極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

ソフト化するソーラセル

2012年09月24日 | ネオコンバーテック

 

 

【ソフト化するソーラーセル】

有機薄膜太陽電池は、導電性ポリマーやフラーレン等を組み合わせた有機薄膜半導体を用いた太陽電池である
ことは徐々に浸透し知られるようになってきた。有機薄膜太陽電池は、シリコンやCIGS、CdTeなどの
無機系材料をベースとした太陽電池に比べて簡便な方法で生産でき、低コストであるというメリットがあるが
その反面、有機薄膜太陽電池の光電変換効率や寿命は、従来の無機系太陽電池と比較して低いという問題を有
する。有機薄膜太陽電池に用いられる有機半導体には、半導体材料の純度、分子量分布、配向性等、制御が困
難なパラメータが多い
ためである。そのようななかで、東芝は、塗布型の有機薄膜太陽電池技術を開発し、サ

ブモジュールの変換効率は世界最高の7.7%、セルの変換効率では9.2%を実現している。薄型軽量で低コストの
有機薄膜太陽電池の本格的実用化に一歩近づき、従来型のものよりフレキシブルで意匠性の優れたソフトな太
陽電池が出回る時代がそこまでやってきている。

 

それによると、高効率化のために、構成材料の組み合わせの最適化を、つまり、電流密度の向上のために、太
陽光に多く含まれる長波長城の光を吸収できるΔE2が狭い材料-p型の共役系を広げる(ΔE2を狭める)平面性
の高い構造、分子内でドナーユニットとアクセプタユニットを組み合わせた分子内電荷移動)相互作用を利用し
た構造などを持つ材料-PC3BMとPTB7の組合せにより、エネルギー変換効率が0.1m2のミニセルで7.7%と高い
素子を実現。また、素子表面の反射を防ぐため特殊な反射防止膜を設置することで、エネルギー変換効率を数
%向上させ、有機物は電荷輸送能力が低いため、活性層の膜厚が100nm程度の薄膜のため活性層の吸光係数が
低く太陽光の一部は活性層を透過する対策として、セルを傾けた傾斜構造とすることで光路艮を長くして、多
くの太陽光を吸収させ、さらに傾斜セルをV字型に並べる構造にすることで、光閉込め効果と集光効果により、
セルを平面設置した場合に比べてエネルギー変換効率を向上させている。

さらに、フレキシブル基板を用いたロールツーロール(Roll-to-Rollによる印刷法で有機薄膜太陽電池を製造
-ロール状に巻かれたフレキシブル基板に有機層と電極を連続的に塗布することで、軽量かつ柔軟な太陽電池
モジュールを低コストで製造することか可能だ。有機薄膜太陽電池は数1nmオーダーの非常に薄い層を重ねた
構造である。このオーダーの精密印刷を行うため、
印刷が大面積にかつ均一にできるメニスカス印刷法を用い
て、フレキシブル基板との間に一定のギャップを設けて棒状の分割アプリケータヘッド置し、そのギャップに
有機太陽電池材料を含むインクを注入、分割アプリケータヘッドと基板との同にメニスカス(円弧状の曲面)が
形成され、基板ステージを一定速度で移動することでメこスカスカに支配される均な液膜か形成され規定条件
での乾燥後に有機薄膜太陽電池材料の固形膜が形成。メニスカス印刷法では、膜は印刷速度の2/3乗に比例し、
分割アプリケータヘッドのギャップやインク粘度、表面張力などで膜厚を制御し、塗布むらは±2.4%と非常
に均一な印刷を実現したという。

なお、有機薄膜太陽電池の製造方法の新規考案に、第1電極上に、凹凸パターンを有する第1輸送層及び凹凸
パターンの表面に設けられた光電変換層を形成する工程と、第2電極上に第2輸送層を形成する工程と、表面
に前記光電変換層が形成された前記凹凸パターンを前記第2輸送層に接触させて、第2輸送層を成型する工程
を備えることで、電子輸送層及び正孔輸送層と光電変換層との接触面積の大きい有機薄膜太陽電池を低コスト
で製造方法が提案され、さらに、複数の傾斜面を有する基板と傾斜面上に形成された太陽電池セルで構成し、
互いに離間して配置された一対の電極間に設けられたp型有機半導体とn型有機半導体とを含むバルクヘテロ
接合型の光電変換層を含んだセル基板の傾斜面が、光の入射方向と垂直な面に対して60~89°傾斜させ、
光電変換層が可視光波長域で光透過率が3%以上の光電変換効率の高い太陽電池とその製造方法について提案
している。

 

特開2011-187852 有機薄膜太陽電池およびその製造方法(右図)
特開2012-174921 有機薄膜太陽電池の製造方法(左図)

日馬冨士が二度目の優勝だ。八百長、賭博事件で沈滞していたが、最近の相撲は少し怖いぐらい真剣で大変面白い。
横綱がそろってモンゴルということで「すもう」も国際化?を果たせている。これは良い。開かれたスポーツとして、これ
からもブラッシュアップしていくのが楽しみだ。 

コメント
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