動について「今後も内容がさらに増してくる」と警戒感を示した。「米国の国益や国民を守るとともに、われわれの同盟国の国民を守る」とも語り、日米韓3カ国で北朝鮮の脅威に対応していく考えを示した。

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「私を訴えてくる大家の方が幽霊より怖い」 東大卒・大島てるの“事故物件人生“

2017年09月15日 | 消費者情報
二階で死んで腐敗した遺体から<<腐敗汁>>が、、、1階の部屋に垂れてきた。

色が茶色、、、、人間が腐敗するときに出る汁だ、、、

1階の住民の丁度テーブルの上から、ポタポタ垂れるが<<しょう油でもこぼしたかと>>そのまま居たら、、、

二階で孤独死した人間の腐乱死体の汁だと、、警察捜査で判明した。

こういう実態がある。

そに他、鉄道飛び込み自殺の凄惨な現場や、首吊り自殺の腐乱死体など、、、、、


以上 元警察官系で海外移住の経営者





「私を訴えてくる大家の方が幽霊より怖い」 東大卒・大島てるの“事故物件人生“
9/15(金) 11:02配信 AbemaTIMES
「私を訴えてくる大家の方が幽霊より怖い」 東大卒・大島てるの“事故物件人生“
「私を訴えてくる大家の方が幽霊より怖い」 東大卒・大島てるの“事故物件人生“
 「草木がボーボーになっている一戸建てがあったら、それはひょっとしたら事故物件かもしれないし、遺体がまだ家の中にあるというケースさえある」。

 「ミスター事故物件」、大島てる氏(39)。東京大学経済学部を卒業後、コロンビア大学大学院に入学するも中退。祖母の代からの家業である不動産を継ぐ傍ら、殺人や自殺などが起きた“事故物件“の情報を収集しはじめた。祖母の名前を冠した(※もともとは祖母の名前、通称で自分も“大島てる”という通称で仕事をしている)サイト「大島てる」も、当初は簡易なリストを掲載するだけだったが、今や韓国、中国、アメリカ、ヨーロッパも網羅、掲載物件は4万数千件にものぼる。サイト上では事故物件を「てる」とカウント。「都内には7000てる。日本全国だと3万8000てる」。中には死因だけでなく、部屋番号まで掲載されている物件もある。1日の平均閲覧数は100万にも及ぶ。

 「殺害予告も受けたことがある」とあっけらかんと言ってのける大島氏。AbemaTV『偉大なる創業バカ一代』では、そんな彼を取材した。

「私を訴えてくる大家の方が幽霊より怖い」 東大卒・大島てるの“事故物件人生“
東京大学を卒業した大島氏がサイトを開設したのは12年前
 東京大学を卒業した大島氏がサイトを開設したのは12年前のこと。当時、「土地を仕入れて建物を建て、お貸しするという小さなディベロッパーのようなことをしていた」。大島氏は、事故物件に出会うこともしばしばだったという。「事実を知った上で安く仕入れるのはいいけど、事故物件を高値で掴まされたくない。後で発覚し、借り主に嫌だと言われればそれまで」。そんな状況に不満を持ち、自ら事故物件を調べ始めるようになった。しかし程なくして、入手できる情報はわずかだと悟った。ならばインターネットの力を借りよう、とサイトを設立、事故物件情報を掲載していった。すると住人などから「事件が起きたのはこのフロアだ」といった細かな情報が寄せられ始めたのだという。

 プライベートでもよく一人で事故物件を見に行くという大島氏。これまで見に行った物件は数千件、事件が起きてから最短18分でサイトにアップしたこともあるという。建物が崩壊し、近寄れない物件でも諦めることはない。何とかして部屋番号などの情報を得るため、望遠レンズを用いて撮影を試みる。

■殺人事件の犯人とされる人物からの削除要請も
 一時は業界から敵視されていた大島氏だが、今やかつての自分と同じような思いを持つ業者、正直に告知する義務を感じている業者からの支持も集まり、セミナーの講師を頼まれることも増えた。

 「ただ、大家とは上手く行かない」。

 「迷惑だから削除してくれ」という依頼も舞い込む。しかし、「それって裏を返せば要するに『サイトの情報が合っていた』ということ。困る人がいないと、自分の活動には意味がないと思っている」と意に介さない。ある時は物件の所有者から「お前のサイトに載っているせいで、資産価値が下がり迷惑だ」と、削除を要請する手紙が送られてきた。いつものこととしてスルーしていた大島氏だが、送り主の名前を見て驚愕する。「その物件で起きた殺人事件の犯人とされた人物だった。逮捕され、実名で報道されたが、起訴されず釈放され、その物件に住んでいた」。

 奇妙な出来事はこれだけではない。「ストーカーみたいな感じの人で…『なんで返事くれないんですか』ってずっとつけられている」と、まさに現在進行系で危険にさらされていることを明かした。

「私を訴えてくる大家の方が幽霊より怖い」 東大卒・大島てるの“事故物件人生“
女性に大人気の「事故物件ナイト」
■女性に大人気の「事故物件ナイト」
 昼下がりの新宿歌舞伎町で行われていた大島氏主催のイベント「事故物件ナイト」。サイトには載っていないコアな話が聞けるとあって、チケットは毎回完売、この日も150人を収容できる会場は満席だった。しかも来客者の7割が女性。「不動産で働いていて、いわくつきの物件じゃないかという話をちょくちょく聞かされる」という人も。

 不動産業界でも注目されているというこのイベントで、大島氏はまだ誰も知らない、とっておきの事故物件情報を次々と披露していく。あるマンションの一室の写真を見せ「内側のノブで首吊りをしていた。だからドアの下からトロトロと“出て“くる…」と、生々しい話を繰り広げる。「知っている有名な事件と物件がリンクした時はすごい“うわぁ“ってなる」「リアルでありながら笑いもとる」と、女性たちは大満足の様子だった。

 大島氏が教えてくれた、「呪われた物件」だという九州のとあるマンション。自殺が起きた部屋の真上に住んでいた人がその部屋を安く購入、上下2つの部屋を繋ぎ、2階建てのように改装したのだという。しかし、「しばらくしてからその人も自殺しちゃった」。

 そして、大島氏いわく「最凶の事故物件」というのが、“一戸建てに毛が生えた程度“という小さな物件。「屋上で首吊り自殺をした人がいる。その後、3階で酔っぱらい同士が喧嘩をして、ビール瓶で殴られた人が死んでしまった」。自殺に傷害致死…、これだけでも十分に事故物件だが、さらなる不幸が待っていた。「1階で美容室を経営していた大家さんが殺されてしまった。犯人は、2階に住んでいた住人で、2人は元夫婦だった。しかし、犯人は山奥で自殺しまった」。「大島てる」の中でも極めて珍しい、「3てる」の物件だ。

 実は今、このような事故物件に住んでもいいという人たちが増えているのだ。理由は何と言ってもその安さだ。7割以上の物件が安くなり、4割の物件は半額以下になるのだという。こうしたニーズもあいまって、「大島てる」のアクセス数が伸びているのだ。

「私を訴えてくる大家の方が幽霊より怖い」 東大卒・大島てるの“事故物件人生“
「私を訴えてくる大家、脅迫してくる人の方が幽霊より怖い」
■「私を訴えてくる大家、脅迫してくる人の方が幽霊より怖い」
 こうした活動を続ける理由について大島氏は「(不動産業者の中には瑕疵があるにも関わらず)告知事項もないままに売ったり貸したりする人がいるから。事故物件をあの手この手で隠す、真実を隠蔽する、そのことで利益を得ている大家や業者がいるということは伝えていきたい」と話す。

 4万数千件の物件を掲載してもなお、把握できているのは“氷山の一角“と断言する。「事故物件であっても、誰かが一度住めば、その次からは告知義務はなくなる」という事がしばしば言われるが、大島氏は「それは都市伝説のようなもの。必ず告知しなければならないと定められているわけでもないし、これまでの判例を研究すると、2人目だから無条件で告知しなくてもいいということでもない」と説明する。

 しかし、一度事故物件となれば、安く賃貸や売買に出されることもあり、あの手この手で回避しようとする大家もいる。大島氏が例に挙げたのは、ある一戸建ての物件だ。「殺人事件が起きた場所であっても、一度更地にして土地を分割、3つの土地にして3戸建ててしまえば、1戸は“殺人現場の跡地“であっても、そうではない他の2戸には告知義務はなくなるし、普通の値段で販売することができる」。

 かつての夢は軍人、経済学者、趣味は近代建築だという大島氏。「霊感はゼロ」だというが、「心霊現象を否定するつもりはなく、見てみたいとは思う」と笑う。そんな大島氏がこの世で最も恐怖を感じるのは「人間」だという。「個人的な考えだけど、平気で嘘をつく人間や私を訴えてくる大家、脅迫してくる人の方が幽霊より怖い。嘘つきな大家の持っている物件はたとえ事故物件じゃなくても取引はすべきじゃないんじゃないか」。

 もともと「力に興味があった。物理的な力に。次に金の力に(笑)。今は情報に興味が移った」。起業家としての秘訣は「他人の嫌がることをやる。みんながやることだったらライバルも多い他人が嫌がることであればライバルなくナンバーワンになれるかも。嫌がられれば嫌がられるほどやりたくなる」と目を輝かせた。

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一寸先は闇、「年収1200万円」にこだわったエリート転職者の後悔

2017年09月15日 | 日記
昔、、、同級生の父親が経営する中堅企業に<<人事部長で来ないかと話があったが断ったことが有る>>

すると、間もなく景気が悪化して1工場を閉鎖して従業員リストラ(リストラされた社員から社長宅などに恨みの電話が来るようになり番号変更など>>ヤバイ状態に成ったという。

それからは取引先大手が海外に工場移転などで経営悪化、、、


以上 海外の経営者



一寸先は闇、「年収1200万円」にこだわったエリート転職者の後悔
9/15(金) 8:10配信 NIKKEI STYLE
一寸先は闇、「年収1200万円」にこだわったエリート転職者の後悔
次世代リーダーの転職学(画像=PIXTA)
 厚生労働省が8月29日に発表した7月の有効求人倍率は、前月比0.01ポイント上昇の1.52倍だった。5カ月連続の上昇で、1974年2月(1.53倍)以来43年5カ月ぶりの高水準となっている。転職市場は、圧倒的な売り手市場と言ってもよい状況だが、そんな環境の中でも、転職後の状況に大いに不満を感じている人が多くいるのも現実だ。今回は、豊富なキャリアを持ちながら、年収にこだわったために納得いく転職活動ができなかった元大手証券マンの「最大の後悔」を紹介する。

■38歳、先輩の会社に引き抜かれたが…
 昨年秋にキャリア相談でお会いしたAさん(44歳)は、15年間勤務した大手証券会社で、中規模の支店の責任者を任せられるほど高い評価を得ていました。ちょうど6年前、38歳のときに大学時代の体育会の先輩に声をかけられ、その先輩が専務、先輩の父親が社長を務める社員数300人規模の不動産仲介会社の管理部長として転職。証券会社での年収1200万円に対し、先輩の会社では年収1400万円という三顧の礼で迎え入れられました。

 事業は順調に成長し、財務的にも問題はなかったのですが、ここ数年の中小企業のM&A(合併・買収)市場の活況を見て、オーナー社長が事業譲渡を決断したことで状況は激変しました。M&A仲介会社に紹介された同業大手企業との交渉開始から1年半の準備期間を経て、昨年4月、ついに会社統合が実現しました。社長からの指示を受け、管理部長であるAさん自身がゼロからこの交渉を仕切り、部下に任せられない統合後の組織人事まで、自ら構想をまとめ上げられたそうです。

 管理部門など数字に直結しないスタッフは、雇用を継続するとダブルコストになりやすく、買われた側の従業員は、希望しない営業部門への異動か、退職かのどちらかを迫られるということになります。Aさんが作成した、リストラ対象候補者リストの筆頭に書き入れたのは自分の名前でした。

 引退予定の社長と専務(次期社長)からは資産管理会社で仕事を続けることも勧められましたが、事業を持たない会社で自分がやるべき仕事がないことは明らかでした。統合業務をすべて終えて、昨年9月末にAさんは退職しました。

■初めての転職活動「自分の値段は最低1200万円」
 この時点で43歳だったAさんは「3カ月ぐらい頑張れば転職先は決まるだろう」と考えていました。退職の半年ほど前から転職活動はスタートしていたのですが、業務が忙しかったこともあり、半年間で面接に行った会社は3社。生まれて初めて訪れた大手の転職エージェントで50社以上の求人票を見せられた中で、条件が希望に近かった上場企業3社に応募しましたが、結果は一次面接で不採用でした。

 「競争相手も多そうだから仕方がない」と言い聞かせつつ、「意外にたくさん求人はある」という感触もあったため、退職するまで本腰を入れて転職活動はしていませんでした。

 しかし、退職から3カ月もたたずにAさんの緊迫感は一気に増しはじめます。転職エージェントから新しい求人を紹介される数が激減し、やむなく転職サイトを使い始めたものの、通知すら来ないまま不採用になることが相次ぎ、知らないうちに八方ふさがりの状況になっていたのです。

 私がAさんにお会いしたのはちょうどその頃でした。すでに50社以上の企業に応募し、7割が書類選考で不採用(連絡がない企業含む)、残りの3割も大半が一次面接で終了しているとのことでした。また、募集要項があまり詳しく書かれていない求人広告で応募し、面接で初めて年収が大幅ダウンすることがわかった企業は、自ら即辞退していました。

 キャリア相談の面談では、経歴や転職理由を伺った後、希望条件をお聞きするのですが、Aさんが最初に挙げた希望条件は年収でした。

 「今回の転職で考えている年収はミニマムで1200万円です。現職の1400万円は無理と思っていますが、前職時代の1200万円は譲れない一線です。証券会社に残っていたら1500万円にはなっているはずなので、これでも大幅に譲歩しているつもりです。自分を安売りするつもりはありませんので、ぜひ良い案件をよろしくお願いします」

 業界や仕事の話よりも先に年収について、語気強く話されたことが印象的でした。


■こだわらないつもりでも、限定的になる「希望条件」
 面談で次に質問したのは、業種や仕事内容、役割などについてです。「40歳を過ぎているので、あまり好き勝手な条件で選べる立場ではないですよね。未経験の業界や職種も、あまりこだわりなく検討したいと思っています」という答えでした。ただ、さらに詳しく聞いていくと、いくつかの付帯条件があることがわかりました。

●住宅・不動産業や生命保険・損害保険の営業、サービス業は希望しない
●IT(情報技術)業界や金融業界は専門知識がないので難しいと考えている
●管理職であっても、成果連動型の報酬制度の案件は避けたい
●年齢的に今さら現場で汗を流したくない。知恵を使って組織をまとめたい。経営企画や総務、人事などの管理部門でのマネジメントには自信がある

 本人としては、選択肢の幅を広げているつもりでも、ここに「年収1200万円以上」という条件を掛け合わせると、実際には選択肢はかなり狭まってしまっている状況でした。逆に、主体的に希望される業界や職種はあまり明確な回答はなく、「何でもできる分、これだと自信を持って旗を立てられる職種がない点が課題だと考えています」と自己分析していました。弊社から案件をいくつか紹介しましたが、特に最初から年収1200万円が確約される案件が少なく、辞退が続いて疎遠になってしまいました。

■最大の後悔は「自分に値札がある」という錯覚
 結果的に、Aさんはことし2月、転職サイト経由で応募した会社に無事転職されました。中堅の建築機器商社で経営企画室長という肩書、年収も希望通り1200万円ということだったそうです。ただ、残念ながら7月いっぱいで退職され、先日改めて2回目の転職相談を受けることになりました。

 入社してわかったことは、諸手当込みの年俸1200万円でスタートしたものの、3カ月目で実質年収ダウンの固定給制度に切り替えを迫られ、「試用期間は6カ月だけ」と聞いていた契約社員の雇用契約も、よほどの業績がなければ正社員に切り替えられないということでした。想定外のことに人事部長に抗議のメールを送ると、翌日には半日も缶詰め状態にされてパワハラまがいの対応を受け、それ以降は直属上司の態度も豹変するなど、まさにブラック企業そのものだったそうです。

 一連の転職活動を振り返って、Aさんは以下のように総括されました。

●転職活動の事前準備が圧倒的に不足していた。世の中は人手不足というニュースをたくさん見聞きしていたこともあり、甘く考えて見立てを誤った
●「自分に値段がある」という錯覚が大きかった。人間に値段がついているのではなく、仕事で生み出した価値が報酬を決めるだけなのだという意味が初めて腹落ちした
●転職も結局交渉ごと。落としどころを考えずに「売る側の論理」だけで行動しすぎた。「買う側の心理」に踏み込めば、もっといい選択肢が確実に存在していた
●焦りが判断を狂わせることを思い知った。冷静になれば気付く落とし穴を見つけられなかった

 これらの反省点を軸に、Aさんはいま、前回とは全く違った軸で転職活動を続けています。300人以下の中小企業を中心として、一番の強みである採用と労務管理をメインに、役職にはこだわらず探した結果、3社の企業と面接が進行中(うち1社は次回が最終面接)という状況です。

 一番のこだわりだった年収は、あくまで希望条件ということにとどめ、むしろ入社後の活躍次第で伸びしろがある評価制度になっているか、という観点を重視されているようです。

 「結局、累進課税なので手取り年収は額面年収ほど差がないこと、また、年収にこだわって面接すると業務への姿勢を問われ失敗しやすくなること、年収金額で線引きすることですさまじい機会損失が生まれる事実に今さらながら気づきました」

 少し観点を変えるだけで、検討できる求人企業は3倍以上になったようです。まだ予断を許しませんが、Aさんの先行きが少し明るくなったことを転職エージェントとして本当にうれしく思っています。
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