カノウヤでの展示準備作業がひとまず終わりましたので、梅原屋へ移動してガルパンモデラー仲間のNさんと会い、最新の作品である「黒森峰女学園エレファント」を見せていただきました。普段は店内コーナーに展示していないため、わざわざ持参して下さったものです。
エレファントは、私自身も以前にタミヤのキットで劇中車再現を試みていますが、今回のNさんの作品はフルインテリアキットです。アミュージングホビーから発売されているフェルディナントのフルインテリアキット(商品番号AMH35A030)を使用し、史実に沿ってエレファントに改造したという、憎い程にエレガントな作品です。
まず驚かされたのが、この重厚な面構えとメリハリのあるボルトの表現です。アバディーン戦車博物館の現存車輌をそのまま写し取ったかのような姿です。アミュージングホビーさんのリサーチが非常に丁寧であることがうかがえます。
これを見て、タミヤキットの表現はおとなしめなのだな、と悟りました。なんといいますか、全体的に立体感が薄いのです。
フルインテリアキットですから、車内を見られないと話しになりません。Nさんのお家芸とも言える「インテリア表示」のための外郭分割の技が光ります。上図のように天板は、実車と同じ天板の形に外せるようになっています。中央のベンチレーターの向きも忘れずに劇中車に合わせてあるところは流石です。
天板の裏側、つまり車内側を見たところです。ペリスコープ、ベンチレーターのモーター、キューボラのハッチ内側などもしっかりと色分けされて作り込んであります。キューボラはフェルディナントにはありませんから、エレファントのキットのパーツを持ってきて実車通りの改造で取り付けているわけです。
戦闘室の四面装甲のうち、背面と左側面部が繋がってL字形のパーツとして外せるようになっています。残りの二面は車体に接着固定されていますから、上図の二面部分を外すことで内部を見られるようになっています。
背面の円形ハッチの内側も見られます。ハッチ中央の丸い小ハッチは、丸山紗希言うところの「薬莢、捨てるとこ」です。
側壁のラックに固定された88ミリ砲弾が決まっています。黄色の砲弾はSprgr.L/45榴弾、黒い砲弾はPzgr.39尖頭被帽徹甲弾のようです。白い砲弾は何だろう・・・、HIGr.39成形炸薬弾だったかな・・・?
こちらが戦闘室内部です。前面と右側面の装甲は固定されており、右側壁にも砲弾が収納されています。71口径8.8cm対戦車砲PaK43/2の尾部も各部品ごとに綺麗に色分けされて精密感を高めています。
エレファントの戦闘室内はけっこう広そうにと思えますが、実際には砲弾50発が左右に並んでいるので窮屈だった筈です。
続いて車体前部の天板も外されました。前面装甲部分と一体になっています。
車体前部の天板を内側から見ました。前面の増加装甲が内側からボルト留めされている様子がよく分かります。左が操縦席部分にあたり、天板にペリスコープが三方向に付けられています。右は銃手席部分にあたります。
右側の銃手が扱う7.92mm機関銃MG34も精巧に再現されています。フェルディナントからエレファントに改造された際の追加武装がこれです。
Nさんに確認するのを忘れましたが、フェルディナントからエレファントに改造した際に色々と追加された箇所のパーツは、フェルディナントの元キットには含まれていないはずなので、エレファントのキットから転用したのだろう、と思います。 (続く)