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ガルパンの聖地 ・ 大洗を行く32 その7 「梅原屋のBT-42です!!」

2019年09月19日 | 大洗巡礼記

 梅原屋に戻りました。店内にあった聖グロバッグの試作見本品を見ていると、まもなくNさんも到着しました。早速、ガルパンプラモデルの新作品について、概要や詳細、製作時のポイントなどを色々うかがいました。

 

 今回の訪問時に私が初めて見た新作品は3つありました。一つはこの継続高校BT-42でした。ダイソーのディスプレイケースをベースに使用し、そのままクリアボックスをかぶせて保護出来るように仕上げてあります。

 御覧のように、フルインテリアで、車体前面と砲塔内部の空間が見えるように外板を大きく開いてあります。道路脇の路傍縁石をまたいでの不安定な姿勢をとることで車体を前掲させ、外板の前面、砲塔上面、砲塔左側面部などの展開部分かよく見えるようになっています。

 Nさんによれば、「ドリフの爆破オチのように、被弾して内部があらわになるカンジで」、メカ全部を見せながら動きのある構成にしたそうです。
 確かに、被弾して外板がめくれあがった瞬間のように見えなくもないですが、それよりも大きく外板が開かれて、内部が隅々まで見えるように作りこんでありますので、「とことん見せる」という強い意識が感じられます。

 

 内部には、もちろんあのトリオがそれぞれの配置におさまって、彼女たちのあくなき戦車道を追い続けています。ミカはしっかりカンテレを弾いており、その音色が聴こえてくるかのようです。

 砲塔内部も細部まで作りこんで再現してあります。キット自体はタミヤ製品で、製作に際してボイジャー製エッチングパーツを導入、またカステンの可動履帯パーツ、パッションの金属砲身も準備し、インテリアのドナーとしてAFVクラブのT34/76を用意していますが、それ以上にブラ板等による自作のパーツ群が多いそうです。砲の取り付け桁、弾薬ケースラック、無線機とラック、ドラムマガジンラックなどがそうです。
 また、天井や壁面の配管はブラ棒で再現し、末端はアルミテープ巻き仕上げです。弾薬ケースは4ミリのプラパイプで作り、ラッチなどをエッチングで再現しています。スプリング類は0.3ミリの針金巻きによるものです。

 

 上図ではちょっと分かりにくいかもしれませんが、側面の視察窓内側の諸部品をブラ板やジャンクパーツやエッチングパーツで作りこみ、各部ピストルポートの裏側のカンヌキ部も再現、エッチングで鎖も付けています。ペリスコープは全てクリアパーツを使用しています。

 ここで視線を右外に移すと、車体側面のボックス群は全てボイジャー製エッチングパーツに置き換えられており、全て開閉自在になっています。左側後部のバッテリーボックスも、御覧のように蓋が開かれており、中のバッテリーも再現されています。ただし、バッテリー本体はT34/76用のパーツを転用したそうです。

 

 エンジンルームも完全に再現されています。写真を撮り忘れましたが、点検ハッチ部だけでなくフード全体も外せるようになっています。
 内部のエンジン本体はBT-42用のパーツが存在しませんから、ブロンコモデルのSU152の製作時の余りアッセンブリを流用したそうで、シリンダー上部のみ再現し、外装に合わせてフィルターボックスを補完しています。換気グリルの開閉レバーもしっかり再現しています。
 さらに、Nさん独自の遊びなのでしょうが、劇中車には存在しないジャッキ本体が装備されています。

 

 反対側から見ました。こちらはだいたい外観のフォルムを見られるようになっています。ですが、転輪は地形の凹凸に合わせて動きある状態にセットされています。サスアームおよび駆動スイングアームをダボに固定しないで、地形に応じてストローク出来るようにしてあります。

 

 再びインテリア表示側から見ました。このアングルですと、砲塔が前左の天板辺りに被弾して大きくひしゃげた瞬間、にも見えます。大きく波打つ砲塔外板のめくれあがりのなかで、平然と構えて何事もなかったかのように座姿勢を保ったままのミカの姿が笑いを誘います。
 このミカ以下3人のフィギュアは、ファッションが地味なのと、砲塔内部などの陰部分に入り込んだ位置にあるため、劇中よりは服装カラーを明るめにすべく、塗装時の彩度を上げてあるそうです。

 

 ベース部分の工作も細かいこだわりが感じられます。鉄道模型用の芝生シート、タミヤの石畳シートを使用し、L字形ブラ材で地形を構成し、芝生の履帯痕、路傍縁石のコンクリ欠けも再現しています。石畳の損壊部分は、目地単位で穴を切り抜き、ブラ角棒片で破砕石を作って、履帯がめり込んだ瞬間を可視化しています。

 

 ミッコが操縦しています。フィギュア自体も操縦シーンに合わせて両腕をレバー持ちに改造、各所の関節を使途やペダルに合わせて調整しています。

 操縦席周りの作りこみも砲塔内部と同水準の工作手順によっています。誘導輪のショックアブソーバはブラ棒で、床の弾薬ケース、砲弾ラック、左右計器類はブラ板で、弾薬ケースは5ミリプラパイプ、開閉ラッチや固定バンドなどはエッチングパーツで仕上げています。操縦装置の大半、レバーやペダル、スターター類はAFVクラブのT34/76のパーツを転用していますが、リンケージは真鍮線で補完してあります。
 ハンドルはティーガーⅠのパーツを使用し、ジャンクパーツで折り畳み機構も再現してあります。ちゃんと外してハンドル部を開閉出来るのは劇中車のままです。
 ただ、劇中車においてはハンドルを脇に置いたままであるのに対して、Nさんはハンドル収納ホルダーもエッチングパーツで再現しています。無いものまで作って劇中車以上のものを作る、というNさん独自の製作哲学がここでも炸裂しています。

 

 再び砲塔内部です。元キットパーツには無い砲基部、俯仰ギア、ハンドル、レバー、リンケージ等が追加されているほか、砲塔旋回機構とその旋回ハンドルも再現されています。多くはAFVクラブのT34/76のパーツを転用しているのでしょう。
 砲弾は、サイズ差を気にせずにRBモデルの105ミリカノン砲の真鍮砲弾と薬莢のセットを流用したそうですが、なんの違和感もなく綺麗におさまっています。

 なお、ミカのフィギュアは無改造ですが、アキは元々片膝を曲げた姿勢であったのを仁王立ちに改造しています。

 

 再び、エンジンフード部分。

 

 背面の車外装備品類はキットのパーツですが、取り付け金具はエッチングパーツに置き換えてあります。排気管も交換されているように思えましたが、確認するのを忘れました。

 

 塗装は、これまたNさんの独自の解釈を反映して単色グレーでまとめられています。劇中車のマダラ模様は掴みどころがなく、陰影と区別がつかなくなるのでアカン、なのだそうです。
 ただ、場所に応じてグレーの濃淡の塗り分けは施してあり、パネル境界を濃く、平面中央を白くボカしています。スミ入れやドライブラシも定番です。

 デカールは、フィギュアセット付属の品を使用しています。モデルカステンの品はデカールの白色部分がグレーなので使い物にならないからだそうです。 

 

 製作には6週間をかけたそうです。既に私の製作を含めてネット上では6件の先行作品が存在するため、おそらく最後発になると意識したうえで、諸先行作例よりも「激しく作り込む」ことを念頭において取り組んだそうです。

 てすが、「激しく作り込む」どころではなく、劇中車に無い要素も各所に盛り込まれて、岡本太郎ばりに「爆発」してしまっています。その作業の熱っぽいスタンスは、「わだはゴッホになる」の棟方志功を、はるかに超えてしまっています。織田信長のように、「我は神である」と言い切る領域に足を踏み入れつつあるのでしょうか・・・、Nさん。  (続く)

 


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2 コメント

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いやいや、 (梅原屋のN)
2019-09-20 01:34:36
もちろんそんな大仰なスタンスじゃなく、ただ自分が納得できる範囲で作ってるだけですよ。出戻り前はカーモデルばかり作っていたせいか、ガワだけの戦車プラモは作り応えがないというか、どうせならモチーフの仕組みを攻略する達成感を味わいたいので、自ずとフルインテリアに手を出しがちになり、観せ方の一つとしてフィギュアを絡ませたり、動きをつけたりしているわけです。今回のBT42でやり尽くした感があり、違った方向のスキルアップも兼ねてカーモデル作りに奔り、それもひと段落ついたので、次は肩慣らしにノイバウにでも取り掛かろうと思います。
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ノイバウ (ホシノ)
2019-09-20 15:51:14
今回のBT42はとにかく素晴らしかったですね。可能な作業は全て織り込んでいますね。まさにやり尽くした感がありましたね。
あれ以上の作り込みが出来ないとなれば、方向性を変えて新たな視角からのコンセプトで攻めてゆくことになるでしょうが、ノイバウは良い題材ではないでしょうか。
インテリアキットが無く、他からの転用もきかないと思いますので、中を見せるならば完全にスクラッチになるでしょうね。
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