〔音楽療法〕雨音はショパンの調べ!?

2010-10-30 08:00:52 | 音楽療法
『雨音はショパンの調べ』という曲が流行ったこと(80年代、小林麻美)が
ありますが、今日のような雨の日には、ショパンがぴったりかもしれません。

といっても、今日は台風関係の雨で、ショパンの『雨だれのプレリュード』
とは趣は違うかもしれませんけど。

ショパンの『雨だれプレリュード』は、実に繊細です。
軒下から雨粒が1滴1滴ポタポタ落ちる様を、音でデリケートに表現している
と感じます。

長調の曲なのに、あまり明るい感じはしませんが、音の強弱は
実に繊細につけられています。

雨だれが、なぜこんなに強い音で表現されるのかと思えるほど、
メゾフォルテ→フォルテの部分があるのは?
この強い部分は、不協和音で演奏されます。ということは、
突然の自然の雨に対する畏れではないかと思うときがあります。

自然の力は人間の力ではどうしようもなく強いし、かなわないことが
多いですよね。今回の台風もそうです。
そんな自然の猛威がありながら、実は人間と共存しているところも
あります。というか、共存しているところが多いと思います。
水など、天からもたらされなかったら、人間は飢え死にしてしまう
わけだからです。
ショパンが、この曲を長調で作った理由が、私なりにわかりました。

それは、この曲の終盤に出てくる、しっとり明るいピアノの響きで、
自然がもたらした人間への恵み・・・・そして、この調和が表現されて
いるのかもしれないと感じたからです。
実に、ショパンらしく、ロマンチックに静かに、ゆったりと
締めくくっています。ハッピーエンド!

人間としてはとても内向的なショパンだからこそ、自然を食い入るように
見つめ、感じたことを、実にデリケートに表現したのが、
この曲の聴きどころでは?

最後の1滴がぽたりと落ちる瞬間まで、細かく表現されています。
雨の日にどうぞ!!