■潜入者の素顔(第90話) 発表1974年12月
評価 ★★★★
依頼人 アラブ10人委員会
ターゲット イスラエル モサド・スパイ養成所の破壊
報酬 $300,000
今回弾丸発射数 16/ 通算弾丸発射数 641
今回殺害人数 17/ 通算殺害人数 543
今回まぐわい回数 1/ 通算まぐわい回数 52
<ストーリー>
アラブ諸国の団体で形成される「10人委員会」より、イスラエル諜報機関モサドのスパイ養成所破壊を依頼されるゴルゴ。依頼にはある条件が・・・
<この一言>
経験の浅い女が、さも経験豊富なようにふるまう・・・白けるものだ・・・
<もう一言>
時間があれば、じゃまするよ・・・
<解説>
パレスチナ戦争、スエズ戦争、6日間戦争とイスラエルにことごとく敗北したアラブ諸国。これらの闘いの背後にはイスラエルが世界に誇る諜報機関「モサド」が暗躍しており、諜報戦が雌雄を決したのだった。アラブ「10人委員会」はモサドのスパイ養成所の破壊をゴルゴに依頼する。しかし、この依頼はイスラエルに潜伏しユダヤ人になりきるため、ゴルゴの体に「割礼の跡」をつける事が条件となっていた。
「ゴルブグ・アルガマン」を名乗りイスラエルに入国したゴルゴ。シャバク(国内防諜保安機関)シャレット大佐は「ゴルブグ」に不審を感じ、女性工作員ヨナに素性を探らせる。ゴルブグがユダヤ人かどうかの確認をするために、男根の割礼痕を調べるヨナ。はたして、ヨナは割礼痕を確認する。
ゴルゴの男性自身に割礼痕をつけるという内容は即ちゴルゴの出自の解明に結びつくということで、本作の衝撃は計り知れない。しかし、残念なことに割礼痕をつけるために手術をしたのかどうかは不明で、故にゴルゴがユダヤの血をひくのか否かは全く判断できない。整理してみよう。判明しているのは、ゴルゴに割礼痕があることのみ。割礼痕は元々あったのか、依頼受託後に手術したものか不明、手術を受けたかどうかも不明。つまり何も分からないのだ。
・割礼痕があり手術をしなかった=ゴルゴはユダヤの血を引く
・割礼痕がなく手術した =ゴルゴはユダヤの血を引かない
・割礼痕があったが手術をした =ユダヤの血を引くが、偽装のため手術を受けたことにした
本作の見どころは、女性工作員ヨナの悲恋と父シャレットとの葛藤だ。
工作員としての職務を果たすためにゴルゴに迫るヨナ、父親にゴルゴとの接触を報告するヨナ、街角でゴルゴをすれ違うヨナ、ゴルゴを待ち続けるヨナ。いずれのシーンも悲しすぎる。なかでも街角でゴルゴとすれ違うシーンでゴルゴは「時間があればじゃまするよ・・・」とヨナに気を持たせるセリフを吐いている。女に対してドライな姿勢を崩さないゴルゴが、今回に限りウェットな対応をしており、待つ女の悲哀を際だたせている。「何時まででも、待ってるわ・・・」というヨナのセリフが泣かせる。
なお、冒頭のセリフに登場するダヤンは、 第2巻-6『ゴルゴin砂嵐』 、 第3巻-6『最後の間諜-虫-』 、 第12巻-4『シェルブール0300』 に続き4回目の登場。
ズキューン
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