甲斐常葉駅から旧下部中学校までの道は、「ゆるキャン△」では本栖高校への通学路として登場します。景色も大半はそのまま再現されていますから、聖地のなかの聖地と言えます。5人の主要キャラクターが同じ学校の生徒として活動し、この道を毎日歩いていたのであれば、ファンとしては必ず歩いてみたいと思うわけです。
ですが、初めて現地にやってきた方の多くは、地理に詳しくありませんから、本栖高校のモデル地はどこだろうかと探し回るケースも少なくないようです。
私自身は、甲府の歴史団体に参加していた時期に、一度ここに来たことがあります。当時はまだ西八代郡下部町で、いまは無き役場の建物もありましたし、そこの教育委員会担当者を訪ねて当地の歴史について教えて貰ったりしていたのは、前に述べた通りです。
それでも、2018年3月に初の「ゆるキャン△」聖地巡礼でここに来た時は、一度道に迷いました。劇中に登場する本栖高校への通学路は、実際には旧下部小および中学校への裏道ルートにあたり、小学校の正門に向かうルートが表道にあたるからです。かつての役場の角を曲がって丘に向かう道であり、私も記憶のままにそちらへ行ってしまったのです。
なので、このような方角および距離の案内板がコースに沿って掲示してあるというのは、本当に有り難いことだと思います。3月巡礼時にはまだ無かったので、4月ぐらいに設けたのでしょう。
甲斐常葉駅前の広場に着き、駐車場に車を停めて徒歩に移りました。車で移動しながらの表示板探しは難しかったし、交通安全の面では危なかったからです。
甲斐常葉駅です。3月の巡礼時には身延線の列車でここに降りました。
駅舎の隣のトイレの壁に貼ってある表示板です。これが、おそらくは巡礼ルートの最初の表示だろうと思いましたが、次の5月のマイカー巡礼時に、さらに外側にもう一ヶ所あることを常幸院の深山住職に教えていただきました。この「ゆるキャン△」表示は、全部で15ヶ所に設置されているそうです。
常葉川の橋より、本栖高校の方角を見ました。
橋のたもとの理容店にも、案内表示が貼られてありました。本栖高校までの距離が740メートルとあります。
橋を渡ったところの店舗の窓にもありました。
劇中に登場した景色の一つです。上画像には写っていませんが、右に下部薬局があります。その駐車場入り口脇にも、案内表示板が設けられています。上図にも小さく写っていますが、お分かりでしょうか。この表示板は、近づいて撮影するのを忘れました。
その後、下部薬局で水とドリンク剤を買い、駅前駐車場へ引き返して車に乗りました。
次の訪問地は、上図の波高島駅でした。御覧の通り、ここも無人駅です。
内船駅や甲斐常葉駅と同じく、改札もありませんから、ホームへも自由に立ち入り出来ます。
既視感バッチリの駅名標です。
劇中では反対側の面が登場しています。所在地の表記だけがなぜか消えていますが・・・。右のオレンジ色の棒は、安全確認用ミラーの支柱です。
その安全確認用ミラーに、自身の姿が写っているので、そのまま撮りました。
さらに記念の自撮りをやりました。とにかく楽しい、聖地に来られて嬉しい、という状態でしたから、どうしても笑ってしまいます。自分でも、笑顔で写真におさまるというのは余り無かっただけに、本当にアニメ聖地巡礼というのは面白くて最高だなあ、と改めて思いました。
駅前の広場の一角には、現地の波高島の地名の説明版がありました。もとは畑ヶ島と呼ばれていたのが訛った結果とされ、江戸期には既に波高島の表記が定着していたそうです。
中世戦国期の頃、富士川流域のエリアにおいては、各地にある村落の多くに「島」の名が付きました。川に面した特定の地域を指す場合もあって、いわゆる地域称として使われていたようです。なので、現在でも甲斐大島、西嶋、というように、島の字がつく地名が少なくありません。 (続く)