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知波単学園 特二式内火艇カミ 作ります!! その12

2020年07月02日 | ガルパン模型制作記

 塗装作業に入りました。インテリアは筆塗りでの塗装が大体終わっていましたので、今度は外装の塗装をエアブラシで行いました。まずはサーフェイサーを薄く吹き、次いで内粧色と同じ明灰白色を薄く吹き重ねました。

 

 本塗装にあたっては、Sさんの知人である、もと呉海軍工廠の塗装工員であったKさんを紹介いただき、そのアドバイスに従って進めました。
 Kさんは、最初は大阪の藤永田造船所で働き、腕を見込まれて海軍の臨時艦船建造部にスカウトされ、その後呉海軍工廠に移り、太平洋戦争前の昭和15年から昭和20年の終戦までずっと軍艦、艦艇の艤装工事部門にて塗粧工程を受け持った方です。大戦末期の迷彩塗粧の多くに従事し、戦艦「榛名」、航空戦艦「伊勢」、空母「雲龍」「天城」「葛城」、重巡「青葉」などの迷彩に関わってこられました。

 Sさんの自宅にて、Kさんにお会いし、ガルパン最終章第2話のカミのキャプチャー画とモデルグラフイックスの公式設定資料をお見せしたうえで、第2話のDVDにてカミの場面も御覧いただいて、劇中車のカラーに関しての見解を伺いました。最初に私が「どう見ても、いわゆる外舷21号色とはちょっと違うように思います」と述べたところ、Kさんは微笑して大きく頷かれました。

「仰る通りです。21号色とは違います。これは呉工廠の指定塗粧7号と呼ばれる色です。現場では「17号」と呼んでましたな・・・。空母の雲龍や葛城の外装に使用しましたが、確かこれは天城に使用した21号色が不足したので、それに準ずる色を使うことになり、当時備蓄量がもっとも多かった17号色をまわして使用したのです。21号色よりも濃い青緑です。艦上機の上面色と良く似た色ですが・・・」

 そして、当時の作業で色見本として使用した顔料の資料を見せて下さいました。パッとみると海軍の艦上機の後期上面塗装色に似ていますが、青緑色というより濃い緑色という感じでした。外舷21号色が17号色よりも明るいカラーであることも理解出来ました。
 参考までにミスターカラーの塗料も持参したので、17号色の再現をKさんにお願いしたところ、快く応じて下さいました。604番の外舷21号色をまずパレットに移し、これに5番のブルーを数滴垂らして混ぜ、次いで16番の濃緑色を少しずつ加えつつ、混ぜて色合いを確かめておられました。量的に604番の10に対して5番が2、16番が5ぐらいの割合で塗料を混ぜた時点で「この色です」と示されました。
 こうして、呉海軍工廠のベテラン塗装工員だった方がみずから調色くださった、現在では間違いなく唯一の「17号色」が、あらかじめ用意した空瓶に詰め込まれました。ほぼ1本分の量でしたので、塗装には充分でした。

 

 Kさんお手製の呉工廠指定塗粧7号、通称「17号色」で吹き付け塗装した状態です。ほぼ劇中車のカラーです。この色と外舷22号色の組み合わせが空母の雲龍や葛城の対潜迷彩の基本カラーであったのだそうです。

 

 最初に準備したミスターカラーの基本3色です。左より605番の外舷22号色、42番のマガホニー、604番の外舷21号色です。Kさんの教示によれば、劇中車の前部フロートの帯状迷彩はほぼ外舷22号色で合うけれど、車体後部帯状迷彩および艇前部底面の色はマガホニーよりも522番の土地色のほうが良いとのことでした。土地色は、実際に空母「天城」や「葛城」の飛行甲板の対空迷彩に使用されたカラーだそうです。

 

 帯状迷彩は、上図のようにマスキングテープを貼って外舷22号色を筆塗りすることにしました。Kさんの話によれば、呉工廠では多くの塗装作業がペンキによるもので、スプレー式塗装は資材の不足と備蓄量の少なさのために一部にとどめられていた、との事でした。大型艦の塗粧でもモップにペンキをふくませてゴシゴシこする要領で塗ったそうなので、戦時戦後の写真で見ると塗りムラが目立つのも分かる気がします。

 なので、今回のキットの塗装は、「17号色」以外は全て筆塗りで進めました。ペンキをゴシゴシ塗りつけた感を少しでも出せれば、と思ったからです。

 

 思ったよりも楽に塗れて、一発で御覧のように仕上がりました。筆塗りは丁寧に慎重に細部もきちんと塗れますので、エアブラシよりもきっちりと仕上がるように思います。

 

 前部フロートの帯状迷彩と車体のそれをきちんと合わせることが出来ました。

 

 続いて砲塔やエンジンデッキ周りの帯状迷彩をなすべく、マスキングテープを貼りめぐらせました。公式設定図などを見ながら一枚一枚、丁寧に貼りました。地味だが大変な作業でした。

 

 Kさん推奨の522番土地色で筆塗りしました。通風筒および展望塔のトップは62番のつや消し白で塗りました。側面の波模様も同じカラーになります。

 

 迷彩塗装が完了しました。マスキングに手間がかかるので、一日に一色ずつ塗りました。

 

 展望塔と通風筒を外した状態です。

 

 車体左側面の波模様を塗りました。左右で模様が異なりますので、細部まで丁寧に塗りました。

 

 車体右側面の波模様を塗りました。左側面よりも白波が太いのが特徴で、つまりは右舷側の波しぶきが多めに表現されています。Sさんの証言にあった「転舵は面舵が多かった」「面舵のほうが効きが早かった」等の内容にも合うのだな、と思います。

 

 艇の底面はこのように塗りました。土地色は前部フロート底面が大部分を占めます。  (続く)

 


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