極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

夢と知りせばさめざらましを 

2019年12月11日 | 政策論

   
                            

10 郷 党 きょうとう
------------------------------------------------------------

他の篇と追ってことばの記録ではなく、公生活、私生活における孔
子の具体的行勣のひとつひとつを記録したものである。これらは、
とりもなおさず礼のエキスパートによる礼の実践の記録であって、
これによって当時の礼の規定の具体的内容をうかがい知ることがで
きる。事実、この篇のすべてが孔子についての記述であるわけでな
く、礼の一般的規定 を述べた部分が多いとする説もある。
------------------------------------------------------------
3 国賓の接将校を命ぜられたときの孔子。まず城門での出迎えの
さいには、顔色を緊張させて、足ばやに位置についた。賓客の口上
を順次伝達するさいには、左右の同僚と伝達のたびごとに手をこま
ねいて会釈するしきたりだが、このとき礼服の据のさばきが見事だ
った。つぎに賓客を先導するさいの足の運びは、一歩一歩が型には
まっていた。賓客を見送ったあとでは、必ず君主の前へ出てこう復
命した。「客人は満足してお帰りになりました」

君召使擯、色勃如也、足躩如也、揖所與立、左右其手、衣前後襜如
也、趨進翼如也、賓退、必復命曰、賓不顧矣。

Confucius walked at brisk pace with a strained face when he
attend to guests by his lord's order. He stretched his arms
to the right and left when he bowed to other ministers, and
his robe moved elegantly. His brisk step was graceful like
a bird spreading its wings. After guests left the palace,he
reported to his lord without fail that guests had never
looked back because they were satisfied.


 小野小町

佐竹本三十六歌仙下句トレッキング㉔:
友まどはせる千鳥鳴くなり  
#TheThirtySixImmortalPoets#OnonoKomachi

思ひつつ寝ればや人の見えつらむ夢と知りせばさめざらましを 

                          (古今552)

恋しく思いながら寝入ったので、その人が現れたのだろうか。夢だと知
っていたら、目覚めたくはなかったのに。

出自不詳。『古今和歌集目録』には「出羽国郡司女。或云、母衣通姫云
々。号比右(古)姫云々」とあり、『小野氏系図』には篁の孫で、出羽郡
司良真の女子とあるが、いずれも疑わしい。ほかに出羽守小野滝雄の子
とする説などがある。経歴等も明らかでないが、仁明朝(833~850)・文
徳朝(850~858)頃、後宮に仕えていたことは確からしい。「小町」の名
から、姉と共に仁明天皇の更衣(または中臈女房)であったと見る説が
あり、また『続日本後紀』承和九年(842)正月の記事に見える小野吉子(
仁明天皇の更衣とみられる)と同一人、またはその妹とする説がある。  
古今集・後撰集の歌からは安部清行・小野貞樹・僧正遍昭・文室康秀と
の親交が窺え、また「小町が姉」の歌が見える。



六歌仙にも選ばれ、平安前期の歌人と交流したことも確かめられる
が、血縁や身分は明らかでない。後世に美女の代名詞となって人々
の想像力を刺激し、能、浄瑠璃、お伽草紙とぎぞうしなどにおいて、
好色であったことや醜く老いて不幸な晩年を過ごしたことなど、さ
まざまな伝説が付され語り継がれた。『古今和歌集』「仮名序」で
は、後に和歌三神に教えられる衣通姫(そとおりひめ)の流れに位
置づけられている。

 

佐竹本三十六歌仙絵巻は、三十六歌仙を描いた絵巻物で、鎌倉時代
(13世紀)に制作された。久保田藩(秋田藩)主・佐竹家に伝来
した、三十六歌仙絵の草分け的存在にして、代表的な作品である。
書は後京極良経、画は藤原信実によると伝わる。元は上下2巻の巻
物で、各巻に18名ずつ、計36名の歌人の肖像と住吉大明神が描
かれていたが、1919年(大正8年)12月20日に各歌人ごと
に切り離され、掛軸装に改められた。原型とは異なっているが、一
部を除き重要文化財に指定されている。


 ● 今夜の一品

【世界の工芸:#Crafts#Of#TheWorld
リー,ルーシー(イギリス) RIE,Lucie
鉢 Bowl  花生  vase  壷  Jar




人口減少時代のまちづくり㉟

第19章 ビジネス 何がおこっているのか
第72章 AI(人工知能)実用化の現況は
【要点】
第1次ブームでは、コンピューターによる「推論」や「検索」が
可能となった。
②第2次ブームでは、「知識」を与えることで、専門分野の知識を
取り込んで、その分野の専門家のように振る舞うプログラムが生み
出される。
③現在「ビッグデータ」と呼ばれている大量のデータでA-自身が
知識を獲得する「機械学習」ができる。



1 AIは様々な研究が達成された先にある将来像を表現した言葉  
アルファ碁が囲碁のトップ棋士との5番勝負で4勝1敗で勝利した
(16年)ことによって、専門家以外の一般の人達に「AI(人工
知能)」が広く知られるようになった。AIの定義は、多岐にわた
っており、世界中の研究者が共有するような定義はない。我が国の
公的な資料(経済産業省や総務省)に基づいて整理する。まず、現
在の研究は、AIそのものの実現を研究対象としておらず、AIと
は、様々な研究が達成された先にある最終的な将来像を表現した言
葉となっている。従って、「人間のように考える」と言うことも、
「考える」と言う目に見えない活動を対象とする研究分野であって、
知能を獲得する原理が人回と同等であるか、それともコンピュータ
特有の原理を取るかは問わないとするす。



(出典)総務省「ICTの進化が雇用と働き方に及ぼす影響に関する
調査研究」

2 AIと私たちの生活の関係は紆余曲折の歴史  
AIと私たちの生活の関係は、50年代後半から60年代に始まっ
たAIブーム(第1次)から現在の第3次ブームに至るまでの歴史
を振り返ることで実感が得られる。第1次ブームでは、コンピュー
タによる「推論」や「検索」が可能となる。しかし、当時のAIで
は、迷路の解き方や定理の証明のような単純な仮説の問題を扱うこ
とが出来ても、多くの要因が絡み合っている現実社会の課題を解く
ことが出来なかった。次に、1980年代になると、「知識コンピ
ュタが推論するために必要な情報をコンピュータが認識できる形で
記述する)」を与えることで、AIが実用可能な水準に達し、多数
のエキスパートシステム(専門分野の知識を取り込んだ上で推論す
ることで、その分野の専門家のように振る舞うプログラム)が生み
出されたが、情報の全てを人が加工する必要があったので膨大な情
報を用意することはできず、再び冬の時代を迎えた。

3 「ビッグデータ」「機会学習」で飛躍的に進歩  
そして、現在「ビッゲデータ」と呼ばれている大量のデータを用い
ることでAI自身が知識を獲得する「機械学習」が実用化されて、
2000年代から現在まで続いている第3次ブームが始まる。知識
を定義する要素(特微量一対象を認識する際に注目すべき特徴は何
かを定量的に表すこと)をAI自らが習得するディープランニング
(深層学習や特徴表現学習と呼ばれる一画像認識や音声認識などで
コンピューターが自ら特微量を創りだすことが可能となった)が登
場してブームになっている。しかしながら、現在、ディープランニ
ングで単独であらゆる分野のどのようなタイプの問題も解決できる
ようなAIを産み出せなかった。今のところは、個別分野で具体的
な問題に対応できるAIを実用化していく研究が重要になって行く
と予想されている。
キーワード 考えるという活動/人間と違う知識獲得原理/深層
学習

☈ここで、『人口減少時代のまちづくり』の第3次のディープラン
ニング時代にさしかかっていることを了解し、『デジタル革命渦論』
に立ち入り、下記の次世代の『事前学習済みモデル』の技術開発の
最新事例を俯瞰してみたい。


  

【ポストエネルギー革命序論112】

AIの動画認識やテキスト理解となる事前学習済みモデル構築

実世界のデータ活用する次世代AI技術開発と社会実装促進に期待
12月10日、産業技術総合研究所らの研究グループは、実世界の
データを活用する次世代人工知能(AI)技術のソフトウェアモジュ
ール構築の一環として、AIによる動画認識とバイオ分野に関する自
然言語テキストの理解のための転移学習の基盤となる事前学習済み
モデルを構築し公開する。それによると、今回構築した事前学習済
みモデルには、実世界の大量の動画やテキストデータをあらかじめ
学習させているため、AI開発に用いることで、少量の学習用データ
でも次世代AIのソフトウェアモジュールを構築・利用できるように
なります。これにより、例えば少量の動画データによる医療動画診
断支援向けAIなど、実世界のデータを活用する次世代AI技術の開発
と社会実装の促進が期待できる。



【要点】
事前学習済みモデルの構築・公開体制の整備:少量のデータを活
用し、高い性能を実現する方法として、収集しやすい一般的なデー
タで汎用的に使える事前学習済みモデルを構築、そこに収集した少
量の学習用データを用いて学習させる転移学習の枠組みが重要にな
る。転移学習の基盤となる事前学習済みモデル----静止画像の認識
については、スタンフォード大学などの研究者らが中心になって構
築した「ImageNet」(http://www.image-net.org/)という1400万枚
を超える大規模な画像データセット(の一部)で学習させたモデル
----がよく用いられる。今回新たに、産総研が持つAI用クラウド計
算基盤「ABCI」を活用した大規模な機械学習により、さまざまな事
前学習済みモデルを構築して公開できる体制を整えた。これらのモ
デルを転移学習の基盤として利用する。
動画の認識と自然言語テキストの理解のための事前学習済みモデル
動画理解のための転移学習の基盤となる事前学習済みモデルは、お
茶を淹れる、絵を描く、ジョギングする、などの日常行動400種
類に関する30万本のラベルつきの短い動画(Google DeepMind社の
Kinetics400 データセット)を使って学習させたものです。このモ
デルを使うことで人の日常生活やスポーツの中の行動を識別するこ
とができる。さらに、このモデルをベースとして、個別の環境で収
集された少量の学習用データを使って転移学習を行うことで、工場
などの現場での作業のモニタリングや、作業支援をするロボットな
どへの応用が期待できる。

以上、実装化促進の流れを頭の隅に置き、本題及び個別課題の考察
に戻ることにのする。

73 観光業が衰退しつつあるというが
【要点】
①訪日外国人観光客数は増加。
②宿泊施設はホテルが増えて旅館は減少。
③旅行業者の取扱は伸びていない。  

1 観光業に運輸業や商業施設を加えた観光産業の消費額は増えている  
観光業は、旅行業と宿前菜を指す言葉とされるが、観光庁では、も
う少し広く観光産業として、①旅行サービス(旅行会社、旅行業者
代理会社、ツアーオペレーター、添乗サービス会社)、②運輸(航
空・鉄道・バス・フェリー事業者など)、③宿泊(ホテル、旅館、
簡易宿所)、④娯楽施設、小売店・飲食店、製造業者、を上げてい
る。観光業が停滞、乃至、衰退しているのではないかと言うことは、
それ自体の経営に課題があるとともに、日本では、これら観光産業
か立体化して、戦略的に連携できていないことになる。観光産業の
実態は、国際的に旅行者の定義や旅行消費の定義などを統一した基
準(TSAマニュアルに基づく観光サテライト会計)で、日本(国
土交通省・観光庁)でも03年から報告されている 「観光消費額
及び観光産業の経済効果の計測」で見ることができる。最新の17
年の統計では、日本人の延国内旅 行者数は6億4751万人(前
年比1・0%増)で、うち宿泊 旅行が3億2333万人(前年比
0・7%減)、日帰り旅行が 3億2418万人(前年比2・8%
増)。又、最近話題になっている訪日外国人観先客数は約2870
万人で前年より17・8%増えています。そして、経済的なデータ
として、日本人国内旅行消費額は21兆1000億円、訪日外国人
旅行消費額は4・4兆円で、日本人海外旅行に関わる国内消費額
1・2兆円を足して、合計26・7兆円となっており、前年の25・
8兆円より増えている。これは、①宿泊料金、②飲食費、③交通費、
④娯楽サービス費、⑤買い物代などを合算した数字で、観光産業全
休における経済効果と言える。



2 しかし、旅行業者の取り扱い額は増えていない
一方で、観光業を代表する旅行業者の取扱状況を見ると、直近(1
8年8月)で前年比100・9と伸びていない。外国人旅行が23
%伸びているのに対して、国内旅行が、度重なる台風の影響が考慮
されるが97%となり、旅行業者数全体も、観光産業の伸びにも拘
わらず、14年の 9143社から18年の9684社とほぼ横はい。
また、毎年50件程度、倒産しているというデータもある。このよ
うな状況から、具体的な数字には表れていないが、停滞、乃至、衰
退しているのではないかと言う危惧される。その要因として挙げら
れているのは、①観光産業全体にも係わる日本人の嗜好性の変化か
ある。数字に明瞭に表れているように、宿泊を伴う滞在型の観光が
減少。更に、余暇時間や消費行動が多様化する中で、特に国内観光
の地位が相対的に低下している。

3 旅行者の消費ニーズとのズレを解消することが重要  
訪日外国人に対しても、観光産業全休が、①リピーターが増える状
況に対応した多様な関心や商品・サービス等の提供が不足している、
②地方への訪問意欲などに応えきれていない(通訳ガイドや外国語
サイン等の受け入れ態勢が整っていない)など、観光業が、このよ
うな変化に的確に対応できる能力が不足が指摘。従来の団体客中心
の旅行への対応システムを変えられない、新しいメニューを提供す
る企画力が無い、そのための人材の育成をしていない等、消費者ニ
ーズと観光業の対応のずれが大きな課題に挙げられている。ITの
進展により旅行者も充分に情報を持っている状況で事業を展回する
ためには、旅行のプロとしての高度のスキルが一層求められる。同
時に、企業として必要な業務に於いて、生産性を向上させるための
IT等新技術の導人の遅れも基本的な課題となっている。        
キーワード 観光消費額増加でも観光業は苦戦外国人観光へ対
応遅れ

74 「働き方改革」が必要になった背景は
【要点】
①日本の生産年齢人口が総人口の減少を上回るペースで減少してい
くこと。
②労働生産性はOECD加盟国の35か国で22位。
③自分のライフステージに合った選択ができない 「単線型キャリ
アパスを変えていく。  

1 働き手を増やすことと労働生産性を上げるために  
17年10月、政府が政策の目玉(析二本の矢)として「働き方改
革」を重要な取り組みとして位置付けた。首相官邸のホ-ムページ
では、「働き方改革」の目的は「多様な働き方を可能にするととも
に、中間層の厚みを増しつつ、格差の固定化を回避し、成長と分配
の好循環を実現するため、働く人の立場・視点で取り組んでいきま
す」としている。そもそも、働らき方改革が必要になってきた背景
は、これから日本の生産年齢人口(15歳から回収)が総人口の減
少を上回るペースで減少して
いくことがある。国全体からみると、
GDPに代表される経済力を維持し、向上させるためには、「働き
手を増やす」ことと「労働生産性」を上げることが必要。働き手を
増やすには、今働いていない女性や高齢者が働きやすい環境や制度
を創ることと出生率が上がり、少子化に歯止めをかけることが求め
られている。更に、労働生産性(国際比較はGDPを労働者数で割
る)がOECD加盟国の35か国で22位(主要7か国で最下位)
である状況の改善が求められている。

 

2 「長時間労働」「非正規と正社員の格差」の是正、「女性や
高齢者
の就労」の促進が求められている  
日本の働き方現状を見て3つの課題を挙げている。①長時間労働の
改善。日本の長時間労働については、既に国連から、長時間労働に
従事して、過労死や精神的なハラスメントによる自殺の発生に対し
て懸念するという勧告がなされた。警察庁の自殺統計原票では、自
殺者数が急激に減っているのにもかかわらず、長時間労働などの勤
務問題を原因の自殺者が年間2千人前後いるという結果がある。
17年には、経団連と連合は、フルタイム労働者の残業時間に年間
720時間の上限を設けることを決定。②非正規と正社員の格差是
正。日本では、現在、非正規で働く人が労働者全休の約4割を占め
ている。そして、非正規社員の待遇は時給換算で正社員の約6割に
とどまる。③労働参加していない女性や高齢者の労働参画の促進。
出産・育児・介護などによる女性の働き方の制限を少なくしていく、
65才以降の継続雇用延長や65才までの定年延長、それを実行す
る企業への様々な支援策が立ち上がっている。

3 働く人も自分に合った働き方を設計する必要がある  
一方、国からの改革だけではなく、働く人からの視点も議論されて
いる。IT機器の活用により、時間と場所に捕らわれることなく、
オフィスとほぼ同じ環境で仕事をすることが可能になった。転職が
不利にならない柔軟な労働市場に改まることにより、個人も、自分
のライフステージに合った仕事の選択がしにくい「単線型のキャリ
アパス」を変えて、自らのキャリアを設計する可能性が開けます。
同時に社員一人一人が自分たちのやりがいや余暇の過ごし方を見直
すような意識改革も重要になる。
キーワード 「働き手を増やす」×「生産性を上げる」/長時間
労働

75 ワークスタイルはどう変化しているか
【要点】
①スライド勤務やバリュータイム勤務など「時間に捉われない働き
方」に。
②在宅勤務やサテライト勤務など「場所に捉われない働き方」に。
③ライフワークバランス実現のために、残業しない。  

1 ワークスタイルは働く人と経営側(企業)の考え方によって
変化する。  

ワークスタイルの意味は狭義にはどのように仕事をするのか。広義
には価値観に基づきどのように仕事に関わるか。従って、ワークス
タイルは、経営と人(社員)の両方を主語にすることになる、人か
ら見ると、結婚・出産・子育て、介護などのライフステージの変化
がワークスタイルの多様性を必要としている。経営側は、人事制度
や働く場であるオフィス、情報共有・コミュニケーション基盤など
を、変化に対応して柔軟に運用することになる。95年以降穏威か
ら65歳未満の生産年齢人口の減少が始まり、我が国の労働力低下
は避けられないことが明らかになるに従って、先進国の中でも低い
労働生産性が、改めて問題となっている。生産性の向上は、これま
で労働者個人のスキルや頑張りに頼っていたが、長時間労働と過労
死、自殺などに至るメンタルヘルスのリスクも社会的に認知されて
きた。同時に、「ライフワークバランス実現のために、残業しない」
「仕事を自己実現の場と捉える」など、人を主語としたワークスタ
イルの変化も起こってきた。  



2 多くの企業でシステムや制度の変革が進んでいる  
具体的なワークスタイルの変化は、大きく分けると、「時間に捉わ
れない働き方」と「場所に捉われない働き方」がある。まず、時間
に捉われない働き方の例として、①スライド勤務(始業時回や就業
時間を繰り上げ、繰り下げる)、②半日・時間休暇(年次休暇を1
回O・5日分取得したり、任意の1持間を1単位として換算するな
ど)、③バリュータイム(1日の所定労働時間を自らが効率を上げ
て取り組むことで労働時間短縮できる制度などや、新職責を制度化
して、短時間、単日勤務の拡大(育児や介護、看護者等が一日短時
間、週休3目等限度を決めて就業時間や日数を短縮することができ
る職責)、中高年社員の希望者に、職域を変更したり、短日数・短
時間勤務に変更する、定年後再雇用時にも同様の働き方ができる等、
柔軟な働き方の創設がある。場所に捉われない働き方の例としては、
①在宅勤務(原則自宅、勤務ができる環境であればその他も可)、
②サテライト勤務(自社が経営乃至提携するサテライトシェ アオ
フィスやコワーキングスペース等)がある。

3 変革は企業の組織や体制、働く人の意識やライフスタイルの
変化が
無いと定着しない  
ワークスタイルの変化は、働く人の側の意識も大きな要素となる。
①アメリカでは、年功序列ではなく個人の実力や実績が評価の対象
となり、割り当てられた仕事をきちんとこなすことが重視されるの
で、家族を非常に大事にして夕方5時までオフィスで働き、残りの
仕事を自宅に持ち帰って行う人もいる。②ドイツでは自分の割り当
てられた仕事か一生懸命にこなし他の仕事は担当者に任せる、長期
休暇を取ること等、オンとオフのメリハリをつけている。③スエー
デンでは、時期によっては残業を強いられているが、夏の夏季休暇
は多くの人が取得。この時期には、ツーリストを対象とするレスト
ランやショップ以外の店はクローズ、公的な交通機関の本数も減り、
国全体が休暇モードに入る。日本でも、国民性に合った働き方やリ
フレッシュの仕方を作り上げていくことで労働生産性を上げながら、
豊かな生活を送る時期に来ていると言える。
キーワード 経営と人(社員)の両方が主語/ライフスタイルと
連動
                       この項つづく


   

【新錬金術時代:新しい水素⊕ホウ素ナノシート】

導電性を制御可能な新しいナノシート材料
水素とホウ素の特異な構造と有機分子吸着がカギ 
分子応答性センサや触媒応用へ期待

12月10日、物質・材料研究機構(NIMS)+筑波大学らの研究グ
ループは、ホウ素と水素のみからなる導電性を持つ新たなナノシー
ト材料を開発、また、高輝度光科学研究センタ(JASRI)と共同で
、ナノシートを構成する水素原子が特殊な配置を取っており、その
構造が原因で分子が吸着することにより導電性が大きく変化するこ
とを明らかにしましたことを公表。軽量かつフレキシブルで、導電
性を制御できる本材料は、ウェアラブルな電子デバイスや新しいメ
カニズムのセンサーなどの応用展開が期待できる。



【概要】
①グラフェンに代表される原子・分子レベルの非常に薄い導電性ナ
ノシート材料は、柔軟性や特異な電子状態を持つことから、キャパ
シターなどの電子デバイスへの応用が期待されています。その中で、
グラフェンを超える優れた電子特性を持つと理論的に予想されてい
るホウ素と水素のみからなるホウ化水素ナノシート。
②この材料は合成が困難、17年に筑波大学やNIMSなどの研究チー
ムが、ホウ化水素ナノシートの合成に世界で初めて成功。ところが
その特性を調べたところ、予測とは異なり導電性を持たない絶縁体
でした。そこで、なぜ理論的な予測と違って導電性を持たないのか
を明らかにすることで、導電性を持つホウ化水素ナノシートの合成
を目指した研究が進められてきた。
③導電性を持たない原因が表面に吸着する不純物にあることを明ら
かにし
、試料の純度を高める適切な前処理をすることで、安定して
導電性を発現するホウ化水素ナノシートの合成に成功。さらに、導
電性発現に関するメカニズムを詳細に調べるため、大型放射光施設
SPring-8を利用し、ホウ化水素ナノシートの構造を解析したところ、
水素原子が特殊な配置を取っており、その構造によって電気的な偏
りが発生し、そこに微量の有機分子が吸着することで導電性が安定
していなかったことを明らかにした。
有機分子の吸着によって導電性を制御できる可能性を示し、ホウ
化水素ナノシートの大きな特徴の1つと考えられ。この特徴を生か
すことで、分子の吸着性を利用した分子応答性のセンサー材料や触
媒材料など、導電性ナノシート材料の全く新しいデバイス応用が期
待できる。
❐  Geometrical Frustration of B-H Bonds in Layered Hydrogen
Borides Accessible by Soft Chemistry,Published:December 09, 2019DOI:https://doi.org/10.1016/j.chempr.2019.11.006



筋肉に一体化できる‘Kirigami’エレクトロニクス

義手やロボットアームを制御するヒューマン・マシン・インタフェ
ース応用技術

12月9日、豊橋技術科学大学の研究グループは、ドーナツ型の切
り紙構造を用いた伸縮性筋電位計測用電極を開発しましたことを公
表。本電極では従来の切り紙型神経電極の課題であった、筋肉など
の変形する生体組織からの信号を計測する際の電極の位置ずれを低
減した。これにより筋肉からの詳細で安定した信号計測が可能とな
り、将来的な切断患者の残存筋を用いた義手やロボットアームを制
御する技術(ヒューマン・マシン・インタフェース)への応用が期
待されている。

それによると、筋肉の活動は脳や脊髄から伝えられた電気信号によ
り制御され、その信号は筋電図と呼ばれます。事故などによる切断
患者では、切断された部位の機能を失いますが、切断部には筋肉が
残されています。この残された筋肉である残存筋を用いて、その電
気的な活動を読み取ることで義手などを動かし、失われた機能を回
復する技術の開発が行われている。同研究チームが17年に開発し
た切り紙構造を用いた非常に高い伸縮性を持つ神経電極は、マウス
の脳や心臓からの信号計測の可能性を示す。





しかし、これまでの切り紙構造を用いた電極では、大きな変形を示
す生体組織(例えば心臓や筋肉など)に対して、電極の位置ずれや
また電極自身が組織から剥がれる問題があった。新たに円周状の“
ドーナツ型”の切り紙構造を提案し、筋肉からの安定的で正確な筋
電位の計測を可能とする伸縮性電極を作製。ドーナツ型の切り紙構
造は、先ず平面的なドーナツ型のフィルムとして製作され、立体的
な円筒形状へと変形させることができます。この伸縮性を持った円
筒形状のフィルム電極は生体の円形状を持った様々な生体組織(腕
や脚、指、腹部、心臓などの臓器)へ、電極デバイスの高い密着性
を生体の動きを阻害することなく実現する事ができる。 

 

液々界面に生じるしなやかなタンパク質ナノ薄膜が幹細胞を
神経に導く

変形・流動する足場が分化を促進 高価な試薬不要で再生医療の
低価格化に期待
12月10日、物質・材料研究機構(NIMS)は、水とパーフルオロカ
ーボンという二種類の混じりあわない液体の間に形成されるタンパ
ク質のナノ薄膜の上で、高価な試薬を用いずに、幹細胞を神経細胞
に分化させることに成功。再生医療などで必要な幹細胞の分化誘導
を、安価に実現する技術として期待されている。



【概要】

①水とパーフルオロカーボンという二種類の混じりあわない液体の
間に形成されるタンパク質のナノ薄膜の上で、高価な試薬を用いず
に、幹細胞を神経細胞に分化させることに成功した。再生医療など
で必要な幹細胞の分化誘導を、安価に実現する技術として期待され
る。
②iPS細胞などの幹細胞は、再生医療や組織工学の分野で中心的な
役割を果たしているが、その際、これらを望みの細胞へと効率的に
分化誘導する技術が不可欠です。これまでは、サイトカインなどの
高価な分化誘導因子を用いることが一般的でしたが、コストの観点
などで課題が残されていた。これらの試薬を用いずに、培養基質の
硬さや凹凸を工夫するだけで幹細胞の分化をコントロールする試み
も進められているが、分化効率が悪く、新たな技術の開発が求めら
れていた。
③この液体同士の界面では、培養液中に含まれるタンパク質と別途
添加したフィブロネクチン (タンパク質) よりなるナノ薄膜が形成
され、その上で培養した間葉系幹細胞は、分化誘導因子を加えなく
ても、自ら進んで神経細胞へと分化。通常の細胞培養には、プラス
チックなどの固体材料が用いられるため、そもそも液体の上で細胞
を培養すること自体が斬新な発想。実際に流動的な液体だからこそ、
タンパク質薄膜にしなやかな特徴が備わり、それらが幹細胞の働き
かける力に応じて変形・集積化して、効率的な神経細胞への分化を
促していることを突き止めた。④今後、この成果を発展させて、液
体の種類やフィブロネクチン以外の添加物などを検討することでさ
まざまな種類の細胞に分化誘導できるようにすることをめざす。

 


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