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松尾山麓を歩く2 月読神社

2021年03月07日 | 洛中洛外聖地巡礼記

 松尾大社より退出する際に、レイコさんが鳥居に懸けられている縄から下げられている植物を見上げて少し考えていましたが、やがて指さしながら、「あれって榊?・・・榊ですよね?」と問いかけてきました。

 

 流石は社寺巡りのベテランです。榊で正解でした。御覧の説明文の通りです。「月々の農作物の出来ぐあいを占った」とありますが、これは榊の枯れ方によって、月々の農作物の出来を占ったということです。榊が完全に枯れると豊作で、一部が枯れ残ると不作なのだそうです。

 

 松尾大社から南へ約400メートル歩いて、上図の月読神社に行きました。「松尾七社」の一社とされ、現在は松尾大社摂社となっている、かつての延喜式内社(名神大社)です。

 

 境内の概要は御覧の通りです。

 

 レイコさんが「祭神のツクヨミ命は貴い三柱神の一人ですよね」と言いました。その通り、ツクヨミはアマテラス、スサノオと並ぶ兄弟神で、いずれもイザナギが禊を行なった際に生まれた神です。そしてイザナギは、アマテラスは高天原を、ツクヨミは夜の国を、スサノオは海原を支配せよと命ずるのです。
 そしてツクヨミの神名は、月齢つまり暦を読むという意味であり、農耕と漁労の神様として祀られます。

 

 説明文を読むと、ツクヨミ神はもとは壱岐にて海上神として祀られた旨が述べられます。ああ、そうだったのか、だから出雲にも月読神社があったんだ、と納得しました。

 20代の後半、平成6年から7年にかけて長期出向で一年半ほど島根県松江市に住んでいた頃に、出雲市の日御碕神社に二度ほどお詣りした事があります。二度目の参拝のときに、当時の職場の同僚が「ついでに月読神社も拝んでいこう」と誘ってくれたのですが、「すぐ近くだ」と言いつつも山の中を約500メートル余りも登らされ、山の上の小さな祠に導かれて「これがツクヨミの・・・?」と拍子抜けした思い出があります。

 その話をレイコさんにしたところ、何が面白かったのか、ケラケラ笑っていました。

 

 拝殿です。月読神社の諸建築はいずれも近世の再建で、文化財に指定される古建築はありません。が、境内地は斉衡三年(856)の松尾山麓遷座以来の位置を保っており、平成五年に京都市の史跡に指定されています。

 

 本殿です。近世の再建ですが、規模および位置は昔のまま保たれているようです。その歴史の古さは、松尾大社の神像館に所蔵展示されている国重要文化財の平安期九世紀の作とされる神像3躯のうちの「壮年男神像」が月読尊と伝えられる点にも示されます。さらに女神像1躯が伝わっており、いまは絶えて知られない女神を祀る摂社がかつて存在していたもののようです。

 これらの神像遺品は、レイコさんも私も松尾大社神像館で見ているので、ああ、あの像だね、と話しもスムーズに進みました。松尾大社神像館の神像紹介ページはこちら。  (続く)

 


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