体全体でグリップするとは?

2012-01-30 19:38:44 | ゴルフウイークリー

ゴルフではグリップは、とても大事なことなので、

掘り下げてみたくなりました。

グリップというのは、手だけで握るものなのでしょうか?

その答えは、半分イエスで、半分ノーだと思っています。

どういうことかといいますと、手はクラブと唯一接していますから

ここで握ることには違いありませんし、手でしっかりとクラブを

支えることは間違いないと考えます。

ただ、グリップしアドレスをとる静から、スウィングに移る動に

移行してからは、グリップからひじ、肩、ボディ、腰、足へと

スムーズに力が伝達され、無理なく無駄なくスウィングを

完結することが大切だと思います。

そうしますと、ただグリップの形だけを追求して、スクェアならスクェア、

フックならフックグリップを完成させればいいのでしょうか?

違うと思います。

グリップした際に、ひじや肩でもクラブの重さを敏感に感じ、

体がすっと動き出せることがいいスウィングをするには、

必要ではないでしょうか?

そこで「体全体でグリップする」ことが大切になってくると思います。

実際にじかにクラブを握っているのは、手なのですが、

ひじや肩、ボディ、腰、足をどのように連動させればいいのでしょうか?

例えば、こんな体験はありませんか?

ティグラウンドに立って、グリップし、アドレスをとった時、

すっと構えられ、どこにも違和感がない。しかも、体が軽く、

ナイスショットの予感がする・・・・・・こんな経験はありますか?

こんな時って、大抵ナイスショットか、それに近いショットが

出ますよね。ショットする前に、体がすっと動いて、あんな風に

ボールが飛んでいく・・・・そんなイメージがあらかじめ出てくるんです。

逆に、肩や腕に力みが入ると、肩は盛り上がり、わきは甘くなり、

一体感は出てきません。違和感を覚えます。

そこで、そろそろ結論です。

グリップし、アドレスをとった時に、ヘッドを敏感に感じられる

ことが第1.感じるということは、肩にもひじにも力みが入っていない

証拠ですから。

そして腹筋に力を入れる。よく丹田ともいいますが、ヘソ下3寸に

力を込めると、背すじがぴんと伸び、ヘッドをすっと体と腕の

共同作業で動かせる感覚になるはずです。

つまり、手だけでクラブを100パーセント握るのではなく、

こんな風に考えたらいかがでしょうか?

グリップを握る力のトータル・・・・・10

手元・・・3くらい

肩・・・・・1

ひじ・・・・1

ボディ・・・・2

腰・・・・・・1

足・・・・・・2

これくらいの配分(手元の配分が多いのは、じかに握っているため)で

考えると楽にゆるまず握れますし、スムーズにスウィングできるのでは

ないでしょうか?

要は、クラブを支えるのは手だけの仕事ではなく、体の各部もその

役を担っているというわけです。

このような感覚でとらえると、力みもとれてくると思うのですが。

手と体と足腰とで仕事の分担をしながらクラブを支えると、

全体がワンピースで動き、スムーズなスウィングにつながる

と感じます。

今回は、言葉にしにくい感覚の世界に着目してみました。

どこか1か所で頑張るのではなく、分担して仕事をすれは、

すごく機能的なグリップが完成すると思います。

私も、ナイスショットの予感のするグリップの感触を求めて

練習していますが、先ずは、ひじでクラブをどう感じられるかです。

これについては後日、また書こうと思います。

 

 


ピアノソナタ13番第2楽章 byモーツァルト

2012-01-26 19:02:10 | 音楽の思い出

シンプルな音で心に響く曲を挙げるとしたら、

私ならモーツァルトの作ったピアノソナタ13番

の第2楽章を筆頭にします。

とっても穏やかな気持ちになれる音楽です。

シンプルな音階なため、逆にいえばピアノテクニックや

表現力が丸裸になってしまう、いわば、演奏者にとっては

こわい曲かもしれません。

でも、聴く側としては、しっとり、うっとり、音をひとつひとつ

見つめていけるような情感がたっぷりと詰まっている曲です。

まるで、恋する乙女が、対象となる相手の一挙手一投足を

見つめ続けているような世界を想像できます。

デリケートな音の展開に惚れてしまう方もいらっしゃるのでは?

弱くてデリケートな音の中にも、微妙な強弱をつけていけば、

繊細さが増し、ロマンチック性が高まる気がするのです。

わくわく、ドキドキして若返るには、こういうシンプルで

ロマンチックな曲がいいと感じています。

 


ザ・ロング・アンド・ワインディングロード

2012-01-21 17:06:39 | 音楽の思い出

長くて、くねくねしている道のり。それが人生さなんて、

達観するつもりはありませんが、タイトルどおり、

ビートルズのこの曲が、なぜか今日は脳から聞こえてきます。

隠れビートトルズファンとして、”イエスタディ”や”レットイットビー”など

をそらで歌えますが、この”ザ・ロング・アンド・ワインディングロード”は、

ポールが作曲し、バックにオケ、主に弦楽器を入れているのが

特徴で、ビートルズナンバーとしては異色です。

ですが、このくねった道のりが映像にくっきりと浮かんでくるのです。

なかなか思うようにならない、それだからこそ生きている実感が

もてるのだとポール・マッカートニーは歌いたかったのでしょうか。

恋愛でも仕事でも家族でも、自分の選んだ相手、選んだ道が

険しくても、遠回りでも、目的に向かって努力していく生き様が

尊いのだ! と訴えている気がします。

とうとうと歌うポールの声を感じながら、人生の哀感に触れる

思いを、このビートルズナンバーは伝えてくれているのでしょう。

 

 

 


雪がしんしんと降る時に聴くモーツァルト

2012-01-20 20:02:34 | 音楽の思い出

全国的に大雪の1日でしたが、東京では

乾燥日がやっと途切れる雪ともなりました。

でも、雪国の積もる雪とは違い、地面の温度が

高めなのか、すぐに解けるボタン雪でした。

こんな白い雪がしんしんと降る景色を眺めながら

どんな音楽がいいだろうか、しばらく思案していましたが、

郷に入れば郷に従いで、静かなしんしんとした雰囲気に

溶け込んでいくような音がいいのでは、と直感が働いたので

この曲にしました。

モーツァルト ピアノ協奏曲 第23番 第2楽章 です。

全体にスローテンポで、しっとりと聞かせてくれるピアノコンチェルトです。

オケがしゃしゃり出る場面は、ほとんどなく、ピアノのシンプルな

鍵盤の響きが続きます。

美しい景色を見ながら、考え事をするのにうってつけの曲では

ないかと感じるくらい、シンプルでロマンチックな旋律が続きます。

そういえば、昨年の震災の後、チャリティコンサートで、

あの名指揮者、ダニエル・バレンボイムが、これを選曲し、

追悼曲として演奏を指揮していたのを思い出します。

音楽の都、ウィーンからエールを贈ってくれたのです。

この第2楽章は、寂しく重い場面もありますが、終盤にいくにつれ、

希望の光が音に見えてきます。そして、音に慰みも感じます。

これに続く第3楽章が、走っていくようなアップテンポの中で

軽快かつ、明るく展開されていきますが、そこにリレーできる

美しい旋律と慰みの音が連続しているように感じます。

雪の日、家でほっと一息つくにはいい曲かもしれません。


「ソフトに」しかも「ゆるまず」握るには?

2012-01-17 18:10:34 | ゴルフウイークリー

ゴルフで感覚的なことを文字表現するのは、

大変難しいことだと思います。

それで、よく練習ドリルで体感したり、例え話で表現したりと

分かりやすくするために、さまざな手法が用いられています。

そんな事情を踏まえながら、今回は”グリップの握り加減”の話です。

グリップは、どれくらいの力で握ったらいいのでしょうか?

言葉にするのは至難のわざです。

よく「小鳥を殺さない程度にソフトに!」とかいう表現が

ありますが、これは、何となく分かります。でも、実際に

小鳥を手の中で包み込んだ経験がありませんと、ぴんと

こないのではないでしょうか?

そこで、私は、お風呂の中で感覚をイメージできる練習を

試してみました。

用意するのは、体を洗うためのスポンジタオル1枚です。

これを丸めて、クラブのグリップ部よりやや太くします。

このタオルを実際にグリップしてみるのです。

お湯の中でグリップしてみます。そうすると、「ソフトに」

しかも「ゆるまない」グリップを感じてきます。

これは、スポンジタオルが水(湯)を含み、なおかつ、実際の

クラブよりも太めだからです。

これを湯の中で握りつぶさないようにするだけです。

お風呂の中の練習とはいえ、実際のグリップと寸分たがわず

握ってみます。私はスクェアグリップですから、左手親指は

真上からあてがい、右手親指は、センターラインよりも少し左に

外して、両親指とも人差し指との間でしっかりとVの字を作る

ようにします。ここで手を抜くと、せっかくの練習が台無しです。

何せ、Vの字の握り方は日常生活では、ほとんどしないことですから。

こうして、効果を確認していきます。

まず「ソフトに」・・・・・・指に力を入れてスポンジタオルを内側へ

圧迫しないようにします。タオルが内側へへこむようならアウトです。

手のひらや指にタオルのざらつきを軽く感じたらOKだと思います。

ソフトに握れている証拠です。

そして「ゆるまず」・・・・・これは、タオルをあらかじめクラブより太めに

設定していますので、手とタオルのフィット感が自然と出るはずです。

よっぽど、ゆるゆるに握らない限りですが。手とタオルの間に隙間が

出にくいので、ゆるまず握る感覚を感じるにはいいと思います。

このような毎日のお風呂でできる練習で感覚を研ぎ澄ますのは、

いかがでしょうか?

こうやって練習を積みますと、「ソフトに」しかも「ゆるまず」握る感覚は、

主にひじから先で作り出すものだと分かってくると思います。

肩に力が入ると、ダメだといのも分かります。

以前、プロに教わった体感ドリルとして、クラブにバスタオルをぐるぐる

巻いてグリップしてみる練習があります。

これも、実際のグリップ部より太く、しかも柔らかい素材のものを握るから

感覚が研ぎ澄まされてくるのがわかりました。

お風呂の練習と同じ理屈ですね。

いかがでしょうか?感覚は言葉で伝えるのは難しいですが、

練習ドリルがあると試したくなりません?

ただ、実際のクラブを握る時は、クラブが細くなりますから、

この「しっとり」した感覚をキープして握ることが大切です。

往々にしてあるのが、細くなったら、急に握り締めるような

なったなら、練習効果が薄れてしまします。

この「しっとり感」を生かして握れれば、力まず、ゆるまずに振れる

スウィングがマスターできるのではないでしょうか?

まだ言葉で書き足りないことはありますが、「百聞は・・・・にしかず」と

言います。

よろしければ、試してみてください。

 

 


難しい右手1本打ち

2012-01-15 11:55:16 | ゴルフウイークリー

昨日の左手1本打ちに引き続き、右手1本打ちの話です。

左手である程度クラブをコントロールできるようになったら、

右手で球にパワーを与えて飛ばす練習をしたいものです。

この右手ですが、利き手のはずなのに、不器用な左手

と同じくらい、というか、私にとっては、左手よりも難しいと、

ずっと感じ続けてきました。

なぜかといいますと、右手は器用ですから、いくらでも悪さできる

ためです。

すっとクラブを上げて、下ろす際、打ち急いでしまいがちです。

”間”をとらないうちに下ろしてしまう。こうなると、右手の暴走と

クラブのアンコントロールが始まります。

手が前に出すぎて最後はリストをこねたり、ヘッドが先に

かぶりすぎたり(フェースが早く左を向いたり)し、腕の力で

ブレーキをかけて暴走を止めたりしなければいけなくなります。

右手1本打ちが難しいのは、折りたたんだ右ひじを解放して

ボールをとらえていくからです。左手1本のように、打ち終わっても

左脇をきちんと締めたまま安定感を出しづらいわけです。

そこで、練習場では2つのポイントに注意して練習してみました。

ポイントその1.

トップにきたら、右ひじを地面に向けたまま、クラブヘッドの重さを

右手全体で感じるようにして”間”をとります。

実際に球を打ってみると、この”間”は、とりすぎじゃないかと

思うくらい待っても大丈夫なのが分かります。

「う~ん」と心の中で言って、クラブヘッドが落下しかけたら、ひじも手も

ゆっくり下ろしていく。これくらい待つほうが絶対にうまくいきます。

トップやダフリの大ミスは出なくなりました。

ポイントその2.

ボールをとらえるタイミングですが、曲げたひじをゆっくりと解放

しながら、ヘッドを先に落とす。これに連動して手首のコックを

ほどいていきます。言葉で表現するとこうなりますが、実際に

球を打つときは、一瞬の出来事です。自分で確認できるのは、

ポイントその1の”間”ですが、練習の際は、ボールを打った直後に、

右腕が伸び切るようにします。右肩から右手までが1直線になるように

練習してみました。これが、大きな大事なポイントだと思います。

以前のブログにも書きましたが、両手を合わせると、両腕は、

インパクト直後に伸びきるのが目標です。直前に伸びきるとダフリ、

伸びきらないままだと、トップする恐れがありますから。

こうやって2つのポイントを意識し、暫く右手1本の集中練習を

してきましたら、あることが分かってきました。ここまで50球くらいでした。

右ひじが軽く体にこするかこすらないくらい近くを通しながら、

右腕を伸ばしていきながらボールをとらえていくと、ヘッドターンが

自然に起こっていくのです。ヘッドが一番加速していくためでしょう。

それも自分の力というよりも、重力とそれに自分の右手の力で

サポートしますから、猛烈にインパクト後ヘッドターンする模様。

さらに、このヘッドターンによって、球はかなり上がります。

手首をこねることなく、自然に右腕を伸ばすだけで、右手甲が

自分の顔を向いてきそうになるくらいリストも使われてきます。

右手でうまく打てた時って、ヘッドスピードによって球はゆっくりと高くあがり、

ポトンとゆっくりキャリーして落ちます。

リストも自然にターンしますから、打ち終わったら、右手親指が立ちます。

親指の爪が自分を指しているのが分かります。シャフトは立ったままです。

これでOKだと思います。

これが、ターンオーバーの動きだと分かってきます。

右手が左手を追い越し、右手が上になってフェースがターンするやつです。

こうやって右手の基本的な動きをつかむまで、100球!

やってみて思うのは、最初は難しかった右手1本打ちですが、左手1本

の時よりも球の高さが揃いやすいのです。

おそらく、片手で出せる最大の加速感でいつも打てるためでしょう。

ターンのスピードが一定だから、高さが揃いやすいのでは

ないかと感じました。利き手の特徴だと実感できました。

これからの練習でも、

先の左手1本の動きと合わせて、両手で各番手を打ってみます。

また新たな問題がでてくるかもしれませんが・・・・・・。

この片手練習など、ゴルフのスウィングを覚える基本的な

練習ドリル、それにグリップや構え方の基礎は、

DVD「ひとりで”スウィング修理”できる切り札レッスン」にも

上梓されております。

http://www.wam-golf.com/ です。

よろしければ参考にされてみてください!


不器用な左手でクラブをコントロールするには?

2012-01-14 18:39:07 | ゴルフウイークリー

”左手リード”といわれて久しいのですが、右利きの人にとっては、

左手は、思うように動きませんよね。それなのに、”左手リード”とは?

今日は、こんな素朴な疑問から考えてみました。

もちろん、左利きで右打ちの人には、あまりぴんとこないことかも

しれませんが。

今日、練習場で左片手打ちの練習を繰り返しました。

というのは、ウェッジで手や腕の動き、ひじの畳みのタイミング、それに、トップと

フォローのポジションを確認するのが1つ。

それに加え、ボールの高さと、飛ぶキャリーの距離の両方を一定にする

ことで、左手の軌道が一定になる動きを覚えこむのが2つめでした。

ところが、なかなかうまくいきません。ボールを何とかとらえても、

高さが揃わないのです。無論、それによってキャリーも一定しません。

ライナーになったり、ふわっと上がったり・・・・・・・・。

それで今日の練習は、この左手1本のボール打ちに集中しました。

時折、インパクト音が”カシュッ”と乾いた音がし、低めに出てゆっくり

めに落ちるキャリーボールが出ました。30ヤードくらいのキャリーです。

「これだ!」というのが、打感、弾道、球の飛んでいくスピードで

分かりました。

ところが、このベスト球が2球と続かないのです。

低く出たり、上がりすぎたり、ダフったり・・・・・・・。

大体、球が上がりすぎると、ダフリました。マットをドンと叩く音が

するのです。ロフトが寝て当たっているのでしょう。

そこで、調整その1.

左手をなるべく低く下ろすこと、しかも左太もも近くにひきつける

ように下ろす。こうすると、大ミスは出なくなりました!

でも、球の高さやインパクト音は一定しない。どうして?

やはりクラブの入り方が一定していないんだと直感しました。

そこで、調整その2.

左脇をもっと締めて、左胸と左腕を一体化させて下ろすことに集中。

これだと、左手の通り道が、ある程度一定になるようです。方向性は

出てきました。でも、まだまだ! ここまで50球くらい打っています。

あとは、何だろう?

少し考えました。

すると・・・・・リズム? 下ろすタイミング?

そうだ! あせって打ちにいくと”打ち急ぎ”になってしまいます。

クラブが暴れるから、手首をこねて調整せざるを得ません。

このままでは、左でクラブをコントロールできません。

右手の思うがままのスウィングで、シュアなショットは望み薄です。

そこで、トライしたのが、トップでヘッドの重さを感じ、一瞬待つように

したのです。そこから無理に左手の力で下ろすのでなく、クラブヘッドが

落下し始めたと感じたら、左手もすと~んと連動して低く下ろしていったのです。

すると、成果だったのは、ヘッドが勝手にターンする感じで球が

運べるようになったことです。

でも、まだまだ球の高さは揃いません。ここまで左手1本打ち75球!

さて最後につめたのが、落下に合わせて左手を低く下ろすのですが、

インパクトゾーンで、「えいっ」という感じで、左手に力を入れる感覚で

左ひじを畳み、左リストを返すのです。フォローで左手親指の爪が

顔を指していれば合格です。俗にいうシャフトが立った状態です。

(これは、トップでもいえることで、スクェアグリップを採用している

私にとっては、左手親指の腹にクラブが乗ったところです)

切り返しでは、クラブの行きたいように行かせてあげる感覚がありながら、

インパクトゾーンでは、しっかりと自分でヘッドをターンしていく。

この上手な転換が大切なんだと体感できました。

そうなると、”左手リード”ってなんだ? ということになります。

トップから全て左手でリードしちゃあいけないんですね。

最初は、クラブの動きに任せる。重力を活用する。

そして、ボールをとらえる瞬間の直前、直後で、クラブを

ターンさせる。こういうことなのでは?

これなら、学習できそうです。不器用な左手が何から何まで

やろうとするからうまくいかないのでは?

この感覚を忘れないように練習しようと思います。

そうすれば、球の高さ、キャリー、打感が揃う日もくるのでは、と

信じられます。

この左手使いの基礎を覚えることが先決。でも、そんなに

やさしいことではありません。

皆さんも試してみてください。意外に難しいと思います。

でも、チャレンジしがいのある練習です。

いろんな番手を手にし、左手だけで球を揃えた後

両手でフルスウィングしたら、けっこうナイスな

球が出てくると思いますから。

 


シベリウス 交響曲2番

2012-01-13 18:46:58 | 音楽の思い出

シベリウスといえば、フィンランドを代表する

国民学派の音楽家ですが、彼の交響曲2番を

聴いてみました。何とも渋い曲ですね。

1回聴いたら、メロディがすっと入ってくるような曲ではなく、

1フレーズごとに展開が変わる複雑に感じる曲です。

でも、それだから、聞き込んでいく気になれそうです。

何の予備知識もなしに1楽章と6楽章を聴いてみたのですが、

フィンランド=北欧、白夜の国を連想してしまうために、

音で自然を表現しているように私には聞こえます。

第1楽章は、白夜の中、湖のほとりで、鳥などが時折

木々を揺らし、湖面を滑走し、風がそよぎ、湖から川が

流れ、その流れが次第に傾斜によって強くなっていくような

自然現象を勝手に想像してしまいます。それくらい音が

複雑にからみあい、また、リズムの変化に富んでいます。

最終楽章の6楽章になると、薄日が差しはじめ、朝をゆっくりと

迎えていくグレーの空から次第に茜色になっていく様がイメージ

できます。ドラマチックに盛り上げようとする意図が感じられます。

曲全体は、陰から光へと転換する途中経過のような感じなのですが、

最終楽章は、さすがに陽が湖面の片隅にさし、自然が活力を

出し始める情景が浮かびます。

シベリウスは、どうしてこのような暗澹から陽光への変化を音で

綴ったのでしょうか?

答えは分かりません。

でも、多くの名指揮者がこの曲を取り上げるのは、芸術の核が

あるからではないかと感じます。

めくるめく自然の変化は、人間の変化にも通じます。また、国情の

変化にも通じるかもしれません。そのあたりの事情は、フィンランドの

人が身を持って感じておられることでしょう。

人間を網羅した自然界の不可思議さを描いた曲のような気がします。

もっともっと聞き込んでいくと、分かることが他に

あるかもしれません。


モーツァルトのディヴェルトメントK.138 第2楽章

2012-01-12 19:24:10 | 音楽の思い出

前回、忙しい時ほど「ゆったりとした音楽を」と書きましたが、

モーツァルトの作品の中で、ゆったりと哀愁が漂うベスト曲が

あります。

それは、嬉遊曲、ディベルトメントの中にケッヘル138番が

ありますが、この第2楽章です。

1度、試聴されてみてください。きっと納得いく音が耳に

響いてくると思います。

イントロは、ヴァイオリンの高音が聞かせてくれます。

ゆったりとビブラートで気持ちのいい音が鳴り響きます。

このヴァイオリンが主役で、ビオラが脇役という音の構成なのでしょうが、

ビオラがしっかりとヴァイオリンを支えてくれるから、ヴァイオリンの

哀愁を帯びた高音が生きてくるのだと思います。

まさに、ビオラは名わき役といったところでしょうか?

小さくて強い音から、フォルテへとクレッシェンドで替わるところでは、

2つの弦楽器が溶け合い、まさに合唱状態となります。

うねりの中で高音が溶けて、それが相乗効果となって、

まるで生き物が成長していく様も想像させてくれます。

この溶け合う音は、まさに天使の声とでもいったらいいのでしょうか。

この世のものとは思えない美しい音色で、聴いてるほうが

思わず、うっとりしてしまいます。

言葉で表現すると、何か陳腐になってしまいますが、心の奥底に

深く入り込んで、脳を気持ちよく刺激してくれる感覚に浸れます。

なんというか、エクスタシーに浸っているような感覚になれる

芸術的な美しい高音です。

貴重な音楽の財産だと思います。


忙しい時ほど、ゆったりした音楽を!

2012-01-09 09:27:50 | 音楽療法

新春を迎えて、いかがお過ごしでしょうか?

激動の2011年も終わり、また新たな気持ちで

新たなスタートを切った方もいらっしゃることでしょう。

さて、この時期は、年頭の目標を掲げ、勢い込むときでも

ありますが、くれぐれも無理をなさらないようにお願いします。

仕事が忙しいのは、当たり前といえば当たり前なのですが、

「忙しい」の”忙”の字は、心が亡びるという意味だそうです。

仕事に忙殺されると、余裕がなくなり、自分のことも他人のことも

見えなくなってしまいがち。

こんな忙しい時こそ、音楽の力で精神的に安定した状態を

取り戻すことが大切になってきます。

私だって、忙しい時になんか、音楽なんて聴いてられやしない、と

思ったことも幾度もありますが、忙しさでハイテンションになった時こそ、

ゆったりとしたテンポの気持ちの休まる音楽に

耳を傾けることに集中すると、逆に仕事への集中心が高まる

こともあります。1日のうち、ほんの5分でもいいと思います。

この心が休まる音楽として、私はモーツァルトの

「ピアノ四重奏曲第1番」と「ヴァイオリン協奏曲第4番」を

おすすめします。

この2つは、間違いなく心が落ち着きます。

前者は、ピアノのやさしい調べと弦楽器のミックスがとても

まろやかな風味を出しています。

後者は、協奏曲ですから、オケも登場しますが、そのオケの

軽快なバックに乗って、ヴァイオリンのソロ演奏が、

鳥が青空に舞うように優雅で軽快で明るい風景をイメージ

させてくれます。春の匂いもします。春風がほほをやさしく

なでる感触も音で感じます。ヴァイオリンのソロは、全編

高音なので、心も温まってきます。まるで、半身浴をしている

みたいにジワジワと温まってくる感覚があります。

ピアノのやさしさとヴァイオリンの温かさをぜひとも

味わって、明日への活力としてみませんか?

 


フェースを返すことの意味、アイアン編

2012-01-08 13:17:49 | ゴルフウイークリー

5日くらい前に「フェースを返す意味」のドライバー編を

書きましたが、今日はその続編のアイアン編です。

率直にいいいますが、アイアンの方がドライバーよりも

フェースを返す重要度が増してくると思います。

それも、ショートアイアンよりもミドル、ロングアイアンになるほど、

フェースを返さないと打ちこなせない、ロフトなりにボールが飛んでいかない

ことになります! と言いたいからです。

アイアンは、ドライバーと違い、ヘッドの最下点は、ボールの先(目標側)

です。つまり、ボールにコンタクトした直後に最下点を迎えます。

ボールの先にターフがとれるのは、その現れですが、クラブの構造上、

アイアンは、クラブによって度合いは違いますが、

手元が若干先行してインパクトを迎える

いわゆる「ハンドファースト」インパクトが理想です。

 

つまり、インパクトの瞬間、手元がほんのわずかですが、ボールの位置よりも

目標側に位置し、ヘッドは上から下へ向かいながらボールにコンタクトし、

そこからヘッドはさらに下へ(地面方向へ)向かい、地面の土を

薄いですが掘っていきます。(この掘れ具合は、番手によって変わり、

長い番手になるほど、薄くなり、場合によっては、とれなくなります。また、

スウィングによって、リストや腕の動きや、脚の使い方によって

とれないことも多く有ります。)

このヘッドの動きを腕の動き方で言います。

ダウンスウィングでは、

ヘッドは、その番手のライ角(斜めの角度)なりに上からボールに向かって

入りますが、インパクトの直前(右腰の高さに手が下りてきたとき)には、

左腕はおおむね伸び切り(ここも左腕を少し曲げたまま下ろすプロもいますが、

それは、グリップやスウィングの個性だと考えたほうがいいと思います)、

右ひじは曲がったままです。このときには、体重は、大部分左に乗っていますが、

これによってヘッドは上から入ります。そしてインパクトです。

インパクトでも、実は、右腕はほんの少し曲がったままなのです。

どうしてかというと、最下点がボールの先だからです。ここで、右腕が

伸び切っていたら、100パーセント、”ダフリ”です。右腕のたわみが保たれて、

インパクトを迎え、その直後、右腕が伸び切り、つまり、両腕が伸び切り、

ヘッドは最下点を迎えるのです。ヘッドが一番低いところに下りていく

わけです。

このように理想のアイアンの動きを文字で表現すると、ややこしい感じが

しますが、実は、この動きは一瞬にして起こります。そうでないと、

間に合いません。ボールに当たってから右腕を伸ばすわけではありませんから。

インパクトの直後に両腕が伸び切るように準備していないと間に合いません。

ただ、”トップ”するだけです。

さて、本題です。ではなぜ、アイアンでフェースを返す意味があるのでしょうか?

ここは、ドライバーとも同じですが、リストを返しながらフェースを返していかないと、

右腕はインパクトやその直後に向かい、伸びていきません。

実際にボールを打ってみると分かりますが、手元が低い位置(男性の急所

よりも低い高さ)に下りませんから。

フェースを返さないと、左ひじが引けたり、手元がアップ(上がる)して

しまいます。

アプローチやバンカーショットでは、アウトサイドインにカットにヘッドを入れて

左ひじを抜き(引き)フェースを返さずに高い球を打つ応用技術もありますが、

ことフルショットにつきましては、それは基本ではありません。

練習場でこんな経験はありませんか?

5番アイアンくらいを短く持ち、ボールをいつもよりも右に置いて

フォローを低く抑える。強風対策で、球を低く抑える練習です。

この練習で、ただ、ヘッドを上から入れるだけでは、球はほとんど

右にしかいかない・・・・・・・こんな経験はありませんか?

ここが、実はアイアンの難しさ(特にロングアイアンは難しい!)だと

思うのです。ハンドファーストのインパクトを意識して

ロフトを殺しながらヘッドをボールに入れようとすると、

球が右にしか行かなくなる。これです。

なぜなのでしょうか?

私も、この右行きに悩まされました。

インパクトでアドレスの位置、「少しハンドファーストにインパクト」に

戻したつもりなのに、プッシュスライスしたり右へ行く。

これは、「ハンドファーストのインパクト、つまり最下点がヘッドの先」

という基本に集中すればするほど、結果は悪くなる。

このジレンマに陥るのは、フェースの返しが足りないからなのでしょう。

ショートアイアンなら、ロフトがあり、ライ角もアップライトだから、

球が右に行きにくい構造になっていますが、ロングアイアンになると、

フェースを返す基本が身についていませんと、もろに結果に出てきます。

ですから、ただ、ヘッドをハンドファーストにぶつけて終わりの

スウィングでは通用しないということなんです。

ハンドファーストに当てるのだけど、インパクト後もフェースがターンしていく

準備をしていないと振り遅れてボールが右にしか行かないということです。

そのためには、どうすればいいのでしょうか?

ここは、考えどころ、練習のしどころです。

よく「右手首」の角度を維持してハンドファーストにヘッドを上からいれればいい、

という教えがありますが、私の場合、これだけだと10中八苦、球は右に

しかいきません。

要は、左手首の使い方、左手の下ろし方によって、右手の返しや右腕の

伸ばしをサポートしてやらないといけないということが分かりました。

右手首の意識だけでうまく打てる人は、おそらくセンスがある人なのでしょうね。

でも、左ひじから下の前腕をインパクト前からロールしリストもターンし、

左腕は伸ばしたまま低く低く下ろす。ここで低く下ろせるから右腕を

伸ばしていける。最下点がボールの先になる。

しかも、このリストと腕の動きでフェースもターンしていくから、ボールが

段々と右に行かなくなります。いわゆる球がつかまってくる状態です。

インパクトゾーンでは、左手が下、右手が上の関係で

リストターン、フェースターンができたらOKだと思います。

ドライバーに比べて短くて重いクラブだからこそ、アイアンは、

フェースを返す基本がおろそかですとボロがでてしまうのでしょう。

ドライバーの「振る」感覚に比べてアイアンは「打ち抜く」感覚が

強いと思います。ヘッドに振られる感覚はドライバーよりも薄く、

その分、ボールの芯を打ち抜く感覚が強いと思います。

そうでないと、地面の抵抗にも負けてしまいますから。

アイアンこそ、フェースをどんどん返すのが基本だと

いえるのではないでしょうか?

フェースを返すためのリストターンのタイミングについては、

おいおいまたレポートしようと思います。


フェースを返すことの意味

2012-01-04 09:27:26 | ゴルフウイークリー

新年初のゴルフブログです。

今回は、ヘッド軌道の最下点からスウィングをどう

作り調整していけばいいのかを考えてみました。

ドライバーの最下点は、ボールの手前、アイアンの最下点は

ボールの先(目標側)ですよね。

ドライバーの場合、ヘッドが最下点を過ぎてから上昇しながら

インパクトを迎えます。これでロフトなりにボールをとらえ、

スピン量が多すぎず、少なすぎず・・・・・・・飛ばせることになるわけで、

アッパーブローといっても、すくい打つわけではありません。

すると、ここで1つ疑問が湧いてきます。

それは、ヘッドの最下点はどのあたりで、フェースの向きはどうなんだろう?

ということです。

おそらくヘッドの最下点は、体の中央あたりで、ここで、ヘッドを地面に

ソールした位置に近いと考えられます。なぜなら、クラブは、体の周囲を

円を描くように動くわけですから、円の中心は、体の中心、つまり、ここに

グリップエンドが指す位置にきた時点でヘッドが最下点を迎えるのでは、

と考えるからです。つまり、、先に書いた体の中心位置(正面から見た状態)

の真下です。

すると、この最下点からヘッドが上昇し、ボールをとらえるまでに、フェースは

どうなっているのか? かぶる(閉じていく)のでしょうか?

ここが最大の疑問です。もしフェースがかぶっていくなら、ボールはインパクトで

左を向きますから左へ飛ぶはずです。これでは方向性に不安が残ります。

もう1度、今書いたことを詳述しますと、アドレスでヘッドを最下点にセットします。

ボールはティアップし、左側(左足かかと線上くらい)に置きますから、

体のセンターから左足かかとあたりまでヘッドが上昇移動する間に、ヘッドは

閉じていくのではないかという疑問です。(アドレスで最下点に置いたフェースを

スクェアにセットし、ダウンスウィングでもその位置とフェースの向きに再現した

と仮定した場合の話です。)

でもでも、上昇区間で単純に閉じていくのでしょうか?

いや、ゴルフのスウィングって、ダウンスウィング以降は、体(肩や腰)は回転し、

左足へ体重移動もあります。頭の位置は、インパクトまでは絶対にボールの

後ろ側に残すという不文律がありますが、動いているのはヘッドだけではなく、

体も手(腕)も動き続けているということを忘れてはならないと思います。

体が背中側へ(左内側へ)回転していけば、腕で何もしなければ、フェースは

開いていきます。つまり、最下点まで上手にヘッドを戻せても、リストや腕で

フェースを返していかないと、フェースは開いて、ボールは右にとぶだけ!!

ということになりかねないということです。

そこで、腕やリストを使って、フェースを返していくことが大切になるのでしょう。

返していき、フェースを閉じていくから、先の開く動きと相殺され、ティアップした

ボールにインパクトを迎える時点で、ちょうどスクェアなンパクトが迎えられる

のではないでしょうか?

ここにフェースを返していく意味があると思います。返さないと、フェースは

開いて当たり、スライスやプッシュになるはずです。

ゴルフスウィングは、意図してフェースを開いて使うショートゲーム以外では、

フェースの開きとの戦いとも言えるのでは?

今回はドライバーについて書きましたが、事情が少し変わってくるアイアンに

ついては、また機会を見て書きたいと思います。


カルロス・クライバーの「雷鳴と電光」byヨハン・シュトラウス

2012-01-03 10:21:29 | 音楽の思い出

ウィーンフィルのニューイヤーコンサートでも必ずといって

いいほど演奏されるヨハン・シュトラウス作曲の「雷鳴と電光」は、

カルロス・クライバーの指揮が秀逸ですね。彼が指揮し、

ウィーンフィルが演奏する音や映像を視聴していますと、

こんなに楽しみながら指揮しているマエストロははそうそう見られないと思うのです。

マエストロが楽しみながら終始笑顔で指揮できるというのは、

指揮者とオケとが、全曲をとおしてテンポ、テンポの強弱、強くするところと

弱くするところ、そして、その音の大きさ、そして強弱のつけ方まで、

ぴったり息が合っていて、双方が信頼しきっている。さらに、その信頼感が

そのまま音で体現され、その音の表現に指揮者が大満足している状況

だからだと感じています。

クライバー自身、この曲が好きなのでしょうし、その作り方、表現方法を

クライバー好みに実戦してくれるオケに非常に満足しているのでしょうね。

最初の出足さえ合図したら、クライバーが指揮をまったくしなくても、

オケはお約束の演奏を最後まで貫徹していたのではないかと思わせる

ほど、一体感がありました。

舞台に上がっている団員ひとりひとりが、のりに乗ってクライバーの

要求するテンポに合わせる・・・・さらに、相乗効果が出てきて、

全員が1つの楽器みたいになった状態とでもいうのでしょうか。

音と音とが響きあってスピード感のある倍音が聴こえてくる

ような素晴らしい演奏でした。

これは、「雷鳴と電光」(題名は、ちょっと怖くて不安をあおるタイトル名ですが)の

曲のなせる業なのでしょうか。曲のタイトルのイメージとは、まったく逆で、

アップテンポでとても乗れる曲です。曲がなり始めたら、すぐにでも

踊りだしたくなるようなうきうきする曲ですから。

毎年、ウィーンフィルのニューイヤーコンサートでも演奏されて

いますが、クライバーほど喜んで楽しく指揮している人は、他に

いないのでは? それに近い人は何人かいますが、軽くて

速いテンポの中で、のって来たら、指揮者、オケ、聴衆まで巻き込んで

一体となれる曲なので、このような楽しい演奏の再現を

聞けることを待ち望んでいます。


ヤンソンスのウィーン・フィルニューイヤーコンサート

2012-01-01 22:03:03 | 音楽の思い出

新年あけましておめでとうございます。

挨拶が遅れましたのは、ウィーン・フィルの

ニューイヤーコンサートの生中継を聴いてから

初ブログを書こうと思っていたからです。

今年の指揮者はマリス・ヤンソンスで6年前も

指揮していて、とっても楽しい演奏を展開していた記憶があり、

実はとても期待していました。その期待どおり、6年前よりも

さらに楽しい演出が繰り広げられ、この10年で最も

エンターテイメント性の高い演奏だったと感じています。

新年のお祝いだから、これくらい楽しいクラシック演奏があっていいと思います。

もちろん、演奏自体も素晴らしかった上での話です。

ヤンソンスというマエストロは、実にサービス精神旺盛な

エンターテイメントの才能も溢れた人だと感心して見ていました。

昨年のヴェルダーメストのような冷静で大人のタクト(オケとの信頼感

で成り立っていた安心感)も良かったですが、ヤンソンスの激しくもあり

楽しくもある、音にメリハリとコントラストを十分に取り入れようと意図した

タクト振りは、見ていても楽しいものでした。

彼は、オランダのコンセルトへボウという人気のオケの常任指揮者ですが、

ウィーン・フィルのニューイヤーコンサートに限っては、とても楽しい

コンサートを 作ってくれているのかもしれません。

例年、シュトラウス一家のワルツやポルカを多く選曲するのが、

ならわしになっていますが、数あるシュトラウス一家の曲の中でも、

アップテンポで楽しい、「トリッチ・トラッチ・ポルカ」「人生を楽しむポルカ」

「ピチカート・ポルカ」「ポルカ”雷鳴と雷光”」などを選曲してくれ、

全曲楽しめました。

また、「デンマーク蒸気機関車のギャロップ」では、駅長の笛に見立てた

笛をヤンソンス自身が鳴らしたり、「鍛冶屋のポルカ」では、彼自身が

指揮台でトンカチを2本叩き合わせて、鍛冶屋の音を出したりと、

サービス精神旺盛で、聴衆も大盛り上がり!

そんな中、彼は、アップテンポの曲を気持ちよく”乗り”を出して表現しながら、

突然の”間”を長めにとり、その直後、大きな強い音でコントラストを

つけているのが印象的です。このようなメリハリがあるから、とても

聞きやすく飽きがこないし楽しめるのです。

また、ビゼーの「カルメン」やチャイコフスキーの「眠れる森の美女」なども

取り入れ、なじみのある多彩な音も出していました。

他にも、「ピチカート・ポルカ」では、作曲された当時の18世紀の頃の

演奏形態、弦を素手で弾き続ける奏法を実現させ、古くて新しい

感覚を呼び戻してくれました。ここでも、”間”を長めにとり、強弱の

メリハリをつけてくれていたのには感心しました。

そんなこんなで、盛りだくさん(他にも演出はありますが)なコンサート

でした。

過去の最近10年くらいの指揮者の中で、彼とズービン・メータは、

楽しませてくれるマエストロとして、私には、印象的に映りました。

おそらく、楽しんでハッピーな気分になってもらおうという

温かい心の持ち主だからでしょうね。

また、近い将来、このふたりのニューイヤーコンサートを

聞いてみたいと思います。