岐阜の住宅設計事務所の でいbyでい

岐阜の住宅屋 タマゴグミの日々の他愛もないことを綴ったブログです。

地震補強の迷い

2020-04-01 | 日記

今日は、なんからしい題材です。そしてつまらない内容です。

リノベーション、リフォームには耐震補強がつき物です。最近の建物と昔の建物は外観は同じように見えても考え方は全く違うのです。

今の建物はとにかく箱状にして頑丈にする方法です。箱状にするからしなったりずれたりという変形がおこらない建物なのです。

これ、非常に丈夫なのですが力が特定なところに凄くかかるという特性があります。だから、金物が沢山要ったり2階と1階の柱が同じ位置にないとダメだったりするのです。

昔の建物は、力を変形やずれる事で受けていました。

石場立て工法といって、柱や土台が直接石の上にのっていて固定されていない工法などは、地震が来たときに石の上を土台が滑ってエネルギーを吸収します。これなんか今の免震装置と同じような働きです。

土壁は、力を受けたとき柱と梁が変形するのを崩れることによって力を吸収して、いっきに変形しないようにしています。これは今の制震装置に通じるところがあります。

さすが地震国日本、先人の知恵です。

残念ながら現在の家は変形やずれを許さない仕上げや仕様になっているので過去に戻ることは難しいでしょう。

 

話は戻りますが、昔の家のリフォームのときは矛盾との戦いになります。

壁に合板を貼って固めれば地震に強くなるような気がするのですが、そうすると予期せぬ力がかかり、余計に危険になってしまいます。場合によっては、建物が浮き上がったり2階の梁をへし折ったりすることもありえます。

だから、耐力壁を1枚増やすにもどんな力がかかるのか想像しながら設計をします。その結果、あまり耐力壁を増やすことはできないということに気づきます。現在の基準法並み(今の家での最低限の強さ)に満たない場合が多いのです。

それではまずいので、強さを現代の家にあわせようとすると、基礎を作ったり1階の部屋のど真ん中に柱を設けたり、梁を変えたりする必要が出て来ます。

結果・・・・価格がいっきに高くなります。

昔の家は本当に味があっていい感じなのです。天井や建具周りなんて洒落たことをしているなと感心する収まりも沢山あります。

もし、日本がヨーロッパ並みに地震が少ない国だったら、戦後間もない家も沢山残っていて、もっと豊かな街並が残っていたのだろうなと思います。

 

チョット設計に行き詰っていたのでメモ書きをしてみました。

 


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