恥ずかしい歴史教科書を作らせない会

改憲で「戦争する国」、教基法改定で「戦争する人」づくりが進められる今の政治が
将来「恥ずかしい歴史」にならぬように…

「停戦下」のファルージャで

2004年04月22日 | 外交・国際
 私の友人であるdiaspora様からお知らせを頂き、現地で医療活動を行なっている方が見た、4月11日「停戦下」のファルージャの惨状の一部について知ることができました。
 この文章を読んで私は、あらためて戦争が生み出す「狂気」を痛感しましたのですが、同時に私はもう一つ思ったことがありました。

 言うまでもなく、このとき日本人3名の方々が拘束され、人質になっていました。
 メディアには、その間の停戦を「米軍の配慮」と報じたものもありました。しかし、その「停戦下」でさえ、これほどの殺戮が行なわれており、日本政府はそのことに何も言わなかったのです。これでは、いくら日本政府が「自衛隊派遣はイラクの人々のため」「日本はイラクの友人」「人質はイラク国民の友人」と唱えても、説得力の欠片もありません。日本は米国に対し「停戦」を呼びかけるなど申し入れをすべきだったのです。

 私はファルージャでの戦闘が伝えられるたびに、59年前の長崎の捕虜収容所を思い出していました。当時、長崎には英国・オランダなどの連合軍の捕虜約200名が収用されていましたが、米軍は捕虜の身をかえりみることなく、その長崎に原爆を落としました。

 もちろん当時と今では、状況も違うでしょう。しかし、味方側の国の人間の安全より、敵の殺戮を優先させたことに変わりはありません。日本政府は「日米同盟」をとにかく強調しますが、万が一のときにも米軍は、米軍の思惑でしか行動しないのです。

 ファルージャでは今も戦闘が続けられています。「掃討作戦」という言葉が良く聞かれますが、「掃討」とは「皆殺し」のことです。これ以上、殺戮を繰り返して何が好転するというのでしょうか。
 「テロとの戦い」を掲げて、イラクに攻め込んだ米国が招いたものは、狂気と憎悪とともに「テロの拡大」でした。
 これ以上の殺戮を重ねないでほしい、本当にそう思います。

サマワでオランダ軍が被弾 自衛隊も退避

2004年04月22日 | 外交・国際
 日本時間の今朝、サマワでオランダ軍宿営地に迫撃砲弾が撃ち込まれたと報じられています。
 幸い自衛隊員は退避濠や装甲車などに一時退避し、怪我はないとのことです。

 サマワから比較的近い南部のバスラでは、テロで68名が命を落とし、100名以上が負傷しています。
 ファルージャでは3月末からの戦闘が今も続けられ、惨劇が繰り広げられています。
 イラク全土で、占領統治に反対する勢力が蜂起し、テロと相まって、治安が悪化しています。
 今回の件は、サマワも例外でないことを示しています。

 おりしも、地元紙「アルサマワ」が世論調査で、「自衛隊派遣は有益か」との問いに住民の51%が「(有益とは)思わない」と答えたことを発表しました。
 派遣前の1月に「自衛隊の派遣を歓迎する」が86%だったことと比べると、住民の間に、かなり自衛隊に対する失望感が広がっていることが分かります。
 数日前には自衛隊の駐屯地に迫撃砲弾が撃ち込まれました。

 昨日、一時帰国した派遣部隊業務支援隊の佐藤隊長は、石破防衛庁長官に、現地サマワの治安について「復興支援活動を継続する環境は維持されている」と報告しましたが、果たして本当にそうなのでしょうか。

 迫撃砲弾・武装勢力の蜂起・テロ拡大・治安悪化、そして世論調査、どれをとってみても、今回の佐藤報告には疑問ばかりが残ります。