気分はガルパン、ゆるキャン△

「パンツァー・リート」の次は「SHINY DAYS」や「ふゆびより」を聴いて元気を貰います

知波単学園 特二式内火艇カミ 作ります!! その1

2020年06月10日 | ガルパン模型制作記

 ガルパンのアニメにおける初の水陸両用車輌として、最終章第2話において登場した知波単学園チームの特二式内火艇カミは、劇場版にて同チームの戦車隊が見せた水中での戦闘行動を鮮やかに再現してくれました。

 その劇的なデビューぶりに、知波単学園推しの方々はもちろん、多くのガルパンファンが魅せられて虜になった、とされています。既に劇場版公開後に出された「戦車のよこみち」のビジュアル画でも特二式内火艇カミが西絹代と共に出ており、知波単学園チームがこれを保有している事は公式発の既知事項でありましたが、アニメにて動いているのを見せつけられると、やっぱり感動せずにはいられない、ということだったでしょう。

 

 池の中から大洗女子学園チームに奇襲をかけ、反撃を受けるも鮮やかに転舵回避して応戦するその姿は、同チームの九七式中戦車が劇場版にて見せた水辺での動きとは違いました。

 もともと実車は帝国海軍にて艦艇に分類された内火艇であり、水上での行動力に長けていますが、その実力がアニメでも如実に発揮されていました。滑らかに水上を遊弋して砲撃も速やかにこなし、海軍の小型武装艇ばりの活躍をみせてくれました。

 

 最終章第2話において登場した知波単学園チームの特二式内火艇カミは2隻でした。大洗女子学園との対戦試合にて、場所を密林内へと移して2隻とも上図のように陸にあがり、以後は車輌としての動きを見せてくれました。

 このうち、前後のフロートを付けたままの上図の1隻が、モデルグラフィックス2019年9月号52ページ以下の公式設定資料図の塗装パターンを示していました。今回の製作では、外見をこの1隻に合わせることにしました。

 

 そしてもう1隻は、大洗女子学園チームとの接触において一度跳ね飛ばされて前部フロートが外れ、以後の行動を上図の状態にて進めていました。

 おかげで前部フロートを外した状態での車体の塗装パターンがよく分かりますが、よく見ますと、モデルグラフィックス2019年9月号52ページ以下の公式設定資料図の塗装パターンとは異なります。展望塔の白波塗装などが違います。

 

 この1隻を指揮する西原も、最終章第2話で初めて登場し、カミと共に人気を集めました。帝国陸軍ばりのキャラクターが多数を占める知波単学園チームにおいては、無口で冷静沈着な帝国海軍兵士のスタンスで描かれており、そのことも人気の一因であるようです。

 試合そのものは、第3話に続きが描かれますので、西原率いるカミの見せ場もまだあるのかもしれません。西原が繰り広げるであろう、彼女なりの「戦車道」を楽しみにして待ちましょう。

 

 プラッツ発の公式キットです。元製品はドラゴンのキットで、特二式内火艇カミのプラモデル製品としては唯一の存在で、1/35の他に1/72スケールもありますが、従来はあまり人気が無かったのか、ネット上でも作品を見る事が稀でした。
 それどころか、ガルパンの劇中車の再現作例も、未だにあまり見かけません。組み立てはそんなに難しくありませんから、やはり塗装の大変さがネックになっているのかな、と思います。

 このキットの製作に関しては、帝国海軍特別陸戦隊の一員としてパラオ方面にて特二式内火艇カミに艇長として乗務し、幾多の激戦を経験された、もと海軍少尉のSさんの御協力をいただきました。
 Sさんには、平成4年の戦跡巡拝、遺骨収集事業にてパラオ諸島に行った際に初めてお会いし、祖父の知り合いだったという縁にて、今まで色々とお世話になりました。第一機動艦隊の空母「葛城」の機関将校として戦後の復員輸送事業にも従事された方ですが、「葛城」に転じる前はパラオ方面の特別陸戦隊の一部として特二式内火艇カミに乗っていたそうです。

 それで、ガルパン最終章第2話の視聴にお誘いして、躍動たるカミの勇姿を御覧いただいたこともありましたが、それを契機として、それまで一切語らなかったカミの昔話を少しずつ聞かせてくれるようになりました。
 その延長上にて、今回のカミの製作に際して助言、指導などを積極的にいただける運びとなり、キットには無いインテリアのほうも再現が可能となりました。キットの組み立て前のチェックから多岐にわたり詳細なアドバイスをいただきました。
 さらに、知り合いの元呉海軍工廠の塗装工だった方を紹介いただき、カミの劇中車の塗装カラーに関する詳しい見解および助言を頂戴するという、有り難い機会にも恵まれました。

 なので、今回の製作は、初めから終わりまで、全てが特例づくめであったのだろうと思います。そのレポートは、Sさんをはじめとする帝国海軍関係者の、カミに関する貴重な証言記録にもなりますので、文章は全て事前に査読していただき、間違いは全て指摘して貰って訂正しました。既に述べた「知波単学園チーム特二式内火艇カミに関する裏話」全5編とあわせてお読みいただければ、と存じます。

 

 中身です。組み立てに先立ち、キットをSさん宅に持参して一度ご覧いただきました。舞鶴海軍機関学校出の機関将校にしてカミの艇長さんですから、細部の隅々まで知り尽くしておられます。パーツの一つ一つを見て、何も見ずに即座に位置と機能を説明してくれました。

 Sさんも昔はプラモデルに親しんだそうですが、カミのキットがドラゴンから出ている事は知らなかったらしく、初めて公式キットを見た瞬間には感動の嵐に包まれていたようです。どうぞ開けて下さい、と私が箱を座卓の上に置いた瞬間、背筋を正して軽く一礼し、それから暫く箱を見つめ、「いい時代になったものですな・・・」と呟かれました。

 その後、中身を広げてパーツのチェックを行いましたが、Sさんは嬉しそうにパーツを手にする度に「うん、うん」と懐かしそうに、そして楽しそうに話しだすのでした。
 ですが、そのうちに、「どうも、艇内の部品が足りないようですな・・・」と指摘してきたので、これはインテリアキットではない旨を説明すると、少しガッカリされた表情になりました。
 それを見てなんだか気の毒になってしまい、「艇内も作ろうと思えば作れます。でも資料とか写真がありませんので、どうやって作ればいいか分かりませんけど・・・」と続けたところ、「ああ、それなら大丈夫、私がよう知っとります。今でも隅々まで覚えております」と応じられました。

 それが契機となってカミのインテリアも製作する事になったわけでした。上図の右手前にみえる下部車体パーツの内部に鉛筆でトレースがなされていますが、これもSさんが艇内の主な構成物の配置を書きこんで下さったものです。

 

 組み立てガイドです。プラッツ公式キットの例にもれず表紙は例のコミック風となっていますが、Sさんは初めて見て驚いたようで、「最近のプラモデルにはマンガも入っとるのですか・・・」と半ば感心したような、半ば呆れたような口調でポツリともらしておられました。

 

 ステップ1です。足回りをはじめとする車体内外の各部品をあらかじめ組み立てておきます。全てガイドの指示通りに進めます。
 今回の製作では、外見はモデルグラフィックス2019年9月号52ページ以下の公式設定資料図の劇中車に仕上げますが、内部はSさんが乗り組んだ帝国海軍特別陸戦隊パラオ方面根拠地隊のカミの状態にて再現することになっていたため、外回りのパーツと、インテリアのパーツとは分けて組み立て、保管しました。

 

 それぞれのパーツにまとめて並べました。

 

 組み上がりました。右手前より誘導輪、起動輪、背面の連結器ハンドル、燃料タンク。左手前よりスクリュー、左右乗降ハッチ。

 Sさんによれば、左右乗降ハッチの開閉軸D15およびD16、開閉レバーD20およびD21は、ガイドの指示通りに組むと閉鎖時の状態になるそうです。ハッチ開放時は開閉レバーD20およびD21の角度が90度になり、開閉軸D15およびD16の軸部も45度回転して上に向くのだそうです。
 私の製作ではハッチを閉じた状態にしますから問題ありませんが、ジオラマなどでハッチを開けた状態にする場合は、D15およびD16、D20およびD21の改造が必須となります。

 

 さらに続きを行ないました。

 

 組み上がりました。左はボギーユニット転輪、右は手前より上部支持転輪、前部と後部上面の連結器ハンドル、排気管、です。  (続く)

 


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