宿の民宿「嵐山」に着いたのは18時過ぎでした。朝の5時台からずっと動き回り、北白川マクドナルドで朝食はとったものの、東洋亭での昼食は満席行列で見送り、嵐電での移動中にパンとコーヒーを軽く食べたのみで、その後も嵐山エリアを歩き回るという、滅多に無いハードスケジュールでした。
にもかかわらず、予定から外したのは岩田山モンキーパークのみで、あとは計画表に列記した順に全部回りました。普通、こういうのは六割方達成出来れば御の字ですが、今回はナガシマさんのテンションの高さと至福の表情に支えられたおかげで、九割以上の達成率となりました。
ナガシマさん、どうもお疲れさまでした。
民宿「嵐山」の玄関に向かうナガシマさん。嵐電の「嵐電嵯峨」駅から徒歩3分、住宅地内にある落ち着いた和風数寄屋造りの旅館です。ホシノは昔、京都造形芸術大学の仲間たちと嵐山に地理学フィールドワークに出かけた際に、ここに一度お世話になっております。
劇中にも登場する聖地の一つでありますので、計画段階でナガシマさんに紹介しておいたところ、気に入ったのか、ナガシマさんはすぐに予約をしてくれました。
最初は素泊まりで予約したそうですが、到着時にナガシマさんが朝食付きに変更しました。嵐山地区はあまり外食出来る場所が無く、喫茶店すら無いためにモーニングもなかなかとれませんので゛、この変更は正解でした。
部屋に落ち着いて、ちょっと休みましょう、となるや否や、ナガシマさんは「けいおん」ファンモード全開となりました。持参したフィグマのHTTを楽しそうにバッグから取り出して組み立て始めたのでした。私もねんどろいどのHTTを持参していましたが、組み立てる手間が要りませんので、幸せそうにフィグマを組み上げるナガシマさんの手先をしばらく眺めていました。
「けいおん」に関する事柄となると、全く疲れを知らない人だなあ、と感心したのは言うまでもありませんでした。
上図は、フィグマ組み立ての最中にナガシマさんが見せて並べてくれたHTTの楽器です。私はフィグマを持っていませんので、その付属品の楽器パーツを間近で見るのは初めてでした。この機会に撮影させていただきました。
ナガシマさんが最も贔屓にしている秋山澪のベースです。 フェンダージャパン発のJB62レフトハンド仕様です。色もちゃんとサンバーストで表されています。秋山澪のフィギュアは各メーカーから大小様々なものが出ていますが、そのベースも作りや出来は様々です。それらのなかで、上図の品は割合に再現度が高いと思います。
平沢唯のギターです。ギブソンのレスポールスタンダードで、カラーはヘリテージ・チェリー・サンバーストです。この微妙なグラデーションの配色が、見栄え的には映えますので、センターにてボーカルも務める唯にはピッタリではないか、と思います。
中野梓のギターです。フェンダージャパンのムスタングMG69です。カラーはキャンディアップルレッドです。個人的には最も親しみがあります。何度も実物を身近に見ているからです。
模型サークルで交流のあるモケジョさんが「けいおん」の中野梓のファンで、高校および大学で軽音部に属し、中野梓と全く同じギターを所有し、今でも弾いています。「けいおん」放送時には現役高校生で、楽曲は大部分が弾けるといい、模型サークルの定期会合でも演奏を披露してくれました。
平沢憂のギターです。フェンダージャパンのストラトキャスターで、指板がメイプルなのでST57です。これはフィグマ付属品ではなく、ナガシマさんが食玩「ギターMONO」の同型品に着色改造したものです。もちろん、世界に一つしか無い改造オリジナル品です。サイズもフィグマと同じです。
ナガシマさんの娘さんが、これの実物(指板の色のみ異なる)を持っているため、改造再現は容易だったようです。
これまたナガシマさんの手作りのオリジナル品です。マイクスタンドです。マイクはワイヤレスタイプを再現してあり、アーム部は伸縮自在、角度も自由に変えられます。ブラパーツセットのジョイントやブラ棒などを組み合わせて作ったそうで、模型にも造詣が深いナガシマさんならばでの作品です。これがHTTの人数分揃えてありました。
琴吹紬のキーボードです。コルグのTRITON Extreme76鍵タイプです。数あるトライトンシリーズの中でも異色の存在で、真空管がはめこまれているのが特徴です。その青色の発光色が幻想的だと話題になりましたが、製品としては短命に終わったため、現在では希少となっています。
残るは、田井中律のドラムですが、まだナガシマさんが組み立て中でした。部品が多いので解体も組み立ても一番手間がかかるのだそうです。
上図の右側に見えるように、ヤマハのHipgigで、カラーはメローイエローです。シンバルはジルジャンです。小型で分割がききますので持ち運びも楽だそうですが、それでもギターやキーボードに比べたら扱いが大変なのは、フィグマのパーツをみていても分かります。
とにかく楽しそうに組み立てているナガシマさんでした。完全な「けいおん」モードでしたので、ここは本当に嵐山かな?・・・ガルパンはもう完全に忘れちゃった?・・・と訊いてみたくもなりました。 (続く)