狸便乱亭ノート

抽刀断水水更流 挙杯消愁愁更愁
          (李白)

葬儀について

2009-01-14 21:13:01 | 日録
正月には、村の初会(新年会のような集まり)があって、村の重要(?)な取り決めなどを協議する。
もう数年前から同じ議題になることだが、今年も正月早々「葬儀」の話となった。今までの仕来り(習慣)では、隣組上、下合わせて18軒が葬儀の手伝い衆となっていた。しかしそれは、土葬をやっていた頃の昔の「ジャンボ」のやり方であって、組合葬であるから、その位の手伝い衆の頭数は必要であった。
しかるに、現在は遺体の扱いから、何から何まで「葬儀屋さん」任せで、組合衆のやることといえば、斎場での受付が3名位以外は何もやることがない。だから、隣組も2分して頭数を少なくしようではないかという事なのであった。しかし簡単なようで、なかなか取り決めとなると諸問題が出てきて纏まりがつかない。取り合えず、葬儀後、隣組各位の振る舞いごとと、挨拶回りは止めましょうということになった。

 さて、我が身に置き換える。ボクの奥津城処は、まだ更地のままでイシコロも何も立っていない。120歳まで生きるとすれば話は別になるが、我が家での葬儀は順序から云えば、小生が一番先になる。そうなったとき、こうして貰いたいという希望はある。それは、キリスト友会による葬儀が一番理想に近いと思っている。

 ここにキリスト友会「葬儀の手びき(暫定)」があるので、散逸の懼れもあるから、記しておきたい。

葬儀の手引き(暫定)
1.キリスト友会の特徴
 キリスト友会は、キリスト教の中の一教派であり、普通フレンドといわれていますが、クエーカーと呼ばれることもあります。人を救いに導くことのできるお方は、イエス・キリストだけであり、そのキリストご自身がひとりびとりに語りかけたまうという信仰を持っています。それ故、特定の聖職者がおらず、教会のすべてのことが会員の分担で行われています。
 生活のすべての面で、単純かつ質素であることを良しとしています。
2.死と葬儀について
 人はただキリストの救いを信じることによって既に救われており、永遠の命を約束され、「天国に国籍」(聖書の言葉)が与えられます。死は天にある本籍地への帰還であります。
 そこで葬儀の内容は、地上での生涯を全うして、天に召された個人を回想し、神に感謝する集会であります。
 キリスト友会では、それを「静黙礼拝」の形で行います。静黙礼拝は、参加者が黙って座り、静まって待つ中で、身近に来たりたもうキリストを体験する集会のことです。葬儀の順序は、この静黙礼拝を中心にして、その前後に故人をしのぶための幾つかのことを組み入れて作られます。

3.葬儀場の設営について

 
 キリスト教では、遺体を礼拝の対象といたしません。それは、故人が地での生涯を完うするのに、その霊を宿してきた肉体として、なつかしく愛すべきものですが、あくまでも器にすぎません。したがって、それを高い位置にまつってものを供するようなことはしません。遺体は棺に納め、黒布をかけただけで、参列者の坐位の高さに安置され、そのまわりを簡素な生花で飾るに留めます。キリスト友会では簡素であることが最も尊厳で美しいとしております。
 原則として、葬儀場内のしつらえなどの設営は、すべてキリスト友会に一任していただきますが、場外の設営(例えば受付の机、椅子、天幕等)は、当家または組合の方々にお願いします。
 葬儀場としてはキリスト友会の会堂を使用できますが、この他、個人の住居、一般の斎場でも差し支えありません。

4.通夜について
 通夜は当家のご希望があれば行うことができます。特に順序を定めた式はなく、
 二、三の賛美歌の唱和、聖書朗読、祈祷があり、故人を忍ぶ感想が一人二人から語られることがあります。ここでは静かに故人をしのぶときが保てるように、なるべく小人数の集会である方が望ましいと思います。

5.葬儀の順序について
 式としてとくに定められた形式はありませんが、標準のかたちは次のとおりです。

 前奏
 賛美歌
 聖書朗読
 祈祷
 故人略歴朗読
 賛美歌
 静黙
 賛美歌
 遺族からの言葉
 頌栄
 終祷
 献花
(弔辞、弔電の奉読はしません)

 静黙の礼拝の中で、一人か二人から故人についての感想と、すすめの言葉が述べられます。葬儀は、故人の生涯のすべてにわたって神の愛がいかに十分であったか、故人がその愛に励まされて、いかに人に尽くしたかを確認し、神を讃えることでありますから、いたずらに故人を褒め、その業績を顕彰することは避けなければなりません。「遺族からの言葉」は、故人の近親者の一人(配偶者、子、兄弟等)によって故人の晩年の心境、最後の言葉や様子などの中から、故人に代わって会葬者に伝えるという気持で、短く話していただくものです。(お礼の挨拶ではありません)。
 当家から会葬者への挨拶は、出棺の時にしていただきます。

6.香典の取り扱いや、いわゆる忌中払い等について

これらについて、キリスト友会としては関与しません。すべて、当家の意向と近隣組合方々との相談で決めていただけばよいでしょう。

7.費用の負担について

 儀場内の設営に要した諸掛かりは、キリスト友会から当家に払出を求めます(主に花代です)。
 葬儀の執行は、すべてキリスト友会の会員の奉仕によって行われます。
職業的にこれに携わる人は特におりませんので、報酬は必要ありません。
(もし、お礼の気持ちからというのでしたら、献金としてキリスト友会がお受けします。金額の基準はまったくありません。)

 この手引きは、まだ成案ではないが、月会の事務会及び総会において三年七ヶ月の長期間にわたって継続的に審議されたもので、1985年10月21日の総会で暫定的に使用していくことが決められたものである。