極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

税金の世界史論①

2021年11月18日 | 世界歴史回廊



彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救っ
たと伝えられる "招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。
(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編
のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。愛称「
こにゃん
」 






〇警戒レベルアップエリア
なし
〇警戒レベルダウンエリア
北海道道北・道東:警戒エリア→注意エリア
北海道道央・道南・青森県:警戒エリア→注意エリア

〇警戒エリア
(数週間にわたり多くのデータに異常変動が見られる)
東北地方
関東地方・山梨県
北信越地方
南西諸島

〇注意エリア
(数週間にわたり複数のデータに異常変動が見られる)

北海道道北・道東
北海道道央・道南・青森県
東海地方
九州南部

〇今週の注目ポイント
・ピンポイント予測:
東北地方:新規のピンポイント予測を発出しました。(ピンポイント
予測参照)
・今週の4cm以上の週間高さ変動は17点でした。特に鹿児島県と宮崎
県に6点集中しています。
・今週は全国的に沈降しています。沈降は地震につながる可能性があ
りますので注意を怠らないでください。前週と比べて急激に1.0cm以上
隆起した点は8点ありました。1.0cm以上沈降した点は3点ありました。
・今週の水平変動は、全国的に東向きの変動が非常に活発に現れてい
ます。

〇今週の使用データ
・R5速報解データ(11月7日~11月13日):週間高さ変動、水平変動図、
前週と比較して1cm以上の隆起沈降に使用。
・F5最終解データ(10月17日~10月23日):隆起沈降図に使用。


以下の予測を発出しました。警戒を怠らないでください。
「東北地方の陸域または海域でM6.0±0.5の地震が12月18日頃までに
起きる可能性があります。」  福島県沖で小地震が起きています。
4cm以上の週間高さ変動が秋田県の「鳥海」に現れました。
東北地方は沈降しています。秋田県と山形県の沈降エリアは拡大しま
した。前週と比べて1.0cm以上急激に隆起した点が山形県の「朝日」に
現れました。
水平変動はエリア全域に概ね東方向の変動が非常に活発に現れていま
す。北側は東南東方向の水平変動、南側は東方向の水平変動がそれぞ
れ非常に活発です。村山のPv観測点に異常が出ています。 


戒エリア:関東地方・山梨県 (東京都、神奈川県、茨城県、栃木
県、群馬県、埼玉県、千葉県、山梨県)
以下の予測が発出されています。警戒を怠らないでください。
「千葉県東方沖または茨城県沖でM6.0±0.5の地震が11月20日頃までに
起きる可能性があります。」
神奈川県西部を震源とする震度3の地震が起きました。
茨城県沖、千葉県北西部で小地震が起きています。
4cm以上の週間高さ変動が神奈川県の「湯河原A」、群馬県の「南牧」
に現れました。このエリアは沈降しています。千葉県中央部の沈降と
茨城県南部の沈降エリアが広がりました。また、三浦半島も沈降が進
んでいます。茨城県の「北茨城」と「下館」との高さの差は6.6cmと
広がりました。 6.0cmを超えるとその周辺にひずみが溜まり地震が起
こる可能性があります。水平変動は東方向に非常に活発に現れていま
す。伊豆諸島の水平変動はややバラバラな方向に変動しております。
小笠原諸島は「父島A」は南方向、「母島」には東北東方向の向きの違
う大きな水平変動が現れています。

警戒エリア:南西諸島(沖縄県・鹿児島県奄美地方)
先週警戒エリアにランクアップ致しましたが、宮古島近海を震源とす
る震度3、M6.5の地震が起きました。震度は3でしたが地震の規模を示
すマグニチュードは6.5と大きな地震でした。このエリアは沈降して
います。南東方向の大きな水平変動が多数現れています。M6.5の地震
の余震も含め、大きな地震に警戒を怠らないでください。


    

 
 
【ポストエネルギー革命序論 370: アフターコロナ時代 180】
現代社会のリスク、エネルギー以外も「分散時代」
 環境リスク本位制時代を切り拓く
環境リスク本位制時代を切り開く  

温度差及び近似ゼロ温度発電モジュ-ル事業
温度差ゼロ発電という非常識技術が続々 太陽電池超えの可能性も
▶2021.7.13 日経クロステック(xTECH)

一見、熱力学に反するような、温度差不要の熱で発電する技術が続々
と登場している。環境との温度差がゼロの室温で発電する素子も複数
ある。多くは、理論よりも先に、発電する素子がでてきた。素子の出
力はまだ低いが、潜在的には太陽電池を超える可能性がある。熱はど
こにでもあるだけに実用化されれば社会的インパクトは非常に大きい.
温度差なしの熱発電、特に室温での発電は一見、永久機関に見える。
研究者も永久機関の存在を否定する熱力学第2法則との関係を完全に
説明できているわけではない。これら温度差なしの熱発電技術は、従
来の熱力学の想定を一部超えていると思われる部分があり、理論的に
肯定も否定もできないグレーゾーンになっている。確かなのは、温度
差によらない熱で発電している素子が既にあり、これらの新技術が実
用化されれば、その社会的インパクトは非常に大きい。日本や世界の
エネルギー問題を解決する可能性さえあとされる。

□「冷源」がないと使えない
これまでも熱で発電する技術はあった。熱電変換素子ともいわれる半
導体技術だ(図1)。具体的には、n型とp型の半導体を並べてそこに
温度差を与えると、半導体中のキャリアが熱で拡散され、それが基で
起電力が生まれるという技術で、熱力学上の疑念はまったくない。最
近はエネルギー変換効率が10%を超えている研究開発の例も出てきて
いる。

❏ 特開2021-111664 熱電変換素子及びその製造方法並びに熱電変換
デバイス(事例1)
次世代型太陽光発電モジュール及びそれを組み込んだ建材、備品・什
器などの実用品の高品位化(①30%超の高効率、②20年超の長寿命・
安定、③軽・薄・大・安、④環境負荷軽減(アップサイクル・サーキ
ュラルブル)などの要件を満たし実用段階に入ったことを受け、温度
差及び近似零発電素子あるいはモジュール事業開発をターゲットとし
て特集。


まず、金属などの電気伝導性の電極を介してp型熱電材料とn型熱電
材料とを電気的に接合したpn接合対を形成することにより作製でき
る。この熱電変換素子は、接合対間に温度差を与えることでゼーベッ
ク効果に基づく熱起電力を発生する素子である。熱電変換素子を応用
した熱電発電は、熱エネルギーを直接電力に変換することができるた
め可動部を必要とせず、体温で作動する腕時計や僻地用電源、宇宙用
電源に用いられる。一般的な熱電変換素子では、p型熱電材料及びn
型熱電材料は層状であるため高温部と低温部を距離的に離した熱電変
換デバイスの作製は難しい。



カーボンナノチューブを導電性材料とするドーパントを含むカーボン
ナノチューブからなる熱電変換材料が提案されている。例えば、特許
文献(特開2016-219513)には、ドーパントの吸着量を向上させるため
カーボンナノチューブ及びドーパントを亜臨界流体中又は超臨界流体
中において混錬して分散する熱電変換材料が提案されている。しかし、
熱電変換材料は不織布状としたものであって、高温部と低温部を距離
的に離した熱電変換デバイスについての開示はない。特許文献(特開
2013-098299)には、導電性高分子、カーボンナノチューブ、及びオニ
ウム塩化合物を含有して、導電率異方性が1.5~10である熱電変
換材料が提案されている。オニウム塩化合物の共存下において特定の
外部エネルギーを付与すると、オニウム塩化合物が酸を発生して優れ
たドーパントとして機能するためである。しかし、熱電変換材料は積
層体としたものであって、高温部と低温部を距離的に離した熱電変換
デバイスについての開示はない。特許文献(特開2013-098299)には、
クロロスルホン酸にカーボンナノチューブを溶解した紡糸ドープから
低抵抗率を有するカーボンナノチューブ繊維を湿式紡糸して製造する
方法が提案されている。しかし、高温部と低温部を距離的に離した熱
電変換材料としての開示はない。導電性カーボンナノチューブからな
る繊維にホール濃度が相対的に低い領域(以下、「p型熱電変換部」
という。)とホール濃度が相対的高い領域(以下、「p+型熱電変換
部」という。)からなる接合対(以下、「pp+接合対」という。)
を形成することにより、作製が簡単で長さに制約がない熱電変換素子、
これを用いた熱電変換デバイスを提供する。下図3のごとく、ホール
濃度が相対的に低い領域であるp型熱電変換部と前記p型熱電変換部
と電気的に接続されたホール濃度が相対的高い領域であるp+型熱電
変換部で構成されるホールドープ化合物を含む導電性カーボンナノチ
ューブ繊維からなる熱電変換素子であって、前記p型熱電変換部及び
p+型熱電交換部は、前記ホールドープ化合物を含むカーボンナノチ
ューブ繊維の一部に導電性被膜を形成した後に通電処理を行い、ホー
ルドープ化合物を含むカーボンナノチューブ繊維内のホール密度に異
方性を付与して形成したものであることを特徴とするホールドープ化
合物を含む導電性カーボンナノチューブ繊維からなる熱電変換素子で
ある。また、熱電変換素子を自立電源としたセンサデバイス、水質モ
ニタリング装置のセンサノードの自立電源にできる。作製が簡単で長
さに制約がない熱電変換素子、これを用いた熱電変換デバイスを提供
する。

図3.導電性カーボンナノチューブ繊維からなる熱電変換素子を自立
電源とするセンサデバイス図

【符号の説明】 1  導電性カーボンナノチューブ繊維   2  ホール 
3  導電性被膜  4  pp+接合対   5 p+型熱電変換部   6 p
型熱電変換部  7  導体  8  温度差起電力電源  9  センサ  10
水面浮上部  11  浮きを兼ねる基板  12  センサノード保護用透
明キャップ  13  センサノード



 特開2018-088444 熱電変換素子 積水化学工業株式会社(事例2)
【概要】
熱エネルギーの回収技術としては、ゼーベック効果(又はペルチェ効
果)に基づく熱電変換デバイスが、温度差発電、熱センサ及び冷却な
どの様々な場面で既に活用されている。熱電変換デバイスは、例えば、
p型半導体とn型半導体との組み合わせである熱電対が多数直列に接
続されたモジュール構造を有する。このような熱電変換デバイスは、
可動部がないことから騒音及び振動が無く、スケール効果が無く、小
さな温度差でも発電でき、様々な機器及び環境に組み込めるという多
くの利点を有する。上記のような熱電変換デバイスの一例が、下記の
特許文献(特開2015-230967)に開示されている。この記載の熱電変
換デバイスは、複数の熱電変換材料を有する。熱電変換材料は、カー
ボンナノチューブ及びドーパントを含む。ドーパントをカーボンナノ
チューブの凝集体の内部にも吸着させることにより、ドーパントとカ
ーボンナノチューブとの接触抵抗が低くなる。複数の熱電変換材料は、
電極を介して電気的に接続されている。
下図1のごとく、本発明に係る熱電変換素子1は、シート状の複数の
熱電変換材料2と、第1の導電接続部3と、第2の導電接続部4とを
備え、複数の熱電変換材料2は、互いに接するように直接積層された
状態であるか、又は、複数の熱電変換材料2は、互いに接しないよう
に間隔を隔てて積層された状態であり、第1の導電接続部3は、複数
の熱電変換材料2を導電接続しており、第2の導電接続部4は、第1
の導電接続部3と離れた位置において、複数の熱電変換材料2を導電
接続してなる、内部抵抗が低く、出力が大きく、かつ柔軟性が高い熱
電変換素子を提供する。

図1 本発明の第1の実施形態に係る熱電変換素子の正面図である。
【符号の説明】
1…熱電変換素子 2…熱電変換材料 2a,2b…主面 2c,
2d…側面 3,4…第1,第2の導電接続部 11…熱電変換素子 
13,14…第1,第2の導電接続部
【発明の効果】
シート状の複数の熱電変換材料と、第1の導電接続部と、第2の導電
接続部とを備え、上記複数の熱電変換材料は、互いに接するように直
接積層された状態であるか、又は、上記複数の熱電変換材料は、互い
に接しないように間隔を隔てて積層された状態であり、上記第1の導
電接続部は、上記複数の熱電変換材料を導電接続しており、上記第2
の導電接続部は、上記第1の導電接続部と離れた位置において、上記
複数の熱電変換材料を導電接続しているので、内部抵抗を低くするこ
とができ、出力を大きくすることができ、かつ柔軟性を高めることが
できる。

特開2018-186260 熱電発電デバイスおよび熱輸送デバイス 国立大
学法人横浜国立大学
【概要】下図2のごとく、熱電発電デバイスを得るには、自然由来の
糸もしくは合成繊維の糸またはこれらの混合糸に、カーボンナノチュ
ーブ(CNT)を含む分散液を含浸または塗布してなるCNT複合糸
10を熱電発電糸とし、その両端に発電電力出力用のリード線20を
接続する。また、熱輸送デバイスを得るには、単層CNTとブと多層
CNTとを用意し、多層CNT(もしくは単層CNT)−単層CNT
(もしくは多層CNT)−多層CNT(もしくは単層CNT)の順に
接続して直列接続体とし、この直列接続体に直流電流を流すことで、
カーボンナノチューブ複合糸により効率のよい熱電発電を可能とした
熱電発電デバイス及びカーボンナノチューブ複合糸によりペルチェ効
果を発現させた熱輸送デバイスを提供する。


                         この項つづく
□マクスウェルの悪魔
1867年ごろ、スコットランドの物理学者ジェームズ・クラーク・マク
スウェルが提唱した思考実験、ないしその実験で想定される架空の、
働く存在である。マクスウェルの魔、マクスウェルの魔物、マクスウ
ェルのデーモンなどともいう。 分子の動きを観察できる架空の悪魔
を想定することによって、熱力学第二法則で禁じられたエントロピー
の減少が可能であるとした。 熱力学の根幹に突き付けられたこの難
問は1980年代に入ってようやく一応の解決を見た。マクスウェルが考
えた仮想的な実験内容とは以下の通り(Theory of Heat、1872年)。 

"分子を観察できる悪魔は仕事をすることなしに温度差を作り出せる
ようにみえる。”

1.均一な温度の気体で満たされた容器を用意する。このとき温度は
  均一でも個々の分子の速度は決して均一ではないことに注意する。
2.この容器を小さな穴の空いた仕切りで2つの部分 A, B に分離し、
 個々の分子を見ることのできる「存在」がいて、この穴を開け閉め
 できるとする。
3.この存在は、素早い分子のみを A から B へ、遅い分子のみをB
 から A へ通り抜けさせるように、この穴を開閉するのだとする。
4.この過程を繰り返すことにより、この存在は仕事をすることなし
 に、 A の温度を下げ、 B の温度を上げることができる。これは熱
 力学第二法則と矛盾する。
                                              この項つづく



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米、来年はコロナ「エンデミック」に移行 追加接種鍵;ロイター

⛨ 長びくコロナ禍――現場から見える10代の困窮
▶ 2021.Yahoo!ニュース
新型コロナウイルスによる社会活動の制限は多くの人たちに深刻な影
響を与えた。10代の高校生や大学生も例外ではない。休業要請や時短
営業のあおりをうけ、アルバイト代は激減。親が定職を離れるケース
なども見受けられ、支援団体には「携帯代や学費が払えない」「食べ
るものに困っている」という相談も寄せられている。

□ 親は休職、3人きょうだいの家に届いた野菜や果物
今年の冬、東北地方の高校に通う林美香さん(17、仮名)の家に、一
箱の段ボールが届いた。送り主は、福島の農家。家族で粘着テープの
封をはがすと、レトルト食材などのほか野菜やお米、果物がつまって
いる。一緒に暮らす母親、高校1年生の妹、小学2年生の弟と一緒に食
材を囲んで見つめ合った。 「野菜を見ながら、『何をつくろうか』っ
て、果物を一緒に食べながら『おいしいね』って、家族で一緒に話し
合える時間ができてうれしかった」
美香さんの家庭と農家をつないだのは、認定NPO法人「キッズドア」(
東京都中央区)だ。2007年の設立以来、子どもの貧困に特化して学習
支援などに取り組んできた。2020年度は緊急のコロナ対策として、文
房具や本、食料などの支援を通じて 全国の家庭を対象にのべ3万4182
人をサポートしてきた。美香さんは中学3年生のとき、学校で配布され
た案内チラシをきっかけに、キッズドアを知った。当初は、学習支援
に通っていたが、昨年4月の緊急事態宣言で状況は一変。キッズドアか
らのメールで食料支援を実施している団体を知り、スマホから申し込
んむ。3人の子を育てる美香さんの母親は保育士だ。保育園で管理職
として働いていたが、昨年の一斉休校により、自宅で子どもの面倒を
見るために出勤できなくなった同僚が増え、勤務態勢の調整などで激
務が続いた。美香さんの弟の小学校入学や妹の高校受験も重なり、日
々のストレスからメンタルに不調を抱えてしまう。職場で役職を外れ、
時短勤務に切り替えたが体調は良くならず、数カ月前に園の仕事を休
職。しばらく家で寝こむ日々が続いた。今年の9月下旬に復職したが、
フルタイムで働けなくなったため、待遇は正社員ではなく嘱託社員と
なり、時給1400円で1日6時間働いている。コロナ禍以前に480万円ほ
どあった年収は、約半分になる見込み。

復職後に傷病手当金は受け取った。それでも、収入が途絶えた休職中
に住民税や年金保険料を支払うのは大きな負担だったという。いま美
香さんは、母親の体調を気遣いながら、学業のかたわら家事を分担し
て、小さな弟の面倒も見る日々を送る。「朝、起きるのは6時半。弁
当を作って着替えて、7時15分に家を出て、7時45分から学校の朝課
題を受けて、その後授業が始まります。通常は午後4時半に学校が終
わって、課題がある日は課題を受けて、午後6時、7時に家に帰ります」

                         この項つづく             

⛨ アベノマスクとは何だったのか(前編)
▶via Wikipedia 及び 2021.10.19 朝日新聞デジタル 
【概要】アベノマスクは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の
流行下に2020年4月から日本国内で配布されたガーゼ製布マスクの俗称。
急激な需要の増大で発生したマスク不足の解消を目的として、当時の
安倍政権が約260億円をかけて[3]国内全世帯に2枚ずつ配布した。全世
帯向けのほか介護施設などにも配布され、日本国外でもAbenomaskとし
て広く報道された。

□経過:
2020年(令和2年)4月1日に安倍晋三首相は、安倍内閣の新型コロナウ
イルス感染症対策本部の会合において、当日の議論を踏まえて現状の
分析と今後の政府の対策と国民への要望などを語り、そのなかでマス
クについての話題も出た。安倍首相の発言は、以下の通り。

・政府として生産設備への投資を支援するなど取組を進めてきた結果、
電機メーカーのシャープが生産を開始するなど、3月は通常の需要を上
回る月6億枚を超える供給を行った。更なる増産支援により、今後は
月7億枚を超える供給を確保する見込み。
・急激な需要の増加によって依然として店頭では品薄状態が続いてい
るが、全国の医療機関に対しては、先週までに1500万枚のサージカル
マスクを配布し、翌週にはさらに追加で1500万枚を配布する予定。
・高齢者施設、障害者施設、全国の小学校・中学校向けには布マスク
を確保し、順次必要な枚数を配布予定。使い捨てではなく、洗剤を使
って洗うことで再利用可能である布マスクは、急激に拡大しているマ
スク需要に対応する上で極めて有効であると考えてのこと。
・5月にかけて更に布マスク1億枚を確保する目途が立ったことから、

全国で5000万余りの世帯全てを対象に、日本郵政の全住所配布のシス
テムを活用して一住所あたり2枚ずつ配布予定。 そもそもは新型コロ
ナウイルス感染症の世界的な流行によって日本でもマスク入手が非常
に困難になり、医療関係者に優先的にサージカルマスク(不織布の使
い捨てマスク)を回すため、一般の国民には洗剤で洗って再利用可能
な布マスクを使用して欲しいということで配布が決まった。 発案した
のは佐伯耕三内閣総理大臣秘書官であると見られており、首相に対し
て「全国民に布マスクを配れば不安はパッと消えますよ」と進言した
とされる。政府は2020年4月7日に「新型コロナウイルス感染症緊急経
済対策」で閣議決定し、これにより布製マスクの一般家庭への配布が
開始された。また全国の医療機関にサージカルマスクを、高齢者施設
や障害者施設や全国の小学校・中学校向けに布マスクをそれぞれ優先
的に配布することも決めている。安倍首相は4月17日の記者会見で、国
民の高い需要に応じて布マスクを2枚配布したと説明した[。< 以後、
全国で順次配布が進められ、6月25日、菅義偉官房長官は記者会見で、
政府による全世帯向けの布マスクの配布が20日までに全て完了したと
明らかにした。

□費用:
政府は2020年6月の時点で、契約額が総額260億円(調達に184億円、配
送費として76億円)に達したと発表した。1枚あたりの単価は公開さ
れていない。当初、政府は1枚当たり200円程度で1億3000万枚を調達す
る予定で、マスク購入費用として2019年度の予備費約233億円と、2020
年度補正予算案に計上した233億円を合わせた計466億円を使用する計
画だった。この最初の233億円の内訳は、6500万枚の購入費が169億円、
運送・梱包費が64億円と見込まれていた。配布には送り先の住所や名
前がなくても対象地域にある郵便受けに配達される「タウンプラス」
という日本郵政の配達システムが利用され、4月17日より投函が始まる。

□余剰分:
2021年10月に報道された会計検査院の調査によると、政府が調達した
布マスク全体の3割近い8300万枚が配りきれないまま倉庫に保管されて
いることが確認された。この保管分の平均単価は約140円で、総額は1
15億円相当だった。2020年8月から2021年3月にかけての保管費用が約
6億円にのぼることも判明している。 

異物混入による配布の中断・回収問題:
厚生労働省によると、4月14日から妊婦あてに先行配布したマスクにお
いて変色や髪の毛、異物混入の報告が相次いでおり、4月21日時点で
143市町村・計7,870件に上っている。問題を受けて、厚生労動省は妊
婦への配布を中断した。また、小中学校や特別支援学校に配布された
マスクの中への虫の混入も確認され、配布が中断された。この不良品
に関して菅官房長官は、「実際の配布を行う前段階で適切に除外され
ている」とコメントしている。上記問題の原因となった不良品の該当
企業として報告を受けた興和と伊藤忠商事は4月23日に未配布分のマス
クを全て回収すると発表。検品体制を通常よりも強化する方針。毎日
新聞は4月21日、「関係者からの提供」として、政府が全戸配布用に包
装を始めた布製マスクにカビが生えている写真を報じた。また時事通
信社は4月30日、「厚生労働省の内部文書に掲載されたもの」として、
複数のカビの生えたマスクの写真が掲載された文書の写真を報じた。
このカビの生えたマスクに関して、厚生労働省は5月14日の参院厚生労
働委員会で、マスクにカビと確認したケースがあったことを認めた。
全世帯向け、介護向け、妊婦向けマスクの計8500万枚の出荷前に行っ
ている検品は550人体制で1枚ずつ目視しており、検品費用には8億円を
要している。

マスク配布作業が終了するころ、最大の受注企業である「興和」は複
数のメディアで取材に応じた。それらによると、当初は品質を担保す
るため日本国内での検品を強く希望したが、政府側担当者が「質より
量を優先しろ」と断ったと述べている。またマスク確保に関わった政
府関係者への取材では、「マスクが国民に行き渡るようにしろ、とい
うのが官邸の意向だったが、これほどの量を短期間で確保するなんて
元々厳しい目標だった」「『マスクを何とかしろ』という官邸の声の
大きい人が言ったことが通り、無理に無理を重ねた」などの声が紹介
されている。
via Wikipedia                        
                         この項つづく


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【ウイルス解体新書 88】
⛨ 最新新型コロナウイルス



序 章 ウイルスとは何か
第1章 ウイルス現象学
第2章 COVID-19パンデミックとは何だったのか
終 章 ウイルス感染症と戦略『後手の先』


【税金の世界史論 ①】

第1章 日光の泥棒

        課税とは、ガチョウの悲鳴をできるだけ少なく抑え
        つつ、羽毛をできるだけ多くむしりとることである。
                シャン=バティスト・コルベール
             ルイ十四世の治世の財務総監(1661~83)

1690年代前半のことだった。王は資金を必要としていた。
それはウィリアム王その人と議会そのものが招いた事態だった。民心
掌握のため、人びとに忌み嫌われていた税の廃止に踏みきっていたの
だ。やがて現金が足りなくなった。
どうすればいいだろう?
炉はどの家にもあって、イングランドの民は1066年のノルマン・コン
クエストよりも前から、たいていは教会に対し、なんらかの炉税を支
払っていた。当時、この税は「煙税」とか「煙突税」などと呼ばれて
いた。ところが1662年、炉は課税の対象になることが法令で定められ
た。家屋の価値が20シリング(現在の約5000米ドル)を超える場合に
は、ストーブ、炉、あるいは暖炉一つにつき、隔年に1ンリングを納
めなければならなくなった。直接税を課される条件から外れていた人
びとが、突然に納税の義務を負わされた。貧民さえも逃れられなかっ
た。税金の取り立てを委託された徴税人は、「最後の一文まで奪いと
る権利を行使した」。半年に一度、人びとの家にずかずかとあがりこ
み、暖炉がいくつあるかかぞえ、イングランド人の尊重すべきプライ
バシーを侵害したのだ。なお悪いことに、炉税の起源はフランスだっ
た。これがイングランド人に忌み嫌われ、1688年に名誉革命が起こる
ころには、彼らの大きな不満の種になっていた。
君主になって間もないウィリアムとメアリーはそこに目をつけ、民の
心をすばやくつかもうとした。
炉税を廃止し、「王国内のすべての炉に、両陛下の徳を称える記念碑
を建立せしめた」のである。しかし、大きな問題が生じた。イングラ
ンドに侵攻し、前エジェイムズニ世から王位を奪取したウィリアムは、
その際にオランダから金を借り、装備を賄っていた。アイルランドで
の紛争にも、ヨーロッパ大陸での大同盟戦争にも金がかかった。ジェ
イムズニ世派のスコットランド貴族たちを討伐する必要もあった。し
かも、王国内ではちょっとした通貨危機が起こっていた。



1696年、解決策が見いだされた。なんとまたもや新税が導入されたの
だ----「家屋、明かり取り及び窓税」、通称「窓税」である。
徴税人は人びとの家の外から窓の敬をかぞえるようになった。わざわ
ざ屋内に踏みこむ必要はなくなった。プライバシーを侵害せずにすん
だ。納税者とのやりとりも、なんらかの告知もいらなかった。窓をどこ
かに隠すことは不可能なので、税金逃れは容易なことではなかった。
炉税のおかけで、この新鋭を集めるためのインフラはすでに整ってい
た。それに、これは公平な税であるように思われた。概して、窓の敬
が多ければ多いほど、それだけ住人は豊かであり、高い支払い能力を
有するといえたからである。
政府によって定められた恒久法には、導入時には限時法だったものが
いくつもあるが、窓税法もまたそうだった。納付金額は、当初はわず
かなもので、窓数10窓以下の家屋1軒につき2シリングと定められ
ていた。だが、それがだんだんと引き下げられていった。
やがて、税金逃れのため、わが家の窓を塞いでしまう人びとがあらわ
れた。1718年の時点で、窓税は政府の期待どおりには集まっていなか
った。そこで打たれた手は、減税ではなく増税だった。すると、もっ
と思いきった方法で租税回避が行なわれるようになった。家屋は、初
めから窓の数の少ないものがつくられた。なかには、あらかじめ窓の
開目高がレンガで塞がれている例もあった。所有者が希望すれば、あ
とでレンガを取り除き、ガラスをはめることもできた。それから、全
室に窓のない集合住宅もつくられた。電灯もガス灯もなかった時代に
は、明かりといえば獣脂ろうそく、あるいはラッシユライト(アシの
茎を灯心にし、脂に浸してつくったろうそく)の煙たい炎くらいのも
のだった。日光も新鮮な空気も入らないとなれば、犠牲は小さくなか
った。
それから、のちに医学雑誌『ランセット』によって「光に対してかか
る、ばかげた税」と呼ばれることになる新税が登場した。1746年、ジ
ョージニ世の治既にガラス税が導入されたのである。窓税とガラス税
は、ジョン・スチュアート・ミルの言う「建物の変形をもたらす要囚
」になったとはいえ、150年の長きにわたって家屋建築の拠りどころ
でありつづけ、イギリスおよびフランス(やはり窓税があった)の村、
町、都市の外観を決定づけていた----そして、現在も当時の外観を保
っている地域はいくつもある。窓税の課税最低限の水準が、建物に設
けられる窓の数を決めることになった。ウィルトシャーの村入のなか
には、レンガ造りの自宅にもとあった窓の絵を白と黒のペンキで描き
こむ、気概ある人びともいた。1797年、ウィリアム・ピット政権時代
に窓税がそれまでの三倍に増税されると、ある大工は、本人が議会で
証言したところによれば、一本の通りに面したすべての家から依頼さ
れ、レンガ、もしくは板で窓を塞いでやったという。

ガラス税は一つの産業の成長を妨げた。1807年から1857年にかけて、
イギリスの人口は1100万人から2700万人に増えた。ロンドンの住人だ
けでも100万人から270万人、すなわち,1.7倍になっていた。人口の急
増とともに建築ブームがやってきた。ところが、ガラス税の影響で、
ガラスの生産レベルにはほとんど変化がなかった。
たくさんの窓は裕福であることの象徴になった。それは小説にも描か
れている。ジェーン・オースティンの『高慢と偏見』にはこうある。
「美しいものを存分に見て、エリザベスは喜んだ。しかし、コリンズ
氏の期待とはうらはらに、素晴らしい景色にうっとりとした気持ちに
なることはなかった。コリンズ氏が屋敷の正面の窓をかぞえあげたり、
建築の際に窓ガラスにいくらかかったかを話したりしても、少しも心
を動かさなかった」



アメリカで窓税が導入されることはなかったが、1798年、その可能性
を懸念した人びとが暴動を起こした----フリーズの暴動である。ペン
シルヴェニア州の役人の一団が直接住宅税の課税対象の調査にやって
きたとき、ドイツやオランダからの人植者たちは窓税を取り立てられ
るものと勘違いした。彼らは武器を取って立ちあがり、暴動は州の全
土に広がった。ジョン・アダムス大統領指揮下の連邦軍が出動したが、
鎮圧にはほぼ二年かかった。(➲フライの反乱
窓税は、実際には累進課税とはいえなかった。アダム・スミスがこう
記している。「賃料10ポンドの田舎の住宅は、賃料500ポンドのロン
ドンの住宅よりも窓の数が多いことがある」。田舎の家のほうがみす
ぼらしくとも、より多くの税金を納めなければならなかった。田舎の
住人にとっては大打撃だった。とはいえ、もっとも割を食ったのは都
会の貧乏人たった。彼らは大規模な共同住宅に住んでいたが、建物に
窓がたくさんついていたので、納税額がどうしても高くなった。家主。
----窓税を実際に納める者----は経費削減のために窓を板で塞いでし
まった。このため、窓税によって思いがけない、たいへん有害な結果
がもたらされた。住人たちが病気にかかったのである。産業革命のこ
ろ、都市部ではたびたび伝染病----とりわけチフス、天然痘、コレラ
----が流行したが、狭苦しくて湿っぽい、窓のない住まいが感染者の
増加に拍車をかけた。窓税について、『ランセット』誌は「伝染病の
蔓延をじかに促した」と述べた。公式の科学的調査の結論によれば、
「なんとしても課税を免れたい家主がいくつもの窓を塞いでしまう例
はいっそう増え、病人および死者の増加のおもな要因にもなった」。
それでも、窓税が廃止されることはなかった。

十九世紀に入ると、抗議の声がそこかしこから上がるようになってい
た。「『空気のように、なんの束縛もない』という言い回しは時代遅
れになった」と、チャールズ・ディケンズも慣った。「窓に課税され
るようになってから、空気も日光も、なんの束縛もないとはいえなく
なった」。窓税反対運動は何十年も続いた。運動家たちは反窓税の小
冊子を配り、歌をうたい、演説をした。ロバート・ビール政権時代、
所得税が再導人された直後の1845年にガラス税は廃止されたが、窓税
は継続して徴収された。
1850年、ついに議会において窓税廃止動議が提出された。この動議の
審議中、議員から「日光の泥棒だ!(Daylight Robberry!)」
のヤジ
が飛んだといわれている。以後、英語の「Daylight Robbery」は「ぼ
ったくり」を意味する慣用句になった。しかし、動議は否決された。
窓税がようやく廃止されたのは1851年、ふたたび全国的な反対運動が
発生してからのことである。フランスの窓税はその七五年後に廃止さ
れている。
窓税はあまたある税の一つにすぎず、歴史上とくべつ長く続いたわけ
でもなかったが、税はどのように生まれ、どのような影響をもたらす
かを教えてくれるよい例である。その導入から廃止までの経過をたど
れば、税の典型的なライフサイクルがわかる。

税は資金が必要なときに設けられる。たいていは戦費を賄うためであ
る。臨時税として設定されるが、後目にその開眼が撤廃される。税は
基本的自由を侵害する。窓税の場合、目先や新鮮な空気を取りこむ権
利を損なう。多くの人が税金を逃れようと躍起になるので、税は、人
びとの行動や決断を歪めてしまうといえる。すると、さまざまな形で
思いがけない影響があらわれる。その税の制度が複雑になるにつれ、
今態はいっそう悪化する。集められた税金の多くは、無駄にされたり、
納税者から同意を得られないような今泉に使われたりする。しまいに
は、うんざりした人びとが廃止を求めてなんらかの行動を起こす----
反対運動、抗議運動、さらには革命。ところが、政府は腰が重く、な
かなか動こうとしない。



窓税については、良し悪しを安易に断じることはできない。窓税は、
しばらくは機能したが、やがてそうではなくなった。集められた税金
は、何よりも、国防という必要不可欠な事業の費用の一部となった。
この税は、その他のさまざまな税と同じく、本質の部分に道徳上のジ
レンマを抱えていた。一方では、それは私有財産権を侵害する税であ
り、思いがけない、由々しい結果を引き起こした。だがもう一方では、
政府のきわめて重要な機能であるともいわれる事業の費用を賄う、当
時もっとも現実的な対応策でもあった。税を「必要悪」ととらえた人
びとは数多く、ウィンストン・チャーチルもその一人である。彼らが
そう考える理由はわれわれにもよくわかる。だが、一つ大きな疑問が
ある。それは、どの程度の悪が必要なのかということだ。

                                               この項つづく

風蕭々と碧い時代

 

● 今夜の寸評:沸騰する欲望と対峙する知恵

 


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