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極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

比叡颪と気候変動

2010年10月26日 | 地球温暖化



強風 欅唸らせ 冬模様 慌て始末の 蒼きプチトマト 



Chopin Nocturne op posthum  


北海道では例年より早く初雪となり、
この部屋の足下も寒い。比叡颪の季節
だとなにげしにそう思ったら、松岡正
剛の「千夜千冊」(遊蕩篇)の『キリ
マンジャロの雪』をネットでヒットさ
せていた。

「そう思えば、自分が才能を使いきれ
ずに、そのかわりに才能を売りものに
していたと感じざるをえなかった。ハ
リーは少なくともエネルギーを売って
生きてきてしまったのだ。その売り払
ったエネルギーは戻らない。そういう
自分を、一緒にいる女(妻である)が
しきりに慰める。けれども、いまやそ
れすら煩わしくなっている。ただ、ひ
たすらいろいろな旅先で見た雪が行き
来するばかりになっているのだ」と、
ヘミングウェイの『キリマンジャロの
雪』を自分と重ね合わせ解説する。


 見ると、前方に、視界をさえぎっ
 て、全世界のように幅の広い、大
 きい、高い、陽光を浴びて信じら
 れないくらい純白に輝いているキ
 リマンジャロの四角ばった山頂が
 そびえている。そのとき、彼は、
 自分の行くところはきっとあそこ
 だなと思った。

        ヘミングウェイ
     『キリマンジャロの雪』

「これで、話が終わる。これが『キリ
マンジャロの雪』である。さあ、ぼく
がヘミングウェイかなと感じた理由は
少しは暗示できただろうか。不在」
とは何か
という話だ。それが伝わった
なら、今夜は誰かがぼくを眠らさない
でくれ」と<死>の訪問の予感を露わに
する。そして、次のように付け加え了
頁する。

「ひとつだけ蛇足を付け加えておけば、
ぼくがヘミングウェイを最初に読んだ
のは英語の原文による『老人と海』だ
った。それ以来、どうも翻訳のヘミン
グウェイでは気にいったものにお目に
かかれないでいる。もっとも、このあ
とヘミングウェイを読むなんてことが
またおこるのか、どうか。きっとその
前に、ぼくが、ふっふっふ、たとえば
『比叡マンジャロの雪』でも書くこと
になるのだろう。21歳のときに作った
歌を思い出した」と『比叡おろし』を
披露する。


 風は山から降りてくる
 レタスのかごをかかえて
 唇はくびれていちご
 遠い夜の街を 越えて来たそうな

 うちは比叡おろしですねん
 あんさんの胸を雪にしてしまいますえ
 うちは比叡おろしですねん
 あんさんの胸を雪にしてしまいますえ
 
 風は琵琶湖に落ちてくる
 北山杉を下に見て
 夕焼けはよそゆきマント
 光る銀の靴を はいていたそうな

 うちは比叡おろしですねん
 あんさんの胸を雪にしてしまいますえ
 うちは比叡おろしですねん
 あんさんの胸を雪にしてしまいますえ

 風は今夜も吹いている
 死んではだめよと言いながら
 さよならは小さなみぞれ
 そっと京都の闇に 捨ててきたそうな

 うちは比叡おろしですねん
 あんさんの胸を雪にしてしまいますえ
 うちは比叡おろしですねん
 あんさんの胸を雪にしてしまいますえ

        作詞作曲 松岡正剛






この曲は小室等が歌っていた73年の曲
だと記憶しているが、滋賀県は琵琶湖
を取り巻く山脈に四方囲まれていて、
気圧配置による気流変動が激しい地勢
で、昔から、比叡、三井寺、伊吹の三
颪や甲良町の名神高速道路付近のゲリ
ラ雪が有名だ。

MtIbuki01.jpg mt.ibuki    

とはいえ一番高い山とされる伊吹山の
標高は1,377m程度。冬場の西高東低の
気圧配置は、大陸の日本海北西の方面
から伊勢湾方面に吹き抜ける気流の流
れの時季ともなれば伊吹北面にぶつか
り一旦上昇し、伊吹山地越えし、濃美
平野を下るというのがお決まりのコー
スだ。勢い、関ヶ原一帯は降雪量や強
風、局所豪雨の多いところとなる。特
に余呉町付近では5メートルを超える
積雪も観測されている。

また、それより西部方面では時折、琵
琶湖盆地の平坦部を滑走する気流が鈴
鹿山系の北壁部を上昇する折りに、気
流の上昇下降の攪乱が起こりそれがゲ
リラ雪となることがコンピュータ解析
から裏付けられている。


Suzuka Mountains from Inabe City.jpg

話は地球物理学と気象学に飛ぶ。地球
の直径を約12,712kmとすると、成層圏
大気厚さは大凡50km、寒帯ジェット気
流は上空8~13kmに強く吹き、日本付
近とアメリカ大陸東部では風速は30m/s
ぐらいで中には100m/s近くに達するが、
夏期はその半分程度に弱まる。また、
寒冷高気圧は、下層が冷えて、地表面
付近に寒冷な空気がたまり、密度が大
きくなった空気の重さで高気圧になっ
たものだが、気圧が高いのは地上付近
のみで、上空では高気圧にはならない。
背の高さは2km程度で、
高層天気図
は700hPaでは不明瞭になり、500hPaで
はほとんど見られなくなる。

なにが言いたいかというと地球の円周
を仮に1㍍とする、大気層は僅か1.3
で、ジェット気流は0.03㍉足らず、
天候に影響する気流は、僅か
0.1㍉
なる。この1万分の1の気層で地球温
暖化にともなう気候変動を予測する必
要に迫られているわけで、その意味で
は滋賀県は格好の模擬解析の対象であ
ると言えよう。気象変動の寄与度の海
洋は70%と言われているが、それ以外
に、気圧配置、気流、地形、気温、水
温、宇宙風、太陽放射変動、地表輻射・
放射率、二酸化炭素及び温暖化ガス濃
度と温暖化指数、オゾンホール面積等
々因子を組み込んだ三次元的解析から
いろいろ見えてくるものがあると期待
される。





因みに、滋賀県で大雪となるときの気
象条件は
(1)上空約 5,500m気温が、
氷点下30℃以下になる。(
2)上空約
3,000mの気温が、氷点下21℃以下の寒
気が日本海の沿岸まで南下し、
雷を伴
って降るときは大雪の恐れがあるとさ
れる。また、低気圧が四国南岸を東に
進むとき、寒気の影響で雨とならず雪
となって降ることもある。



特に、北よりの風が強いとき、湖西の
比良山麓では非常に強いおろし風の吹
く。この風は比良八荒と呼ばれ鉄道や
湖上の船などの事故の原因になること
があります要注意。
また日本海を低気
圧が進むとき低気圧が山陰の隠岐島付
近を過ぎた頃から南よりの強風が南湖
で吹き始める。これは三井寺おろし
呼ばれ、陸上より湖上で風が強くなる。
また、
2月頃になると日本海を発達し
ながら低気圧が進むと強い南風が吹き
込み、山ではなだれ、琵琶湖では強風
による災害が発生することがある。

尚、この時期の近江八幡の東部湖岸は、
ウィンドサーファにとって、はたまら
ない波乗り季節でもあること付け足し
ておきたい。


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【青トマトの漬物レシピ】

【材料】

青トマト   ・・・ 10kg
塩       ・・・ 500g
酒粕【A】  ・・・ 1.5~2kg
中双【A】  ・・・ 1kg
みりん【A】 ・・・ 1カップ

【作り方】

(1)青トマトは半分に切る。
(2)2~3 升の水に塩を入れ、一煮立
  ちさせ冷す。
(3)冷ました液にトマトを入れ、重石を
  して一週間漬ける。
(4)一週間したら 取り出して水を切
  る。
(5)【A】を絞りあわせて水切りした
  トマトに塗りつけて、軽い重石をし
  1ヶ月程おく。

※酒粕の代わりに酢、キムチ、カレー
 などで本漬けしても良い。
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