田中総司議員への弔辞

　鹿児島から早朝に出発。明日の最終本会議に向けて幹事長会、議会運営委員会の報告。田中総司議員の死去に伴う弔辞を読み上げる予定です。

　役所に向かう途中、同僚議員とバッタリ。葬儀の弔辞に田中議員の人柄が偲ばれたと語ってくれました。役所では議長や事務局からも「よろしくお願いします」の挨拶。

　鹿児島に帰っているときもどんな話がいいのか、これまでの付き合いを振り返っていました。ただ自民や維新の対しては元気なのですが、弔辞となると涙もろくなり、どうもいきません。

　他の用事もしながらの推敲は翌日の３時半までかかりました。

田中総司議員への弔辞

　総ちゃん、あなたと中村信彦議員、そして私は社会党の若手三人組として長く活動、気心のしれた仲でした。

　今年の市議選で中村議員が勇退し、あなたと私が当選。選挙直後から中村議員のご苦労さん会と二人の当選祝いを一緒にやろうと持ち掛け、日程を調整していました。
ところが、いつもはすぐに返事のあるあなたからの返事がなかなか帰ってきません。

　何回か掛けるうちに、「調子が悪くて」の言葉。そうだったのかと私は自分の不明を恥じました。選挙も戦えるまでに、体調が回復していたと思い込んでいたのです。
　その時「山ちゃん、健康診断してるか。がん検診のある人間ドックで、ちゃんと受けとった方がええで」とアドバイスしてくれました。

　今月の４日に妹さんから電話が欲しいとのメールが入り、お兄ちゃん、もう長くないかもしれない、お兄ちゃん、「山ちゃん、来とったんかな」って言うてた。いろいろあったけど、会いたんやと思う　と。

　見舞いに行ったら「山ちゃん、来てくれてありがとう。いろいろお世話になったな」とあなたはいい、私は「お互いな。総ちゃんのおかげで、ノンちゃんとも結婚できたし、ありがとう」と返しました。
　あなたはなんども「やらなあかんことあるんやけど」と気にしていました。病床にあっても、生真面目すぎる、いつもの総ちゃんでした。

　8日の委員会が終わって直後の悲報でした。大阪市内での集会挨拶があり、遅くなってご自宅にうかがいましたが、病気に苦しんだかけらもなく、穏やかで満足感すら感じる表情になっていました。
　
　あなたに初めて出会ったのは１９７１年、府会議員の大友康亘さんの事務所。あなたは選挙バイトの学生グループで、鹿児島から出てきた私は一定の距離感を感じたものです。
先に社会党や社青同・日本社会主義青年同盟に入った私が、あなたに誘いの電話をかけると、あなたが出ることはほとんどなく、代わりに出てきたのが妹さん。その妹さんが、やがて私と結婚することになり、あなたは義理の兄となりました。

　あなたは二人の妹さんを見守るやさしいお兄さんでした。またご両親の期待に応えて北野高、大阪大と進んだ勤勉と博識の人でもありました。
その責任感からか、何事に対しても、慎重でした。比べて私は末っ子で、家族から離れての一人ぐらし、何も気にしなくていい気楽さがありました。

　この違いが微妙に影響したのが、１９８０年４月の市長選と同時に闘われた市会議員補欠選挙でした。社会党で予定していた方が党公認では戦いたくないと辞退、党公認で闘える候補として上がったのがあなたと私でした。
　執行委員会が開かれ、沈黙ののちに出るといった私に、あなたは異議を唱えることなく了承し、選挙も気持ちよく戦ってくれました。その後の経過から、もし逆だったらと、あなたに申し訳ない気持ちを持ち続けたものです。あなたにとっても「もし、あの時」と思い返す一コマだったのかもしれません。

　当時の社会党は井上衆議院議員、大友府議会議員が安定した力を持ち、重冨市政の与党として順調な歩みを続けていた時代でした。

その恵まれた社会党の中で、あなたと私は市議選ではライバルになるものの、社会党の同志として、また年間を通じた大友さんのイベントでは共に汗を流す仲間として同じ時を過ごしたのです。

　その状況が一変したのが１９９２年の茨木市長選挙。大友府議が5選目を目指す重冨市政への批判を強め、自ら出馬への意欲を示すようになります。
市長選を間近に控えた正月早々、大友府議から市議団に集まってほしいとの声がかかり、立候補の決意が語られました。

　あなたを含む4人の議員はこれまで同様、重冨体制維持を主張し、立候補に反対。
私は反対の気持ちは同じでも、社会党の顔だった大友さんが立候補となれば、ほっとくわけにはいかないと主張。5人の議員の心情に大きな開きはなくても選択肢は二つに一つ。苦渋の判断を迫られ、あなたは重冨市政を継承する山本助役を、私は停滞から飛躍を訴える大友さんを応援することになりました。

　この夜の会議から、茨木社会党は分裂の方向に動き、議員団も分かれていきます。
その後、政治改革の激動の中で、全国の社会党は三つに分かれてしまい、あなたと同じ政党で活動することはありませんでした。

　しかし政党は違ってもあなたの社会党時代からの平和人権への思いは強く、議会や市民運動で行動を共にすることが幾度もあり、嬉しかったものです。

　中でも戦争法、共謀罪への反対行動では社会党時代の関係が完全に復活し、お互いがお互いを頼りにして総がかり行動にも取り組むようになりました。

　今、安倍政権のもとで憲法が改悪されようとし、平和と暮らしが危機に瀕している中、身体が思うに任せなかったあなたの歯がゆさは、いかほどばかりだったことか。その無念を思います。

　総ちゃん、あなたと一緒に街頭に立つことはできなくなりました。しかし、あなたの思いを受け止めて頑張る市民はいっぱいいます。その仲間とともに私も頑張りたいと思います。
総ちゃん、安らかにお休みください。さようなら。そしてありがとう。

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HK & Les Saltimbanks "On l�・che rien" (Japanese subtitles)あきらめないぞ！ （いつの世もあきらめたらおしまい。自民党安倍政権が政治の私物化をもくろみ、国民だれでも逮捕自由自在の「なんでも秘密」法（特定秘密保護法は自由民主党が自由と民主の真逆であるのと一緒で、特定ではなく官僚が秘密と言ったら秘密になる）に反対し続けます。この歌に勇気をもらって頑張ります。）
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