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大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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なんじゃもんじゃ物語 2-16 ヤマタイ国発電所 倉庫4

2006-06-07 20:32:14 | なんじゃもんじゃ物語
なんじゃもんじゃ物語 2-16 ヤマタイ国発電所 倉庫4


 なんじゃもんじゃ物語169

そこに、お頭ブラックが倉庫から出てきました。

「 くそっ、見つからん。
こらっ、小僧、人手が足らんのだ。
こんな所でサボってないで、燃料棒を探さんか。」
「 燃料棒・・・・?
オマエ、電気屋ジャナカッタノカ?」
「 うっ、しまった。」
「 オマエタチハ、何者ダ?」
「 僕たちは海賊だよ。」
「 海賊ガ、陸上デ何ヲ シテイル?」
「 海賊船の燃料を探しているんだよ。」
「 こら、小僧、そんなこと教えて大丈夫か?」
「 H1号は、海賊船に乗りたがっているんだよ。」

お頭ブラックは、H1号に聞きました。

「 何だと・・?
H1号、お前、どうして船に乗りたいんだ?」

H1号は答えました。

「 ソレデハ、ココデ、問題ダ!」
「 あのなぁ~・・・。」

お頭ブラックは、なんじゃ殿様に言いました。

「 小僧、早く来い!」

お頭ブラックはクルッと向きを変え、H1号を無視して倉庫に戻ろうとしました。
H1号は慌てて、お頭ブラックに言いました。

「 オマエ、クイズヲ ヤラナイノカ?」
「 お前の相手はやって居れん!
わしは、忙しいのだ。」
「 ウウウ、H1号ハ悲シイ。
相手ヲ、シテクレナイ・・・。」





なんじゃもんじゃ物語170

なんじゃ王子が、場を取り成して言いました。

「 ちょっと待ってよ。
こいつ、そんなに悪い奴じゃないよ。
盗み出された物なんだって。
ここから、出たがってるんだよ。」

お頭ブラックは、倉庫の方に歩きながら言いました。

「 うるさい。
それより、燃料棒が見つからなくって困っているんだ。
小僧、お前も探すのだ。
早く来い。」
「 それだったら、H1号と話したんだけど、船に乗せてくれたら、燃料棒の在り処を教えてくれるって言っていたよ。」

お頭ブラックが、それを聞いて扉のところで振り返りました。

「 何、燃料棒の在り処をか!」
「 ソウダ、ソノ通リダ。
教エルゾ。
H1号ハ、燃料棒ノ在リ処ヲ知ッテイルノダ。
聞カナケレバ、一生カカッテモ、燃料棒ハ見付カラナイゾ。
オマエ、困ルゾ。」
「 う~ん、船に乗りたいってか・・・。」
「 ソウダ、H1号ハ、船ニ乗ルゾ。」
「 でもなぁ~、さっきクイズで酷い眼にあったからなぁ~。」

なんじゃ王子が言いました。

「 まあ、正解して、扉も開いたことだし・・。」
「 ソレニ、クイズモ チョットダケ我慢スルゾ。」
「 う~ん・・・・。
もう、既に一匹乗る奴が増えているし・・。」

お頭ブラックは、床のらめちゃんを見ました。
らめちゃんは、お頭ブラックの顔を見上げながら言いました。

「 ワイの方が先やでぇ~。」
「 う~ん・・・。」





なんじゃもんじゃ物語171

お頭ブラックは、なんじゃ殿様に聞きました。

「 大きさはどれぐらいだ?」
「 取ってくるよ。」

なんじゃ王子は、倉庫に入って行きました。
お頭ブラックは、怪訝な顔をして呟きました。

「 取ってくるって・・・。
大きなコンピューターじゃないのか?」

なんじゃ殿様が、コードの付いた電気炊飯器を持って倉庫から出て来ました。

「 小僧、これは?」
「 これが、H1号だよ。」
「 H1号と言うのはコンピューターじゃないのか。
これは、どう見ても電気炊飯器じゃないか。」
「 ほら、見てよ。」

なんじゃ殿様が炊飯器の蓋を取りました。

「 うわっ、うまそうなご飯だ!
食っていいか?」
「 海賊船ニ乗セテクレルノナラ、食ッテイイゾ。」

お頭ブラックが、チンギスチンを呼びました。

「 お~い、チンギスチン、ちょっとこっちへ来い!」





なんじゃもんじゃ物語172

チンギスチンが懐中電灯をぶら下げて倉庫から出てきました。

「 何あるか?
もう、燃料棒は見つかったあるか?」
「 おい、チンギスチン、これを見ろ。」

チンギスチンが、蓋の開いた電気炊飯器を見ながら言いました。

「 おお、美味しそうな ご飯あるね。」
「 この電気炊飯器は、H1号なのだ。」
「 ?」
「 コンピューター電気炊飯器だ。」
「 分かったような、分からないような・・・。
とにかく、ご飯はうまそうに見えるあるよ。」
「 コレハ、ヤマタイ国ノ ブランド米デ作ッテアル。
所長ノ特別ゴ飯ナノダ。」
「 ふ~ん、うまそうなのは確かあるね。
色艶がいいあるよ。」
「 ちょうど、腹が減ってきたところだ。
チンギスチン、おにぎりを作ってくれ。」
「 お頭、燃料棒はどうするあるか?
探す人手が足らないあるよ。」
「 H1号が、在り処を教えてくれるのだ。」
「 ソウダ。
燃料棒ハ、倉庫ノ左ノ奥カラ二ツ目ノ棚ノ最下段ノ箱ニ入ッテイル。」

お頭ブラックが、倉庫の扉の所まで行って、中に居るエッチソンと たまちゃんに言いました。

「 お~い、エッチソンに たまちゃん、聞こえるかぁ~。」
「 へ~い!」
「 なんでっかぁ~?」
「 あのなぁ~、燃料棒は、倉庫の左の奥から二つ目の棚の最下段の箱の中に入っているぞぉ~。
取って来てくれぇ~。」
「 分かりましたぁ~。」
「 取って来ますわ!」



なんじゃもんじゃ物語173

戻って来た お頭ブラックに、H1号が言いました。

「 左扉ノ裏ノ テーブルノ下ニ 水ト塩ト海苔ガアル。
所長ハ、オニギリガ 大好キナンダ。
ミネラルウオーター ト、ソルトレークノ塩ト、三角湾ノ新海苔ダ。
ドレモ、超一流ノ物ダ。」
「 そうか、それは楽しみだ。
それじゃ、チンギスチン、おにぎりを頼んだぞ。」
「 分かったあるよ。
それにしても、お頭、何時からH1号と仲良くなったあるか。」
「 ソウダ、H1号ハ、海賊ノ仲間ニナッタノダ。
H1号ハ、オ頭ブラックト マブダチ ナノダ。」
「 こらっ、勝手に決めるな。」

チンギスチンは、水と塩と海苔を倉庫から取って来ておにぎりを作り始めました。
お頭ブラックは、再度、なんじゃ殿様に聞きました。

「 ところで、どうしてこいつは船に乗りたいんだ?」

なんじゃ殿様は、H1号から聞いた話をお頭ブラックとおにぎりを作っているチンギスチンに、かいつまんで話しました。

「 ふ~ん、そう言うことか。」
「 分かったあるよ。」
「 料理担当としては、どう思う?」
「 そうあるね。
ちょうど、船の厨房の炊飯器、調子悪かったあるよ。
時々、焦げるね。」
「 それは、危険だな。」
「 だから、乗せてやろうよ。
きっと、役に立つよ。」
「 でも、飯はうまいかどうか分からんぞ。
まだ食ってないからな。」
「 それじゃ、料理長のチンギスチンが、一口試食するあるね。」




なんじゃもんじゃ物語174

チンギスチンが、H1号の おにぎりを一口食べてみました。

「 お頭、お頭、この飯、凄くうまいあるよ。
爆うまぁ~。
電気炊飯器、厨房で使えるあるよ。」
「 そうか、厨房で使えるか・・・・。
よし、分かった。
連れて行ってやろう。」
「 ドウダ、H1号ノ実力ヲ知ッタカ!
フッ、フッ、フッ、ソレデハ、ココデ問題ダ。」
「 あのなぁ~、お前、置いていくぞ。」
「 ヤメテ、ヤメテ。
H1号、反省シテイル。
問題、我慢スル・・・。」

お頭ブラックが、なんじゃ殿様に言いました。

「 こらっ、小僧、ぼ~っと見てないで、お前、H1号を船まで運ぶ担当だ。」
「 うん、分かった。」

そこにエッチソンと たまちゃんが燃料棒を持って現れました。

「 お頭、ありましたで。」
「 おお、とうとう手に入れたぞ。
よし、よし。
これで目標は達成された。
それでは、みんなでおにぎりを食おう!」




なんじゃもんじゃ物語175

エッチソンと たまちゃんが言いました。

「 おにぎり食って、休憩でっか。」
「 準備がいいですね、動き回ってくたびれた所だし。」

海賊たちは、床にドカッと座っておにぎりを食べ始めました。

「 う~ん、うまいね。」
「 ほんまやな。」

らめちゃんが言いました。

「 ワイも食うで~。」
「 ほら、らめちゃんの分もちゃんと作ってるあるよ。」
「 あんがちょ!」

らめちゃんもパクパク食べ始めました。
お頭ブラックが、エッチソンとたまちゃんに言いました。

「 この飯は、この電気炊飯器で炊いたものなんだ。」
「 これでっか。」
「 そうだ。
そして、これがH1号だ。」
「 えっ、これがさっき、怪しいクイズを出していたH1号でっか。」
「 この電気炊飯器コンピューターのH1号を、船に連れて行くことにした。」
「 よろしいんでっか、こんな変な奴を船に乗せて。」
「 ああ、わしが判断した。
まあ、少々変な奴だが、船の炊飯器が壊れかけている所なのだ。」
「 H1号ハ、変デハナイゾ。」




なんじゃもんじゃ物語176

エッチソンが、ジロジロH1号を見ました。

「 ウ、ウ、ウ、タジ、タジ、タジ。
H1号ハ、殺気ヲ感ジル。
エッチソンハ、H1号ニ、何カ、イヤラシイコトヲ シヨウトシテイル。
イヤヨ、イヤヨ、イヤヨ、見詰メチャ嫌ァ~。」

エッチソンが、お頭ブラックに言いました。

「 これは、なかなかの物でっせ。
船の大型コンピューター以上の性能があるかもわかりまへん。」
「 そうなのか。」
「 サイズだけでも、メチャメチャ小さいでんがな。
一回、分解して調べてみた方がいいかも知れまへん。
本体の下から、カバーを外せそうでんな。」

エッチソンが、H1号を持ち上げて、下から覗き込みました。

「 コラッ、コラァ~。
覗クナ、コラァ~。
エッチソンノ エッチソン。」
「 パンツは、穿いてないようでんな。」
「 お釜のパンツか?」
「 ははは、冗談でんがな。
船に持って帰って調べてみまひょ。」
「 そうしてくれ。」
「 チョット、待テ、待テ、エッチソン。」
「 なんだんねん?」
「 オマエ、H1号ヲ分解シテ、ソノママニシテ置カナイダロウナ?」
「 ワールシュタットヒンデンブルグノーベル教授の力を見てみたいんや。
らめちゃんの超能力の件もあるしな・・。」
「 ソウナノカ。
ソレナラ、チョットダケ見セテヤル。
デモ、チャント元通リニ スルノダ。」
「 分かってまんがな。」


なんじゃもんじゃ物語177

お頭ブラックが言いました。

「 もう、おにぎりはみんな食ったか?」
「 食べましたぁ。」
「 食べたよ~。」
「 食べたでぇ。」
「 うまかったでんな。」
「 ベンケーの分のおにぎりは、持って行くあるよ。」
「 よし!
じゃ、そろそろ、ここを脱出するか。
おい、小僧、H1号を持って行け。」
「 は~い。」

H1号が、海賊たちに言いました。

「 カメラト、音声スピーカーヲ付ケ直セ。
移動中、何モ見エズ、話モ出来ナイノハ、不安ガアル。
オマエタチガ、H1号ニ話シガ出来ルヨウニ、集音マイクモ付ケテオケ。」

エッチソンが言いました。

「 注文の多いやっちゃなぁ~。
それじゃあ、小僧に付けまひょ。」

エッチソンが、カメラとスピーカーとマイクを壁から外しました。

「 モニターカメラは、チョンマゲに括り付けて、マイクは懐から顔を出して、スピーカーは炊飯器の横に括り付けて・・・・・、ハイ、OK!」




なんじゃもんじゃ物語178

なんじゃ殿様は、両手で炊飯器の耳を掴んで通路に突っ立っていました。

「 なんか、歩きにくいなァ~。」
「 我慢スルノダ。
久々ニ、外ニ出ラレルト思ウト、H1号ハ、ワクワクスルナ!」
「 ベンケーの分の おにぎりは、H1号の中に入れておくあるね。」

チンギスチンが、H1号の蓋を開けて おにぎりを1個放り込みました。
お頭ブラックが たまちゃんとエッチソンに言いました。

「 燃料棒を忘れるな。
らめちゃんの担架に積んでおけ。」
「 分かりました。」
「 了解!
積んで行きますわ。」

たまちゃんとエッチソンが燃料棒を担架の らめちゃんの下に入れ、担架の前後を持ちました。

「 よいしょっと!」
「 こ~らせっと!」
「 持てるね。」
「 ああ。
ちょっと重いけど、行けますわ!」



なんじゃもんじゃ物語179

お頭ブラックが言いました。

「 おい、H1号、お前、玄関へ行く道を知っているだろ。」
「 知ッテイルゾ。」
「 よし、お前が先頭だ。」

電気炊飯器のH1号を両手で持った なんじゃ殿様が、先頭に進み出ました。
H1号が言いました。

「 H1号ニ付イテ来ルノダ。」

お頭ブラックの出発宣言です。

「 それじゃ、出発だ!」
「 お~っ!!」

お頭ブラックの声を合図に、燃料棒を手に入れた海賊たちの行列は倉庫を出発しました。
なんじゃ殿様を先頭に、お頭ブラックとチンギスチン、その後に らめちゃんと燃料棒の乗った担架を持った たまちゃんとエッチソンが続きました。
お頭ブラックが言いました。

「 燃料棒も手に入れたことだし、めでたいめでたい。
わしは気分が、とってもいいぞ。
よし、それではここで景気付けにわしの歌を聞かせてやる!」
「 うわっ、お頭、あの・・。」

子分たちが止める間も無く、お頭ブラックの歌は始まってしまいました。

「 わん、つう、の~。
ちゃんちゃららら、ちゃんちゃららら、ちゃんちゃららら、らん♪
はぁ~れた空ぁ~、 そ~よぐ風ぇ~♪
みなとぉ~、出船のぉ~、 ドラの音、たのしぃ~♪」

子分たちは、囁きました。

「 うわっ、始まってしまった。
もう、誰も止められない・・・。」

お頭ブラックの歌は続きます。
そして、次は、体を揺すりながら軽いステップを踏んで、踊りが入りつつあります。

「 別れテープゥを~、笑顔で切ればぁ~♪
きぼお~はてなぁい~ は~るかな潮路ぃ~♪
ああ~、あこがれぇ~の ハワイこぉろぉ~♪

はい、二番!

ちゃんちゃららら、ちゃんちゃららら、ちゃんちゃららら、らん♪
なぁ~みの背を~ バラ色にぃ~・・・・♪」
「 ああ、もう、終わりまで聞くしかないあるね・・・。」

お頭ブラックの歌声と共に海賊たちはどんどん通路を進んで行きました。




なんじゃもんじゃ物語180

“ ピ~、ピッ、ピ~。”

H1号のスピーカーから怪しい音がしています。
なんじゃ殿様がH1号に聞きました。

「 H1号、変な音がしてるよ?
どうかしたの?」
「 ウウウ・・・。
集音マイクノ プラグヲ、急イデ抜クノダ。
コノママ歌ヲ聞イテイルト、回線ガ、ショートスル。」
「 あはは、じゃあ、抜いてやるよ。」
「 進行方向ハ、スピーカーカラ教エテヤル。
トニカク、雑音ヲ遮断スルノダ。
歌ガ終ワッタラ、マタ、マイクヲ繋ゲ。」
「 OK、分かったよ。」

なんじゃ殿様がマイクプラグを抜いて、H1号はホッとしました。
担架の上の らめちゃんが、体をよじって言いました。

「 らめちゃん、お腹、ぴ~ぴ~になりそうや・・。」

エッチソンが答えました。

「 我慢、我慢でっせぇ~。」

お頭ブラックの歌声を通路に響かせながら、海賊たちは倉庫の前の通路を突き当りまで行きました。
H1号が言いました。

「 右!」

海賊たちは、右に曲がってどんどん進みます。
お頭ブラックは軽いステップで前進し、踊りながら歌います。

「 椰子の並木路~ ホワイトホテルゥ~♪
ああ~、あこがれぇ~の ハワイこぉろぉ~♪
よしっ、三番まで歌ったぞ!
こらっ、拍手、拍手!!」

“ パチ、パチ、パチ。”

「 こらっ、もっと盛大に!!」

“ パチパチパチ、パチパチパチ、パチパチパチ、パチパチパチ!!”

「 むふふふふふふ。
う~ん、すっきりした。
今日は、絶好調だぞ!
よし、もう、一曲聞かせてやるからな!」




なんじゃもんじゃ物語181

エッチソンが言いました。

「 お頭、お頭、あまり大きな声で歌うと職員が起きてきまっせ!」
「 お、そう言えばそうだな。」
「 船に帰ってからにしてくれまへんか。」
「 う~ん、仕方が無い、そうするか。」

様子を窺っていたH1号が、なんじゃ殿様に言いました。

「 終ワッタヨウナ気ガスル
マイクプラグヲ、入レロ。」

なんじゃ殿様は、マイクプラグを再度差し込みました。
エッチソンが、お頭ブラックに聞きました。

「 ところで、ベンケーは、どうしてまっしゃろな?」
「 お、そうだ、そうだ。
ベンケーを忘れていた!」

お頭ブラックが、らめちゃんに言いました。

「 おい、らめちゃん、ベンケーと合流するのはどの辺だ?」
「 玄関辺りで会うと思うで。」
「 もう、悪霊は片付いたのかな?」

その時、お頭ブラックの携帯が鳴りました。

“ たらった、らった、らった、ウサギのダンスぅ~♪”

「 あっ、ノゾーキからの連絡だ。」




なんじゃもんじゃ物語182

お頭ブラックは、歩きながら携帯を取り出しました。

「 おい、ノゾーキ、何をやっていたのだ。」
「 ああ、お頭、ベンケーと悪霊の戦いの実況中継をカップラーメンを食べながら見ていたんですよ。
いや~、凄かったなァ。
ベンケー格好良かったですよ。
月の精霊ちゃんも可愛かったし。
アクション映画そのものですよ。
今、終わりました。
勝ちましたよ。
悪霊、逃げて行きました。
精霊たちは帰りましたし、ベンケーは何処に行ったらいいのか分からないので、取り敢えず玄関の方へ行ったようです。」
「 そうか、分かった。
H1号、玄関に急げ!」
「 ワカッタ。」

H1号の指示する方向に、海賊たちは なんじゃ殿様を先頭に、通路を右に左に走りました。
そして、走るに従って通路が広くなってきて、やがて玄関が見えました。
なんじゃ殿様が言いました。

「 玄関だ!」

お頭ブラックが言いました。

「 よし、脱出だ!」

海賊たちは、通路に倒れている警備員をピョンピョン飛び越して、玄関から飛び出しました。


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