ステップ8からは砲塔の組み立てです。ガイドの指示通りに進めます。
細かいパーツが多いので、飛ばしたり無くしたりしないように注意して作業を進めました。
組み上がりました。上図では背面ハッチのC23を取り付けていませんが、後で接着固定しました。このハッチの機能をSさんに尋ねたところ、後方監視用のビジョンスリットがついているものの、通常は開け放して換気に使っていたとの事でした。戦闘中はこのハッチから主砲射撃後の空薬莢を排出したりしたそうです。
ちなみにSさんの艇は、以前の記事で述べたように、パラオでの任務期間中に37ミリ主砲を25ミリ単装機銃に換装しています。37ミリ砲の砲弾を使い果たしたのと、戦訓による対空武装強化の指示が出ていたためでした。その25ミリ単装機銃は37ミリ砲よりも銃身が長いため、砲塔内にはおさまらず、背面ハッチ部分を取り外して一回り大きくカットしたうえで、銃尾を背後に突き出していたそうです。
射撃時の弾倉交換は上から行うので、左右の乗降用ハッチから弾薬箱を上に上げて砲塔の脇で装填を行なっていたそうです。そのために、砲塔の側面に予備弾倉が4個入るラックを設け、左右後方に臨時のステップを取り付けて、装填手はその上に立って弾倉を抱えて装填したそうです。そのため、15発入りの弾倉を5個続けて装填出来、連続で75発を撃てたそうです。その弾幕で敵機を捉えて撃墜し、敵潜の襲撃にも素早く応戦出来たそうです。
ステップ9では37ミリ砲を組み立てて砲塔にセットします。ガイドの指示通りに進めます。
今回の製作では劇中車に仕上げますので、37ミリ砲の横に同軸機銃の7.7ミリがつきます。
Sさんの艇では37ミリ主砲を25ミリ単装機銃に換装する際に同軸機銃の7.7ミリも撤去し、銃本体は予備として艇内に収納したそうです。25ミリ単装機銃本体はかなり大きいため、37ミリ砲も7.7ミリ機銃も外さないとおさまらなかったのだそうです。
機会があれば、カミをもう1輌作って、Sさんの艇のように武装を25ミリ単装機銃に換えた状態に仕上げてみたいです。
組み上がりました。この主砲と機銃を、艇長または銃手が一人で操っていたそうです。砲塔内の空間には一人しか入れないからです。25ミリ単装機銃に換えても同様だったそうですが、弾倉装填のためにもう一人必要となっています。
ドンドン組み立ててゆきました。
組み上がりました。天板の折り畳み式ハッチは開閉自在とするために接着していません。
ステップ10では砲塔内部の各所を組み立てます。ガイドの指示通りに進めます。
組み付けるパーツ群です。実車と同じ状態に再現出来ます。
最初は塗装しながら組み立てる積りでしたが、細部の塗り分けがあまり要らないため、組み上げてからの塗装に切り替えました。
組み上がりました。細部も全て忠実に再現されています。省略されている箇所があるかどうかをSさんに訊ねたところ、しばらく手にとって見て、砲塔を頭上に掲げて下から仰ぎ見て、しばらく無言のままでしたが、やがて小声で「・・・この大きさですから細かいところははしょってるかもしれんと思いましたけれどね・・・、いや、もう、これは本物と変わりません・・・、実に見事なプラモデルですな・・・」と呟かれました。
このドラゴンのカミのキットが、帝国海軍のカミ艇長だった方のお墨付きをいただいた瞬間でした。 (続く)