極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

オフィスグリコとターミネータ種子

2014年08月06日 | 時事書評

 

 




● お菓子でリフレッシュ:オフィスグリコ

江崎グリコは5日、企業のオフィスなどに専用ボックスを置いて菓子やアイスクリームを販売する「オ
フィスグリコ」事業が好調なことを受けて、2017年度に同事業の売上高を13年度(45億円)比で3割
増やすことを目指すと発表。 同事業がスタートした02年度の売上高は3億円だったが、仕事中に小腹が
すいた時に手軽に買えることなどが受けて需要が拡大した。13年度は収支も同事業開始以来、初の黒字。
売上げ拡大に向けて、現在の約10万事務所のボックス設置先を17年度には12万事務所に拡大。現在はサ
ービスを行っていない北日本や海外への展開も検討すという。富山の「置き薬」を連想させる、グリコ
の「置きおやつ」、関西のおばちゃんの「飴ちゃん外交」?ともリンクする、現在日本社会の、コミニ
ュケーションツールとして世界展開する?かもしれない(2014.08.05 毎日新聞)。
 

 

 

【遺伝子組み換え作物論 15】

 

  The Future of Food - Trailer


                           
 弟5章 遺伝子組み換え作物の危険性 

    ⑤ 自殺する種子

  自殺する種子(ターミネーター)

  「ターミネーター技術」とは、遺伝子を導入することで植物に種子をつくらせないようにする技
 術である。バイテク産業はその目的について、「遺伝子組み換え作物が自生して、拡散しないよう
 にするための技術である」と言い訳してきた。しかし、遺伝子操作によって作物が種子をつくらな
 くなれば、農家は種子を自家採取できなくなる。したがって、「この技術の目的は、遺伝子組み換
 え種子の特許権を保護することにある」と批判されている。種子を生産する方法を支配してしまえ
 ば、種子生産は農家の畑からバイテク企業の本部に移り、農家は種子の生産を完全に企業に依存し
 なければならなくなる。ニ一ューヨーク・タイムズ」組は次のように批判する。

  「モンサント社などの企業は、ターミネーター技術を導入することで、自然が人間に与えた最も
 偉大で共通の財産を私物化することになる。一万年前から始まった、農業を通して改良してきた作
 物の遺伝子を、企業が独占するのだ」

  ターミネーター技術は、農民にも消費者にもまったく役に立だないし、自然にとっても大きな脅
 威である。もしも、この遺伝子が野生種に転移したら、多くの植物が絶滅してしまうだろう。国連
 食糧農業機関(FAO)でさえ、「ターミネーター種子は、非人道的である」という声明を出した。
  さらに問題なのは、米国鳥務省とモンサント社が買収した企業が、納税者の税金を使ってターミ
 ネーター種子を関発したことである。1999年には世界中の貧困層に大きな影響を与えることを
 考慮してか、開発を一時中止することが世界的に同意されたが、「アストラゼネカ社」と「ノバル
 テイス社」(両社は2000年に統合、Tンンジェンタ社」が設立された)が特許
権を取得してい
 る。モンサント社もまた、「ターミネーター技術は使用しない」と言いつつ、「念の
ため」と称し
 て特許権を取得している。さらに恐ろしいのは、米国農務省が78ヵ国でターミネー
ター技術の特
 許権を取得していることだ。この種子が販売されることになれば、米国農務省も売上高の5%を特
 許使用料として受け取ることができる。米国農務省の広報官ウィラード・フェルプスは次のように
 語っている。
 
  「米国農務省としてはこの技術が世界各国で広く認可され、できるだけ早く多くの種子会社に利
 用してもらうことを望んでいる。米国の種子開発企業が所有する特許品の価値を高めて、新興国や
 途上国で、新たな市場を開拓するのが我々の目標だ」
  世界で第8位の種子開発企業「デルタ・アンド・パイン・ランド社」のハリー・コリンズも20
 00年1月に「ターミネーター技術の開発は遅らせない。商品化することが目的だ」と述べた米国
 のNGO「国際農村発展基金(RAFI)」は「各国の政府が禁止しなければ、ターミネーター技
 術はやがて商品化されてしまうことになる」と警告する。
  なぜ政府はターミネーター技術を禁止しないのだろう。なぜ公益よりも巨大企業の利益を優先す
 るのだろう。そして、なぜ政府は富裕で権力をもつ者の声しか聞き入れないのだろう。これこそ、
 遺伝子組み換えをめぐるもっとも本質的な疑問なのである。

   トレイター技術

  ターミネーター技術と同様に「トレイター技術」も、種子をつくる能力など、種子の形質を自由
 に操作しようとする技術である。種子に特殊な化学薬品処理をほどこすことによって、医薬品とし
 ての性質を発現させたり、あるいはアレルゲンを発現させないようにする。この技術開発に積極的
 なのも「ノバルティス社」で、独自の化学薬品を散布した種子だけを生育させる技術をもっている。
  言い換えれば、まさに化学物質漬けの種子であり、この作物が生存するためにはノバルティス社
 の化学薬品が必要なのである。つまりは、「ノバルティス社」の利益のためだけに生産された種子
 なのである。
 
  最も警戒すべきトレイター作物としては、病原菌の感染力を調べるために、あえて免疫力を低下
 させた植物がある。万一、この形質が主要な作物に転移したら、予想もつかない大惨事が起こるだ
 ろう。これまでバイテク企業が実際に引き起こしてきた数々の混入事件を考えると、決してありえ
 ないことではなく、恐ろしい作物となる可能性がある。

 

※ Method of controlling the fertility of a plant US 6147282 A
※  Wheat variety W010712A1
※  Plants and seeds of hybrid corn variety CH637365 US 8796552 B2
※  Maize variety hybrid X08B719  US 8796521 B1

 

 




   ⑥ 特許料を請求される農民

  もしも遺伝子組み換え作物を阻止しなければ、バイテク産業が将来、どのような社会をつくりだ
 すのか、それを実証する事件がカナダで起きた。「消費者が主役」の時代は終わり「笑顔でサービ
 ス」どころか、「笑顔で企業に告訴される」時代が到来するのだ。
  カナダ西部の農家で73歳になるパーシー・シュマイザー氏は、普通のナタネを生産していたが、
 近隣から遺伝子組み換えナタネの花粉が飛来して、交雑が起きてしまった。もともと彼は、交雑を
 防ぐために種子の自家採取をやめて、わざわざ新しい種子を毎年購入していたのに、収穫したナタ
 ネの20%に遺伝子組み換えナタネが混入していたのである。さらに不幸なことには、モンサント
 社が彼の畑を調査して、遺伝子組み換えナタネを見つけだしたのである。モンサント社は、遺伝子
 組み換えナタネを生産する農家にはライセンス料として、0.4ヘクタールにつき一五カナダドル
 を請求しており、もしも正式に契約を交わしていなければ特許権の侵害にあたるとして農家を告訴
 していた。その遺伝子組み換え作物を農家が意図的に栽培したのか、それとも交雑によるのかは問
 題ではなかった。
 
  信じがたいことに、モンサント社はシュマイザー氏を告訴した。企業にとっては都合のよいこと
 に、特許法の下では、交雑によって生まれた作物でさえ、すべてモンサント社の財産と認められた。
 農家には何の権利もないのである。モンサント社は、25年にわたる種子の研究費として60万カ
 ナダドルを請求してきたが、それはシュマイザー氏の蓄えと同額だった。『エコロジスト』誌によ
 れば、「モンサント社は、シュマイザー氏が遺伝子組み換え種子を違法に人手していないことを知
 っていたがそれは重要な問題ではない」と後に語ったという。
  それでもシュマイザー氏は、「モンサント社が自社の商品を管理できない以上、特許料を請求す
 る権利はない」と確信していた。米国の民間による環境問題研究所「ワールドウォッチ研究所」の
 農業専門家ブライアン・ハルウェイルも、「他人の土地にゴミを投げ捨てておきながら、。盗まれ
 たこと主張するようなもので、まったくばかげている」と批判する。そこでシュマイザー氏もまた、
 モンサント社に対抗して訴訟を起こし、最高裁にまで上告した。シュマイザー氏は、モンサント社
 が彼の畑から採取したナタネに含まれていた遺伝子組み換えナタネの混大宰について、モンサント
 社は嘘をついていると考えていた。彼はモンサント社が提出したサンプルには疑問があると主張し
 た。なぜなら彼自身が採取して裁判所に提出したサンプルには遺伝子組み換えナタネが混入してい
 なかったからだ。現在シュマイザー氏は、バイテク企業がどのように農民の権利を奪っているのか、
 世界中を回って自分の体験談を語っている。


  2002年にモンサント社が訴訟を起こしたり、脅したりしている農家の数は、北米だけで15
 00件にのぼる。ミシシッピ州のある農家は、モンサント社に特許権の侵害として78万ドルを支
 払うことを裁判所に命じられた。そのため多くの農家はしぶしぶモンサント社との示談に応じてい
 るのが現状である。農民を悪者と決めつけるモンサント社に対して、農民には法的に対抗する
だけ
 の余力がないからである。

 
  モンサント社がこれまでも一度も敗訴していないのには理由がある。彼らは農民を屈服させるた

 めに、年間1千万ドルも費やして、75人が調査を担当している。さらにモンサント社には告訴す
 る相手を見つけるための武器がある。モンサント社のスパイ役となった農家に近隣の農家を見張ら
 せて密
告させるのだ。その結果、米国の農家ケム・ラルフは八ヵ月間も留置場に入れられ、170
 万ドルの支払いを命じられた。メキシコでもモンサント社は、「契約せずに遺伝子組み換え作物を
 栽培した場合には、9ヵ月間の禁固刑に処せられる可能性がある」と宣伝して、直接、農民に脅し
 
かけている。
 
  こうして多くの人々が、種子に特許権を認めるのは不当であると感じている。何世紀にもわたっ
 て種子を自家採取してきた無実の農民を、モンサント社は犯罪者に仕立て上げるのだ。いったい本

 当の犯罪者とは誰なのだろうか。巨額の罰金を支払わせて刑務所送りにすべきなのは、モンサント
 社の方ではないだろうか。

  The Future of Food - TIntroduction

 

   ⑦ 食品生産から流通まで支配する企業

   企業の奴隷になる農民

  今後も農家がさらに企業活動に組みこまれることになれば、遺伝子組み換え作物を生産するため
 に農家は40~60%以上も価格の高い種子を購入しなければならないし、企業に縛りつけられて
 中世の農奴と同様の存在になってしまう。カナダ・モンサント社との契約条件には、「当社の遺伝
 子組み換えナタネを生産する農家は、当社のブランドの除草剤を使用しなければならない」と記載
 されているのだ。
 
  しかも2年間、遺伝子組み換え作物を栽培した後に、再び一般の作物仁尻る場合には、その後の

 3年間、バイテク企業の検査を受けることになる。ところが、前年に栽培した遺伝子組み換え作物
 の種子は畑にこぼれて除草剤に枯れずに翌年も自生してしまうため、完全に駆除するのは不可能で
 ある。ナタネの種子なら、休眠状態に入って10年後に発芽することもある。こうした場合にも農
 家は、特許料を支払っていなかったとして訴えられる可能性があるのだ。結局、一度、遺伝子組み
 換え作物を栽培したら、一般の作物に戻ることはできなくなる。一度でも契約書に署名したら、抜
 けだすことができないのだ。遺伝子組み換え作物を生産する農家も、そうでない農家にも選択肢は
 ない。モンサント社に訴えられないためには、遺伝子組み換え種子の使用を増やすか、一般の作物
 の栽培をあきらめるしかないのである。

 
  シュマイザー氏は次のように警告する。


  「モンサント社との契約は、地球上で最も悪質で抑圧的な条件だ。ところが、農民としての権利

 や自由が奪われているのに、北米の人々は何か起きているのかを知らない。もっとも不愉快なのは、
 遺伝子組み換え作物の栽培をやめても、その後の三年間は。モンサント警察〃が畑に侵入し、倉庫
 の中まで無断で検査することだ。ご沢して契約書に署名するな。種子を自家採取する権利を絶対に
 放棄するなこと私は農家に訴え続けている。契約を結んでしまえば農家は奴隷となって土地に縛り
 つけられてしまうのだ」
 
  シュマイザー氏の推計によると、北米では少なくとも四万戸の農家が調査されてきた。この仕事

 を担当させるため、モンサント社は元警察官を35人も雇用している。農家のロドニー・ネルソン
 は米国の現状について次のように語る。

 「モンサント社は、。一粒でも遺伝子組み換え大豆が確認された場合には、特許権の侵害にあたる

 可能性があること我々に伝えてきた。ところがすでに米国では非遺伝子組み換えの種子を入手する
 ことは不可能になっている。種子会社が販売する種子には、多かれ少なかれモンサント社の遺伝子
 組み換え種子が混入しているのだ」
 
  結局、モンサント社は米国で一般の吉見を栽培する農家なら誰でも告訴できる。しかも、こうし

 たあるまじき行為をしているのはモンサント社だけではない。シンジェンタ社も、農家が同社の種
 子を使用する場合には、同社の除草剤を使用することを強要しているのだ。 
  BASF社(ドイツの化学企業)で種子保護部門の代表を務めるフリードリッヒ・フオーゲルは
 「農家に利益をもたらすことが必ずしもバイテク企業の目的というわけではない」と明確に言いき
 り、「当社の作物を生産している限り、農家は利益を上げられる。その代わり、遺伝子組み換え企
 業は農家に対して、どのように作物を生産すべきか指示することができるのだ」と述べている。
 
  問題なのは、企業が食品の生産から流通に至るまですべてを支配しようとしていることにある。

 政治家やマスコミもまたバイテク企業と共謀して活動している。カナダ・ケベック州の農業大臣
 ーミ・トゥルーデルは次のように指摘する。

 
  「我々の世界は、まるで中世の時代に戻ったようだ。農民たちの生活は、強い権力をもつ唯一の

 企業が決定している」
  バイテク企業もこの事実を認めている。モンサント社の副社長ロバート・フレーリーは1996
 年に次のように語っている。
 
  「今、起きていることは、種子会社の単なる吸収合併ではない。実際には、食品の生産から流通

 まですべてを統合しつつあるのだ」

  


                    リーズ、アンディ 著 『遺伝子組み換え食品の真実』

                                      この項つづく
  
 

 

  BBC Future of Food - Part 1: India

 

  ● 今夜の一曲

ヨーゼフ・アントン・ブルックナー(Josef Anton Bruckner, 1824.09.04 - 1896.10.11)は、オースト
リアの作曲家。
西洋音楽史の中では後期ロマン派に位置づけられ、作曲技法的にはベートーヴェン、
シューベルトの影響を、管弦楽法、和声法ではワーグナーの影響を受ける。この交響曲八番は「すべ
ての交響曲の中で最も優れた交響曲は何か?」という話題になるほど名前が挙がる傑作。
1896年10月
11日、享年72、ウィーンで生涯を閉じる。生涯を通じて非常に信心深いローマ・カトリック教徒で
あり、晩年に至るまで多くの若い女性に求婚したが、結婚することはなかったという。


●「ターミネーター技術」「トレイター技術」も続々特許申請されているようだが、これらの事前、
事後・経過評価調査は充全に行われているのだろうか?日本列島の襲った福島原発事後例のようなこ
とにはなりはしないか心配ではあるが、決め手となる安心情報は決め手に欠けているようだ。時間が
許される限り自分なりに調べて行きたいと思うのだが、チョット待てよ? 太陽光発電モデル事業を
構築するため、知り合いの業者に見積依頼の失敗を経験に、具体的な実践行動に着手したばかりとい
う状況下で、忙しいいという、ある意味、嬉しいことではあるけれど、割ける時間に限りがあり、少
しばかり思い悩む。

●昨日届いた守口市の友達へ暑中見舞いの電話返礼を入れたものの、それだけでは十分ではないと不
安になり、ネットで残暑見舞いの三輪の素麺を送ることにした。いやはや、心とは揺れ動くものだと
自分に感心し呆れ返る。

 

コメント
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